練習前の準備体操をしっかり行うことです。
水泳の練習をしっかり行うのは当然のことですが、その前の準備運動にも同様に力を入れて行わなければなりません。
準備運動は指導者の目が行き届かないことがあります。
そのようなときにこそ、手を抜かずにしっかりとできる選手が強い選手といえます。
別の言い方をすると、準備運動を見るだけでもその選手の水泳に対する気持ちがわかるのです。
体操もまともにできない選手は伸びません。
このことは体操だけではなく、生活全般にも同じことがいえます。
食生活や休息のとり方、遊び方に至るまで水泳の練習以外のことで、競泳選手としての自覚が問われているわけです。
本当に強くなりたいと考えている選手であれば、指導者がいるか否かに関わらず、競泳選手しての自覚の下で生活するはずです。
それがない場合、いくら水泳の練習だけ頑張っていても、やはり頭打ちになります。
特に高校生や大学生の場合には自我が発達する分、自覚を強くもつことが重要になります。
私が常日頃から選手に伝えていることは、本当に強くなりたいという気持ちがないのであれば、競泳選手はやめたほうがよいということです。
体操もできないようであれば、競泳にかけている時間や労力は無駄になるだけです。
体操の仕方は時代とともに変化しています。
一昔前は準備運動の後にストレッチを入念に行っていましたが、現在は腹筋や腕立て伏せ、スタビライゼーションなどの補強になっています。
どのような方法であれ、その重要性は変わりません。
練習の最後に行うDOWNにも同じことが言えます。
ハードな練習の後で気持ちの抜けやすい練習ではありますが、DOWNは翌日に疲労を残さないための大切な練習の一つです。
やはりDOWNができない選手の成長も期待できません。
ハードな水泳の練習が重要であることは当然ですが、その前に行う準備や最後に行う練習も気を抜かずに行える選手が強い選手の条件であるといえます。
竹村知洋