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議論の仕方が異常な池田信夫

2010年10月25日 21時33分49秒 | 経済関連
はてブで偶然発見。

Togetter - 「経済学者が国政で自分の政策を実施してもらうためにスローガンを使用する是非について」


この中で、飯田氏に食ってかかる池田信夫の弁。

「いくらお金を刷ってもインフレが起きない」なんて誰もいってない。



いや、池田信夫は、はっきり「何も起こらない」と言っている。

例えば、こちら>財政再建の最短コース発見さる!


◎「事実上ゼロ金利になったあとは、通貨を増発しても何も起こらない」
◎「民主主義国ではハイパーインフレは起こらない」


いずれも、池田信夫本人の言った主張である。
「何も起こらない」と豪語しておるではないか(笑)。


他にも、ある。

インフレの二つのタイプ - 池田信夫 : アゴラ - ライブドアブログ

このコメントで、次のように書いている。


3. 池田信夫 2010年03月04日 09:32
ツッコミが入る前に補足すると、私がリンクを張った記事の式は、標準的なDSGEではなくMankiwの簡単モデルなので、インフレ予想がadaptive expectationになっています。これは実は、ハイパーインフレのモデルと同じです。インフレは好不況に関係なく、みんなが起こると思えば起こるのです。

これは一種の「相転移」なので、何も起こらない(0)かハイパーインフレになる(1)かの二つに一つで、中間はありません。亀井総裁が「インフレにするぞ」といっても、最初は何も起こらないが、本当に100兆円引き受けを始めたら、みんなあわてて売り始めるでしょう。逆にいうと、国民がパニックになるぐらい無責任にコミットしないと、デフレは止まらない。

つまりインフレのアクセルは2つあって、普通の買いオペはブレーキがきくのですが、ハイパーインフレにはブレーキがないのです。日銀が信用を失ったら、二度と取り戻すことはできない。民主党政権が倒れて、「新円」を発行しないとだめでしょう。




二つに一つ。だそうです。
つまり、池田式経済理論によれば、何も起こらない。
で、ずーっと何も起こらないのに、100兆円くらいやれば、いきなりハイパーインフレに見舞われるのだそうです。

じゃあ、何も起こらない段階でやめておいて、数年おきとかで、しばらくしてから、またやればいいんじゃね?
かなり得すると思うけど(笑)。


ま、どっちにしても「何も起こらない」と断言してますな。
日本は民主主義国なので、ハイパーインフレも起こらないから、どっちにしろ、安全ですな(爆)。



これが有名な、「池田式」出鱈目議論ですか。





補選敗北で演出する「小沢責任論」の怪

2010年10月25日 16時53分33秒 | 政治って?
<衆院北海道5区補選>自民圧勝 厳しさ増す政権運営 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

「注目の補選」などと大袈裟に報じられてはいたが、実際に国民の多くにとってはそんなに大事な選挙であったとは思えなかった。それが証拠に、極めて低い投票率であったからだ。

下馬評通りに町村氏が勝利したわけだが、この結果をもって今の政治に何らかの答えを示したものとは思われない。しかし、どういうわけか、このたった一つの補選結果をもって、何かを決定づけたい、という勢力がいるようである。

最も顕著な例が、小沢の「政治とカネ」問題が原因で敗北した、という、かなり強引な結びつけを行う意見だ。実際に、有権者の多くがそのような論点を最大の問題として取り上げ、その是非や評価を投票行動に反映させたという根拠でもあるのなら、そういう一面はあり得るのかもしれない。だが、本当にそうなのかという根拠については、報道だけからは特に見出すことはできなかった。


はっきり言えば、何でもかんでも「小沢問題、小沢の”政治とカネ”、”政治とカネ”に小沢がケジメをつけろ」というように、都合よく利用できる理由として用いているだけにしか見えないわけである。検察審査会の強制起訴だけでは、「決定的に追い込めなかった、むしろ、起訴相当議決に疑惑の目を向けられた」ということで失敗してしまったので、その代りに「じゃあ、国会の場で吊るし上げて小沢に集中砲火を浴びせる絵を全国に見せれば、今度こそ終わりにできるだろう」というような、期待と目論見があるように思える。

その為には、どうしても「選挙は小沢の”政治とカネ”問題で敗北した」という理由でなければならない、ということである。そのような意見に誘導したい、ということだろう。それこそが、再び小沢問題に焦点化でき、検察審査会の大失態をうやむやにできる方法であり、小沢の政治生命を絶つ方法だからだ。「一粒で何度でもおいしい」ものなのである。


では、今回の選挙結果から振り返ってみよう。

①「町村圧勝」?の補選結果

町村信孝 125636
民主候補 94135
共産候補 15583
その他  5022
合計   240376 (投票率53.48%)

この数字から、そんなに言うほど圧勝ということでもないように思えるが、得票率で見ると町村氏が52.2%獲得で、確かに単独過半数を取っているから、まあ圧勝と言えばそういう言い方は可能なのかもしれない。が、「半分を僅かに2.2%上回っただけに過ぎない」と聞かされた人は、「ああ、町村氏の圧勝だな」などと果たして言うものなのだろうか?(笑)


②町村氏有利の実績と知名度

政治家としての実績や知名度では、町村氏が断然有利に決まっている。片や、官房長官や外相などの要職歴任と、自民党内の町村派を率いるリーダーということなのだから、ぽっと出の新人候補とは、比べ物にもならない。更に、町村氏は83年からの連続当選(前回のみ比例復活という屈辱を味わったが)であり、当選回数と議員期間の長さで見たって、圧倒的大差である。

これで、新人にいきなり勝て、というのは、難しい、ということである。
それに加えて、前職の小林辞任騒動で民主候補擁立は手間取り、準備不足はいかんともしがたい。何か特別な追い風でもなければ、普通に勝とうというのは困難であろう。


③町村氏の地盤はそれなりに固い

09年に小林議員に負けるまで、8期連続で当選していたわけだから、かなりの地盤や組織を自前で持っているはずだ。選挙に負けたといっても、前回のたった1回のみであり、それだけで地盤の全てが崩れたり、失われたりしたわけではないだろう。実際、前回の敗北した選挙時でさえ、得票は15万票を超えていた。落選した前回の方が、今回の得票よりも多かった、ということである。


④勝因は何か?

簡単に言えば、「組織力の差、組織力の勝利」ということであろう。低投票率によって、元々ある地盤や知名度と実績が有利に働いた、ということだろう。相手は無名の新人で、準備期間もなかったし、民主の原動力となってきた「組織」(北教組や労組等)があまり機能しなかったから、ということであろう。
加えて、09年に共産候補を立てなかったことが影響していると考えられ、小林圧勝の一因に挙げられなくはないだろう。


⑤過去の選挙と数字を比較すると

     03年    05年    09年   10年
町村  129035   173947   151448   125636
小林  120192   124547   182952   94135
共産  25603    22521     -     15583
総票  274830   321015   339780   240376
投票率 64.06%   73.18%   76.32%   53.48%

・過去3回と比べて、投票率及び総票数は最小だった
・当選者の得票率は過去3回では、あまり大差がない
・09年の18万票超は共産候補がいなかったことの影響では


別に、「政治とカネ」という話題があったから、今回の町村氏の得票が伸びた、なんてことは窺われないわけだが。
例えば、05年時に郵政選挙で町村氏が勝った時と比べてみると、どうだろうか。
総票数が、今回の1.335倍(=321015/240376)だったので、今回の総票数が今回も同じだったと仮定した場合の得票に置き換えてみると、町村、民主候補、共産の獲得票数を1.335倍するということで算出できる。すると、町村氏167783、民主125714、共産20810、となって、ほぼ05年時の得票と大差ないことが判る。

つまり、「政治とカネ」なんて問題が本当に影響して、今回の得票割合となったのかは、疑問である、ということだ。そんなに言うほど、「小沢の問題が影響した」ということなんですかね?、というわけですわ。ただのこじつけと何が違うんですか、という話ですわ。


⑥そもそもの「政治とカネ」の発端とは

町村氏を敗北に追いやった小林議員が、「政治とカネ」で辞職したということから始まった補選である、ということで、町村氏にとってみれば、相手が「政治とカネ」で問題があったじゃないか、という攻撃手法を取れた、というだけに過ぎない。勿論、小沢の問題というのも論点ではあったかもしれないが、選挙相手を攻めるということでいえば、敵陣営の「政治とカネ」問題を取り上げることに成功した、というだけだ。
地元の民主党側としては、北教組のカネの問題があったし、組織を総動員しての運動展開とかはできなかった、ということもあって、選挙への関心が薄い中で町村氏の歴史のある固い地盤に敗北した、というだけではないのか。本来は、小沢の話なんか、さして関係のあるものでもなかったはずなのだ。

無党派層では、民主新人候補と町村氏が大差ない、という出口調査もあったようなので、本当に「小沢の政治とカネ」問題が最大争点となって町村氏に敗北したということなら、無党派層での得票が圧倒的に町村氏になっていてもおかしくはないだろう。だが、現実は、そうじゃない面もあったよ、ということだろう。

衆院補選 民主敗北 北海道5区 自民・町村氏制す (産経新聞) - Yahoo!ニュース

共同通信社の出口調査では、「政治とカネ」問題を「投票の判断材料にした」との回答は58・5%。うち57・7%が町村氏に投票した。また民主支持層の83・0%が中前氏に投票したが、14・4%は町村氏に流れた。無党派層は44・0%が中前氏、42・3%が町村氏で、ほぼ互角だった。



最終的な結論としては、選挙結果の解説とかは、実際にそうなのかどうか、ということが検証されているわけではないから、眉唾ものもあるだろう。

もっと問題なのは、「政治とカネ」という都合よく用いられるフレーズである。この表記は禁止した方がよいのではないか、と思えるくらいに、マスコミでの濫用が相次いでいる。

まあ、出鱈目報道とでっち上げ司法のわが国においては、彼らにお似合いのフレーズなのかもしれない。