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あいば くりす |

【本が消える町@Chris's monologue】←昨日の記事





C「や、わたしもどちらかといえば紙の



クマル「たしかにスマホいじってるやつらのほうが多いけど、だからって、そんなヒトたちがスマホで読書するとは思えない」
C「つまりそれって、


チャ「もうぼくポケモンやってないよ

C「そいつは、ポケモンの巣に群がる老人たちを見て、むなしくなったからだろ?」
クマル「あれ、こえーよな。どんだけ孤独よ? っていいたくなる」
C「その事実からもいえないか? 家で読書してるよりも、外でポケモン捕獲してたほうが楽しいってことだろう」
チャ「だから、この町に限らず、本屋がどんどん潰れてなくなってるんですね?

クマル「十条の古本屋も3軒潰れたな

C「あと本はかさ張るからなぁ。よっぽど広い家にでも住んでない限り、本を置けるスペースって限りがあるし

チャ「ぼく、マンガは繰り返し読むよ

クマル「古い作家の本なんて、収集家でもない限り邪魔なだけだよな。夏目漱石なんて繰り返し読むやつは、いま皆無でしょ」
C「DVDと同じで持ってるってことに異議があるんじゃないか? だってただ読むだけなら、無料のKindle本たくさん出てんだろ」
クマル「にしてもスペースには限界あるよな」
チャ「文字通りの積読もあるしね

クマル「で、限界越えたあたりで精査しだすんだよな。これ、本当に必要か? とっといてのちに読むのか? ってな。で、こんなのもう読まないだろうって恋愛本なんかが古本屋行きになるんだけど、その古本屋自体が窮地だし、そんなもん欲しがる読者もマニア以外いないしな。で、どうなるかっていうと、町から本屋が消え、本も処分できなくなり、捨てる以外に部屋が片付かない。で、町から本が消えてなくなるってことになる」
C「歴史的にひも解くと、むかしはいまほどヒトが忙しくなかった。つまり読書をする時間があったってことだよな。ひとびとは物語を必要とし、物語のなかに自由を求めた。やがてビジュアライズできるようになり、読むことから見ることにシフトした。むかし貸し本屋ってあったの知ってるか? いまでいうレンタルビデオだな。ヒトは物語を必要としてた時期は、町に何軒もあった。けど、そのビデオ屋も、どんどん廃業に追い込まれた。じゃあいまはなにがある? そいつは一台のスマートホン。物語から動画から調べたいことすべてがそいつでひとつで可能ときている。本がなくなって、あたりまえなのかもな

チャ「ぼくは少年マンガの紙の匂いが好き

C「最近読んでるか? スマホでゲームしてるほうが多くないか?」
クマル「むかしパパやママに、本を読まないとバカになるっていわれた」
C「そいつは一理ある。けど、いまは本を読まなくなったから、言葉の推考がなくなった。文章はダラダラ書きなぐった日記みたいなものばかりで、ブログの文章なんてひとつも面白いものがない(わたしたちがいえたことではないが

クマル「逆をいえば、装飾された文章だとか比喩や隠喩や暗喩ってのは、そいつらにとってウザいだけなのかもな」
C「考えに考え抜いて、この表現しかないって文書を、いまは誰も必要としない。斜め読みできる情報の垂れ流しばかりが求められる現代に本はいらない。そいつは朝夕の通勤

チャ「じゃあ本はもうなくなってしまうんですか?

C「なくなりはしない。けれど、接し方は変わらざるを得ないだろうな。だって映画だってそうだろう? むかしは映画館で観ていたものをビデオで観るようになり、DVDで観るようになった。そしていまはネット配信で、いつでもどこでもというお手軽さになった。映画館は潰れ、レンタルビデオ店も潰れ、けど、映画自体はなくならないだろう? ただ接し方が変わっただけ」
クマル「この世界から物語が消えることはないし、物語を求める人間がいなくなるわけでもない。ただ接し方が変わると、そういうことなんだな?」
C「そうわたしは信じたい」
つづく



