ほめることに「こつ」があったように叱り方の「こつ」も教わりました。
その出来事だけについて、端的に叱ることです。
そして叱った後はフォローをすることです。
いけない叱り方は、その出来事以外にもああいうことがあった、こういうこともあったなど過去のことを掘り返すことです。
また、以前にも注意したのにとか、長い期間にわたっていつまでも叱ったことを引きずることも「男」らしくありません。
一度叱ったら、もうそれで終わりにすべきです。
何か問題があってもたいていのことは大した問題ではありません。
一度叱れば済む話です。
そして、叱った後のフォローが大切です。
そのフォローは叱った本人がしなくても、第三者でもよいと思います。
なぜ叱られたかという理由をはっきりとさせなくてはなりません。
近年、理由をきちんと説明しなければ、なぜ叱られているのか理解できない生徒が多いです。
私たちの時代には当然であったことが、今は説明をしなければ伝わらなくなっています。
昔は悪いことをする場合でも、それが悪いことだという認識があってしていたので叱れば済む話でしたが、今は自分のしていることが悪いことであるということから説明しなければなりません。
叱ることで一番多いのは、他人に迷惑をかけた場合です。
自分のしている行動がなぜ他人にとって迷惑なのかを説明しなくてはならない時代です。
「個」が重視されてきたため、「集団」の意識が明らかに低下しているようです。
叱り方はどのようなものでもよいと思いますが、当然のことながら昔と今では大きな違いがあります。
説明するのに時間はかかりますが、根気よく繰り返し説明しなければなりません。
近年、問題のあるような悪いことをする生徒は大幅に減少していますが、他人の気持ちを理解することが苦手な生徒が多いようです。
青少年期が延長しており、大人の仲間入りをするのは徐々に伸びてきています。
叱り方は時代の流れとともに変化していますが、端的に叱り、フォローするということをこれからも根気よく続けていきます。
竹村知洋