【第5章】
(8)最大公約数と最小公倍数の性質と活用
A,Bの最大公約数をGとする。
A=Ga, B=Gbと表すことができる。
このとき、最小公倍数Lは、L=Gab
また、a,bの最大公約数は1
①約分
B/A=(Gb)/(Ga)=b/a
②通分
C/A+D/B=C/(Ga)+D/(Gb)
=(Cb)/(Gab)+(Da)/(Gab)
積ABでも通分できるが、最小公倍数Gabの方が分母が小さくなる。(G>1のとき)
例)
①18/12=(6×3)/(6×2)=3/2
②1/12+1/18=1/(6×2)+1/(6×3)
=3/(6×2×3)+2/(6×3×2)
=3/36+2/36=5/36
(9)互いに素
2つの数a,bに対し、a,bの最大公約数が1であるとき、a,bは「互いに素」であるという。
a,bが互いに素であるとき、
a+bとabは互いに素
nとn+1は互いに素である。
(∵)最大公約数をGとする。
n=Ga, n+1=Gbとする。
Ga+1=Gb
G(b-a)=1
G, b-aは整数だから、G=1
よって、n, n+1は互いに素
a,bが互いに素とする。
ax=by ならば、
xはbの倍数かつyはaの倍数
(∵)aの素因数分解を考える。
a=(p[1]^a[1])×…(p[n]^a[n])とする。
p[1],…,p[n]は素数
素因数分解の一意性より、
byは(p[1]^a[1])×…(p[n]^a[n])を因数に持つ
a,bは互いに素だから、
どのp[i]^a[i]もyの因数である。
よって、
y=(p[1]^a[1])×…(p[n]^a[n])k=ak
yはaの倍数
ax=by=b(ak)→x=bk
xはbの倍数
(例)3x=5yとする。
3,5は互いに素だから、xは5の倍数
x=5tとする。
15t=5y→y=3t
よって、(x,y)=(5t,3t)