昔から有名な「典型的イギリス人」とは、ブルドッグを連れていること(何故半ズボンなのかは知らない、笑)がイメージとしてあるが、最もブルドッグが愛されてきた国であることは間違いない。ところが、である。
ブルドッグ、あの顔立ちが消える?=有力愛犬団体が繁殖基準改正-英(時事通信) - Yahooニュース
そりゃまあ、交配に問題があるとして、ブルドッグが大幅に変わってしまうのも、何となく残念だね。
英国人が犬好きだったのはどうしてなのか、というのはよく知らない。狩猟とかの影響かもしれないけれど、英国では昔から愛玩されてきた。品種改良の為の交配なんかも盛んに行われてきたはずだしね。
昨年にフェルメール展に行ってきた話をしましたが、あの時に絵を見て思ったのが、やはり「犬」がやたらと描かれていたことかな。ファブリティウスやデ・ホーホなどの絵には、教会とか市役所のような建物の絵が何枚もあったわけですが、建物の中なのに犬が数匹、普通にいるわけなんですよ。想像上で描かれた絵だということは判っていても、何故複数の人々以外に、毎回のように犬が描かれたのかは判りません。が、推測ではオランダで犬を飼うのが流行っていたから、ということではないかなと思っていたわけです。
当時、経済的に裕福だった国というのを考えると、オランダやイギリスは裕福な国でした。フランスもそれなりではありましたが、やはり資本主義の萌芽は両国に代表されるわけで、貿易の利益の多くが英蘭にもたらされていた、ということはあったものと思います。上のデルフトの画家たちは、まさにオランダが経済力を誇っていた時代である17世紀中頃~後半に描いていたということで、丁度日本の綱吉頃に当たるわけです。「生類憐みの令」が出されたのが1687年といわれますから、絵に描かれた時代と一致しているというわけなのです。
どうして綱吉が「お犬さま」とか揶揄されてまで、悪法の代名詞とされてしまった「生類憐みの令」を出したのか、というのは、正確な理由というものが定まってはいません。けれども、勝手な推測を書かせてもらうことにしますね。
元々英国で犬を買うのが流行っていて、それが大陸側の裕福な地域に広まっていったものではないのかな、と。大陸側(特に独仏あたりやスイスの一部など)には犬食の習慣があって、愛玩犬というような存在ではなかったのではないかと思います。けれども、オランダは英国との船便が頻繁に行き来していて、英国の犬ブームみたいなのが輸入されたというわけです。なので、同時代の絵には、やけに犬が描かれるのが好まれたのでは(その方が人気が出やすく、高く売れるチャンスが多かったから?)。デ・ホーホがそんなことを考えて描いていたかどうかは知りませんが、貴族や富豪を中心に犬を飼うブームがあったのではないかと思います。絵画の最も重要な顧客というのは、裕福な人々ですからね。
そうすると、オランダ船が日本に来ていたので、その「犬ブーム」の話を聞かされたのが、徳川家の偉い人たちだったのでは。当時の日本でも、武士はまず犬を食べる習慣はなかったかもしれませんが、その他の一般庶民は犬食の習慣が残っていたのではないかな、と。綱吉将軍は、オランダ船でやって来ていた海軍の軍人とか、ひょっとすると表向き内密な一部英国船(密輸船)とか、そういう筋からヨーロッパの「犬ブーム」の話とかを聞いたのではないでしょうか。しかも、「日本人は、まだ犬を食べてるらしい、ガハハハハ」とか言われ、非常に傷ついたのではないでしょうか。はっきり言えば「野蛮だ」とか何とかバカにされた、ということでは。なので、幕府の幹部級から「オランダなどの船乗りから、笑われてますぜ、いいんですかい、これでは劣等国の誹りを免れませんぜ」というような入れ知恵をされたりして、大きな問題に発展してしまったのではないだろうか、とか。なので、犬を殺して食べるのを禁止しよう、ということを思い立ったのかもしれません。当時の欧州先進国の情報を仕入れて、それに準拠しようとしましたが、時代にそぐわず、日本の内情や慣習とも合っていなかった為、散々バカにされることになってしまったのではないのかな、と。
あれです、喩えて言えば、急に「死刑制度は廃止ね」みたいに、将軍様の一存で決まってしまったようなものです。他の欧州先進国が廃止しているから、それと同じくしましょうね、と言っても、日本で必ずしもそれがすんなり受け入れられるとも限らないわけで。綱吉の本心とは、犬を一般庶民にも飼って欲しかったのでは。それが当時の「先進国の証」みたいに思われていたのでは。英蘭の貴族や富裕層が「犬を飼っている」という自慢話をされて、いてもたってもいられなかったのでは(笑)。まあ、綱吉自身、チャールズ2世の真似をしてみたようなもんです。
なので、綱吉が「生類憐みの令」を出した所以というのは、
イギリスで犬飼い流行→オランダに「犬ブーム」到来→日本にも「犬ブーム」の話が伝来→他国を羨んだ綱吉が発令
というようなことかな(笑)。
もしそうだったら、何となく面白い、というだけなのですがね。
ブルドッグ、あの顔立ちが消える?=有力愛犬団体が繁殖基準改正-英(時事通信) - Yahooニュース
そりゃまあ、交配に問題があるとして、ブルドッグが大幅に変わってしまうのも、何となく残念だね。
英国人が犬好きだったのはどうしてなのか、というのはよく知らない。狩猟とかの影響かもしれないけれど、英国では昔から愛玩されてきた。品種改良の為の交配なんかも盛んに行われてきたはずだしね。
昨年にフェルメール展に行ってきた話をしましたが、あの時に絵を見て思ったのが、やはり「犬」がやたらと描かれていたことかな。ファブリティウスやデ・ホーホなどの絵には、教会とか市役所のような建物の絵が何枚もあったわけですが、建物の中なのに犬が数匹、普通にいるわけなんですよ。想像上で描かれた絵だということは判っていても、何故複数の人々以外に、毎回のように犬が描かれたのかは判りません。が、推測ではオランダで犬を飼うのが流行っていたから、ということではないかなと思っていたわけです。
当時、経済的に裕福だった国というのを考えると、オランダやイギリスは裕福な国でした。フランスもそれなりではありましたが、やはり資本主義の萌芽は両国に代表されるわけで、貿易の利益の多くが英蘭にもたらされていた、ということはあったものと思います。上のデルフトの画家たちは、まさにオランダが経済力を誇っていた時代である17世紀中頃~後半に描いていたということで、丁度日本の綱吉頃に当たるわけです。「生類憐みの令」が出されたのが1687年といわれますから、絵に描かれた時代と一致しているというわけなのです。
どうして綱吉が「お犬さま」とか揶揄されてまで、悪法の代名詞とされてしまった「生類憐みの令」を出したのか、というのは、正確な理由というものが定まってはいません。けれども、勝手な推測を書かせてもらうことにしますね。
元々英国で犬を買うのが流行っていて、それが大陸側の裕福な地域に広まっていったものではないのかな、と。大陸側(特に独仏あたりやスイスの一部など)には犬食の習慣があって、愛玩犬というような存在ではなかったのではないかと思います。けれども、オランダは英国との船便が頻繁に行き来していて、英国の犬ブームみたいなのが輸入されたというわけです。なので、同時代の絵には、やけに犬が描かれるのが好まれたのでは(その方が人気が出やすく、高く売れるチャンスが多かったから?)。デ・ホーホがそんなことを考えて描いていたかどうかは知りませんが、貴族や富豪を中心に犬を飼うブームがあったのではないかと思います。絵画の最も重要な顧客というのは、裕福な人々ですからね。
そうすると、オランダ船が日本に来ていたので、その「犬ブーム」の話を聞かされたのが、徳川家の偉い人たちだったのでは。当時の日本でも、武士はまず犬を食べる習慣はなかったかもしれませんが、その他の一般庶民は犬食の習慣が残っていたのではないかな、と。綱吉将軍は、オランダ船でやって来ていた海軍の軍人とか、ひょっとすると表向き内密な一部英国船(密輸船)とか、そういう筋からヨーロッパの「犬ブーム」の話とかを聞いたのではないでしょうか。しかも、「日本人は、まだ犬を食べてるらしい、ガハハハハ」とか言われ、非常に傷ついたのではないでしょうか。はっきり言えば「野蛮だ」とか何とかバカにされた、ということでは。なので、幕府の幹部級から「オランダなどの船乗りから、笑われてますぜ、いいんですかい、これでは劣等国の誹りを免れませんぜ」というような入れ知恵をされたりして、大きな問題に発展してしまったのではないだろうか、とか。なので、犬を殺して食べるのを禁止しよう、ということを思い立ったのかもしれません。当時の欧州先進国の情報を仕入れて、それに準拠しようとしましたが、時代にそぐわず、日本の内情や慣習とも合っていなかった為、散々バカにされることになってしまったのではないのかな、と。
あれです、喩えて言えば、急に「死刑制度は廃止ね」みたいに、将軍様の一存で決まってしまったようなものです。他の欧州先進国が廃止しているから、それと同じくしましょうね、と言っても、日本で必ずしもそれがすんなり受け入れられるとも限らないわけで。綱吉の本心とは、犬を一般庶民にも飼って欲しかったのでは。それが当時の「先進国の証」みたいに思われていたのでは。英蘭の貴族や富裕層が「犬を飼っている」という自慢話をされて、いてもたってもいられなかったのでは(笑)。まあ、綱吉自身、チャールズ2世の真似をしてみたようなもんです。
なので、綱吉が「生類憐みの令」を出した所以というのは、
イギリスで犬飼い流行→オランダに「犬ブーム」到来→日本にも「犬ブーム」の話が伝来→他国を羨んだ綱吉が発令
というようなことかな(笑)。
もしそうだったら、何となく面白い、というだけなのですがね。