KICKの強化は競泳選手にとって不可欠です。
前半にスピードを上げるうえでも、後半に強さを発揮するためにもKICKの力は生かされます。
KICKの強い選手は筋力的に優れていることはもちろんですが、足首が柔らかいことがあげられます。
足首が柔らかければ、最後まで水を後方へ押し出すことができるからです。
そのため水泳選手にとって足首の柔らかさは強い武器となります。
1時間の朝練習ではすべてをKICK練習にあてることも多いです。
短いサイクルの練習では、100mを4本で1:10のサイクルで行うことができればKICKの強い選手といえます。
今までの豊山水泳部の選手でもこの練習ができたのはわずか数名です。
また、50m・100m・200mのタイムトライアルも行います。
たいてい背泳ぎの選手が最も速い記録になりますが、100mで59秒台の記録を出すことができれば強いです。
KICKのベストタイムを知っておくことで練習の目安にもなります。
レースの最後でもKICKを強くいれることを強調しています。
レースの最後で疲労が蓄積してきたときにKICKの力が強ければ何とか身体を浮かせることができるからです。
KICKのフォームも重要です。
バタフライであれば、ただ両足をそろえて動かしている選手が多いのですが、力の入れ方を変えることで進み方は改善します。
腰から指先に向かって力を伝えていくイメージを持つことが重要であると考えています。
そのためまず腰に力をいれることから教えます。
また、膝を意識的に曲げないことで抵抗を受けることなく、スムーズな動きになります。
KICKのフォームが改善することで、SWIMのフォームも全体的に改善しやすくなります。
下半身の重要性はあらゆるスポーツに共通していることではないかと感じています。
下半身の推進力が安定することで、上半身の動きに集中しやすくなり、よりよいパフォーマンスにつなげることができます。
下半身の筋肉は大きいので疲労が蓄積しやすく苦手な選手も多いのですが、それを我慢して強化する必要性があります。
競泳選手にとってKICKの強さは大変重要です。
竹村知洋