SpiMelo! -Mie Ogura-Ourkouzounov

L’artiste d’origine Japonaise qui mélange tout sans apriori

普段着コンサートvol.4 キース・ジャレット/ハーモニーの秘密concert from my class room vol.4 « Intro » Keith Jarrett

2021-02-11 21:15:00 | Essay-コラム
The concert from my class room vol.4
This is a short Jarrett’s solo improvisation name’s « Intro », transcribe by Mie Ogura


これがなんの曲か分かった人は、かなりのジャレット通?!


Still liveというキース・ジャレットのスタンダーズトリオの初期にミュンヘンでのライヴを録音したもので、音質といい構成といい、もう私の理想郷と言ってもいいほど好きなアルバムの中の、ソロの即興演奏だ。


学生のころジャズの先生の一人が聴かせてくれて、それは翌日買いに走ったほど鮮烈な音だった。今の今まで、「この音質が一番好き」といえるお手本のCDの一つである。


いっぱい好きなところはあるんだけど、この2枚目のディスクのyou and night and the musicsomeday my prince will comeの間にextension と呼ばれる長い三人でのインプロがあって、これが雨が七変化の表情を見せながら通り過ぎていくように美しくドラマティックなのだけど、そのあと雨上がりのように立ち上がるこの上なく美しい、キースのソロピアノのintroと呼ばれる短いインプロがあり、それは文字通りmy Prince..の導入部となる即興なのだけど、それが余りにもセンセティブで感動的過ぎて、スタンダードのテーマが始まると逆にがっかりしてしまうほど。


その音たちには、春を待ち望む二月の雪の下に隠れた蕗の薹の芽のような、憧憬がある。


今回の「普段着コンサート4」は、その「イントロ」をキースがやっているとおりのヴォイシングを出来る限り忠実に音取りして、そのメロディーをアルトフルートでなぞったもの。間違いも多分あると思う。何度聴いても違うように聴こえる内声もあるし、彼の即興の場合内声がバッハみたいに34声になっていて、少しでも違うと内声同士が繋がらないから同じでありながら違った曲みたいになっちゃうし、実際にピアノで弾こうとしたら、特に盛り上がるヘミオレの辺りが複雑でめちゃ難しい。もちろんそれは私の拙いピアノテクニックのせいだけど、彼がピアノのクリシェ(弾きやすいように楽器に添って弾くこと)を全くやってなくて、限りなく聴こえたものをそのまま表現してるので、難しい、というのも多分あると思う、、、


このようによーく耳を澄ませて音取りしていると、キースジャレットとはつくづくハーモニーの神様だと思う。


その彼もついにピアノを弾けなくなってしまった。


しかし、こうして彼の音楽は耳から耳へ、手から手へ、遺伝子から遺伝子へと刻まれていく。


話は飛ぶが先日、数週間ぶりにいきなり音楽院夜間営業特別許可が降りて(理由は不明)、即興アトリエの二つが久々に開講したのだけど、同僚の先生、ジャズサックスのアルノーが「この属七の和音のところは7度をこのように使うとどのような響きになり云々、、、」と例によってペラペラ喋っていると、生徒たちがポッカーン!と口を開けて、まーったく意味不明なり、という顔をしているのがとても気になった。


その後アルノーに「ああやってあなた和声のこといっぱい喋ってもね、ザルに水注いでるのと同じよ。生徒たち属七がどっち向いてるのかも分かってないんだよ?そんなことソルフェージュの授業に行ったって誰も教えてないんだよ。これでいいと思うの?!」なんていう話になった。


音楽院に何年もいて、なんで和声の基本的機能の一つも分からないのか、興味さえ持てないのか。


私はそれはやはり教えている側に問題があると思う。


音楽のこんな美しい響きの秘密に興味を抱かせないで、日々せっせと音符を機械みたいに読ませる教育なんて、絶対間違ってる。


ジャレットを聴きながら、景色を見たら、どんな景色だってマジックに見えるんだぞ?!


ということで、映像の景色は録音した日に見た、丁度日の出の時刻のトラムウェイからみた景色を遅回ししたものです。


薄く雪化粧した2月のパリ外縁の風景を、音楽と共に、お楽しみください。



うーっ寒っ!


話、長っ!()


PS。本日から受付にコロナ陽性者が出たということで、またいきなり音楽院が閉校してしまいました。

そのまま冬のヴァカンスに突入しますので、パリ19区音楽院クラスルームからの普段着コンサートは、暫くお休みになります。

ヴァカンス明けの3月に、本当の春が来るように祈っています!


国際化からの逆行

2021-02-06 11:10:00 | Essay-コラム

こう言うことが起きたときに、ことの重大さに対して、声を上げる人が少ない印象がある。


ネット上のニュースのコメントなどの匿名欄には大変納得できる、自分の言葉で語った意見が大多数でさすが、日本人の意見はすごいと感心するし、世論調査では五輪開催反対が80%近く、東京都に苦情の電話をわざわざかけている人達などもいるのに、自分の名前としてきちんと賛成反対を発信している人は意外と少ないのではないか。


そんな中できちんとyoutubeを使って意見表明をし、論理的に理由を説明した上で聖火ランナーを辞退したロンブーの淳さんは素晴らしい。


日本は、自分の名前ではっきり自分の意思を誰もが発信できるようにならない限り、やはり根本的には変わらないと思う。


だからあえて私ミエ・ウルクズノフ個人は、この場を使って、今夏の東京五輪開催反対、並びに森会長辞任要求を表明したい。


理由は、このような侮蔑的な考え方をし、かつ公共の場でそれを言っても許されると思っている森会長、及びその人物をそのポストに持ち上げた周囲の人たち(委員会で女性蔑視発言を聞いて笑う、又は何も反対意見を述べずに黙っていた人たち)が実行するものへ加担することは、この発想、発言を少しなりとも容認することになるから。


それではイジメを目の前に見て、なんの助けもしないで見過ごすの似ている。


その前に、安倍前首相による「福島はアンダーコントロールであり東京から200キロも離れている」という福島で起ったことをまるで人ごとのように説明したプレゼンテーション自体に私は反対だったが、そのような嘘を見抜けず東京に誘致したIOC自体に、私はすでにその時点で反対である。


第三に、コロナがどうであれ開催する、という言い方は第二次大戦中の神風特攻隊の考え方を彷彿とさせ、国民の命を守るより国の名誉や目的が大事という、昔の致命的な精神論によって、またしても日本国民が被害を被り、しかも世界に被害が及ぶ。


歴史的な失敗から何も学んでいない。


どれだけの利権がどこに絡んでいるのかは報道されないので私には知る由もないが、スポーツ選手たちの生涯の夢がかかっているのは痛いほど承知で申し訳なく思う気持ちはあっても、この三つの理由だけで今回東京での開催に反対するには十分と思う。


もしこの五輪の実行委員会全員があらゆる差別に対抗した開かれた精神で、東北の復興に心から寄り添い貢献するもので、かつコロナウィルスに対する何重にも理論的で徹底的な対策があって(タレントは田んぼを走れとかそういう出まかせでなく具体的な)、例え無観客であっても日本の真の国際化に貢献するものであれば、私は反対など絶対にしない。


私の大切な祖国、日本という国が、こういう膿みが出たことを幸いな契機だと思い、コメント欄などではなく、早く誰もが自分の名前できちんと発信出来き、透明性を持って国際交流の出来る、多様性のある開いた精神の国になっていったらいいと思う。


民意が80%反対しているものがもし本当に開催されれば、それは独裁国家ではないだろうか?


一人一人が意見表明することでしかもう、こういう古い体質を祭り上げるような独裁体質を変え、真の国際化することは出来ないのではないか。


これから森会長を例え辞任に追い込んだとしても、まさか名誉会長なんていう名前で祭り上げ続けるなんていうことはどうか避けて欲しい。


スポーツ選手をやってきてメダルを取るという偉業を果たした方たちも、このような発言をする者を辞任させず放置することで、自らへの恩恵との引き換えに自らの偉業を台無しにしないで欲しい。


私は自分の国、日本が国際的で、新しい価値観と多様性を持ち、世界に誇れる国になるためなら、どのような協力も惜しみたくないと思う。


自分は音楽家で、音楽以外では貢献出来ないかも知れない。それでも私は自分の名前で自分の意見を言う。女性であろうと、海外在住であろうと、無名の何の影響力もない一名であろうと、話が長かろうと。


だからあえて、私はもうすでに差別に対し手を挙げた方たちがやっていらっしゃることを見習って、手を挙げますね。


はい、長く喋りましたよ😉

未来の美しく国際的な日本に、乾杯🍻


#DontBeSilent

#GenderEquality

#Moriresign

#男女平等