いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

北朝鮮の核問題とイラン

2008年07月09日 22時29分22秒 | 外交問題
サミットは無事に終了ということのようです。警備担当の方々は、ホッと胸を撫で下ろしていることでしょう。ゆっくり風呂にでも浸かって、ビールでもお召し上がり下さい(笑)。お疲れ様でした。

しかし、国際情勢はそんなことを待ってはくれません。イランがやってしまいましたね。

とりあえず過去を振り返ってみましょう。

北朝鮮が最も恐れるのは、 経済制裁ではなく金融制裁|辻広雅文 プリズム one|ダイヤモンド・オンライン

こちらに解説されているように、金融制裁という真綿て首を絞める作戦というのが「かなり効いた」ということのようです。
以前に書いた妄想記事で書いたのと大体同じでした。

テポドンを追尾せよ!(1)


金の還流のこと、米朝2国間協議再開を求めたいこと、これが北朝鮮の思惑であることは、その後の展開を見れば明らかです。交渉再開を選択したのは米国側でしたから、これもこちらの記事に書いたようなことであったろうと考えています。北朝鮮問題については、とりあえずこんなところですね。


で、新たな火種はイランですね。
サミット開催に合わせて発射実験とは、意図的な挑発と見ていいでしょう。以前にこうした手法を選んだのは北朝鮮でした。

テポドンを追尾せよ!(2) - いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

この記事中で次のように書きました。
『一つは、イランの戦術である。イランは核を放棄せず、ミサイル発射実験を行った結果、欧州や米国の介入を退け、石油・油田を盾にして外交交渉では優位に立っている。強硬なイランの態度を変えさせるという点においては、現段階でも成果はほとんど上がっていない。この戦術を踏襲しようとしている可能性がある。

もう一つは、ミサイル技術の強化である。3月に行った改良型の発射実験で、ミサイル実験に成功したと考えられている。少なくとも朝鮮半島有事の際には、ある程度の威力を発揮すると思われる。このことは、北朝鮮のミサイル技術が向上してきていることを窺わせるのに十分である。新型ミサイル―テポドン2号―の第2段ロケット部分は、発射実験を経ており、輸出されていることを考え合わせると実用段階に到達している可能性がある。イランでの発射実験は、この第2段部分がある程度使用可能なものと考えることを支持していると考えられる。このことを前提にすれば、第1段部分の発射実験が必要なことは確実で、これに成功すれば、新型ミサイルは完成をみることになるだろう。』

まあ同じようなものでしょう。イスラエルの態度や対米牽制ということを考えると、イランの取った行動は非常に分り易いでしょう。しかも今の原油高の状況は「イランを後押し」しています。供給量では日量で多いのがサウジ以外であればイラン、イラクということですからね。イラクは米国の管理下にあるのですから、イランの持つ供給能力が「重要な意味を持つ」ということは誰しも判ることですので。

まさに弱小政党が極めて重要な決定権を持つのと同じく、イランの持つ供給能力がキャスティング・ボートを握っている、ということですからね。原油高という現状が、イランの脅しを有効なものとしている、ということです。イラクの二の舞はゴメンだ、というメッセージだろうということです。



「法学が経済学を笑う」の図

2008年07月08日 22時10分40秒 | 俺のそれ
自分の専門分野でもないのに、どうしてそんなに自信たっぷりに笑えるのか、私にはよく判らない。ああ、いつも自分でもやっちまっていたかも。ごめんね。

はてなブックマーク - ドンキホーテの幸福 - おおやにき


どうやら、安冨氏の著書についてのお話らしい。それについては、私には論評できるような知識も能力もありません。
一応、公表されている書評では次のようなものがありました。
今週の本棚:山崎正和・評 『生きるための経済学…』=安冨歩・著 - 毎日jp毎日新聞

随分と難しい本のようです。苦手なんだよね…こういう学術っぽい本は。
勇気を持てれば、チャレンジしてみようかなと思いますけど、基礎的な知識がなければ分野が広すぎて自分の手に負えないかもしれないです。


話を戻しますが、大屋氏は法学の専門家ではあるかもしれないが、他人の経済学の著書を『イタイ』と断言できるほどに造詣が深いのか、自分には喝破できるくらいの自信がおありなのでしょう。ひとごとなので、まあ、どんだけ自信をお持ちだろうがどうでもいいんですけどね。
憲法学者とかいう肩書きで経済学分野に首を突っ込んできては過った解説を繰り返し、果ては法学分野についての問題さえも、どうみても無理じゃないのという「憲法違反だ」の論理を展開する、「口は弁護士、心は詐欺師」っぽい法学教授さえも存在するようですので、日本の法学界ではそう珍しいことでもない、ということなのかもしれません。某教授の「違憲だ」を真に受けて訴訟提起した業者がいたというような報道を未だ知りませんが、それは何故なのか不思議でなりません。ひょっとして、敗訴濃厚だからでしょうか?(笑)


話が逸れました。
大屋氏の「メタレベルの研究者は皆わかっている」というような話は、そう簡単に頷けるものではありません。
上限金利規制問題を思い起こせば、例えば金融庁資料には、例の坂野早大教授の提示していた「超過需要」の説明がグラフとして掲載されておりました。どう見ても、現実との適合性について検討された形跡などない、ということは指摘しておきましょう。
堂下先生の示した例の正規分布の図にしても、正規分布であることがそもそもの前提ですが、本当にそうした分布であるかどうかを検討した結果など誰も出していない、ということもあります。


一応、タレブの『ブラック・スワン』という本もあるみたいですので、そちらも読んでみるといいのかもしれません。既存の経済学への批判というのは、様々なものがあるようですからね。何も日本人研究者ばかりではありません。

不思議に思うことは、例えば、「需要・供給曲線がよいモデル」みたいにどうして思えるのだろうか、ということですね。なんというか、「無条件受け入れで当然」と考えているからなのか、「モデル批判するヤツラはみんなトンデモだから間違っている」と考えるからなのか、何らかの理由はあるのでしょう。
でも、モデルへの批判は別にいいと思うし、現実との適合性とか乖離具合を考えるのは全員そう思っているよ、というような確信の源もよく判らない。そんなに個別の修正モデルみたいなものを必要とするのであれば、それは「一般的な理論」ということではないんじゃないか、と普通は考えそうだろうと思うけど(笑)。


理想気体の話が出ているからそれで喩えてみれば、「ボイル・シャルルの法則」が基本的モデルであるけれども、それは「個別の気体ごとで異なる」ということではない。つまり、水素と酸素と窒素と二酸化炭素と…みたいに、個別の気体ごとに「現実と乖離している」とかいう話にはならない。「より一般的」な前提条件で成立しているモデルである、ということですね。経済学の理論では現実乖離があるのは当然で個別に検証するべきことだ、みたいに言うのであれば、水素と酸素では観察結果が違っているモデルであってもよい、というようなことになるだろう。つまり一般性という点において、はるかに劣ったモデルである、ということではないかと考えるのでは。言い換えれば、それだけ「正確性に欠けるモデルに過ぎない」というだけの話ではないか。経験的観測結果で導かれるモデルであっても、「ボイル・シャルルの法則」がダメな理論だな、とは私自身は思わないが(先端研究等を行っている方々であればもっと異なる意見があるかもしれません)、需給曲線で価格決定できるという経済学理論であると「あんまり信頼できないね」としか思いませんね。


いや、それは過去の研究者たちや経済学者たちがバカだな、とか思うというわけではありませんよ。しかし、モデルとして考えた場合には、未だ途上であってそれは他の物理化学などの成果から見れば、「後方に位置しているのではないか」という意味あいのものです。

例えば、ワルラスは一般均衡理論に多大な貢献をした。需要や価格の研究を行ったが、その当時の主流派にはなれなかった。だが、新古典派たちは再びワルラスに注目し、経済学理論の中では脚光を浴びることとなった。
ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ - Wikipediaは、限界効用の研究で成果を挙げた。だが、多くの人々がバカにするであろう「太陽黒点説」を出したのも彼だった。これはジェヴォンズがアホだったからではない。十分に賢かっただろう。現代人の圧倒的大多数よりもはるかに「頭が良かった」はずだろう。だからこそ、「太陽黒点説」を出すのだよ。彼らが愚かなトンデモ研究者に過ぎない、とは誰も評価したりはしないだろう。ただ、研究成果は検証に耐えうるものであるかどうかは、当然のことながら問題にされる。それは学問だからだ。


需給曲線と価格の研究に貢献した人たちの出した理論であっても、その理論が始めから受け入れられていたわけではないだろう。研究というのは、そういうことがよくあるものなのかもしれない。
更に、ケインズは古典派経済学を批判し、一般均衡理論も批判対象であった。「現実とかけ離れているから」だ(笑)。新古典派たちが登場するようになってから、ケインズは逆に批判される立場となり復権してきただけだろう。モデルに関する論争というのは、今に始まったことなんかじゃない。数百年来の出来事の一部に過ぎないだろう。一般均衡理論の前に存在していた重商主義だの重農主義だのといった経済理論だって、当時にはそれは流行のモデルであったろう。しかし、時代と共に批判に曝され、一敗地に塗れてしまった理論であろう。

今あるモデルや理論が、将来時点から振り返ってみた時に、こうした重商主義や重農主義とは「絶対に違うんだ」という強い確信というか信念みたいなものの根拠とは一体何なのか、いつも不思議に思うのですよ。自信満々に経済理論が正しい、みたいに言ってる連中を見かける度に、彼らを支えるその信心みたいなものは、どこから湧いてくるんだろうか、と。
葬り去られてしまった旧式の理論に過ぎないかもしれない、みたいな、不安のようなものや疑念のようなものが、そこには存在していないんですよ。それは盲信と一体何が違うのでしょう?(笑)


私から見れば、ワルラスもケインズもジェヴォンズも、或いはケネーさえも、大変頭の良い優秀な研究者であったろうと思いますね。全員、自分なんかよりも百万倍優れていると思いますね。そういう人たちが一生懸命考えたんですから、少なくとも私のショボイ脳みそより賢く考えることができたはずなのですよ。違うのは、持っている情報の質と量(当然人類の経験の量というのもある)が、後世に生まれた分だけ「私の方に分があるだろう」ということくらいです。なので、仮に彼らの考え方や理論なんかに間違いがあったり、現在の先端理論とは合わない部分が含まれているとしても、彼らの功績が揺らぐこともなければ能力に疑問を抱かせるようなことは決してありません。あくまで、「私にとっては」、なんですけどね。優れた立派な研究者たちだったんだな、と思うだけです。


また、喩え話で申し訳ないですが、こちらを。

第1節 神経

生物の研究というのも、かなり昔からありますけれども、多くは間違っているとか理論としてダメなものがあるわけです。
ここの中では、神経の研究の話が出ていて、カエルの実験があったりします(現代の子どもたちと何ら変わりませんね、笑)。イカだのタコだのそういう生物を使って研究なんかが行われていたんですね。面白いですよね。
(以下、引用部は『 』で示す)

古い時代だと、こんなことがあったようです。
『1791年にイタリアの解剖学者ガルヴァーニはカエルの脚標本が2種の金属に触れて収縮するという現象を発表した。彼はこれを筋肉が外側に陽電気を,内側に陰電気を蓄えているために起こり,金属で短絡することで放電が起こると考察した。この生物電気の考察は間違っていたが,社会的には医師の治療に金属弓(銅と鉄で作られた電気ピンセット)が利用されるなどの強い影響を与えた。』

ボルタ電池のボルタさんと論争になったようですね。ガルバニ電池 - Wikipediaも知られています。多分、今で言う「ガルバニー電流」の語源は、多分これではないかと思います。

当時のモデルでは「外側に陽電気、内側に陰電気」ということが考えられていた、ということですね。しかも金属弓が治療に利用されたという「現実さえ」あります。

更に時代が進んで、
『ベルンシュタインは生体膜が陽イオンのみを透過し,陰イオンをまったく透過させない選択的透過性を仮定した。その結果,膜を隔てた分極が発生し,静止電位が生ずる。興奮時には一時的に選択的透過性が消失し,すべてのイオンに対する透過性が増して膜は脱分極して活動電位が発生すると考えた。』
と、モデルは変わるわけです。
約100年後の1900年頃では、「以前のモデルと異なる」という新たな理論やモデルは登場してくるわけです。

しかも、『実際には上記のような選択的透過性は人工膜では認められても生体膜では成立しなかった。』ということで、実験観察の結果と生体では異なるということでした。が、
『ボイル(1941年)は筋肉の静止膜はK+とCl-を透過するが,Na+とその他の陽イオンを通さないことを明らかにした。』
ということになり、膜透過性の話はとりあえず実際にかなり近づいたということです。
その後に研究は進み、膜透過性だけではなくチャネル構造や活性・不活性化ゲートというような細かい部分まで明らかにされていくのです。

昔は、ガルヴァーニ先生が提唱したモデルであるところの「外側に陽電気、内側に陰電気」という説(ボルタ先生は違うぞ、と言ったのですけど)があったわけです。別に学問や科学を知らない人間がモデルの提唱をするのではなく、きちんと研究している人が言うわけなんですよ。ボルタ先生の方が正しかったのが判明しますけれど。
それが時代が進むと、陽イオンのみ通すという選択的膜透過性理論が出されますが、実証とは異なり生体膜では観察されませんでした。現実の観察結果とのギャップを埋めるべく研究を重ね、更に実際のモデルに近づいていく、ということです。すると、観察結果との一致の具合はよくなり、適合度が増すのですから、実際のモデルにかなり近いよね、ということが判るわけです。そうして「より一般的な理論」として認識されていくようになる、ということですね。


さて、話を戻しますと、需給曲線と価格というのは、ガルヴァーニ先生の提唱したモデルくらいのレベルでしかないのではないか、という風にお考えになる方々は滅多にいないのでしょうか?(笑)

現実との乖離が著しいのではないか、という疑問は当然に起こってくるわけです。適合度を個別に詳しく検証しなければならんな、ということを全ての研究者が当たり前であるとしているなら、かなり「一般的ではない」理論を用いて考えているのだな、議論しているのだな、という程度の主張しかできないはずでしょう。そんな程度でしか判ることもないし、説明できないんですから。私がこれまでに幾度となく指摘していることというのは、そういうようなことなんですよ。にも関わらず、異常に強固な自信とか確信を持って「経済学的には~が正しい」みたいに、どの口で言うんでしょうか、って話だな(笑)。「理想気体」レベルに届くまでには、まだ早いんじゃないですかね?個別分野での研究だけなら、もうちょっと評価は変わるかもしれませんが。

それがですね、こと経済学の話になると、「いや、既にこの理論は確立されているから正しい、これはみんな正しいと言っている」みたいに、無批判に受け入れる姿勢とかを見るに、「自分だけは本当のことをわかっていると笑っている」のは一体どこの誰なんだろうね、って思うことはあるね。本当にそうなの?という素朴な疑問にすら「答えられない」くせに、理論的に明らかとか経済学モデルでは正しい、みたいに豪語できる奴らのツラを拝んでみたいもんだ、とは思いますな(ダジャレ、失礼)。
少なくとも、ケインズがclassical な経済学者たち―当時では大御所に噛み付く役回りは「異端のケインズ」であったろう―を向こうに回し、何故彼らのモデルを批判する内容の『雇用・利子及び貨幣の一般理論』を著したのかということを考えることは決してない、ということはよく判りましたよ。モデルは進歩しなければならない、とも考えず、学問への新たな挑戦も必要ではなく、当時に主流でありさえすればそれは「最上のモデルなのだ」と考えてしまう人間は多いのだな、ということも改めて判りました。
なんぼ抽象的モデルだから、っていっても、「外側に陽電気、内側に陰電気」みたいな単純モデルにずっと押し掛かるのはダメなんじゃないの、とは思いますけど。もっと完成度の高い理論であれば、そこから先の世界というのは違っているだろうとは思いますがね。

経済学での「○○理論」が間違っている、ということは、私には判りませんが、「現実の説明にはなっていませんね」ということはある程度判りますわな。
それは物理化学的法則の何かがまだ不明の為に、筋肉細胞や神経組織という「システム」の説明ができないのか、物理化学的法則は正しく揃っているけれども筋収縮させる「システム」を構成するどこかのピースが不明なので上手く説明できないのか、そういった違いさえも未だに解決できないでありましょう。


何度も似たようなことを書いてきましたが、超えられない壁みたいなものはあるんだろうな、ということでしょう。



違法デンパ(笑)

2008年07月08日 16時04分18秒 | 社会全般
どうしてこんなことを公表するのか、全くわからん。

トランシーバー違法使用=サミット警戒中の機動隊員-電波法違反容疑で捜査・道警(時事通信) - Yahooニュース

調べなどによると、同局の20代の巡査3人は札幌市内などで6日、許可されていない電波帯を使って私用トランシーバーでやりとりした疑い。同法を所管する総務省の出先機関が違法電波を確認し、巡査らを指導した。

=====


警戒期間中だから、無線通信などの「不穏な動き」を監視しておくのは当たり前だとしても、記事にしてしまうとちょっとマズいことがあるかも、とは思うけど。

・電波監視を国が行っている
・発信源はある程度特定できる

みたいなことがあるだろうと推測される。
これを公表しちゃってもいい、ということなのかもしれませんが、そうするべき意味というのがまるで判らんね。どうしてこういう情報を記者に流すんだろうね、警察は。これもまた、市民団体(笑)あたりから、「国が我々を監視している!」とか文句を食らいそうだけど。
ま、私には関わりのないことですので、別にいいんですけどね。


全くの推測なんですが、テロリストとかであれば、大概携帯電話を使うと思うけど。だって、そちらの方が情報漏れの危険性が低くなると思いますもん。無線であれば、どこで誰が聞いているのか判らないでしょ?ある程度暗号化されているとしても、聞かれる可能性という点で、携帯電話に比べると無線の方が劣っているだろうから。携帯電話の電波監視は物量的に無理があると思うし。仮に、政府機関の高性能機器みたいなものがあって携帯電話の通話の中身を全部聞けるとしても、携帯電話の使用者の数が膨大なので通話全部を聞き取って監視しているというのは人力だとかなり厳しい。しかし、トランシーバーのような無線通話なのであれば、使用している人の数が圧倒的に少ないので、監視しておくのは可能なのではなかろうか、と。そうであれば、テロリストは携帯電話を使うことが多くなるだろうな、と。入手の容易性でも携帯電話に軍配が上がると思いますし。



ちょっと不思議なのは、どうして警官がこんな些細なことを責められるのか、ということ。

ええっと、多分違うのだろうと思いますけれども、まさかウチの「脳内電波」受信による記事が、割といい線をついていたからとか?(笑)
コレ>過剰警備と演出

実際のやり取りに近い部分があったりすると、「どこからか情報漏れがあったハズだ、調べてみろ」みたいな話になり、すると、違法電波かトランシーバーが確認されて、それは例のデモ隊の日に出動していた機動隊員たちであった、みたいな顛末なんでしょうか(笑)。可哀想すぎではないでしょうか、隊員たちが。

それとも、テロなどが無線通信しているかもしれないということで監視していたら、違法電波アリということで発信源に急行したところ、うじゃうじゃ警官だらけのド真ん中になってしまって、「おい、トランシーバー使ってるやついるか?」と聞いたら、ハイ、みたいに機動隊員が手を挙げてしまったとか?



これまでにも何度か書いてきたと思いますが、私は基本的に「想像して書く」ということ以外はありませんから。
別に無線の趣味があるわけでもなければ、警察無線の盗聴技能があるとか、そういうのはございませんので(笑)。特別な情報源を持っているわけでもなければ、誰かから何かを聞いて書くということもないし、殆どが自分の脳内イメージでしかありませんから。どうぞご安心下さいませ。聞いた話は、大概「聞きました」と書いていますし。


例えば、尼崎線の脱線事故の記事で、電車が片輪走行みたいになったんじゃないか、と妄想記事を書いてしまいましたが、当初は鉄道専門家たちの多くが「カントがあるのに、電車の片輪走行なんて有り得ない」みたいに考えていたように思われます(事故原因の分析なんかをテレビで話す人たちは大体そうだった)。しかし、実際には想像の産物が現実に近い、みたいなことはあるんじゃないかと思いますね。断片的な少しの情報からであっても、「ちょっと考えてみれば判ること」みたいなものがあるんじゃないかな、と。
薬莢の数とか「乾いていた」(笑)とか、そういうのも同じですよ。別に現場にいたわけでもなければ、何かを見たり誰かに聞いたりしたわけでもないが、それでも報道等から想像できる部分はある、ということです。それに、人間がどのように行動するだろうか、ということを考えてみれば、なんとなく想像できそうな部分は多くなるんじゃないでしょうか。


警察の行動を考えたりするのに役立つのは、例えば「踊るシリーズ」とか海猿の映画や、『め組の大吾』を読んだことがあるとか、そういったストーリー性のあるものから、いくつかのことを知ることができますからね。
悪戯っぽく「らじゃー」とか書いたりしていますけれども、これは時々ネット上なんかで見かける表現だから書いてみただけで、実際に「ラジャー」とは言わんでしょう。言うのはウルトラ警備隊みたいな組織だけなんでは。無線のやり取りをイメージして茶化したに過ぎないのですから。「げんじょう」と表現するのも、漫画や映画の中では常識ですし。

どうも想像力に乏しい人たちは、「きっとどこかに内部情報を漏らしている人間がいるはずだ」とか、「誰か内通者から情報をもらっているに違いない」とか、そういうことを考えるのかもしれませんが、現実には単なる「脳内妄想」でしかないわけですよ。私の脳みそには、電波受信機能はついていません(笑)。あるのは、毒電波を出す機能だけですって。

ズバリ痛いところをつかれるのは、そのような部分を有しているから、ということに過ぎないでしょうね。



ドラマ『Tomorrow』みたよ

2008年07月07日 18時48分51秒 | 俺のそれ
TBS 日曜劇場『 Tomorrow 』

初回の出来は中々良かった。

自分の「書いたこと」は、以前に使った設定やコメント欄に書いたフレーズであっても、ある程度思い出せるものです(笑、昔というほど前でもないか)。
youならば、きっとこの意味がお分かりになられると思います(←って、誰?)。
何かのお役に立ったのなら、光栄です。
いや、いつもの単なる妄想なんですけど(笑)。

◇◇◇

アメリカ帰りの女医さん、この「架空のキャラクター」を生み出したのは大正解だったと思います。
しかもMBA!!これも中々いいポイントをついています。

極めて「言い難いこと」を、このエリート女医さんの口を通して、多くの視聴者に投げかける。
それはこれまで医療従事者の誰も「口にはできなかったこと」を、敢えて辛辣な言葉で言わせている。核心部分を的確に衝いている。この「究極の代弁者」を設定の中に誕生させたという発想が、何より素晴らしい。

「安っぽいヒューマニズム」と言わしめ、「医療を甘く見ないで」(それとも舐めないでだったか?)と平手打ちさえも躊躇しない「超厳しい」役柄となっているが、寧ろ「本物のプロフェッショナル」という視点でキャラクターを作っている部分に好感が持てる。喩えて言えば、「外人部隊」か「戦争請負人」みたいなものだ。
多分、視聴者の大部分はそこまでの理解がまだ難しいかもしれないが、後半あたりまで進めば女医さんの言わんとしていることが少し判るようになるかもしれない、と思った。とりあえず、ゴリゴリの「合理主義者」「拝金主義者」っぽい、イヤミで高慢ちきな女医だな、という印象を与えることには成功していただろう(書いた人の読み通り、ということだと思う)。


ドラマを通して、医療の置かれている状況や問題点を身近に感じ取れるように工夫されており、今後も期待できそうだ。実感のある、なし、というのは、やはり大事だからね。当事者以外には、そういうことが伝わり難いから。視聴者の1人でも多くそうした実感を持ってもらえるように、当事者として感じてもらえるように、という意図なのかな、と思った。昔は多くのドラマが「患者側の視点」だったんだけれども(例えばガンと闘う患者と家族、とか、不治の病に冒された家族や恋人、みたいな)、近年は医療側の視点という設定が多くなってきたように思う。そういう時代なのかもしれない。




過剰警備と演出

2008年07月06日 16時09分52秒 | 社会全般
えー、昨日は結構長時間飲んでいたので、かなりヘロヘロ。デモ隊の話とか、逮捕者が出たとか、そういうニュースは一切知りませんでした。そんなことがあったんだ、と。率直な感想を言えば、経費の無駄なんじゃないだろうか、と。一言で言えば、「やりすぎ」だ。


見せる警備、というのは、多分警察庁とか警視庁などの「対テロ部門」「要人警護部門」みたいな(どんな分野でどんな組織体系なのかとか全然知らん)幹部連中が、「一生に一度」という大舞台を前にして、超「張り切り」過ぎて編み出したようなスローガンの一種なのではないかと思います。あれです、昔日の血、みたいなもんです。表現がヘンですね。簡単に言うと、卒業年の「最後の学校祭」で目一杯盛り上がろう、みたいに張り切っていた時の心境、に近いようなものです。そうした、若き日の血が騒ぐ、ということですね。一世一代の晴れ舞台を前にして、興奮するな、昂揚感を持つな、みたいに言っても、それは無理でしょうから。けれど、ありがちな標語?だと「心は熱く、頭は冷たく」という感じで、幹部の方はもっと冷静になっているべきではないかと思われます。兎角現場は熱くなりがちでしょうからね。


今回のサミットの警備体制において、達成するべき目標というのがあります。
誰が考えても判ることですが、安全に何事もなく過ぎるというのが一番大事です。これは当然ですけれども、付随的な目標として「アピールする」というのがあります。言ってみれば、国民向けのデモンストレーションみたいなものですね。これをやることによって、「存在意義を認めてもらいたい」ということがあるわけです。承認欲求(笑)ってヤツかどうかは知りませんが、そういうのに近いものかもしれません。

そういうわけで、今回、最も張り切っているのが警察です。学校祭と全く同じで、長期間かけて計画を立て、それを実施してきたわけです。いよいよ晴れ舞台に立ったわけですから、「魅せたい」みたいな気分にもなりましょう。そいうのが、ちょっと面白くないと言いますか、「何だよ、警察の連中は。あんなに張り切っちゃって(笑)。まるで自分たちだけで警護していると勘違いしているんじゃないか?ウチも負けてられませんよ」、という気分になっているのが、自衛隊や海保でしょう。全然知らないんだけど。単なる想像なんですけど。

なので、警察機構の全精力を挙げてのデモンストレーション、更にはライバル心を剥き出し気味の陸自、オカには負けてられんぞ海はオレたちに任せろと釈迦力になる海保、海保がデバってくるなら海自が黙っていられない、後れを取るわけにはいかない空自はAWACSのアピールするぜ、みたいな。端的にいうと「負けるもんか」的なことが根底にあって、まるで愛車自慢大会を見せられているようです。やっぱ、オレの愛車が一番だぜ、と(笑)。男子の悪いクセかもしれません。警察庁、国土交通省、防衛省、それぞれに事情というものもあるでしょうからね。

こうした自慢大会によって、それぞれに「ウチの組織の存在意義」みたいなものを国民にアピールしたい、ということなのです。気持ちは判らないでもありませんが、やりすぎるのはよくないと思いますよ。なんといいますか、演出過剰。全然面白くない芸人が、無駄に騒いでいるかのようです。まるで出川(笑)状態です。

まあ本格的にテロリストがバカであると、厳重警備の中にわざわざ飛び込んできてくれるかもしれませんが、普通はもっと別な考え方をするでしょう。やる気で狙うなら、警戒が厳しくなる前から準備しておくし、直前になって乗り込んでくるのは単なる間抜けか、殆ど無害と言ってもいい人たちばかりでしょう。隣国に攻め込む直前になってから、「間者を放て」みたいに命令する大名は準備が悪すぎる、ということです。もっと以前から忍者部隊を潜入させておくに決まっているでしょう。
あと、警備の手薄な場所で「効果的な場所」というのは、東京やサミット会場周辺以外にもたくさんありますからね。全国から応援の機動隊などが出動しているなら、出した側の地域は手薄になっている可能性大ですからね。そういう場所であれば、「やりやすい」ということになります。

「見せる警備」で犯罪抑止に、というのがあるにせよ、あまりに過剰です。無駄に経費がかかるだけですね。全員公務員だから、給料が増えるわけではありません、とか言うのかもしれませんが。原油高の折、ヘリの燃料費だってバカにはならんでしょう?



前置きが非常に長くなりましたが、本題に入りましょう。
デモ隊の逮捕事件のことです。

<洞爺湖サミット>NGOなど大規模デモ、4人逮捕 札幌(毎日新聞) - Yahooニュース

(一部引用)

同本部によると、北島容疑者はスピーカーを積んだトラックを運転してデモ行進に参加。警察官の制止を無視してトラックを前後に動かし、警察官にぶつけて公務を妨害した疑い。小池容疑者は北島容疑者が逮捕される騒ぎの中、私服警察官の腰をけって公務を妨害した疑い。

 同市中央区の大通公園でデモ前に集会が開かれ、国際農民団体や南アジアのNGO、国内の労働組合などさまざまなグループが集結。デモは午後3時ごろ始まり、参加者は「KNOCK DOWN G8」と書いた旗を掲げたり、「ノーモアG8」などと叫びながらススキノ地区などの中心街を約2キロ歩いた。

=====


ロイターカメラマンが逮捕された、って、ちょっとオカシイですよね。ロイターは記事にはっきり書いて、警察に抗議するべきでは。
ポイントは「私服警察官の腰を蹴った」という部分です。これについては後述しますが、とりあえず次の記事を見てみます。

サミットでデモ行進 ロイター記者ら4人逮捕(産経新聞) - Yahooニュース

こちらの記事中では、
『途中、警察官の指示に従わなかったとして、車を運転していた男が、窓を警棒でたたき割られて拘束。現場は一時騒然となった。』
と書かれています。
参考になるのは、産経記事の横に載せられていた写真です。

・脇にデモ隊側のものと見られる車両が映っている
・機動隊が盾などのフル装備をして迎え撃つ体制


現場を見たわけではありませんので、何が起こったのかは判りませんが、推測で書いてみます。

①デモ隊は事前に許可を受けているはず

デモの手続等は全く知りませんが、交通規制等が必要であるから警察の許可を受けたものしかないのでは。許可申請者から事前に実施計画等を明らかにされているはずだろうし、仮装行列であろうと許可したのは警察ですよね。車両が入ることも当然判っていたでしょう。また喩えで申し訳ないが、よさこいソーラン祭りの行列みたいなもの?と変わらない、ということでは。ニュースでしか見たことないけど。踊り子+山車?車両みたいな隊列とほぼ同等だろう、ということ。

②デモ隊には機動隊をぶつけるのが基本?

国会周辺とかで、よくデモが行われているんだろうなと思うわけですが、そういう時にも毎回フル装備の機動隊が投入されているんでしょうか?よく知らないんですけど。これほどの数の警察を用意するのだろうか?参加者が2~3000人で、それと同じ数かそれ以上の警察官や機動隊員を投入するという理由がちょっとよく判りませんね。じゃあ、国会周辺のデモ隊が500人だと、それとほぼ同数の警官が出動しているとか?(笑)
今回のデモ隊だと、外国人参加者の割合が高いので、日本のデモとは違う、という理屈なんでしょうか?
ちょっとよく判らないんですけれど、どうなんでしょうか。国内デモに比べて、かなり過剰感がありますわな。

③黒装束に問題があるの?

暴走族でも、ねぶた祭りのカラス族でも、成人式の黒装束でもいいんですけれども、通常は対応しているのが一般の警察官で、機動隊をぶつけているケースというのは、あんまり見たことないんですけど。暴徒化の危険性とか、そういうことなのかもしれませんが、今回のデモ隊がそういった国内で「暴れている」連中の場合と比較して、かなり危険度が高いということでもあるなら判りますが、何もしていないうちからフル装備の機動隊がアリの這い出る隙間もなく立っている、というのはかなり過剰な感じです。カラス族みたいに暴れてもいなければ、破壊行為や暴力行為もなく、ただ仮装行列やシュプレヒコールや「囃し立て」くらいの行為なのに、何故あれほど過剰に機動隊を並べるのか、ということです。単なる示威でしかないように思います。それは暴力で威嚇しているのと全く同じだ、ということです。牛にわざわざ赤い布を見せるから暴れだすわけで、装備が何もない一般人にはデモ隊は暴力を振るわないよ。機動隊みたいに防具を色々と装備していると、少しくらいでは「痛くも痒くもないだろう」と思うからこそ、打撃力アップ(投石とか)を図ろうとしてしまうんじゃないかな、と。多分、アロハシャツと短パン+素足にサンダルの無防備警官隊には、誰も投石攻撃をしないと思う(笑)。

④車両運行に問題があると直ぐに窓を割るの?

よさこいソーラン祭りの時の山車車両(大型ダンプ?やバス?)が、予定している走行ラインから僅かでもズレたり、運転者が勘違いをして入れないゾーンに車両を寄せるor向けるなどした場合、警備担当者はいきなり窓をブチ破って運転者を引きずり出すんでしょうか?それは想定しにくいんですけど。ビルなどの駐車場で一方通行の通路を過って車が進入しようとしていたりする時、駐車場係の人は車の停止を求め運転者に正しい通路を指示すると思います。それとも、いきなり窓を破ってしまうんでしょうか?(笑)


逮捕騒動の顛末を考えると、こんな感じでは。

運転者はデモ隊の参加者たちの脇を進んでいたのだと思う。ゾロゾロ歩いている人たちに気をつけながら低速で進んでいただろう。危ないからね。で、警察から、「こっちにはみ出ないで、もっとこうしろ」みたいに何か言われたのだろう。すると、運転者は「列に沿って進んでいるだけだ、問題ない」とか何とかちょっと反論したんじゃないかな。
  
すると、警官が檄昂、警察の指示に従えないっていうのか!
  ↓
車両を止めろ、すぐ止めろ
なんだ?なんだ?どうした?何があった?
警官隊が藁藁と車両周辺にじり寄る
  ↓
コイツら、警察に楯突く気ですぜ
警察のいうことをきけ、できないならここで停止だ!
  ↓
運転者:こっちは許可取ってるから問題ないだろ、停止の証拠出せ、証拠
  ↓
オレのいうことがきけないってのか!指示に従え!
運転者は感情的に何か言ってます、興奮しています、興奮(←お前がだろ、お前が)
隊長どうしますか?確保しますか?
OK、予防措置だ、興奮が伝播する前に鎮めろ、ソッコウで確保、やれ!
  ↓
らじゃー!
確保に移れ!窓、割れ、割って引きずり出せ。
  ↓
実行。警棒でおもいっきり割って、ロック解除、運転者を無理矢理引きずり出す。
  ↓
周辺にいた参加者及びロイターカメラマンが警察の横暴に気付く
  ↓
何てことすんだよ!暴力は止めろ、何もしてないじゃないか!
  ↓
隊長、運転者確保、周辺のヤツラが仲間を呼ぼうとしていますぜ。ヤリますか?
OK、予防措置セカンドステージ、「仲間を呼ぶ声」を封じろ。確保、即排除せよ!
  ↓
実行。異議申し立てをしただけの参加者が続々排除される。
  ↓
ロイターカメラマンは一部始終を動画撮影していたか、写真を撮影。
警察の横暴はやめろ、こっちは撮影して証拠をとったからな!
誰も何もしていなかったぞ。
  ↓
まずいです、隊長、ジャーナリズムの虫が発生。排除シーンを押さえられた模様。
どうしますか?
OK、もみ合いげんじょう周辺から引き剥がせ。
ペン厨(ジャーナリスト等のこと)は暴力に過敏なので、力加減を忘れるな。
冷静に対処せよ。私服、行け!
  ↓
らじゃー、背後から引き剥がします。一般人のふりをして実行しますぜ。
私服警官、カメラマンをむんずと掴み羽交い絞め。げんじょうから締め出そうと企図。
  ↓
カメラマン、いきなり見知らぬ男に暴力を振るわれたと勘違いし防衛の為振りほどこうとする。
  ↓
やりましたね?今、あなた、私にやりましたね?体に触っちゃったね?
私服警官、ハイ、公務執行妨害ー!確保せよ、と制服を大量に呼ぶ
  ↓
カメラマン、確保される。
証拠映像や画像は没収か消去を強制?

以上、逮捕者4名確保、お手柄、お手柄、パチパチパチ。。。


じゃないだろ。
運転者は暴走して警官をひき殺そうとしたりしてたんですか?そんなに危険性が高まるほどに興奮したりしていたのですか?

むしろ、過敏になっていたのは警官隊の方ではないですか。興奮していたのは、警備にあたっていた警官の方でしょ。これが、上の例に書いたような「カラス族」だったり、よさこいソーラン祭りの山車の運転手だったら、このような対応になっていましたか?(笑)

きっかけが一体何だったのか、というのは正確には判りませんが、恐らく些細なことであったでしょう。警察の指示に対して、運転者が警官に何か言い返したとかはあったかもしれませんが、それは普通ですよ。「どうしてですか、どうしてその命令に従わねばならないんですか」って、根拠を聞いてくることは当然ありますよね。その時に、警官が正しく命令の根拠を提示できなかったのであれば、その命令そのものが無効(法的根拠のないもの)であるとか、そんな権限を有していないということだってあるかもしれません。それは警察の落ち度であって、デモ隊側には何らの悪意や犯罪意思なんかはないわけですよ。それを暴力的に実行するのが「警察権力」が非難される結果を生み出すのですよ。

で、以前に書いた通りだった。
ビラ投函事件に関する考察

「ポケットの中のものを出せ」→「どうしてですか」→警官4人で署に連行
これと全く同じ構図だ、と言っているのですよ。白川元国家公安委員長を連行したのとおんなじ。

「○○しろ!これは警察の命令だ!」→「どうしてですか」→ガラスを割り引き摺り下ろす
特に法令違反もないのであれば、「どうしてですか」と尋ねるのは当たり前だ、ということ。そこで正しい説明ができないのは、警官のせいだ。「~はナニナニに違反している。だから~をやめなさい。さもなくば逮捕しますよ」ということでなければ、おかしいでしょ。命令の正当性もないのに、「~をやめなさい」とか「○○しろ」とか命令できるわけがないんだから。


しかも、カメラマンに対しては、私服警官が背後から何らかの行為を行ったことは間違いないでしょう。行為は力学的な力が加わるようなことに決まっていますよ。そうじゃなければ、後ろにいた私服警官を「何の理由もなしに」蹴るはずもないでしょう。本当にカメラマンの動作が「蹴る」というものだったのかどうかも怪しいもんです。ゴルゴ13だと、後ろに立ってるだけの人間であっても、必ず全員殴られますけど(笑)。押し競饅頭みたいな場面にいて、自分の体を背後から襲われたと勘違いしないと言えますかね?

上記参考記事中で、『なんだよと胸を軽く触っただけで「ハイ、公務執行妨害で連行ー!」とか、やめろよと軽く腕を振り払っただけでも「イテテテテ、はい暴行罪で連行ー!!」とか、逮捕理由をいくらでも作り出せるようになるだろう。』と書いたんだけれども(*)。これも全く昔から変わっていないよね。

(*):今みたら文章が変だった。いつもヘンかもしれんが。本当は、『…連行ー!!」とかよくあるけど、これと同じく、』というつもりで書いていたんだけど完璧に抜けてた。


カメラマンが身柄拘束されたので、釈放との取引材料として映像や写真などの没収か消去させられるかもしれず、それは警察の不法行為を咎めることができない、ということになってしまうだろう。ロイターはこの件について、真剣に抗議の記事を書くべきだと思う。基本的に、カメラマンが警官に暴力を振るわねばならない理由なんてものはないんですから。逆に、撮影なんかを阻止しようとするという動機は警察にあるし、デモ隊が悪くないのに警官が無理矢理排除に動いたのであれば、警察側にとって最も都合の悪い存在というのはジャーナリストですから。
警官の不当な暴力をきっかけにして、大規模な暴動やデモが起こることは過去に世界中で観察されてきましたからね。

それとも、逮捕者を出そうというような意図の下に、わざと逮捕劇を演出していたという可能性だってないわけではないでしょう。警察はよくやった、と褒めてもらえるから、というようなことですね。それにプラスして、デモ隊はやっぱり危険なんだ、という印象を与えられるかも、ということもあるかもしれません。実際どうなの、というのは判らないんですけれど。



首脳到着前なのに、既にナンですけれども、警察はまず自分の興奮を冷ますべきでしょう。
それとも、宴会が始まる前に一杯引っ掛けて行こうと思っていたらそこそこ飲んじゃって、みんな宴会場に到着する前に自分1人だけ既に出来上がっちゃってる酒飲みオヤジみたいなもんですかね(笑)。



Out of debt,out of danger.

2008年07月05日 03時42分29秒 | 俺のそれ
まさにこれか。

米国の有様は、この言葉が「思い浮かばない」連中ばかりがひたすら金儲けに走るせいで、同じような危機を幾度も繰り返すということなのかもね。
過去の失敗から反省するどころか、もっと巧妙に罠を増やすだけなのだ。根本的な解決にはつながらない、というのにね。

軽く振り返ってみても、S&L危機、ITバブル崩壊、エンロン事件などがあった。ヘッジファンドの問題だって、ポンド防衛戦、アジア通貨危機、LTCM危機、世界株高→雪崩的同時株安、資源高、等々があった。結局、金を必要以上に使って世界中に危機を撒き散らしているだけなのではないか、としか思われないわけだ(笑)。

一体、何の役に立っているのか、よく判らんな。射幸心を煽るギャンブル機器みたいなものと何が違うのかと問われると、はっきりとした答えが見つからないね。


あと、半年過ぎたので、自分の投資失敗の反省などを(笑)。
1~6月はインデックスに従えば、相当のマイナスを食らっていたわけだが、どうにか資金回収と資金投入をしたりして挽回しつつも、まだまだ含み損は残されているわな。それは下落の大きさを見れば判ります。そうではなく、やけに損失だね、というのは、やられたな、とは思いますけどね。


大量保有報告書とか、レーティングの出し方とか、そういうのを見れば、「何故この期間には、このような値動きになっていたのか」というのは、ある程度推測できますから。大量に売っていたことも、仕込み完了と思われる後に出される時期に「買い推奨」とか、そういうのが判る、ということだ。推奨して釣り上げた後に、大量に売ってることも判るわけだ。そういう阿漕な手法を取っていることを、日本の監視機関はマヌケなので「わからない」のだよ。
それを確実に利用している連中がいる、ということだな。

こういうことを書くと、陰謀論好きだから、と思われるだろう。
考えない人たちには、何を言っても理解できないと思う。そんなことがあるはずない、って一笑に付されて終わりだな。


それくらい日本市場というのはいい草刈場なのだ、ということだ。



洞爺湖サミットの前に

2008年07月04日 19時51分37秒 | 政治って?
えー、12連敗という珍記録達成みたいです。これがただの偶然の産物だと思いますか?(笑)
昔みたいに発行済株式数や上場銘柄数が少ない環境であるとか、情報が行き渡らないとか、そういったことはないですよ。前から何度も言うように、嫌がらせをしたいだけなんですって。操作しようと思えばいくらでも可能だから。それが日本市場なのさ。どうしてこんなに日本人がお人よしでいられるのか、オレには全く判らんな。

だから手口が見えるように、大口取引をやっている特定の業者とかファンドには、目印をつけてみろ、って(笑)。そうしたら、手口がバレるからできなくなるワザとかがあるから。我慢比べは、資金量の多い方が勝つんだよ、常に。

26日に書いた>~には屈しない(某…風の言い回し、笑)

どうやら、屈しました、というまで売り続けようという腹らしいです(笑)。
ウチの記事に書かれたことが、あまりに図星なので、気に食わないんだと。ウチがギブアップというか、余計なこと(彼等にとって非常に都合の悪いことだろう)を書かなくなるまで、イジワルしたいんだそうです。日本市場全体が下落しているのだから、ターゲットが下落しても「不自然じゃないよ」ということらしいです。はあー、そうですか。

で、12連敗ね。
このまま18連敗に挑戦するつもりなのかもしれませんけどね。

あとはどっちが耐えられるか我慢比べをしよう、ということらしいです。チキンレースに勝つ自身があるみたいです。そうなんだ。ふーん。
悔しいから、待つことにしたよ。どうせ大損失なのは同じだから。このまま沈むのはしょうがないですから。かつて倒産銘柄を掴んでしまって大損した時よりも、現時点の方がまだ小さい(笑)。

彼らに力を与えたのは、実は日本人の金のせいでもある。
◎儲けようと思って投資信託等に資金投入
→回りまわって外国籍ファンドなどに運用委託
→外国人が投資資金を大量に持つ(レバレッジで何倍にもなる)
→日本市場でも運用する
→利益を出す為に情け容赦なく空売りなどを行う
→日本株下落

結果的に、日本の年金資金運用で巨額損失ということになってしまい、投信から微々たる利益上げたとしても、逆効果となっているだけだな。つまり、日本人が持っている投資信託などのうち、株式投資や商品投資などの資金は全部引き上げた方がよい、ということになる。戦後の日本市場であると、バブル期までは地道に右肩上がりできていたというのは、それなりの意味があったのだ。

外国人に現物を持たれると、今の日本市場の如き「嫌がらせ」だの「脅し」だの、パニック投売りだの、そういうのを本格的に食らってしまうのですよ。かつて日本の金融機関が持っていた含み益が乗った株式の多くは、出血大サービスで大幅ディスカウント価格で売りに出されてしまった。銀行や生保が持っていた株式のうち、かなりの部分が外国人の手に落ちてしまった、ということ。

自分の頭で考えてみる、ということができない指導者が多すぎだったんですよ。おマヌケさんたちが大勢いたからこそ、日本は今の状態なのです。


約2年になりますが、サミットの記事を挙げておきますよ。
北朝鮮問題~サミットまでを概観してみる

今まさに「モンスター化した」投機マネーによって日本経済はダメージを受けている、ということに、何故気付かないんだろうね。彼等の描いていたシナリオ通りじゃないの(笑)。


それと、北朝鮮の核問題ですけれども、これも大体想像していたのと同じですわな。

05年7月>米国の思惑

05年9月>北朝鮮の求めるもの

態度を変えた米国が直接交渉で進展を図り、尚且つテロ国家指定解除に秒読みとなってきましたので、日本の拉致問題は棚上げされる状況というのは、当初から予想されたことでしょう。このままでは「埒が明かない」と思ったからこそ、拉致問題は「おいといて」米国の事情を優先したと思いますよ。それには対中国ということがあるだろう。日本との諸事情よりも、優先するべきは「中国だ」と判断したからこそ、北朝鮮との2国間交渉を進めたわけでしょうからね。この方針転換となったのは、(米国の)内部的な問題だろうと思いますね。

07年3月>アメリカは副官に中国を指名したか


日本の政治家は外交問題を何か解決したいとか、どうにかしようとか、そういうことはあんまり考えていないと思いますね。要するに、どこでどんな目に遭わされようとも、誰1人として戦う政治家はいない、ということだ。家庭で言えば、かあちゃんが泣かされて帰ってきたり、どこかでイジメられたりしてきても、とうちゃんはかあちゃんを守るどころか「関心さえも見せない」とか「しょうがない発言」(*)とか、そういうのと同じようなものだもの。これでは外国から軽視されるのも当たり前だな。

(*):笑。懐かしい?さて、問題です。これで辞任となった方は誰?


いずれにせよ、洞爺湖サミットで一番盛り上がると言いますか、得をするのは「洞爺湖」と書かれた木刀でしょう。

って、ウソですから。



初日が出ない力士の心境

2008年07月03日 14時53分29秒 | 俺のそれ
みたいなものを初めて知りました。


いや、なんといいますか、普通は「休場」しますよね(笑)。
11連敗とか、泥沼であると黒星がズラッと並んでしまいますので。
今の株式市場の気分は、まさにこれでした。本日はどうなるか判りませんがね。

いつだったか、ロッテの黒木が泣いていたのを思い出すな。連敗記録更新中の時の。開幕18連敗くらいだったか。

あれをよりはまだマシだけど、ボーナス運用の勇気を持つ方々に期待しておきたいと思います。



原油価格とバブルについて・3

2008年07月03日 13時48分27秒 | 経済関連
何度も言うが、日本が取りうる対策はある。
やはり、原油先物売りだ。

コンタンゴになっている期先物に売り玉をぶつける。決済日前までに期近物を買って手仕舞えばいいだけだ。現在保有する外為特会から一時的に原油対策費として一部移管、資金量は最低200億ドル規模くらいは必要だろう。現在、買い建玉が相当積みあがっており、それらを崩せるまで売り続ける。バックワーデイションに戻り、なおかつカーブ全体が下方に移動するまで売る必要があるだろう。


いいか、これは戦争だ。

買い方が退くまで、売り続けるしかないんだよ。補給が続く限り、売り玉をぶつける。先物が100ドルとかそれ以下に下がるまで、徹底して売れよ。これは国内経済対策にもなるし、消費減退を間接的に防げるんだから。もし、売りを超える買いが来ても、現状のまま上がっていくのを食い止める効果は必ずある。根本的には、市場の買い方全部を敵に回しても、売り続けろ。為替介入と同じだよ。


米国債を売って、先物を売れ、と言った時に着手しておけば、米国債価格が高かったのでそれだけでも十分プラスになっていたはずなのに、そのタイミングを逸してしまったじゃないか。ボケなす。どうして日本の政治というのは、これほどまでに「鈍感」でいられるのかね。不思議だ。
何をやられているのか、ということがまるで判ってない。黙って見ているだけ、って、そんなことをやるのは、本物のマヌケだけだろ。


98年の原油価格だが、ロシア絡みだったであろうことは誰しも予想できるだろう。

原油価格下落は、アジア通貨危機の「perfect storm」後の世界経済低迷により、需要減少だったからだ。そこにロシアの金欠病が拍車をかけた。外貨を獲得し続ける為には、「必死で売れるものを売り続けねばならなかったから」だろう。なので、ミッシング・バレルのような「超過供給」があったのだろう。それだけの余剰分を売れるのは、巨大な産油国でなければ無理だ。ロシアならば、その大量供給が可能だったのではないだろうか、ということだ。それに、ロシアの経済統計とかは、ほぼ無きに等しいだろうから。それくらい「いい加減」でしか把握できなかったのは当然なのではないか、ということ。

なので、恐らく98年の原油価格下落は、
・需要減少
・ロシアが外貨獲得に必死で売りまくった
というような要因で、下落が続いたものと思う。

更に、LTCM破綻後には、ヘッジファンドの資金退避というか、ほぼ逃避ということで、原油先物市場からは資金を引き上げ、手仕舞いしたので買いが途絶えたのだろうと思う(*)。リスクの高い資産から、一斉に資金を引き上げたのだろう、と。そうすると、円キャリーの巻き戻しが強烈だったのだよ。ドルは下落しながら、原油価格も半分まで下落していったのさ。このダメージを多くの産油国が被った。特にドルペッグの産油国には大きな痛手だっただろう。


(*):ちょっと追加ですけど、ここの記述は変ですね。考えれば判るんですけれども、98年頃にコンタンゴになっていたわけですから、むしろ誰かが積極的に買いに行っていたということですよね、期先物を。なので、間違いである可能性が高いです。申し訳ござらん。


LTCMがなぜあれほど巨額の相場を張っていたのか、あまりよく判らないな。少なくとも、「ロシア石油」利権に張り込んでいた誰かがいたのだろう、とは思う。なので、ロシアが倒れると「非常にヤバいです」という人たちがいたのさ。それを支えるには、巨額資金が必要だったのだろう。国債金利150%って、もうアホですか、ってくらいの金利水準ですけれど、そんな紙屑みたいなロシア国債を買い支えるというのは、殆ど信じられないもんね。実際には、それがデフォとなってしまって、LTCMは破綻した。多分、LTCMは買い支える資金の出し手として使われたんじゃないだろうか。

いくらノーベル経済学賞の学者さんが揃っていて優秀な人たちが考えたといっても、数兆~数十兆円規模もの資金が集まるでしょうか?過去にそんな経済学者は存在してこなかったと思う。投資家として成功した人もいたけれど、手痛い失敗をした人たちも多数いたでしょう。
いくら何でも、「万馬券」に全額突っ込む気になりますか?普通はしないよね。ロシア国債というのは、そういう万馬券みたいなものですからね。競馬はやったことがないけど、数点買いで分散するとか、少し固めの組み合わせも買うとか、何か考えると思うんですけど。で、万馬券には百円とか数百円とか、せいぜい買い資金の1割以下という程度でしか資金投入をしないんじゃないかと思うんですけど。まあ、ロシア国債に全額ではなかったんでしょうけれど、投資資金のかなりの部分が「万馬券」でなければ、普通は破綻しないでしょう。損失は他の資産売却などで穴埋め可能ですから。

今回のケースは、危機に陥ったのがロシアではなくアメリカだったから、様相が異なる。

「ドルが下落すると、原油が上がる」なんて法則は、基本的に存在しない。そんな解説は、ウソかこじつけに過ぎない。米国原油在庫の変動は、原油価格とは殆ど関係がない。全世界の在庫を正確に出すことができない限り、在庫変動を見ることなんかに大きな意味はない。ごく短期的な変動を説明する為に、都合よく用いられているだけに過ぎない。

続・緊急経済対策―「翔べ、日本」(笑)

この大バカ「エコノミスト」は一体誰なのか、是非教えて欲しいもんだな。
「1%のドル下落は1%原油価格上昇」の法則だよ。
ドル安が止まっても、逆に少し前くらいみたいにドル高になっても、「原油価格は上昇していた」んじゃないの?
適当に、こじつけの解説をしただけだな。

これがホントの、糞「原油価格上昇の法則」だ。



原油価格とバブルについて・2

2008年07月02日 23時54分57秒 | 経済関連
この前の記事(原油価格とバブルについて)の続きです。


原油先物市場というのは全く馴染みがないので、判らないことが多いのですが、少し調べたりしてみました。

①原油先物を空売りすることは可能

TOCOM:1-3 商品先物取引の仕組み

期日前に反対売買を行うか、差金決済などで現物授受には関係なく取引は行えるようです。また当業者の場合であると、EFP取引やEFS取引などの手法もあります。当然ながらオプション取引もあるので、様々な手法の組み合わせなどを選択することは可能であると思います。


②contangoとbackwardation

市場構造の変化が見られていると思われます。原油価格高騰が始まって以降、コンタンゴ状態が継続しているようです。一時的に解消されてバックワーデイションに戻った局面はありましたが、現在でも期先物価格が高い状態となっています。

こちらの解説が判り易い>先物市場構造と在庫の関係

また、過去のコンタンゴの発生時期について資料がありました。
原油レポート No.58

湾岸戦争頃と98年後半頃です。そして、原油価格が上昇して以降の時期です。98年後半から起こった出来事は何であったのか?そうです、これまで幾度か取り上げてきましたが(「円高シンドローム」に初めて触れる)、LTCMの破滅的危機ですよ。ロシア金融危機に単を発して世界的信用収縮が起こった為に、LTCM破綻問題が発生しました。98年というのは特殊な年で、原油価格が大幅下落となりました。OPECだけに留まらず、非OPECも協調して減産に取り組んだにも関わらず、下落していきました。特にLTCM破綻問題以降、ドルは下落し原油価格も下落した、ということです。
(日本は金融危機が本格化し、どん底へと転げ落ちていきました)

07年に原油価格が下落に転じた7月には、僅か数日間でバックワーデイションに戻った時がありましたが、サブプライムショックが深刻になっていくと原油価格が上昇を始め、コンタンゴに逆戻りとなったのです。

本当にファンダメンタルズで説明可能であるのか、ということについては、慎重さが必要なのではないかと思えます。


③missing barrels問題

原油統計の信頼性の問題ということがあるでしょう。在庫の動向で先物市場の価格形成に影響しているという解説があったりしますけれども、それが果たしてどの程度意味のある解説なのか、ということでもありますね。現実とは乖離している可能性もある、ということです。それも「少なくない量」である、ということです。例えば、今年の需要増加見通しが100万バレル/日程度であるなら、ミッシング・バレルの誤差範囲でもカバーされてしまうかもしれません、ということです。

1999年以降の原油価格高騰をめぐる国際石油市場と各国の対応等に関する調査

こちらの記事によれば、97年のOPECの供給量は日量約2700万バレルです。本当に需給逼迫なんてことが起こっているのでしょうか?
ここで記憶を喚起ということで、前に記事で書きましたが、06年12月時点でのOPECの減産決定を思い出していただきましょう。

原油価格のこと

06年といえば、日本経済も随分と上向き、米国経済は堅調、中国の経済成長はすごい勢いで続いていましたね。世界経済成長は稀に見る順調そのものであったでしょう。10年くらい前の97年には2700万バレルの生産量だったのに、06年末には「2580万バレルまで減産」しなければならなかった理由とは一体何でしょうか?
この間に、インド、中国、ブラジルは経済成長を遂げたし、東南アジア諸国だって成長を続けてきましたよ。「石油需要は増大したであろう」ことが推測されるのに、なぜ減産しなければならなかったのでしょうか?(笑)
97年よりも需要が高まっているはずなのに減産する理由というのは、
・他の供給力が高まった
・価格を吊り上げる為に売り惜しみする
というような理由しか思いつきませんが。

米国の生産高についても、大幅に減ったままですよね?
それから、米国の原油在庫減少で原油価格値上がりの理由とされていましたよね?
原油価格のこと・2

米国の在庫水準で、原油価格や先物価格の説明をするのは、結構難しいように思えます。比較的短期間の変動はそういった理由は使えるかもしれないですが、もっと長い期間で観察すると、在庫変動と原油価格の絶対値は必ずしもうまく説明できるとは思われません。


先物市場がコンタンゴとなっているということは原油が値上がりする見通しですから、米国の石油会社は現物を今の時点で沢山買って輸入量を増やし、精製稼働率を上げて将来時点で売れば「儲けることができる」かもしれません。在庫を抱えるコストの方が大きいのかもしれませんがね。
これが観察されないとなれば、当業者が「先物市場で買い建ているわけではない」ということなんでしょう。つまりは、商品ファンドなどのインデックス投資とか、年金や政府系ファンドの資金とか、そういう影響かもしれません。

儲けようと思うのであれば、在庫を減らして「需給逼迫感」を煽り、先高感を演出する方が儲けが大きいということはあるかも。わざわざ現物を大量に買い占めて自分が持っておく必要性さえないのでは、ということ。期日が到来すると価格がそこで決まるわけですから、「現実の取引価格」となってしまいますよね。


ちょっと追加。

簡単な例で考えてみます。

毎期100バレルは決まって売るとします。今、在庫を100バレル持っていて、1バレル当たり100ドルだとします。すると、100バレルの在庫の価値は10000ドルで、100バレル分の売却代金は10000ドル入ってくるということになります。合計20000ドル分の資産を持つことになります。

将来時点で「在庫減少」を理由として1バレルの単価が110ドルになったとします。在庫は10だけ減らして90バレル持つとしましょう。毎期に売る量は変わらずに100バレルですから、これを110ドルで売れば代金は11000ドルとなります。これに在庫価値=90バレル×110ドル分、すなわち9900ドルの価値となりますから、合計では20900ドルの資産価値となります。

今度は、儲けようと思って、ある時在庫を増やして多く売ろうと考えたとしますか。いつもは100バレルの在庫だったのを、少し買い占めて110バレルに増やしたとします。すると、在庫増加に反応して先物価格が100ドルから90ドルに下落してしまったと。いつも100バレル売っていたところを110バレル売るので110バレル×90ドル=9900ドルの売却代金ということになります。在庫は110バレルではなくいつもの100バレルに戻しているなら、在庫価値は9000ドル分ですから、合計すると資産価値は18900ドルになります。

20000ドルだった頃を思えば、損してしまうことになります。
実際には先物価格がそのまま期日が到来して同じ価格で売れるとは限りませんが、在庫減少を理由として価格が上昇するのであれば、そちらの方が儲かることもあるということです。原油や食料品というのは、価格が上昇したからといっても急には需要を減らせません。
買い占めて在庫を増加させてしまうことで先物価格が下落してしまうのであれば、量的に多く売ったとしても儲からなくなってしまうことはあるのではないでしょうか。期近物の方が価格が上昇するというバックワーデイションになっているのなら、多く売れば儲かるということになるかもしれませんけれどね。

値上がりしていくコンタンゴになっている限り、在庫を増やすことなく将来時点で一定量を売るのを継続した方が、現物を持っている人は十分儲けられるでしょう。産油国にとっては、儲かる方法になっているであろう、ということです。


あと、T-billのことですけれど、利下げしたから価格下落というのも一概には言えないように思いますけれどね。パニックになっていた時期には、猛烈に価格上昇が観察されたわけで、利下げしても国債金利が上がるとは言えないのでは。

参考>心臓には腎臓を救えない(笑)

国債金利上昇となってきたのは、原油価格・商品上昇→インフレ懸念増大→将来の名目金利上昇、というような見通しの変化によるのではないでしょうか。利下げによって実質金利がゼロかマイナス近辺、しかし期待インフレ率が高まることで名目金利が上昇してしまう、ということではないかな、と。これまで米国債を買っていた投資家たちのポートフォリオ変化も勿論あるのでしょうけど。



対戦車伏撃戦術とスナイパー

2008年07月01日 17時36分02秒 | 防衛問題
via REVの日記 はてな

スナイパーはMLRSの攻撃で排除されるらしい(笑)。
これは予想通りだったね。
オイラは「孤高のスナイパー」

『多くの戦場において、町で一番高い教会の塔などに陣取って狙撃するので、滅多に撃ち返されることはない。相手側からもこちらが見えていないことが多い。しかし、塔ごと砲撃を食らったり、教会周辺なんかの絨毯爆撃などを食らったり、精密誘導兵器で攻撃されるとひとたまりもない(笑)。』

これはどうでもいい話だな。


本題はこれ>市街地での対戦車防御戦術

初めて知りましたよ、こんな戦いを。やはり研究している人たちがいるんですね。
なるほど、とは思います。

でも、普通に考えれば、特別に「軍事知識」に詳しくなくても、「誰でも」思いつく程度の話なのではないかな。将棋とかとおんなじ、ってことだよ。車で道路を走る、建物を目にする、街中を歩く…そういう日常生活の中で、「考えてみれば判る」ということは結構ある。地形についてもそうだ。あと少しの部分が、専門知識の差だろうとは思う。基本的には想像力の問題だろう。


戦法としては、想像していたのとかなり近い。

防衛省の要求は通らないの中で書いたのと大して変わらんよね。それでもある程度?というか、それなりの効果が得られる、ということだ。現実的に考えるというのはこういうことだろうと思うけど。

しかし、それが「考えられない」人たちが大勢いるんですよ。「知識が豊富」とかいっても、「有効な対策」という視点にはなっていないのとしか思えませんね。知識がある、ない、という問題ではなく、ある場面・局面での「どのように対処するか」という発想の問題ではないかな、と思うね。脅威に対処というのは、もっと具体性のある運用というものを考えるべきなんですよ。

全体的な展望も、将来的な戦略も、今の自衛隊には欠けていると思いますね。そういうのは詳しい人が考えるしかないのに、まともに考えてきたことなどないとしか思えん。
防衛族議員連中にしても、利権優先があるだけで、実効性ということを考えているとは到底思われない。


市街地戦を長期間やるというのは、大変なんですよ。だからこそ、包囲した方が楽だね、ってことを言っているわけで。

因みに、古い話で申し訳ありませんが、「6人のカレー市民」みたいなことに日本がならないのか、ということは考えるべきでしょうね。

カレー包囲戦 - Wikipedia

完全に封鎖されると、中の人たちが苦しいから。
エドワード3世が反対を押し切って約1年もの間包囲を継続し、結果的には重要な軍事拠点を無傷で手に入れたのですからね。こういうのが「賢いやり方」だろうと思いますけど。

それをわざわざ全国の都市部をゴーストタウンにしながら、地上戦を頑張り抜いて首都攻略を目指す、とかいう愚策を考えるのは、愚かな指導者や指揮官の時だけだ、というのは、そういうことですから。日本の地形的特徴を考えるべきだ、と再三言っても、考えられない人たちは大勢いるみたいですけど(笑)。




誰がこんなシナリオを出せと(以下略)

2008年07月01日 16時16分33秒 | 防衛問題
やぶ蛇ww

詳細はよく知りませんが、思わぬところからボロが出てしまうようで。
シナリオを出せと書いたことは書いたが>防衛省の要求は通らない
本当に不思議なもので、思わぬシナリオが出てきてしまったようですね(笑)。


陸自の演習図入りメモリー紛失:根深い隠ぺい体質 99年、HP公開の米に削除要求 - 毎日jp毎日新聞

随分古い話みたいですが、在日米軍がHPに公開w、ってのも笑える。さすが情報公開の鬼、米軍だ。ある意味、立派だと思う。正しく理解してくれや、というのが根本だろうし、そもそも自衛は当たり前の国民性だから日本みたいに過剰反応が起こらないのでできる話だろうと思う。けど、陸自からすると、思いっきりバレバレは困りますデス、ということだったのでしょう。

メモリを盗まれた2佐は超可哀想。被害者なのにね。処分されちゃう。しかも盗んだのは1尉の人だったそうで、たった2千円くらい盗んで人生を棒に振るなんて、どうかしてる(ひょっとして当時であれば、メモリ自体の方が高かった??)。しかも下っ端とかでなく、上の階級の人間じゃないか。上官となるべき人間として、どうよ、とは思う。そんなみみっちい根性で隊員の命を預かれるのか、って話だわな。


でも、今回の一件がどうして明るみに出たのかちょっと不思議ではあるんだけれども、こんな図ではないかと予想。

財務省に予算を認めてもらおうとしたら、丁度「居酒屋タクシー問題」で処分がバンバン出ていた財務省の方ではムシの居所が悪くて、「予算を認めて欲しければ、きちんとシナリオを出して下さい」とかマジで言われちゃったんでは(笑)。で、防衛省に戻って、悪巧みの相談じゃなかった、失礼、予算獲得の為の「作戦会議w」が開かれたのではないでしょうかね。

役人1:「マジで財務省のヤツラ、シナリオ出せるだろ、出せるもんなら出してみろや、とか言い出すし」
役人2:「ホント、困ったなあー。このままじゃ、予算切られちゃうよ。制服の方でナンか出してよ」
制服1:「そんなこと急に言われても…」
役人1:「いや、上陸侵攻作戦はそもそも急に来るから」
制服2:「そりゃそうだ(笑)」
役人2:「笑いごとかよ~真剣に考えてよ、もう~」
制服1:「そういえば、昔に図上演習があったんじゃなかった?」
制服2:「あった、あった。丁度オレが結婚まもない頃で、カミさんが怒って実家に帰ってい…」
役人1:「誰がそんなことを聞いているんだよ。演習の話だろ」
制服2:「ええっと、ワザと右派の本拠地wから上がってくることにしたはず」
役人2:「それは嫌がらせ?設定に特定の意図を感じるなw」
制服1:「そうそう。あそう太郎閣下の所や安倍ちゃんの所近辺だった」
役人1:「何?いまのオヤジギャグ?つまらん」
制服1:「こりゃ失礼。でもね、九州北部と山口界隈から上陸してくる想定だった」
役人2:「じゃ、そのシナリオの設定でいいから、とりあえず出して。どうせ財務省にはわかりっこないから」
制服2:「そうだね。ミリオタ財務官僚を連れてきても、米軍も認めた想定だから、って言えばいいし」
制服1:「財務省なんてどうせ数字しか見ない石頭なんだから、数字さえ揃っていれば何だっていいんだよ」
役人1:「それでは決まりだな。そのシナリオを持っていくから。今日中に出して」
制服1:「あの時のデータは誰が持っているかな…ちょっと探してみるから」
・・・・・・
制服1:「ヤバイよ、あん時のデータはね、消去しちゃったんだって!」
制服2:「な、なんだってー!!(○○略)」
役人1:「モノがなければ話にならんでしょ」
役人2:「そうだよ、なんでそんな大事なモンをなくすんだよ」
制服1:「いや、そうじゃないんだって。データは元々消去することになっていて…」
役人1:「そんな演習、意味ないじゃん!何の為に演習すんだよ」
制服2:「何の為って…Warゲーム?」
制服1:「違うでしょ!!ウォーゲームじゃないでしょ、シミュレーションゲームでしょ」
役人2:「やっぱ、ゲームだろw」
制服1:「もとい、シミュレーションとプログラムの確認だったと思うよ」
役人1:「それって、今は使われてないの?」
制服2:「昔よくあった飛行シミュレーションとか、ああいうのと似たようなプログラムだったような」
制服1:「初期設定を入れて、あとは実際にPC上で運用をやってみると、時間経過ごとに結果が出てくるってヤツ」
役人2:「なんか、ウソくさいような…」
制服2:「あくまでシミュレーションだから…」
制服1:「損害率とか生存率とか、そういうパラメータで変わるけど、支配地域の大きさはある程度判るんだったかな」
役人1:「でも、前世紀の作品でしょ?それってどうよ?」
制服2:「そうなんだよね。そもそもゲームみたいなもんですから」
役人2:「結局ゲームなんじゃないのw。で、それが何故今は残ってないの?」
制服1:「それがですね…かくかく然然」
役人:「ええっー!!そ、そんなバカなことが…トホホ」
制服:「だからマズイんですよー、肝心な時に使えない…まるで(以下略)」
一同:「困ったなー、どうしようかねえ…また最初に逆戻りじゃないか…作戦会議やり直しだ…」

……

(壁に耳アリ障子に目アリw)
(人の口に戸は立てられぬw)
ヒソヒソ…ヒソヒソ…


某省担当記者:「…、あっしは帝国海軍命ですから、何なりと…」
某省中の人:「ここ最近海ばかり非難されてきたからね…陸の連中はここぞとばかりに叩きおって…」
某省担当記者:「で、陸を叩けるいいネタを掴んだんですね?」
某省中の人:「そうなんだ。確かシナリオがあったハズ!と閃いたまではいいんだが、ショボイ不祥事まで閃いちゃったみたいでw」
某省担当記者:「そんな話があったとは。10年も前の話を蒸し返すなんて、××さんも人が悪い~ww」
某省中の人:「いいんだよ。海が叩かれて大喜びしてたのは陸のヤツラだから。少しは思い知るがいい」
某省担当記者:「じゃ、書いちゃいますよ。また情報漏れってことになってしまいますね」
某省中の人:「うん、いいの。書いちゃって。どんどん書いちゃって。海の不祥事の時なんて、向こうの誰かが率先して情報を流してたんだから。謝罪会見がどれほど辛く恥ずかしいものか、思い知るがいい」
・・・・・・

こんな下らないシナリオなら直ぐに思い浮かびます(笑)。


いつも「囚人のジレンマ」状態
結局、互いが相手を突き落としていくので、結果的には両方とも堕ちていく~~
バカだな。「協力」という言葉を双方とも知らない。
恐らく自衛隊の辞書には「連携」「協力」という言葉は載ってないんだろう。大戦前からの悪しき伝統?


米軍がHPに公開していたということは、「米軍は公表してはいけないとは思っていなかった」ということなんだから、米軍に「メモリを紛失しましたよ~」なんてわざわざ言う必要性なんかないんじゃないの?そうじゃなくて、それは内部的な問題でしょう。
実際、内容的にそんなに重要なものだったんでしょうか?
多分、そんなことはないと思うけど。いつものいい加減な推測ですけど。大体、防衛側だって「ヘボ将棋」の域を出ていないのであれば、そんな情報を知ってみたところで何の役にも立ちませんw。そんなのを本気にして「攻めて来る」のは、本物の「おマヌケ指揮官」と「キチガイ部隊」だけですよ。やる気なら、もっと本気で考えてくるでしょう。公表情報で「香車の串刺し作戦」みたいなのが出ていたら、明らかに「これは罠だな」と思うでしょう。ワザとバカなフリをしているんだな、と。


あと、防衛省内部にシナリオを書けない人々が多すぎw
どなたか、作家や脚本家でも紹介してもらうといいんじゃないでしょうかw
すぐに思い浮かぶ適任者がおられます。戦記もの、戦記もの・・・(笑)