ここ1週間ばかり、オレ的WBC監督就任(笑)みたいになってしまい、よくある「俄サッカー評論家」とか「俄全日本監督」とかになってしまいました。なので、野球のことばかり気になって書いてしまったし、決勝が終了した後、ぐったりと疲れ、力が抜けたような感じがしました。今は、何といいますか、虚脱状態になっています(笑)。
日本の戦いを振り返ると、決勝への光明が見出せたのは、やはり、2次ラウンドで韓国との1戦に敗れた後の、準決勝進出を賭けたキューバとの試合だったろうと思います。
2度目の韓国戦では、日本の拙攻続きと、ダルビッシュが初回の韓国の攻撃にしてやられたのとがあって、あのような試合運びでは先が苦しい、という感じでした。次のキューバ戦で敗退すれば、準決勝には進めないという追い込まれた状況となってしまったわけです。韓国側はそういう試合日程をよく考えて、東京ラウンドで完封勝利した試合のように接戦で守って勝つことを目指していたのです。日本チームは、あの試合の時にはまだ、「後がない」という意識では韓国に対してはいなかったでしょう。韓国側が「必勝」を期して日本に当たってきたのに、日本側は「まだ後がある」としか思ってなかったでしょう。そりゃそうですよね。もし負けると、1試合多く消化しなければならないこと、キューバとの試合に必ず勝たねばならないこと、これらを考えれば、日本戦に全力を注いで、必勝を期すのがよい、と考えるのは当然です(恐らく日本は、そういう戦い方をしていたわけではなかった。だから、負けたんです)。
日本はキューバ戦には必ず勝たねばならない、という状況に追い込まれてしまったのです。
この試合で、先発岩隈が序盤をよく抑えて、攻撃陣に勇気をもたらしました。ヒットを単発で浴びたものの、後続をピシャリと断ち切り、3回まで無得点に抑えていました。日本は、ヒットらしい当たりは出ていませんでした(岩村のラッキー内野安打1本だけ)。相手はキューバですから、そりゃ不思議ではないですよね。でも4回表に青木がヒットで出ると、稲葉が完璧に捉えて2ベースで得点チャンスを作り、村田が倒れた後に小笠原の大飛球であの落球があり、先制しました。ですが、これは単なる棚ボタでしかありませんでした。この後に、追加点を中々奪えていなければ、後々かなり影響していたかもしれません。
しかし、日本の突破口というか、チームとしての形が見えたのが、5回の攻撃でした。イチローの心が折れそうになったという、あのシーンですよ。
岩村が「四球」で、ノーアウトで1塁に出ました。これが大事なんです。ヒットでも四球でも、同じなんですよ。で、イチローの送りバントが小フライになってしまい、危うくゲッツーを食らいそうになりましたが、助かりました。次の中島がファールで粘って「四球」をゲットし、ランナーを2塁に進めることに成功します。青木のセンター前で、微妙なタイミングながら岩村劇走で1点をもぎ取りました。この岩村の攻めの走塁が、とても大きな意味を持つプレーとなったのです。失敗したイチローだけじゃなく、チーム全員に勇気と攻める意識をもたらしたのです。
7回にも先頭の岩村が、再び「四球」で出ます。5回と同じようでした。岩村が1塁ランナーにいるので、ファーストは1塁ベースについてなければなりません。そうすると、当然ながら守備範囲が狭くなってしまうのです。これが好結果を生む要因の一つであったろうと思います。
打者イチローは、前の打席のバント失敗で失意のどん底にいました。この打席でも顔は険しく雲っていました。何かを迷い、苦悩しているというのが、ありありと判りました。不振とかいうレベルではなく、胸にガラスの破片が突き刺さっているようなものだったろうと思います。ヒットの出ない試合が続き、そして、この試合もそうでしたから。得意のバントすら、まともにできなくなってしまうほどでしたから。
けれど、さっきはみんなが1点取ってくれました。
だから、ダメなりに、調子悪いなりに、打つしかないんだな、と。
イチローがバットを振るのが先か、岩村のスタートが先なのか、よく判りませんでした。
でも、イチローのバットに叩きつけられた打球は、鈍くゴロンと弾んで(きっとドライブっぽい回転?がかかっていたのであろう)、ファーストの横に飛んで行きました。
岩村は恐ろしくいいスタートを切っており、1、2塁間を打球が転がっていくと、迷わず3塁へ向かっていました。さっきと同じ、攻めの走塁でした。打球の強さや守備位置などを適確に判断し、3塁に進んだのです。これこそが、日本のやるべき「こまかい野球」でした。僅か1本のヒットでチャンスを作り、(中島の)犠牲フライで追加点を取ったのでした。この形こそが、今の日本チームに一番求められていた形でした。岩村の2つの走塁が、局面を打開し、勝利への道を切り開いてゆくキッカケとなったのです。
5回の1点、7回の1点は、共に「ヒット1本」で得点したものです。1点を取る野球というのは、そういうことです。選手の能力や局面にもよりますけれども、ノーヒットでも1点取る野球を考えるというのは、必要なことです。他にも、
ノーアウトで四球→ランナー2盗→送りバントで1アウト3塁→内野ゴロ・犠牲フライで1点
というようなパターンです。
似たようなケースは決勝の7回でもありました。
ノーアウトで片岡出塁(ヒット)→2盗成功→イチロー送りバント→得点(ヒット)
こうした攻めの形ができてきて、1位決定戦の韓国戦や準決勝では、うまく機能したと思います。
決勝では、ちょっとちぐはぐさが出てしまいましたが、結果は勝利でしたので、よしとしましょう(笑)。
日本の戦いを振り返ると、決勝への光明が見出せたのは、やはり、2次ラウンドで韓国との1戦に敗れた後の、準決勝進出を賭けたキューバとの試合だったろうと思います。
2度目の韓国戦では、日本の拙攻続きと、ダルビッシュが初回の韓国の攻撃にしてやられたのとがあって、あのような試合運びでは先が苦しい、という感じでした。次のキューバ戦で敗退すれば、準決勝には進めないという追い込まれた状況となってしまったわけです。韓国側はそういう試合日程をよく考えて、東京ラウンドで完封勝利した試合のように接戦で守って勝つことを目指していたのです。日本チームは、あの試合の時にはまだ、「後がない」という意識では韓国に対してはいなかったでしょう。韓国側が「必勝」を期して日本に当たってきたのに、日本側は「まだ後がある」としか思ってなかったでしょう。そりゃそうですよね。もし負けると、1試合多く消化しなければならないこと、キューバとの試合に必ず勝たねばならないこと、これらを考えれば、日本戦に全力を注いで、必勝を期すのがよい、と考えるのは当然です(恐らく日本は、そういう戦い方をしていたわけではなかった。だから、負けたんです)。
日本はキューバ戦には必ず勝たねばならない、という状況に追い込まれてしまったのです。
この試合で、先発岩隈が序盤をよく抑えて、攻撃陣に勇気をもたらしました。ヒットを単発で浴びたものの、後続をピシャリと断ち切り、3回まで無得点に抑えていました。日本は、ヒットらしい当たりは出ていませんでした(岩村のラッキー内野安打1本だけ)。相手はキューバですから、そりゃ不思議ではないですよね。でも4回表に青木がヒットで出ると、稲葉が完璧に捉えて2ベースで得点チャンスを作り、村田が倒れた後に小笠原の大飛球であの落球があり、先制しました。ですが、これは単なる棚ボタでしかありませんでした。この後に、追加点を中々奪えていなければ、後々かなり影響していたかもしれません。
しかし、日本の突破口というか、チームとしての形が見えたのが、5回の攻撃でした。イチローの心が折れそうになったという、あのシーンですよ。
岩村が「四球」で、ノーアウトで1塁に出ました。これが大事なんです。ヒットでも四球でも、同じなんですよ。で、イチローの送りバントが小フライになってしまい、危うくゲッツーを食らいそうになりましたが、助かりました。次の中島がファールで粘って「四球」をゲットし、ランナーを2塁に進めることに成功します。青木のセンター前で、微妙なタイミングながら岩村劇走で1点をもぎ取りました。この岩村の攻めの走塁が、とても大きな意味を持つプレーとなったのです。失敗したイチローだけじゃなく、チーム全員に勇気と攻める意識をもたらしたのです。
7回にも先頭の岩村が、再び「四球」で出ます。5回と同じようでした。岩村が1塁ランナーにいるので、ファーストは1塁ベースについてなければなりません。そうすると、当然ながら守備範囲が狭くなってしまうのです。これが好結果を生む要因の一つであったろうと思います。
打者イチローは、前の打席のバント失敗で失意のどん底にいました。この打席でも顔は険しく雲っていました。何かを迷い、苦悩しているというのが、ありありと判りました。不振とかいうレベルではなく、胸にガラスの破片が突き刺さっているようなものだったろうと思います。ヒットの出ない試合が続き、そして、この試合もそうでしたから。得意のバントすら、まともにできなくなってしまうほどでしたから。
けれど、さっきはみんなが1点取ってくれました。
だから、ダメなりに、調子悪いなりに、打つしかないんだな、と。
イチローがバットを振るのが先か、岩村のスタートが先なのか、よく判りませんでした。
でも、イチローのバットに叩きつけられた打球は、鈍くゴロンと弾んで(きっとドライブっぽい回転?がかかっていたのであろう)、ファーストの横に飛んで行きました。
岩村は恐ろしくいいスタートを切っており、1、2塁間を打球が転がっていくと、迷わず3塁へ向かっていました。さっきと同じ、攻めの走塁でした。打球の強さや守備位置などを適確に判断し、3塁に進んだのです。これこそが、日本のやるべき「こまかい野球」でした。僅か1本のヒットでチャンスを作り、(中島の)犠牲フライで追加点を取ったのでした。この形こそが、今の日本チームに一番求められていた形でした。岩村の2つの走塁が、局面を打開し、勝利への道を切り開いてゆくキッカケとなったのです。
5回の1点、7回の1点は、共に「ヒット1本」で得点したものです。1点を取る野球というのは、そういうことです。選手の能力や局面にもよりますけれども、ノーヒットでも1点取る野球を考えるというのは、必要なことです。他にも、
ノーアウトで四球→ランナー2盗→送りバントで1アウト3塁→内野ゴロ・犠牲フライで1点
というようなパターンです。
似たようなケースは決勝の7回でもありました。
ノーアウトで片岡出塁(ヒット)→2盗成功→イチロー送りバント→得点(ヒット)
こうした攻めの形ができてきて、1位決定戦の韓国戦や準決勝では、うまく機能したと思います。
決勝では、ちょっとちぐはぐさが出てしまいましたが、結果は勝利でしたので、よしとしましょう(笑)。