今朝目覚めて、みなさんも驚かれたと思うが、東京は雪景色だった(写真は自宅前)。2月29日というのは閏年だから、4年に1度しかない日の珍しい降雪となる。例年なら実質的には3月1日の名残(なごり)雪と言っていい。外に出てみると、やはり水分の多い、すぐ溶けそうな重い雪だった。
スキー場も近かった田舎育ちなので、雪には馴れていても東京では久しぶりだ。マイカーは一応スタッドレスをはかせているものの、4駆ではないので出勤は電車でする。田舎では電車など公共交通機関が発達していないので、車で否が応でも出発するしかない。この選択が多くあるという点は、渋滞で悩まされはしても、都会の便利さを実感する。
ところで都会で働いている人で、定年後は自然の豊かな故郷に帰って余生を送りたいという人が多い。私はその逆で、定年より少し前だったが、地方から逆に都会に出て来た。好きで来たのではない。神から牧師に召され、「東京で」と示されて来た。ところが少し前、田舎に住むドルカスの兄がわたしにこんなことを言った。
「おい、こっち(信州)に帰って来て、落ち着かんか。」
ありがたいお誘いである。嫌な奴と思われていたら、決してこんなことは言われない。そしてもともと田舎者の故、自然豊かな信州は魅力ある誘いである。しかし、今は神に実を捧げ、託された使命がある身なのでお断りするしかない。義兄に分かりやすいように、こんな風に答えた。
「ありがとうございます。でも私(ペテロ=ケパ)は聖書では人を捕る漁師としてキリストに召されました。同じ漁をするなら、たくさん魚が群れている漁場を選びますよね。ここも良い所ですが、東京は世界一ビッグな漁場なんです。」
通じたか通じなかったか、お義兄さんは少しあいまいな笑顔で返した。
そうだ、私の使命は漁師だった。本業に精進せねば・・・・いや、神様に熱心に祈り求めよう。自分はいったい何をしに出てきたのか。ハッと気づかせてくれてお義兄さんでした。