@012【イブと大晦日】
言葉は生き物である。
クリスマスイブの「イブ」は何だろう?と思い調べてみると、面白いことに出くわした。ヨーロッパの昔、教会の暦では日没から翌日の日没までを1日と考えていたのである。だから、クリスマス12月25日を今の日付の感覚で言えば、12月24日の日没から25日の日没までということになる。「イブ」は「イブニング(evening=晩:日没から就寝まで)」と同義なので、12月24日の晩がクリスマスのイブニング、すなわち「クリスマスイブ」というものだった。しかしさらに調べてみると、「イブ」に「(祝祭日の)前日」の意味があるので、クリスマスの前日の12月24日が「クリスマスイブ」というものだった。
12月31日は「大晦日」だ。日本で明治5年まで使っていた暦は、月の満ち欠けを基準に1ヶ月を考え、季節のずれを極力避けるために閏月を入れる太陰太陽暦である。月の満ち欠けは約29.5日の周期なので、1ヶ月を29日か30日としていた。「晦日(みそか)」は、「三十日」の古い表現である。(ついたち、ふつか、よっか、……、とうか、はつか など)そこから、月の末日は「晦日」といい、1年の最後の月の晦日を「大晦日」というようになった。現在では、1年の最後の日(12月31日)を「大晦日」と使われている。
「クリスマスイブ」も「大晦日」も時代とともに使われ方が変化してきた。
(2017/12/27)
ユダヤ教は太陰暦を利用している。月の満ち欠けを基に作られている暦だ。日没を1日の初めにした理由である。
(2018/2/5 補足)