『ザ・マジックアワー』

一言で言うと、「内輪向け作品」といった印象。
映画好きというか、特に業界のコアな人々向けにウケるように作られた作品なのかもな、と。

三流無名俳優が脚光を浴びるという形で笑いを誘うのであるが、これは言ってみればある種の象徴だろうと思う。核心部分は映画作りに関わるスタッフにスポットライトを当てたい、ということだろう。大物俳優だの監督だのといった人たちは、「こんなオモロイ人種だよね」ということでちょっと揶揄している感じで描かれていた。これと対比しているのが、主役にはなれない無名俳優。
無名なチョイ役の人だって懸命にやってるし、能力がないわけじゃないんだ、ということかな。

ああ、そうか、「映画が好きな人」というのはこんな人たち、みたいなことがベースにあるのかもしれない。
その一部には、映画作りには欠かせないけど光の当たらない部分の人々がいる、ということかな。

三谷さんには、友達が大勢いらして良かったですね、羨ましいですね、これって自慢ですか、みたいな気分にはなれるかも（笑）。
そこそこベタなギャグで笑える所はあるので、はじめて映画を観る人であってもそれなりに楽しめるだろう。割と平凡な三谷作品。