チックコリアのニュースレターで、チックが生きていた時の言葉が送られて来るのですが、これは素晴らしかった。(英文の下に翻訳あり。)
"One way to learn is you become open with your attitude and being able to duplicate the beingness of another person.
"So there's [Thelonious] Monk, and it's not only the notes that he wrote down, or the sound that he makes on the piano. It's how he looks and how he moves and how he is as a being, you know.
"And so if you are able to embrace that and pick up traits... to the conclusion that you can create anything that you want to create, that's where you get artists creating very new things you've never seen before."
- Chick Corea, JAZZIZ Interview, June 20, 2020
「学ぶための方法のひとつは、自分の態度にオープンになり、他の人の存在を自分の内に複製できるようになること。
例えばセロニアス・モンク。彼が書き留めた音符や彼がピアノで弾いている音、それだけを学んでも意味がない。それらが抱擁するもの、彼がどのようにものごとを見て、どのように動き、彼の存在が何であるか、それを理解することが大事なんだ。
そして、もしあなたがそれを受け入れてその存在の特徴を拾い上げることができたならば...あなたが作りたいものは何でも創造することができる。それは、あなただけでは創り得なかった未知の新しい世界へと、あなたを導くんだ。」
注:日本語訳は私が理解したことを個人的に付け加えてあります。
これは、まさにチック・コリアの創造の真髄で、私自身が彼から一番学んだこと。
私の経験では、多くの人は「マネ」は「自己表現を阻害するもの」と考えていて、それはチックの言うところの「表面に現れている音」しか見て(聴いて)いないからじゃないかと思う。
それって「見た目とはその人を表している」が、同時に「見た目で人を判断するな」という二律背反とよく似てる。
自己を透明にすることで出来る、他の存在の深い意味での「内部複製」こそ、真のtransmission であり、表面的なマネや単なる自己主張とは違う、本来の創造だと思う。
1、だからまずは自己が何であるか理解するのが第一で、
2、そのあとその自己の殻を捨てて自己をオープンにして他者の存在を学び、
3、自分と他者の境界がなくなったところにこそ真の新しい世界が開ける
これこそ私が即興アトリエをはじめとする全ての過程で教えたいことだし、同時に自分自身が辿り着きたい場所だと思う。
チック・コリアはそれを自分の芸術を通して、伝えたんだね。偉大すぎる。
だから私は彼の音楽を初めて演奏したとき、その音によって創造へと背中を押された。
セロニアス・モンクと同じく、彼の音に彼の存在があるからだね。
だから私は、どんなに上手く弾いてようと、どんなに上手く書かれてあろうと、存在のない音には全然興味がないの。
あーしかしまだまだ辿り着きそうにないわー😅
私イラついてばっかりだもの。
まあなかなか辿り着けないからこそ、年をとるのは楽しい。