物事に対する根本的な見方として、楽観的であるという教えです。
いつも悲観的になって、だめかもしれないという気持ちではなく、前向きに物事をとらえているということです。
決して将来に対して甘い見通しをもっているというわけではなく、努力を重ねていればそのうち風向きがよくなることを信じているわけです。
「やまない雨はない」、「必ず夜明けはやってくる」という気持ちでいれば、今は厳しい状況にあってもそのうち花開く日を待ち続けることができます。
楽観的であれば厳しい状況にあっても慌てることなく、落ち着いて行動することが可能です。
また、一度や二度の挫折に負けることなく、たとえ失敗したとしても何度でも立ち上がることができます。
何度も厳しい状況を耐え抜いてきた人は、ユーモアの精神も持ち合わせているようです。
一緒に仕事をしていて楽しい人であれば、つらいことも乗り越えられるでしょう。
つらい状況であればあるほどユーモアの精神は生きるものと思われます。
ユーモアのセンスは心のゆとりであるともいえます。
同じ場面に遭遇したときにそれを悲観的にとらえるか、ユーモアに変えられるかという違いでずいぶんと感じ方は変わるものです。
同じ仕事をしていても、いつも不平不満を口にし、悲観的な考えをもつような人とは一緒にいたくなくなるのではないでしょうか。
「結果がすべてである」ことは間違いないことですが、結果のみにとらわれて努力の過程で楽しさをまったく感じられなければ長続きしません。
基本的に「何とかなる」という思いで将来をとらえ、今やるべきことを誠実に取り組んでいれば、いつかチャンスは巡ってくると考えています。
そのために常に最大限の努力を継続していく必要があります。
気持ちを前向きに、いつも健康で頑張り続けることです。
中国には古来より伝えられている「陰陽の思想」があります。
世の中をすべて陽と陰の移り変わりでとらえる考え方で、四季や時間、医療まですべての事象を説明します。
人生も同様でいつまでも陽の時はないように、いつまでも陰の時はありません。
仏陀は、すべての物事は常に変化しているという真理を「諸行無常」と説きました。
「人間万事塞翁が馬」という格言もあります。
これから先のことはどうなるか予測がつかない以上、与えられている環境の中で全力を尽くすのみです。
「楽観的である」ことは気持ちを楽にさせてくれる教えなのです。
竹村知洋