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議論の跡が見える判決にしてほしい

2007年01月25日 22時14分42秒 | 法関係
――滝井繁男元最高裁判事

via ボツネタ (毎度利用させて頂いてます、スミマセン)

朝日新聞にインタビュー記事が出ていたそうです。取ってないので読んでませんが、ボツネタさんの記事で何となく伝わってきましたです。
「全員一致が多すぎる」というのは、裁判官故の実感なのでしょうね。ことなかれ主義?なのか、形式主義?なのか、私のような素人には分りかねますが、消極的な判断しか出さない面があるのかな、と。社会に与える影響、制度や法に与える影響、そういうのが大きいので、裁判所が何かの方向性?を判示するべきだ、ということかな、と思いました。難しい法学理論とか、法的考え方とか、そういうのは判りませんが、実感としては何となく判るような気がします。判決の出し方によって、世間の評価や議論は変わることがあるし、現行法体系では厳密に阻止できないものでも、実質的に阻止効力を発揮する、というような面なんかがあるからだろうと思うからです。行政裁判とか、社会に与える影響の大きい裁判などが、そういうことがあるかな、と思います。

「議論の跡」というのは難しい部分があると思いますが、「否定した、採用されなかった」意見や解釈とかを必ず載せて、「何故否定されたか、何故採用されなかったか」という理由を判示するとか、そういうのは可能ではないかな、と思いました。通常、「これこれこうなので、~~だ(が正しい)」みたいな判決になってるように思いますが、そこに至る過程を載せるということで、裁判官(たち)の判断に至った道筋が読み取れる、ということなのかな、と思いました。

たとえをあまり思いつかないですが、「XがAをしたので、Bに至った。なので、Xには相当の責任がある」という時、別な見解として「本当は、Bに至ったのはCという状況があったからではないか」というような疑義(相手側主張とかに関係なく)を生ずる可能性というのはあるのですよね。そのような場合、裁判官同士で協議したり検討したりすることもあるでしょうから、それを判決に盛り込む、というようなことでしょうか。これに類することというのは、割と有り得そうにも思えます。判りきった裁判であれば、最高裁までもつれることも滅多にないんでしょうし。「これこれこうで、~と解するのが妥当(合理的?)である。××という解釈はホニャホニャなので採用できなかった。それが該当するのは、何とかナントカの要件を満たすことが必要である」みたいな感じとか?ですかね。

何が言いたいのか伝わっていないかもしれません。ゴメンなさい。私自身が法律とか裁判なんかをよく知らないし、判決文の書き方とかも判らないので。ただ、紛争当事者たちにとっては裁判の勝敗が重要なので、通常は何故勝訴であったか、というような理由に大事な意味があるのだと思います。しかし、それでは不十分なこともあると思うのですよ。例えば住民訴訟の手続き関係が「法的に有効なのかどうか」みたいなのが争われているとしても、紛争の本質はそこにはないわけですよね。以前あったように、被告を知事とするか、県警本部長とするか、みたいな形式論・手続論だけで退けられたら、裁判の意味なんて全然ないのが明白な場合だってあるのです。もしも、手続的に不備があって法的には有効とは認められない、というようなことがあるとしたら、では「住民訴訟を行うにあたり、これこれの手続を踏んでおくべきで、そうすれば(今回のような)無駄な裁判には至らなくなりますよ、というような部分にまで踏み込んで示しておいてくれ、とは思いますね。あと、法学・法曹関係者たちからの評価や検討の上でも、大事なのですよね、きっと。みんな判決文をよく読んで、今後の裁判に活かそうとするわけですし。なので、そういう他の法学専門家たちからの批判・検討に耐えうるような判決文を書いてくれ、ということなんでしょう。


ところで、滝井元判事はどこかでお名前を拝見したような…と思い返せば、グレーゾーン金利に関して”画期的な判決”を出されて、有名になられたのでしたよね。昨年毎日新聞にインタビューが掲載されていたとか。でも、ネット界隈では著名な官僚であるbewaad氏に、「法匪」とまで罵られ(こんな言葉があるのを初めて知った)、水戸黄門的世界観の自己満足でしかない、とか断じられてましたので、裁判官という職業も大変ですね。思わぬところから非難が投げつけられ(消費者金融業界には関係なさそうな、ということで)、同情してしまいます。先日の藤山裁判官(参考記事)も、ちょっと似た状況?であったかもしれませんね。



本当に若手??(笑)

2007年01月25日 20時42分56秒 | 経済関連
これまで何度かご紹介しました中西先生の記事で、「驚愕の事実」を発見(テレビの見出し風)。

J. Nakanisi Home Page


この中に、こんな記述が。

中西『パネラーは私と,私は最初に座長に選ばれまして,もう一人,副座長のような形で,京都大学の大学院の内山先生にお願いすることにいたしました。で,中西と内山先生とで,2人ずつのパネラーを選ぶということを取り決めました。私は,ジャーナリストで若い人,あるいは学生がいいというふうに考えまして,一人は山形浩生さんという新進気鋭の評論家の方をお願いいたしました。』


どうでしょう?

ジャーナリストで若い人…
(山形浩生さんという)”新進気鋭の”評論家の方……

新進気鋭の評論家…

新進気鋭の評…

新進気…

新…


こだまがコダマしている(笑)


うーむ、一応新進気鋭の若手ジャーナリストであったんですね。しかも評論家でしたか。翻訳家ではなくて。こりゃ、池田氏も迷うはずだな(笑)。



素晴らしき昆虫たち

2007年01月25日 15時24分34秒 | 俺のそれ
こんなよい教材があったなんて知らなかった。

アリとキリギリスの「景気のイイ話!?」――土居丈朗どい・たけろう -カルチャー:スマートウーマン

経済学の詳しい知識がなくても、生活の実例に沿って理解しやすいように書かれています。普通の人たちが読むということを想定して、あまり難解にならないように工夫されていますね。啓蒙とか、情報提供ということを考えると、素晴らしい内容ですよ、本当に。

(参考までに、土居先生の写真を初めて拝見いたしました(これは中身には関係ないので、別にいいんですけどね)。どうも著者写真に拘っているかのような印象を与えていますか?私の場合(笑)。)

このくらいの解説を基本にしてみた方がいいと思います>コメンテーターやメディア関係の方々


で、土居先生の別な記事も発見。選挙と景気の関係。
気になるでしょ?>与党の方々(笑)

コラム:Biz-Plus


「参院選」で見れば、「景気後退期」は結構あるね。でも、統一地方選で見れば、「拡張期」の方が随分と優勢なので、今年の選挙では前半までは何とか景気拡大が維持されているが、年央あたりから「踊り場」気味になり夏場にはやや停滞、という傾向かもしれないな…が、経済面でも政治面でも「大きな波乱要因はない」というのが順当なところなのではないか。


地方選前までに、旧式の「政治」スタイルというのを変えていくような議論を出して行くべきなのですよね。地方議会の「持ちつ持たれつ」みたいな規律のなさは、現実問題として深刻だ。地方分権を云々する以前の問題として、一蓮托生みたいな腐れ議員が多すぎるのですよ、多分。議会がまともに機能していない。下らん「政治ゲーム」参加者たちを排除していくような意識を住民に持たせないと、これまで彼らが築き上げてきた「分配システム」を破壊することは難しいだろう。

名古屋の談合疑惑に関して、公取委が動いている(応援しています)が、こうした公権力での摘発というのは必要だし効果もある程度期待できるが、本来的には住民たちができるだけ考えて理解するというのも大事だと思う。問題の根元の部分に迫るには、分配システムを構成してきたような連中を政治・行政から叩き出す、ということが必要なのだ。今なら、「夕張」の悲惨な例が全国に知られてきたということで、それを切実に感じられるんじゃないかな、と思う。どうか目覚めて欲しい。全ての選挙民の方々に。