ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』
これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

二つのタイプと仕事

2020年11月13日 | 示されたこと

二つのタイプ

 同じことを続けることに耐えられない人と、同じことでないと心が落ち着かない人といる。


 分かりやすい例で言えば、毎日同じ道を通ることで、安心を覚える人と、それでは飽き足らず、時間があれば知らない横道に入って、その先を確かめずにはいられない人とだ。(そんな人はたとえ行き止まりでも、行ってみたい)



 私は典型的な後者。生来の新し物好きで、飽きっぽい性格は自分でもよくわかる。こういうタイプは常に新しいことや、分からないことがあったらどうしても気になってしまう性分でもある。

 飽きっぽいことで痛切に感じさせられたことがあった。学生時代、今は無くなっている日産の座間工場でバイトしたことがあった。その広大な工場は、当時の人気車種サニーを作っていて、私は運転席のサイド、ドアとの境にある下トレー設置を担当させられた。(写真は似たような組み立ての一例)



 ラインは最初ゆっくりでも、徐々にスピードが上がる。間に合わなければ紐を引っ張ってラインを止めるしかないのだが、それは何キロも?(それほど長かった)あろうかというラインに連なる人々全員を休ませることになる。速さに追い込まれ、何も考えずにただただコマネズミみたいに目先のものを追いかけてまったく同じ作業を繰り返す。まさに自分が機械の一部と化した感じである。人を人としてみなしていない、何と非人間的な仕事だろうか。


職種について

 数日経つと、私はこの仕事が自分に向かないだけでなく、将来にも絶対避けなければいけない職種であることを悟った。同じ事に耐えられず、拒否感でアップアップになるのだ。とにもかくにも二ヶ月間、組み立てラインの仕事が続けられたのは、あとに述べる目的があったからだった(※ライン作業にも今は人の代わりにロボットが多用されていて、かなり変わっているようです。下の写真はホンダのセル採算方式で、私の毛嫌いするライン組み立てではありません)




 二ヶ月間、最後まで続けられたのは、車の免許証取得に必要な資金づくりと、お昼代付きのバイトという期間限定工であったことだろう。また、一週間昼働けば、翌週は夜中の一週間働くことにも、体のリズムが馴れることはなかった。私の親族の叔父たちはマツダ勤めが多かった。逆に言えば、マツダで勤め上げた私の叔父たちは、尊敬に値する人たちだということがわかった。


 最終的に私は教職に就いたが、相手は人間なので百人いても同じ子は一人もいない上、どんどん日々成長していく相手でもあり、毎日がど変化の仕事だった。だから私にはすごく向いていた。




 今は牧師をしているが、牧師の仕事にもっとも近いこの世の職業は教職だったことを痛切に感じる。すべての歩みに何一つ無駄がなく、ただ神に感謝している。



       ケパ






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