この教えは生徒にも指導者にもあてはまります。
クラブ活動を熱心に行っていると休みが少なくなります。
日常的にも朝練習で朝食も別々であったり、午後練習後には疲労して寝るだけというような毎日になりがちです。
中学生ぐらいになると夏休みや冬休みなど長期的な休みにも合宿などがあり、家族と過ごす時間はかなり少なくなるのではないでしょうか。
それは指導者にとっても同じことです。
自分の子供よりもクラブの生徒と過ごす時間の方が圧倒的に多くなります。
家族と出かけることはもちろん、外食をするということすらなくなっていく可能性もあります。
クラブ活動に熱心なことは素晴らしいことですが、それを原因として家族という最も大切なことを見失ってはならないということです。
豊山水泳部は泳力や目標に応じてチームを細分化していますが、特に全国大会などでの活躍を目指すことを目標としていない生徒に関しては、家族旅行など家族と過ごす時間を理由にクラブ活動を休むことを認めています。
全国大会での活躍を目指す選手に関しても、特に寮生活を送っている生徒はオフシーズンなどで帰省できるときは極力帰省するようにしています。
家族というのは自分を支えている最も大切な生活の場所であって、それを犠牲にしてよいということはありません。
自分が競泳を軸にした仕事ができていることも家族のおかげです。
それは選手にとっても同じことです。
家族の理解、協力なくしては有意義なクラブ活動を継続することはできません。
家族から大切にされているからこそ、今の自分があるわけです。
休みは少なくてもできるだけ家族との時間を有意義に過ごす努力が必要です。
家族の大切さは時間がたつほど身に沁みるものだと思います。
孔子の説いた「仁」という心は、家族に対する自然な愛情を広めようという教えです。
親孝行という言葉も最近はあまり聞かれなくなりました。
再度、家族と自分のかかわり方を見つめなおすことが必要かもしれません。
竹村知洋