こ、これは…。
はてなブックマーク - 円高がいいねと君がいったから2009年は再びデフレ - kmoriのネタままプログラミング日記
(以下に一部引用)
そこで、1ドル=10円と、いきなり10倍もの超円高になったとしましょう。クルマ1台を輸出して輸入できる原油の量は10倍になりますか?いいえ、250バレルのまま変わりませんね。
それどころか、クルマ1台輸出しても円建てでは1/10の価格でしか売れないことになります。その価格でもやっていけるように下請けや従業員への給料を調節するとしたら、-90%のデフレという恐ろしい事態が起こることになるでしょう。
現実には-90%のデフレなんて無理ですから、おそらくクルマの外貨建て輸出価格をそれなりに上げる一方、部品代や給料をそれなりに下げて対処することになるでしょう。この場合は、確かに交易条件は改善することになります。つまりクルマ1台の外貨建て価格が上がって、1台の輸出でより多くの原油を輸入することができるようになります。
しかし、この交易条件の改善って何か変ですよね?自動車メーカーは海外の需要をみきわめて、ちょうどいいところに(外貨建て)価格を設定してクルマをつくっていたはずですね。そこで円高になるということは、いわば値札を政府日銀に勝手につけかえられたようなものです。
=====
デフレがよくない、ということは同意するものですが、意味不明な記述も多いようです。
どちらかといえば、単純な「円高=悪」信仰みたいなもんですかね?
日本の代表的企業は製造業でかつ輸出ウェイトの高い企業が多い、ということはあるでしょう。円高になればそうした輸出企業の業績が悪化する、ということはあるでしょう。それら企業の株価も下がりますね。トヨタがいい例でしょう。
GDPに対する影響という点でも、純輸出減少と民間投資(設備投資や研究開発投資など)の減少ということがあるし、税収の減少ということも起こってしまうかもしれません。なので、輸出企業はみんな低迷すると嬉しいね、なんていうことは誰も望んではいない。しかし、そこそこ経済成長率があって、インフレ率が低く、実質金利が他国よりも高い水準にあるということになれば、円を選好されてしまって通貨高が起こってしまうことは簡単には防げないのでは。その度に、輸出企業を救済する為に為替介入をせよ、とか言うのでしょうかね。現に、かつてのドル円が360円時代から見れば、今の方がはるかに豊かになっているわけで。
突然10倍の円高になったとして、価格を据え置いて-90%なんていう発想がそもそも有り得ると考えているんでしょうかね。モデル化された数式の中の世界ではあるかもしれないが、現実にはそんなことをする必要がない。非負制約は存在しているのだから、大幅な赤字になってまで売る必然性なんかないだろうに(笑)。輸出価格が現地通貨ベースで10倍にして超高級車みたいにするのが筋で、そうなれば全く売れなくなる可能性が高いでしょうね。つまりは全車を現地生産に切り替えるに決まっているでしょう。円が10倍も高いので現地への設備投資は大幅ディスカウントになりますからね。一応書いておくと、輸出する製品価格には為替要因がどの程度転嫁されるのかは、一概には言えないでしょうね。プライステイカーとしてだと、価格転嫁云々という話にはならないかもしれんしね。
因みに、輸入物価が上がっても製品価格に転嫁されることはこれまでは少なかったでしょうね。08年以降には価格に反映されてきたというのはありましたが、それでも値上がり分が製品価格に占めるウェイトの問題もあるし転嫁率の違いもあるので、全部が転嫁されてきたわけではないでしょう。輸出製品にだって非貿易財のウェイトもあるはずですしね。
まあ、突如として10倍の円高になってしまうなら、日本企業の多くは輸出なんかせずに、海外企業の買収を進めるでしょうね、多分。一般個人にしても、海外マンションなどを数百万で購入できたりするので、海外資産を購入する人たちが大勢出てくるのではないでしょうかね。こうして円が外貨に転換されていくので、「有利な円高」が是正されるまで円売りが続き、いずれ水準訂正が働くことになるでしょう。
あと、何を言ってるのかがわからないのがコレ。
「円高になるということは、いわば値札を政府日銀に勝手につけかえられたようなもの」
為替変動はどこでもある話で、管理通貨制でもやってる国ならば変動は小さく抑えられているかもしれませんが、為替変動は自由な経済活動の結果なのであり、為替介入の方がむしろ「政府日銀の介入」では。貿易依存度の高い輸出超過国が大規模な為替介入を行うということになれば、これは一種の保護貿易的な政策ということになってしまいかねないのでは。しかも輸出企業への所得移転が行われるというだけ。それに、製品価格を決めるのは自国通貨建てで行えばよいだけ。別に政府や日銀が勝手に値札の付け替えを行っているわけじゃない(笑)。
それとも完全固定相場制にするのが正しい、ってことを言いたいんですかね?
固定なら常に輸出価格は自国通貨でも海外通貨建てでも同じですから。勝手に値札を付け替えられずに済みますよ。
昔の、1ドル360円が良かったんだ、みたいな?
それなら確かに円安にはなるわな(笑)。
はてなブックマーク - 円高がいいねと君がいったから2009年は再びデフレ - kmoriのネタままプログラミング日記
(以下に一部引用)
そこで、1ドル=10円と、いきなり10倍もの超円高になったとしましょう。クルマ1台を輸出して輸入できる原油の量は10倍になりますか?いいえ、250バレルのまま変わりませんね。
それどころか、クルマ1台輸出しても円建てでは1/10の価格でしか売れないことになります。その価格でもやっていけるように下請けや従業員への給料を調節するとしたら、-90%のデフレという恐ろしい事態が起こることになるでしょう。
現実には-90%のデフレなんて無理ですから、おそらくクルマの外貨建て輸出価格をそれなりに上げる一方、部品代や給料をそれなりに下げて対処することになるでしょう。この場合は、確かに交易条件は改善することになります。つまりクルマ1台の外貨建て価格が上がって、1台の輸出でより多くの原油を輸入することができるようになります。
しかし、この交易条件の改善って何か変ですよね?自動車メーカーは海外の需要をみきわめて、ちょうどいいところに(外貨建て)価格を設定してクルマをつくっていたはずですね。そこで円高になるということは、いわば値札を政府日銀に勝手につけかえられたようなものです。
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デフレがよくない、ということは同意するものですが、意味不明な記述も多いようです。
どちらかといえば、単純な「円高=悪」信仰みたいなもんですかね?
日本の代表的企業は製造業でかつ輸出ウェイトの高い企業が多い、ということはあるでしょう。円高になればそうした輸出企業の業績が悪化する、ということはあるでしょう。それら企業の株価も下がりますね。トヨタがいい例でしょう。
GDPに対する影響という点でも、純輸出減少と民間投資(設備投資や研究開発投資など)の減少ということがあるし、税収の減少ということも起こってしまうかもしれません。なので、輸出企業はみんな低迷すると嬉しいね、なんていうことは誰も望んではいない。しかし、そこそこ経済成長率があって、インフレ率が低く、実質金利が他国よりも高い水準にあるということになれば、円を選好されてしまって通貨高が起こってしまうことは簡単には防げないのでは。その度に、輸出企業を救済する為に為替介入をせよ、とか言うのでしょうかね。現に、かつてのドル円が360円時代から見れば、今の方がはるかに豊かになっているわけで。
突然10倍の円高になったとして、価格を据え置いて-90%なんていう発想がそもそも有り得ると考えているんでしょうかね。モデル化された数式の中の世界ではあるかもしれないが、現実にはそんなことをする必要がない。非負制約は存在しているのだから、大幅な赤字になってまで売る必然性なんかないだろうに(笑)。輸出価格が現地通貨ベースで10倍にして超高級車みたいにするのが筋で、そうなれば全く売れなくなる可能性が高いでしょうね。つまりは全車を現地生産に切り替えるに決まっているでしょう。円が10倍も高いので現地への設備投資は大幅ディスカウントになりますからね。一応書いておくと、輸出する製品価格には為替要因がどの程度転嫁されるのかは、一概には言えないでしょうね。プライステイカーとしてだと、価格転嫁云々という話にはならないかもしれんしね。
因みに、輸入物価が上がっても製品価格に転嫁されることはこれまでは少なかったでしょうね。08年以降には価格に反映されてきたというのはありましたが、それでも値上がり分が製品価格に占めるウェイトの問題もあるし転嫁率の違いもあるので、全部が転嫁されてきたわけではないでしょう。輸出製品にだって非貿易財のウェイトもあるはずですしね。
まあ、突如として10倍の円高になってしまうなら、日本企業の多くは輸出なんかせずに、海外企業の買収を進めるでしょうね、多分。一般個人にしても、海外マンションなどを数百万で購入できたりするので、海外資産を購入する人たちが大勢出てくるのではないでしょうかね。こうして円が外貨に転換されていくので、「有利な円高」が是正されるまで円売りが続き、いずれ水準訂正が働くことになるでしょう。
あと、何を言ってるのかがわからないのがコレ。
「円高になるということは、いわば値札を政府日銀に勝手につけかえられたようなもの」
為替変動はどこでもある話で、管理通貨制でもやってる国ならば変動は小さく抑えられているかもしれませんが、為替変動は自由な経済活動の結果なのであり、為替介入の方がむしろ「政府日銀の介入」では。貿易依存度の高い輸出超過国が大規模な為替介入を行うということになれば、これは一種の保護貿易的な政策ということになってしまいかねないのでは。しかも輸出企業への所得移転が行われるというだけ。それに、製品価格を決めるのは自国通貨建てで行えばよいだけ。別に政府や日銀が勝手に値札の付け替えを行っているわけじゃない(笑)。
それとも完全固定相場制にするのが正しい、ってことを言いたいんですかね?
固定なら常に輸出価格は自国通貨でも海外通貨建てでも同じですから。勝手に値札を付け替えられずに済みますよ。
昔の、1ドル360円が良かったんだ、みたいな?
それなら確かに円安にはなるわな(笑)。