不等式について考えるシリーズです。
【第1章】
(1)不等号
2つの数a,bを比較すると、
a>b, a=b, a<b
のいずれかが成り立つ。
<,>は開いている方が大きい。
3<5, -2>-4
a>bまたはa=bを表すとき、a≧b
a<bまたはa=bを表すとき、a≦b
x≧aを、xは「a以上」
x≦aを、xは「a以下」という。
以上と以下は境の数を含む。
x<aを、xは「a未満」といい、境の数は含まない。
(2)不等号の性質
a<b ⇒ a+c<b+c
a<b ⇒ a-c<b-c
c>0のとき
a<b ⇒ ac<bc, a/c<b/c
c<0のとき
a<b ⇒ ac>bc, a/c>b/c
同じ数を足しても引いても不等号の向きは変わらない。
正の数を掛けても割っても変わらない。
負の数を掛けたり割ったりすると、不等号の向きは変わる。
(注意)文字を掛けたり割ったりするときは、その文字の正負を意識する。
2<3だが、2a<3aとは限らない。
不等号を挟んで辺を移すことを、「移項」という。
a-c<b
a-c+c<b+c …(※)
a<b+c
(※)の式を省略すると、左辺にある-cが不等号を挟んで右辺に移ると、+cになっているように見える。不等号を挟んで移すと符号が変わる。
a+c>b
a>b-c
移項では、不等号の向きは変わらない。