「私的、クレジットカード、電子マネー、ポイントの使い分け」で、紛失・盗難時のリスクに触れましたが誤解を招く表現もあり、もう少し丁寧に、調べてここにまとめてみます。
1. 被害
1.1 クレジットカード
店頭では、通常、パスワードの入力を求められますので、不正利用を防ぐことができるのですが、クレジットカード読み取りの機械には、パスワード入力を省略する機能がついています。
パスワードを忘れたお客さんの救済措置で、その場合は、署名で確認します。
ただ省略している店舗もありますので、パスワードがあっても、不正利用される恐れはあります。
(いくら以下の場合、パスワード、署名を省略とかありますね)
また、パスワードを忘れたという前に、カード裏に署名がなければ、取得者が自分で書いてしまい、それと同じ署名をレシートに記入すれば、買い物できてしまいます。
何かの支払い請求の場合、利用者名義とカードの名義が異なると使えないので、大丈夫ですが、ネットショップでは、入手したカードと同じ名前でアカウントを作れば注文できてしまいます。
ただ、〇〇方△△宛、としたところで、配達住所から犯罪がばれるので可能性は低いかと、
また、電子書籍、音楽などは、発覚時にアカウント停止で読めなくなりますので、
あえて、チャレンジする可能性は低く、
不正利用するなら、パスワード入力を省略している店舗(省略される金額単位)、あるいはパスワードを忘れたといい、署名で買い物に使われてしまうことが被害の実態ではないでしょうか。
そして、被害額としては、契約している限度額(20万円くらいから)
また、パスワードが分かってしまうと、買い物だけでなく、キャッシングにも使われてします。
財布ごと落として、中にパスワードがわかるヒントがあったりすると
ATMで、キャッシングを試され、見事、パスワードが合ってしまったら最悪です。
1.2 電子マネー
プリペイドカードの場合、まず、チャージされている金額を使われてしまいます。(2万円とか5万円とかの上限設定)(いくら入っているかは、対応自販機にかざせばわかりますし)
交通系の場合も、チャージされている金額が被害上限と考えがちですが、オートチャージの設定されている場合、あえて、改札を通れば、都度、チャージされますので、既存チャージ分に加えて、一日の上限(Suicaの20,000円、Pasmoの10,000円)を使われる可能性があります。
何日も停止しないと、登録されているクレジットカードの限度額まで使われてしまうこともあり得ますね
ポストペイドのカードの場合、クレジットカードと同様の後払いながら、パスワードはないので、一体型のクレジットカードの限度額(20万円くらいから)つかわれてしまいます。
モバイルの場合、交通系として登録しているものは、指紋認証、顔認証もなく使えるので、プリペイドのカードと同じ事態になります。
Apple Payなど認証が必要なものは、大丈夫でしょう。
1.3 ポイント
ポイントカードの場合は、貯まっている分が使われてしまいます。
クレジットカードと一体型の場合でも、クレジットカードはパスワードで守られたとしても、ポイントだけ使われてしまうことはできます。
モバイルアプリは、パスコードがばれなければ被害はないでしょう。
まさか、パスコードを設定していなかったり、簡単に推測、または試してみようという番号にしていたら、ポイントに限らずお終いです。(映画「スマホを落としただけなのに」のような展開が待っているかも
2. 防止策
言わずもがな、なくさないように気をつけるのが第一。
なくすリスクを下げるため、カードは、必要以上に持ち歩かない(今時、カードをたくさん見せびらかしても何のステータスにもならない。リスクが増すだけ)
クレジットカード、ポイントのパスワードしかり、スマホのパスコードしかり、簡単に推測出来たり、簡単に試してヒットするようなものにはしない。
クレジットカードの裏は必ず署名。
補償されない被害を最小にするには、プリペイドは必要以上にチャージしない。
間接的ですが、クレジットカード、ポイントカードから、それらのサービスにログインされ被害にあうことも考えられますので、各社が推奨している二段階認証は設定しておきたいですね。(ただ、スマホをなくした場合、迂闊に二段階認証でログインすると、認証コードがスマホに表示されるおそれがあるので、余計なことはしないことですね)
3. 対処と補償
3.1 クレジットカード
紛失したら、速やかにサポートセンターに連絡し、カードを使えなくします。
カード会社によって異なるようですが、不正利用から60日間の被害は補償されるようです。
(一か月分の明細をみて、不正な利用を見つけて、申告する猶予としてはそのくらいは必要でしょう)
ただ、補償されるには条件があり、カードの裏に署名がかかれていなかった場合、正しいパスワードが入力されていた場合、補償されないようです。
(キャッシングは、パスワード必須なので、補償されない)
電子マネーのように、チャージされた分を使われてしまうよりは、不正利用のハードルが高いクレジットカードですが、少なくとも、署名の記名、パスワードの管理をしっかりしていないと、被害が大きく、補償もされない事態となります。
3.2 電子マネー
プリペイドカードの場合、同様に、速やかにサポートセンターに連絡し、カードを使えなくします。
その時点のチャージ額は補償されますが、すでに使用されていた場合、それは補償されません。
手数料はかかりますが、補償された分がチャージされたカードを再発行できます。
交通系の場合、定期も継続利用できます。
なお、これは記名式のもので、無記名のものは補償されません。
それと、楽天Edyは補償しないようです。
ポストペイドカードの場合、クレジットカードの高い限度額まで使われてしまう可能性を書きましたが、クレジットカード同様に、紛失を届け出てから、60日間遡って、補償されるので、タイムリーに申告すれば、全額補償されることになります。
(無くしたことを気づかずにいたら、最悪ですが)
余談ですが、利用者にとっては、もっとも安心で、犯罪者にとっては、もっとも悪用しやすいのがポストペイドカードの電子マネーですね。
(だから、ポストペイドはApple Payに積極的なのかな。Walletに登録して、カードは持ち歩かなくていいと利用者側のメリットを言っていますが、本音は、カードを持ち歩かれると、不正利用と補償のリスク、すなわちカード会社の損害が高いから)
モバイルの場合、交通系は、サポートセンターに連絡して止めることで、カードタイプと同じ補償を受けられますが、その前に、遠隔ロックで、Apple Pay、おサイフケータイを使えないようにすると、使われてしまう額を小さくできるかもしれません。
その後、サポートセンターに紛失の届け出をして、再発行してもらうのが適当と考えます。
3.3 ポイントカード
プリペイドカードと同様です。厳密には、プリペイドは金額はカード内に保管され、ポイントは、カードに入っている訳ではなく、オンラインで保管されているのですが、どちらもカードの利用を止めることで、それ以上引き出されることを防ぎ、別のカードを再発行して、チャージ金額、ポイントを継続利用することになります。
いずれにしても、様々なサービス、データが複雑に絡み合った世界ですので、ポイントカードと高を括らず、個人情報の流出口とならぬよう、紛失したと思ったら、速やかに連絡すべきですね。
以上、クレジットカード、電子マネー、ポイントの紛失、盗難時のリスクと補償についてまとめてみました。
ではでは。
現在までの変遷
「料理と散歩と仕事で海外」として、タイトルの通り、趣味の料理と散歩、そして出張する海外の情報を掲載していましたが、ハノイ赴任となり「ベトナム生活あらかると」でベトナム生活、近隣の国への旅行模様などを掲載するようになり、一時、仕事が忙しく更新が滞りましたが、2017年末に帰任し、2019年から改めて「池上優游涵泳」として、知識探求、スローライフを紹介しています。