信州で晩秋、毎年見る風景があります。それは庭に木に残されて収穫されない柿です。実は
信州の私の住んでいた地域は殆どが渋柿です。まれに甘い柿の木であっても、寒さが厳しいのでほとんど甘柿でも渋が残ってしまうのです。ですから近辺の柿は加工しないとすぐには食べれない。
アルコールで渋抜きしたり、または収穫してから涼しいところに並べてそのまま熟成するのを待ち、ちょうど今頃が食べ頃になって、こたつにもぐりながら冷たいシャーベットのような甘い柿を食べます。
また柿の皮をむき,へたをひもで結びのれんのようにして、天日干しします。すると寒風にさらされ、やがて表面が白く甘い粉で覆われて、それは美味しいデザートとなるのです。南信州の飯田地方の「市田柿」は有名です。結構お値段もよろしく、姿形も美しいです。
そのような柿なのですが、なかなか子どもの頃からおやつのひとつであると、その価値が解らず、「なんだあ。また柿?」と思ってしまうのです。リンゴや冬みかんに完全に追いやられていました。
またそうして食べる柿の量は、木にたわわに実る柿のホンのわずかな量でしかない。
農家が高齢化するに伴って、庭の柿はいつの間になおざりにされて来たのです。また一度強く霜が降りると柿はだめになってしまいます。
雪がふり、辺り一面白くなると、残った柿が目立ち、鳥たちの美味しいえさとなります。その年によって違いますが、珍しい渡り鳥が来たこともあります。しかし、だいたいは椋鳥、尾長、ヒヨドリなど、いつもよく見る鳥たちのえさ場となります。
そのような冬景色を見慣れている私にとって、都会に来て4回目の冬景色にとても気になるのが、なんと庭や公園などに植えられている柑橘系のみかんの木などが、たわわに実をつけている冬の景色。いつ収穫するのかと、とても気になり、つい落ちてこないかなあと、木の下で立ち止まったりするのです。
たぶん大きさから見て「夏みかん」 子どもの頃遠足に持って行ったあのすっぱい夏みかんでしょう。最近はおいしくて甘いみかんが多く出回っているので、あの酸っぱい夏みかんは食べないのかな、収穫しないのかな。と、信州の柿事情と同じなのかしら・・・と思ったりしているのです。 どなたか、ご存知でしょうか?
しかし神様はなんて美味しい果物を私たちに用意してくださったのでしょうね。とくに、 私は
が大好きなのですが
・・・・(ドルカス)