いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

スエマエは大健闘だったね

2008年08月13日 21時12分45秒 | いいことないかな
いいゲームだった。
相手の韓国ペアは老練だった。


細かい話はいいとして、勝敗を分けたと思ったのは第1ゲームの日本がゲームポイントを掴んだ時。20-18でリードの局面だった。

あそこで「勝ち」への欲というか、意識しすぎたのだと思う。どちらかといえば、「無欲の勝利」だった前の試合と比べ、「行ける、大事に行こう」というようなちょっと守りの気持ちになったように思った。あそこで、攻めきれていたら多分勝っていたと思う。

が、韓国ペアの粘りと経験の差が出たのだと思う。連続ポイントを許し、追いつかれてしまった。

その後、20-20の同点から、韓国ペアの強気で打ったショットがネットインとなり、今日の「ツキのなさ」を象徴していたかもしれない。が、あれも、強気で打てたからこそネットを越えて落ちたのだと思う。あれが「今日のツキ」だった。

それにしても、次のポイントは歴史的なラリーの応酬と呼んでいいプレーだった。日本の女子バドミントンの歴史に刻めるのではないかと思った。

スエマエがゲームポイントを握りながら逆転を許し、相手にゲームポイントを握られた。ここで気持ちを切らさず、チャレンジャーの気持ちを取り戻してプレーした。

何本打ったか、返したか、判らない。
が、素晴らしいプレーだった。

勝敗は紙一重だったと思う。
ナイスゲームだった。よく頑張りました。
感動しましたよ。


まだ次の試合があるので、悔いのないプレーをしてもらえればと思います。



日本男子の柔道はどうなったの?

2008年08月13日 16時47分11秒 | いいことないかな
かなり厳しい状況が続いている。女子が結構頑張っているのに、男子の不甲斐なさが目についてしまう。


内柴以外は、初戦負け、2回戦負けだもんね。悲しい。
これ程までに弱体化しているのは、何か理由があるのかな…?

これから出る選手には是非とも頑張って欲しいね。



ヘンな本というのはあるものなんだね

2008年08月12日 17時41分10秒 | 俺のそれ
ボツネタ経由。


東京大学英米文学・阿部公彦の書評ブログ『東大入試 至高の国語「第二問」』竹内康浩朝日新聞出版


こんなことを考えていたり、調べたり、研究したりしているもの好きな人がいるんだなあ、という印象。


書評中にある、
『「お互いがお互いの不幸を呼び寄せているという連鎖」の認識だという。』
という部分は、まあ、確かに現実社会ではよくありがちな、しかし日常では忘れられがちなことなんじゃないかな、とは思う。

けど、詩の行間からそんなことを読み取れるものなんだろうか、と、「ブンガク」の凄さに脱帽する。オレにはそういうセンスはない。文章の出来具合とかにしても、「うまい文章」を書ける人たちは結構たくさんいる。オレは「小4クラス」だからどうしようもないとして(笑)、やはり文系のヤツラは文章を読んだり書いたりする能力は高そうだと思う。
が、簡単なことを「超小難しく」言っているように思うこともあり、何でもっとストレートに言わないんだよ、とイラつくこともあるかな。弁論士?弁術士?というような―そんな階層は現実にはないんだけど―言葉を操る人たちがいて、時に何を言ってるのか判らんな、ということはある。もっと平たく言ってよ、と感じる、ということかな(笑)。


ああ、あれだ、「のだめ」に出てくる音楽評論家のナントカって人がいちいち講評する時の、詩的表現というか複雑怪奇な表現というのに近いかも。

きっと読む量とか、そういうので文章にこなれているというのが重要なんだろうと思う。そういう才能を持つ人々が羨ましいです。



オグシオは残念だったね

2008年08月12日 16時38分37秒 | いいことないかな
ちょっと可哀想だった。
「受け主体だと、相手側の攻撃にツボられると一方的にやられる可能性がちょっとあるから、気をつけた方がよいかも。」と昨日書いたんだけど、これとほぼ同じような感じで一方的に攻撃されてしまった。

中国ペアはどうみても「おっさん」にしか見えんだろ。ありゃ、反則ではないか?(冗談)
前日のオグシオの試合の時に、この「おっさんペア」は隣のコートで試合をしていたと思うけど、男子の試合をやっているのかと思ったくらいだったもの(笑)。あの時も、凄い応援だったね。ま、バドミントンの試合というのが面白いものなんだな、と知ることができてよかった。

◇◇◇


試合の流れが決定的となったのは、第1ゲームの審判へのアピールというか、クレームだった。あれで悪い方へと傾いていった。

中国8ポイント、日本5ポイントくらいだったと思う。その前のポイントで中国ペアがサーブの動作か何かでクレームをつけて、日本チームの集中を乱していたかもしれない。
一番問題だったのはその直後のポイントで、潮田がサイドアウトの判断でwatchして、アウトだったのに判定はインで、中国側にポイントが入ってしまった場面。あそこで、序盤からちょっとナーバスになっていた潮田が納得いかなくて、プレーに集中できなくなっていったと思う。それまでは、おっさんペアの攻撃はそこそこ冴えていたものの、オグシオも負けじと攻めていっていたからね。特に、小椋のスマッシュ打ち込みは何本かいいところに行っていた。だからポイント差がそんなに大きく開いていなかった。

が、サイドアウトかインかの判定でちょっと動揺したというか、プレーに集中できなくなっていた。周囲の観客の声援とか、おっさんペアの憎らしいまでの動作とか、そういうのに乱されたのではないかと思う。
「スエマエ」コンビが開きなおって、足を動かし積極的にプレーして活路を開いたのとは対象的だったと思う。こちらは、「若さ爆発」みたいな感じで、迷うのを止めて自分のできる全力プレーにだけ集中した結果、2人の持ち味が上手く噛み合ったのだと思う。年長の方がうまくつないでチャンスを作り、若い方がハツラツ積極プレーで決める、というような感じ。

が、オグシオはあのクレーム2発で、立て直すキッカケを失った。
まず攻め急ぐ感じになってしまって、ミス。で、今度は思いきって攻められなくなったので、ついついつなぎのロブを多用する結果となり、おっさんペアのスマッシュを何発も食らった。何本かは対応するものの、スピードが早く甘くなったところを決められるか、ドロップショットを織り交ぜられて、揺さぶられた。相手のウマさというのは勿論あったと思うが、あのサイドアウトの判定を巡って、怒りとか納得できなさみたいなものを抱えたままプレーに入り、集中できなくなったことが最大の敗因だと思う。

何よりも、積極的にプレーできなくなるので、足が動かなくなっていった。体が、プレー全体が、ちょっとだけ堅くなってしまっている、というような感じだった。心理的ダメージが逃げのプレーに繋がり、ロブを上げざるを得なくなっていき、それは悪い方へと回転していったのだと思う。だからスマッシュを打ち込む回数が激減したし、少し甘い球(羽?シャトル?)が返ってきても前に立っている潮田は動けずに見送るか、中途半端に落とすくらいしかできなかった。思い切って前に詰めて決めるシーンがなくなってしまったのだ。

こんなはずじゃない、と思っているうちに、いつもならうまくつないでいるロブさえもミスしてしまい、打つ手を失った。八方塞がり状態となって、急速に試合への闘争心を失っていった。相手と戦っていたのではなく、「アレ?おかしいな、どうして?自分はこんな…」という自分不信と戦ってしまったのだと思う。ダブルスの2対2じゃなく、3対2とか4対2という戦いになってしまえば、相手が強くなるに決まっている。相手に加勢しているのは、自分自身の分身なのだから。
まさにハマリ形になっていたと思う。


心理的な僅かな変化、そういうのが、影響してしまったんだろうな、と思った。
第1ゲームを捨てるのであれば、思い切ってハチャメチャに走り回るプレーを何回かやってみるとか、自分たちが主導権を握って、一か八かリターンで仕掛けるとか、何かトライしてみたらよかったんじゃないかな、と思った。無我夢中で走り回ると、いつの間にかプレーだけに集中して、気付かないうちに普段通りの自分に戻ってることがあるから。自分のパートナーに悪いから、ゴメンねと思ってしまって、中々そこまでできないのも現実なんだけど。「このゲームを捨てるから、思い切ってスマッシュを振り抜こう、腕を振ろう、前に突っ込もう」というギャンブルができるかというと、試合中だけに難しいからね。
しかし、そういうきっかけを掴めず、本来の実力を出し切れなく敗れたので、悔しいのと無念なのと、色々とあると思う。



日本のサッカーは良くなった

2008年08月11日 19時51分31秒 | いいことないかな
今回の五輪代表を見ていて思ったことを書いてみる。

ま、想定内といえばそうかも。ここまでオランダ0勝は予想外でしたが。

五輪サッカーは

悪い予感が当たり、連敗で早々に予選敗退が決まってしまった。
それは確かに残念だ。けれど、サッカーの内容はフル代表よりもいいんじゃないか、と思えるくらいだった。


まず、無駄なバックパスを多用しない。意味なく玉回しを繰り返さないのは良い。
攻め手を編み出す閃きとか、試行錯誤もフル代表に比べて良くなっていた。
ハイボール、低い弾道、グラウンダー、ショートパス、色んな攻め手があったことは大きな進歩だった。

米国戦では、日本の攻めがかなり通用する場面を生み出していた。ただ、運がなかった。ナイジェリア戦でもそうだった。「あと一本」というか、「あと半歩」というか、僅かに届かなかった。


同じようなボールを供給してしまいがちなフル代表に比べれば、攻め手のバリエーションでは進歩が見られたと思う。両試合とも1点差負けだったけれど、日本代表が強くなっていたからこそ、この結果だったのだと思うよ。
あのオランダでさえ、ここまで2分けですよ?勝ってないんですよ。なので、日本はかなりいい試合をしていたと思うよ。

あと必要なのは、野生動物的な「瞬間力」というか「反応力」という能力なのかもしれない。セットプレーとか、そういう練習ではなく、いつどこに来るか判らない状態から、急に体の近くにボールが来るのを処理してシュート、みたいな、瞬間的反応を磨いてみるとか、かな。アフリカの選手みたいな驚異的身体反応や瞬発力を見せろ、ということではないけど、アッと思ったら足を出してボレー、とか、そういうのがことごとく外していたからね。自分の近くに思いがけずボールが来た時の体の使い方やボール処理の仕方が、一呼吸遅れているような感じがした。コーナーキックとかみたいに、予め来るかもと思って心の準備ができている時には、シュートまで行けるし反応もできていると思うんですよ。けど、流れの中でゴール前にいいボールが来て「大チャンス」場面になったりすると、急に対応ができずやや慌てる感じになるかも。来るぞ、という心の準備ができていないような気がするんですよ。


そうは言っても、これだけチャンスを作れた、というのは、これはこれで凄いことなんですよ。「あと半歩」まで追い詰めて、運が良ければ「日本が勝っていてもおかしくはなかった」というか、米国戦なら日本の方が良い試合内容・プレーだったと思う。
フル代表のW杯アジア予選での試合みたいに「突破口が開けない」というような、閃きのなさ・打開力のなさ・工夫のなさということはなかったように思う。だから「苛立ち感」は随分と少なかったよ。なんといいますか、ホームランかと思ったらボールをフェンス際で奇跡のジャンピングキャッチされたり、タイムリーだと思ったら好返球で捕殺とか、そういうのの連続で点が入らない試合みたいな、そういうモヤモヤ感はあったけど。

最後のオランダ戦は、勝ち点目指して頑張って欲しい。オランダは勝ち以外は予選敗退なので、死ぬ気で向かってくると思うから、いい経験になると思う。日本が気落ちしていたら、4-0負けとかだって有り得るよ。日本のサッカーは通用しないわけじゃない。勝ち点ゲットを目指そう。

他3チームは思ったより力が接近しているのだろうと思う。だからどこが上がれてもおかしくはない。ひょっとすると、オランダが日本に勝ったとしても、米とナイジェリアが引き分けということになれば、1勝2分けで3チームが並ぶ可能性だって有り得る。得失点差が重要になるから、オランダは日本戦ではひたすら点を取りに来るだろう。オランダが1-0勝ちなら、得失点差は3チームとも並ぶ(+1)が、総得点でオランダが4点になるので、残り試合が0-0なら上回れる。1-1だと、3チームが得失点と総得点で並ぶ。オランダが2-0以上の勝ちなら、得失点差でトップ。ま、他人事だから別にいいが、最終試合は他の3チームにとっては死活を分ける戦いになるのは間違いない。


いずれにせよ、日本はめげたりせず、いいサッカーを見せて欲しい。




これはすごい!女子バトミントン

2008年08月11日 13時41分00秒 | いいことないかな
完全アウェーの試合会場で、いわゆる「オグシオ」の影に隠れたペアが大金星!とは!!

Yahooスポーツ - 北京オリンピック特集 - ニュース一覧 - 末綱、前田組大金星!第1シードの中国組破った…バドミントン女子


世界ランクでは断然格上の相手に、競り勝ってしまったようだ。ダブルスの怖さというか、面白さというのはこういうことがあるんだよね。シングルスだと個々の選手の力量差がモロに出るから、中々大逆転とか大金星というのが難しかったりしますが、ダブルスって不思議なもので、何故かコンビの力が大幅に増幅されたりして良い方に歯車が回ると驚異的力が出せたりすることがある。自分の力以上に結果を出せる、ってことなんだよね。

このペアは第2ゲームを粘りで取って流れを掴んだのだろう。自分のパートナーのプレーが自分を押し上げてくれる。その自分のプレーがまたパートナーを押し上げる力を生む。
相手のランク1位ペアにとっては悪夢のようだったろう。悪い方に転げていくと、ハマることもある。

いやー、よくぞ勝ちました。
次も期待したいです。



たまたま昨晩オグシオの試合が放映されていたので、観たんですよ。私はバトミントンの経験がないし、ダブルスの試合というものもよく知らないんですが。当然オグシオの試合を観たのは初めて。

相手のデンマークペアは漫画の設定でよくありがちな典型例だった。2人コンビを作ろうとする時、敵役に登場させるには最も都合よい感じ(笑)。まず凸凹。1人はかなり大きく、もう一方はやや小柄。ね?よくある典型例でしょ?
で、1人はサウスポー。これも設定としてみれば、素晴らしい。いや、現実がそうなんだけど。なので、相手ペアは絵に描いたような、ダブルス向きのコンビだった、ということですね。

さて、試合の方ですが、素人の見方で恐縮ですが書いてみます。
オグシオは基本的にタイプとしては、「つなぎ」型かな。将棋で言えば、「受け」が強く、返し技で相手にダメージを与えるような感じ。なので、相手に仕掛けさせたり攻めさせても、あまり苦にしないように思えた。超攻撃型ペアだと、力で粉砕されてしまう恐れがあるけど(攻撃がツボにはまると受けを潰すことが可能、というような)、攻撃されても撥ね返せるだけの受け技術がある。一撃で決められないような所にロブをうまく上げるとか、そういったつなぎショットが相手よりも上回っていた。自らは無理な攻めショットを打つ必要が少なくなるので、ミスショットの確率を下げることができるかもな、と思った。

が、破壊力のある攻めパターンをあまり持っていないので、自分から仕掛けて形を作るというのがやや少ないかな、と思った。スマッシュは数本打って決まってはいたが、どちらかといえば相手側のミスで浮き玉(玉じゃないんだけど、バトミントンでは何ていうのかな?「チャンスボール」みたいな時の言い方は)になったところを決めていた感じ。相手側ペアの方が巨人の人が打ち込み、甘く返ったところを小柄な方がネットに詰めて決める、という、得意の得点パターンを持っていた。だから、ちょっと手こずることになったのだと思う。受け主体だと、相手側の攻撃にツボられると一方的にやられる可能性がちょっとあるから、気をつけた方がよいかも。


あと気になったのが、潮田のサーブかな。この場面は徹底して狙われていた。打ち方にクセがあるのか、前後のフォーメーション(潮田サーブ、後ろに小椋)に穴があるのか、よく判らなかったけれども、リターンを厳しい所に打たれ、あっさりポイントされるか、1本はどうにか返しても次で決められているケースが目についた。小椋のサーブの時には、ああいうリターンがそんなに多くは来ていなかったので、潮田のサーブは研究されているか、何か欠陥があるのかもしれない。今更こんなことを言ってもしょうがないんだけど。
悔いのない試合をしてもらえるなら、それでいいと思う。頑張ってね。




続・中国ギョーザ事件と日中関係

2008年08月11日 03時19分46秒 | 外交問題
この前(中国ギョーザ事件と日中関係)の続きということになってしまいました。続く予定はなかったのですけれど。

日本側がどうしてそんなにギョーザ事件に拘ろうとするのか、私には判らない。

高村外相、16~18日に訪中へ…ギョーザ事件などを協議(読売新聞) - Yahooニュース

この報道では、「中国製冷凍ギョーザ中毒事件の全面解決に向け、中国側の捜査の加速を重ねて要請する考え」となっているが、その意図がまるで判らない。本気でギョーザ事件の全面解決なんて可能だと思っているのだろうか?中国側の事情だって、そう簡単ではないでしょう?何かと裏があったりするんじゃありませんか?

中国食品監督局長が自殺 香港紙報道

(以下に一部引用)

【香港8日共同】8日付の香港紙、星島日報は中国国家品質監督検査検疫総局の食品生産監督管理局の☆建平局長(42)が自殺したと伝えた。2日に建物から飛び降りた。自殺の前に司法当局が局長と接触していたとの情報もあるという。

 国家品質監督検査検疫総局は食品や日用品の安全性確保や動植物の検疫などを担当。その中で食品生産監督管理局は国内での食品の安全管理や監督、食中毒事件の調査を担っている。中国国内で6月中旬に起きたとされるギョーザ中毒事件の対応にも同監督管理局がかかわっていたとみられるが自殺との関係は不明。

=====

単なる偶然の出来事なのかもしれませんが、日本側報道、自殺、と同じタイミングで起こりますかね?
ちょっと謎めいている、とは思うね。


例のサミット前の申し入れというのは、「中毒原因となった薬物混入は中国側である可能性が高い」ということを中国側が認めた、ということである、と。でも伏せておいてほしい、ということだった、と。
もし中国側に全面解決の意思があるのであれば、ニセだろうが何だろうが、「コイツらが犯行グループでした」ということで、貧しい出稼ぎ農民とかを数人みつくろって、でっち上げ犯人でもいいから逮捕劇を見せればいいだけだろう。それくらいの情報統制はいくらでも可能。中国国内の犯罪なのだから中国で裁けばいいだけだし、犯人グループが補償できないということで、そこで全ては終わる。たとえ本物の犯人が見つからないとしても、それで終わらせられる。なのに、どうしてそういう道を選択しないのか?

答えは簡単。そうしたくないから、だ。
表向きは、「中国製品は安全」でなければならない。なので、中国側に非があって、薬物混入が行われた、ということを認めるわけにはいかない。それに、これまで主張してきた「中国側に原因はなかった」ということがウソだったのか、ということにもなりかねない。それまでの調査や報告、あるいは事件捜査などが全て根拠曖昧とか崩れ去ることになってしまう。なので、表向きは「中国側に非はなかった」ということでなければならない。つまり、日本側への申し入れは「伏せておいてほしい」という要望を出すことになるだろう。伏せてね、というのは、単に中国の面子問題(結果的に前言撤回ということになるから=恥)というだけではない。「信頼性」の問題なのだ。

それから、「中国国内で6月くらいに同じような中毒事件が発生したらしい」という示唆があって、だから言い換えると「中毒原因となった薬物混入は中国側である可能性が高い」ということになるのが十分推測されますね、という、非常に遠まわしの表現をしたことに意味があるのだ。中国側が直接「中国で薬物混入が起こったと思うよ」と言えばいいものを、そう言わないということそのものに意味が込められているのだ。上に書いたように、面と向かっては「言えない」ということだからだ。あくまで「非はなかった」の形になっていなけりゃダメだからだ。犯人をでっち上げてケリをつけたりせず、暗に「同じような中毒事件はあったみたいだよ」という形でしか方法がなかったのだ。本当に捜査する気があるのなら、伏せたりせずに公式発表を行うだろうし、それに、普通であれば事件をかなり解明した後で日本側に通告するだろう。
大体、「ダンボール肉まん」が作られるような国なんだよ?
あの時も、急に公式発表を行って、「番組のヤラセだった」という形に落ち着けたわけだが、多分ヤラセなんかじゃなかったろう。あれは、本気でやっていた人たちだと思うよ。肉まんだけじゃなく、他の色々な食べ物で偽装が行われているのが常態化しているのだよ、中国は。農薬だの、消毒薬だの、その他薬品類だの、厳格に行われていないことは多々あるだろう。だから、「何を食べて中毒症状が出たか」なんてことは、殆ど捜査されないと思う。そんなことをいちいち真に受けて取り上げていたら、「ハラ痛の人たち」であふれかえるよ(笑)。冷凍ギョーザなんか微々たるもので、何かを食べて中毒症状が出た人たちは探せばいくらでもいるだろうけど、それで特定の食品の販売停止とか業者への罰とかが適切かつ十分に行われているわけじゃない。

それにだな、中国人がギョーザを食べるのに「冷凍食品」を食べると思うか?(笑)
乞食とかなら何だって食べるだろうけど、でも、そういう人に中毒症状が出たとして、誰が「冷凍ギョーザのせいだ!」と言ってくれる?誰も中毒原因なんて調べてくれないし、監督・調査機関にそうした情報が来ることなんてまずないだろう。「腹が痛い」と言ったって、「お前はどうせロクでもないものを食べたんだろう、飢えて食い意地が穢いからだ、ゴミ箱漁りでもやったせいだろう」とか言わるのがオチで、信じてなどもらえないだろう。
たとえ未回収品があったとして、金を出してまで冷凍ギョーザを食べる中国人はあまりいないだろう。ギョーザに限らず、食べて腹痛になったとしても「チクショウ、騙された」となら思うかもしれないが、監督機関に訴え出るという中国人は滅多にいないだろう。

要するに、中国で同じく中毒事件が起こったのだ、という中国側の意見は、どうみてもウソっぽいのだよ。可能性はあんまりなさそうだね、という印象を受けるのだ。


そうまでして、何故「中国側に非があったかもね」ということを自ら受け入れ、日本側に申し入れしてきたのか、ということを汲み取ってやれよ、とは思うけど。その方が後々日本にとっては好都合であったかもしれないのに、ということだ。なのに、どういうわけだか、「ギョーザ事件の真相解明、全面解決に全力」って、あんたアホですか、って話だな。ギョーザ事件なんて、殊更クローズアップせんでもいいものを、マスメディアだけじゃなく日本側もバカだから、ギョーザにこだわり続けているんですよ。


監督局長の自殺理由は判らないが、「監督責任を問われたから」ということなのか?でも、それなら中毒事件が発覚した後に自殺していても不思議ではないよね。騒ぎが収まっている今頃になって自殺するというのは、ちょっとどうなんだろうか、と。もっと大騒ぎしていた頃に自殺しているなら、ああそうか、と思うけど。そもそも、本当に重大な監督責任を問われるのであれば、局長ポストを降ろされるだろう。首を切られてもよさそうなのに、そうじゃなかったのであれば、そんなに大袈裟にいうほど「監督責任を問われていた」というわけでもなかったんじゃないのかな。他には、新たに発生した中国国内での中毒事件について何か問われたのか、それとも以前の調査結果などが捏造であったことが発覚したというようなことであれば、新中毒事件後に自殺するというのは理解できる。が、中国国内でそうした動きがあったということは、一切報じられていなかったんじゃないのかな。つまり、この可能性も少ないんじゃないでしょうか、ということだな。

私が予想する自殺理由はもっと別だ(陰謀で殺害されたというのは違うと思うけど)。
中国側に非があるということを認めることができない、ということではないかと思う。「絶対に我々には落ち度がない」という頑固さだ。それ故、抗議の自殺、ということは有り得るのではないかなと。「監督官庁として何ら問題なくやっていた、我々は正しい」という曲げられない思いが強かったが故ではないだろうか。


いずれにせよ、ギョーザ問題で中国にツッコミ入れたところで、何か得られるとも思えない。




流れ星

2008年08月10日 15時22分54秒 | 俺のそれ
またキャンプに出かけた。
原油高のせいなのかどうかは知らないが、辺り一帯でテントを張っていたのはウチだけだった。好天に恵まれ、絶好のアウトドア日和だと思ったのに、日中に2~3組のグループが来ていただけで、夕暮れ前には帰っていった。ひょっとすると、車での移動を避ける為に、キャンプにさえ来なくなってしまったのかもしれない、と思った。キャンプは割と安い娯楽であると思うのだが、それすらも厳しいというのが世間一般の状況なのかもしれない。


昨年は雲があったので夜空の星は僅かしか見えなかったのだが、今年はよく見えた。多分、過去15年くらいで一番よく見えた星空だったのではないかと思う。周囲には街灯がとても少ないので空全体は結構暗く、都市からも離れているから星が見えやすいのだ。あっちが南の方だね、なんて言いながら数分か数十分か空をじっと眺めていたら、流れ星を見た。おおー、何年ぶりだろうか?最後に見たのはいつだったか?大学生の時に長野の山奥ん中で見たのが最後だったか?どうも思い出せない。

流れ星に願事をする暇がなかったよ、あーあ、勿体無かったな、残念、とか何とか言いながら、ビールを飲んだ。暫く後に次の缶ビールに取り掛かって、今度は北極星のあたりをぼーっと眺めていたら、再び流れ星が。うお!とか、変な声を上げて、子どもや妻に、流れ星、流れ星、今度は見た?ね、見た?、としつこく繰り返してしまった。だって、一生のうちで、一晩に2度も流れ星を見たことなんてないんだもの。滅多にない出来事にちょっと興奮気味といいますか、年甲斐もなくやたらとはしゃぐ父となってしまったのだった(笑)。また願事ができなかったよ。


そうだな、高校生とか大学生になってからは、夜空を見上げる機会は減っていった。多分、一番見上げていたのは、小学生の頃だったと思う。星の観察とか、そういう何かの目的とか意味とかは、一切ない。天体望遠鏡なんて持ってなかったし。ただ、見上げるだけ。そういうのが好きだったから、ということだけだろうと思う。何故自分がそうしたかったのかは、今から振り返ってもまるで判らない。星座に詳しかったわけでもないし。

<寄り道:
さっき書いた「長野の山奥ん中」というのはあったけど、星の観察をしていたわけじゃない。用事があって泊まっていただけだったから。でも田舎だった為、街灯とか全然ないから、「外の暗さ」というのがハンパじゃない。月明かりでもないと、何も見えない。墨汁の中を泳いでいるんじゃないか、と錯覚するくらい暗かった。「黒い空気」というものが存在しているかの如く、暗かった。はっきり言って怖かった。本能的な反応なのかもしれないが、夜の暗闇の中にいると本当に何も見えないので、自分の手をついつい前にかざしてしまうのだ。あれ以上の「自然の暗さ」を経験したことがない。昔の人たちは凄かったんだな、というかエラかったと思う。>


小学生頃に住んでいた辺りは田舎だったし、街灯とか家の明かりは少なく、空気が澄んでキレイだったのだろう。星はもの凄くよく見えた。天の川は本当に天の川で、光の絨毯みたいに見えていた。草むらには虫が鳴き、カエルが合唱を繰り返していた。毎晩、毎晩の大演奏会だった。それはあまりに自然なBGMで、急に音が消えると、それは何かの合図だった。雨が降ってくる少し前になると、何故かピタリと音が止まるのだった。そういう草むらにごろんと横になると、草がひんやりとして気持ちよかった。寝転がりながら夜空を見ていると、まるで空が落ちてきそうなほどに星が輝いていた。手を伸ばせばつかめるんじゃないか、というような錯覚にとらわれるくらいだった。空はそこに、手の先のあたりに、あった。経済的には貧乏だったかもしれないが(笑)、もっと贅沢な、自然のプラネタリウムだった。しかも、虫とカエルのコラボ合唱団付きだ。あの夜空を超える星空や、プラネタリウムを見たことはない。

「星が降る」とかって表現があるでしょ?あの感覚は、よくわかる。だって、本当に降ってきそうなくらいに見えるんだもの。現代の都市なんかと違って夜空が暗いから、「奥行き感覚」が麻痺するかのようなのだ。冬の雪夜にしても、ずっと空を見ていると、自分の体がどんどん天高く昇っていくように感じるのだ。駅で隣の列車が動き出すと、実際には自分の乗ってる列車が動いていないのに、まるで自分の列車が反対方向に動いていくかのように錯覚することがあると思うけど、まさにあれだ。どんどん落ちてくる雪を見上げていると、自分の体が真っ暗な夜空に昇っていき、暗さの先の先まで吸い込まれていくかのような感覚になるのだ。ああいう、夜空の暗さはもう忘れた。そういう場所に行ってないからなのかな。




オリンピック記念特別企画~「O弁の物語」

2008年08月08日 18時55分57秒 | 俺のそれ
O嬢には関係ありません(当たり前か。古い映画らしいが観たことはないです。子どもだったし)。イソ弁、ノキ弁の親戚でもありません。また、オーベンは誰だよ!とか、ネーベンはお前な!とか、そういうのも一切関係ありません。
暗に言っても判らないだろうという方々が大勢おられると思いますので、物語形式で書きます(余計に判らんだろう、というご指摘は図星ですのでしないように)。
連想されるような実在の人物とは一切関係がございません。また、真実や事実に基づくものではない、架空の話でありますので、ご了承下さい。


「匿名は悪だ教」教祖ではないかと民衆から疑われし「O弁」がおりました。多分、コメントスクラム撲滅運動とか、卑怯系匿名コメンターのハンティングに精を出す日々を過していました。

医療系匿名掲示板問題なんかがあって、O弁にとっては敵対する勢力であるという認識が形成されたのです。そこにたまたま地域紛争が起こりました。
はてなブックマーク - 「俺がおかしいと思っている意見だからコメントスクラムだ」 - novtan別館

O弁にとっては、敵対勢力であるところの匿名医療系コメンターを貶せるのであれば、テーマは何だっていいのです。で、狼煙を上げた、ということだと思われます。健康保険制度が崩壊した場合に困るのは「患者のみか、田舎」という、おっと「否か」、という命題について考察したのではないかと思われます。答えとして「医師も困るよ」ということであれば、「ほらほら、結局お前ら(=匿名医療系コメンターたち)が困るからなんじゃないかww」と言えるから(言葉は悪いですが、要はそういうこと)でしょう。しかし、思いのほか「その他大勢」の反撃にあってしまい、特に自分のよく知らない専門外の領域であったことが災いして、(O弁が思い描いていたとおりの卑怯系匿名)コメンターたちに凹まされてしまったわけです。

そこからは、延々と泥沼の撤退戦が続けられました。恐るべき縦深陣形で、元々の仮説といいますか主張ということから離れていくように戦いの場を移していくわけです。これであれば、たとえ打撃を受けたとしても戦争に決着をつけることなく焦点を逸らしつつ戦闘を継続できる、ということです。

尚、戦いに参加していた匿名医療系ブロガーは確実に「敵対勢力」認定されたでありましょう。そのブロガーの主張を崩せるとか誤りを指摘できれば、内容や問題解決などはどうでもよいのです。O弁にとっては、先の戦闘は続いているのと同じであり、あくまで「縦深陣形での一連の戦い」という認識からは抜け出すことができないでいるのです。だからこそ、どのようなテーマであろうと、全くの別問題であろうと、異なる何かの仮説であろうと、「同一の戦争」ということで戦いを継続しているのでしょう。


更に、別な匿名医療系コメンターの集まり易い場所を「悪の巣窟」と看做して、そこに攻撃することがO弁の主たる目的となってしまっているのです。それもO弁にとっては、「匿名医療系コメンターを中核とするコメントスクラム勢力との戦争」の中の一戦闘でしかないのです。

はてなブックマーク - 医療関係者に対する患者の暴力・暴言 - 元検弁護士のつぶやき

匿名医療系ブロガー及びコメンターを飼っているとか味方しているのは、「悪の巣窟」であり、憎むべき敵対勢力の一派という認定なのでしょう。ですので、戦線を拡大しつつ、ある仮説や主張の検証をするということなく、あちこちで突撃を繰り返すわけです。

はてなブックマーク - わら人形を攻撃する小倉秀夫氏 - NATROMの日記

これらの戦闘をいちいち観察している人は必ずしも多いわけではなく、特定の場所しか読んでいない人たちにとっては、「一体、何がそんなに○○なの?」みたいな、「ちょっと理解に苦しむ感」が湧いてくるものであると思いますが、偶然にもこれらの場所での活動に遭遇すると、全ては一連の流れの中で起こっていることなのだ、ということが判るのです。


泥沼ゲリラ戦を展開すると、長期戦になるのでみんな疲れていきます。失言やしくじりも当然起こってくるのです。そこが狙い目なんです。失言などは当人ではなくてもいいので、そういう場所に集まる人たちの中に誰か1人でも「ターゲット」や「生贄」を発見できれば、「ホラ、いたいた、いたじゃないか。○○という主張をしている『匿名医療系コメンター』が」という指摘を行うことが可能となるのです。それはO弁にとっては、戦争の勝利だと確信できるものなのです。


また、中には
こんな>はてなブックマーク - 医療過誤における「刑事免責」問題について小倉弁護士のご意見に賛成します。 - BIK accelerated hatena annex bewaadcom
ふうになったり、

こんな人が>はてなブックマーク - 医療過誤問題管見 - おおやにき
という感じで、援軍登場に大いに勇気付けられ喜ぶことになり、ついつい戦いに力が入ることになるわけです。


「匿名医療系コメンターを中核とするコメントスクラム勢力との戦争」は今後も延々と続いていくでしょう。
この戦争さえも、実は大きな戦争の一部でしかありません。大きな戦争とは、「匿名の卑怯者によるコメントスクラム撲滅戦争」なのです。匿名医療系コメンター&ブロガーは、こうした「匿名の卑怯者」の一部でしかないからです。O弁にとっては、これが聖戦であり、確固たる聖戦の目的がある限り、戦争を継続しなければならないし、負けるわけにもいかないという信念があるのです。

この聖戦は、かつての「匿名の卑怯者」たちとの戦いから始まっていたのです。一連の戦いでしかないのです。十字軍みたいなものと一緒です。だからこそ、戦争を継続しているのです。それがO弁の生き様なのです。



内なる声:
ちょっとマズいか?
というか、かなり不謹慎かも。

書くべきではなかったか…。
ある意味、自分自身への投影でもあるんだけど(笑)。
だって、何となく判るような気がするから。気持ち的には。



『スカイ・クロラ』には登場するか?~押井監督作品の隠れ主題

2008年08月07日 21時37分51秒 | いいことないかな
先日、NHKの特集番組みたいなので紹介されていたので、ちょっとメモ程度に。

今話題の映画なのですが、まだ観てないんですけれど。

「スカイ・クロラ」臨場感あふれる空中戦 押井守監督「戦闘機乗りの日常描く」(産経新聞) - Yahooニュース


えー、押井監督という人については、『イノセンス』を妻と観に行くまでは知らなかったし、『攻殻機動隊』についてもその後になってから知ったので、かなり流行遅れではあったと思います。が、これまでの観察結果から、ある重大な事に気付きました。

いつだったか、深夜放送か何かで映画を観たのですけれど、それは『アヴァロン』という映画でした。
また、『イノセンス』や『攻殻機動隊』を観たのですが、映画『マトリックス』のオープニングが『アヴァロン』や『攻殻』のパクリだろう、というのは多分そうだと思います。縦系か、横系かの違いだけ、みたいな(笑)。
これはどうでもいい話なので、別にいいか。


本題は、挙げた押井作品に共通している、ある登場人物です。描写の中で重要な役割を担っています。さて、それは誰なのか?

今回の『スカイ・クロラ』の中にも登場するなら、最多登場回数を誇るキャラになること請け合いです。少佐のことかって?
『アヴァロン』には「草薙素子少佐」は登場してきません。『スカイ・クロラ』には「草薙水素」という名前の人物が出るそうですが、似ているようで違いますよね。


はい、答えは、バセットです。
誰かって?
犬ですよ、犬。
バセット・ハウンドという犬です。

『アヴァロン』でも、『イノセンス』や『攻殻機動隊』の中でも、リアル世界との区分を暗に示すというか、登場人物に認識させる役割がこの犬に与えられているかのようなのです(そういう風に私は受け止めました)。


もし『スカイ・クロラ』の中でも犬が登場して、それがバセット・ハウンドであったなら……多分、それは重要な意味を持つのではないかと予想しています。NHKの番組中には、遠目からの景色みたいな感じで犬が出ているっぽいシーンがあったように見えましたが、実際には映画で確認しなければ判りません。

御覧になられた方々ならば、きっとこの答えを知っているのでしょうね。


あー、何か気になる。実際どうなんだろう?

変なことを記事に書かなければ良かった(笑)。

ああっと、タイトルは勿論冗談というか、釣りです。
隠れ主題というわけではありませんよね。



中国ギョーザ事件と日中関係

2008年08月07日 12時41分20秒 | 外交問題
ここに来て急にギョーザ事件の報道が出たので、何かと取り沙汰されているようです。
「中国国内で中毒事件が発生したから」(=「中国国内で混入の可能性が濃厚」ということを認めた)というのは、サミット前に中国側から申し入れがあった、ということのようです。

これは普通に考えれば、まあ有り得んね、という話ですね。
回収ギョーザが流通して中毒症状が出るというのは、極めて「考え難い」と思われます。もっと具体的な目的があるから、というのが本音でありましょう、恐らく。ちょっと前から振り返ってみましょう。


今年3月>ギョーザ事件に見る中国の強弁

当時の中国側が最優先するべきことは、「中国製品には違法な物質が含まれているので危険だ」という噂が世界的に広まるのを防ぐことだった。風評被害が続出すれば、中国からの輸入を大幅に削減されるからだ。ギョーザやウナギやその他食品ばかりではなく、玩具だの、医薬品(例えばヘパリンがあった)だのといった、様々な品種で疑問を抱かれていたので、中国製品への悪影響を第一に考えたものと思われる。日本では、ギョーザ事件以降、中国産食品の輸入量が目に見えて落ちることとなったであろう。冷凍食品に限らず、野菜やその他食品など広範に輸入量が落ち、販売量も落ちたであろう。上の記事中に、「彼らの言い分が中国国内で勝利し日本で話題にものぼらなくなる頃には、日本国内から中国製食品の大半が確実に姿を消しているだろう」と書いたのですが、実際そうなってしまったのではないかと思う。ある程度は予想してはいたかもしれないが、手痛い失敗だったと悟ったことだろう。

国の面子としては、中国が「こっちに非はない、悪いのは俺じゃない」と言わざるを得ないのは理解できる。「私が悪うございました」と言ってしまえば、責任を認めたことになるし、中国では違法な薬品類を使っている&どこでどのように混入しているかも不明のまま、ということを認めることになってしまう。だから、是が非でも「こっちじゃない」と言い続けねばならなかった。その後、中国製品の危険性について、世界の注目が下火となり、ほとぼりが冷めてきたので、日本側に申し入れをする時期であろう、という判断をしたのだと思う。理由はいくつか考えられる。


誰もが考える最大の理由というのは、北京オリンピックだ。
これがあるからこそ、日本側に協力してほしい、ということを何よりも考えているのだ。福田政権がサミットまで持ちこたえるかどうかを観察し、サミットが近づくにつれ日中関係強化策を次々と打ち出していったものと思われる。

具体的には、例えば、ガス田問題の発表があった。
ガス田問題に一つの区切り

この少し後には、「ギョーザ事件」に関する申し入れが行われた、ということであろうと思う。
中国側に原因はない、と公安当局が当初から言い続けていたが、申し入れをしてきたのは外務省筋だったであろう。中国側の公安任せにはしませんよ、という意思表示であろう。これについてもいくつか理由がある。

多分、サミット警備を「学ばせて欲しい」という意向だったのだろう。
これはオリンピック時の警備に役立つからであり、日本の警備当局との関係修復がまず必要であったからだろう。ギョーザ問題の時、中国側公安当局が日本の警察関係者(現場に近い人間)の信頼を裏切った、という「まずい状況」があったはずだ。だからこそ、警察庁長官が激怒して、「看過できない」発言に繋がっていただろう。中国側は、これをまず修復したかったに違いない。中国公安当局も警察庁も、「外交官ではない」。警察庁にとって面子が大事だ、というのは当たり前で、サミットの警備を学ばせろ、と中国警備担当者たちが来日したとしても、警察幹部は「やってられるか、この前の一件を忘れたのか」という気分になってしまうのは避け難い。要するに、日本の警察側が「嫌だね、お前らになんて教えたくない」と突っぱねてしまえば、中国側も困るな、ということがあったであろう。現場の人間同士(直接の警備担当の人たち)でなければ、判らないことがたくさんあるに決まっている。日本の警察幹部が一切「大事なこと」を教えなければ、警備のツボというか急所というか、そういう部分を理解できないままに終わってしまうだろう。折角の大規模警備の実例(洞爺湖サミット)を目の当たりにしても、ただの「お客さん」で帰されてしまえば、学べる点が限られてしまう。

だから、中国側が折れたということだと思う。それだけオリンピック警備に賭けているのだ、ということでもある。日本の大規模警備は大体「優秀だ」ということを中国側も認めていて、サミット警備は恰好の教材だからね。なので、頭を下げないという面子を捨てて、日本の警察にゴメンね、と言ったということ。それで、警察庁とのわだかまりを取り除きつつ、日本のサミット警備を直に学んで帰っていったのではないかと思う。サミット前に申し入れしてきた、というのは、時期的に符合している。


警察庁との関係改善ということ以外の面で言えば、日本にオリンピックを盛り上げて欲しい、というのがあるだろう。日中関係強化ということもあるかもしれないが、大きな行事であるので何と言っても日本の協力は欠かせない、ということだと思う。日本人は結構オリンピックが好きだからね。特に、報道機関が(笑)。なので、中国への印象を改善する一つの手として、このギョーザ事件を利用したものと思う。中国は姿勢を変えてきているんだよ、ということを示すことができる、ということだろう。あまり早い時期に漏らせば「反日機運」が出ても困るので、開会式間近となった今であれば大丈夫、ということなんだろうと思う。中国国民の関心事は何といってもオリンピック開幕だから、ギョーザ事件のことなんてどうだっていいとまでは言わないけど関心が薄いからね。

ま、中国の立場を慮っている人たちにとっては、とりあえず「北京オリンピックの影」の部分にはあまり触れないで、ということだろう。今の時期に、ネガティブな報道は謙抑的であって欲しいと願っているのだろうと思う。そういう事情からすると、ここに来てリークされたのは何となく判るような気がする。少なくとも日本が中国の味方であって欲しい、と、そういうことだ。




法律家にお願いしたいこと

2008年08月06日 21時14分53秒 | 法と医療
モトケン先生のコメント欄経由で知りました。

MRIC 臨時 vol 105 「診療関連死の死因究明制度創設に係る公開討論会」に参加して

(以下に一部引用)

 ここで、法案大綱の内容について、一点のみ、極めて重大な問題があるので指摘したい。それは、大綱では新たな刑事処罰規定が登場しているという点である。第30の(1)~(5)である(他にも刑罰規定はあるが、この規定に絞って述べる)。

 これらは、虚偽報告罪、検査拒否罪、虚偽陳述罪、関係物件提出拒否罪などと呼称してもよい新たな刑罰規定であるが、明らかに憲法上の基本権を侵害する憲法違反の規定なのである。現行憲法上、供述を強制されないことは基本的人権として保障され(38条、黙秘権保障)、また、所有物をむやみに捜索押収されないことも基本的人権として保障されている(35条、令状主義)。「何人(なんびと)」に対しても保障された権利である。大綱のこれら新たな処罰規定は、このような憲法上の基本権を正面から否定するものと言ってよい。

 憲法上のこれら基本権は、何人にも保障されているのであるから、極端なことを言えば、組織的暴力集団やテロリストにも保障された権利である。なのに、何故、医療者だけがこれら憲法上の権利を制限されるのであろうか。黙秘権保障、令状主義が、医師・医療関係者については格別保障されなくてもよいと考える理由を昨日のシンポで、是非とも法案大綱に賛成される立場の方に尋ねたかったのである。

 大野病院事件の悪夢が亡くなるという根拠のない安易な妄想によって、組織的暴力集団やテロリスト以下の立場に医療者を置こうとしていることに気づいているのであろうか。まさに本末転倒、「角を矯めて牛を殺す」の類である。

 なお、討論会では、医療者側から、「医療不信、医療不信」という言葉が連呼されていたが、これも根拠ない誇大妄想に医療界全体が陥っていると言えないか。我が国において、圧倒的に多数の患者(=国民)は、医師から受けた医療に満足し、感謝して帰っている。このような日常の「声なき声」を聞き取れない人たちには新たな制度設計など任せられない。極端な病理的現象上の議論をもって、通常の生理的現象に当てはめようとすることは、容易に生理を病理に変質させるという、大いなる誤ちを招来することになる。医療崩壊という現象を助長することは明らかである。

====

恐らく医療崩壊を防ごうという立場から活動されている弁護士の方ではないかな、と思いましたが、法曹の中にもこうした医療への理解を示しておられる方がおられることは心強い限りではないかと思います。医療従事者以外に理解を求めていくということは、中々大変なことであると思いますので。

大野病院事件に強い危惧をお持ちであることは文章を拝見すれば一目瞭然で、医療へのご理解を頂いていることはよく判ります。医療者は法学の基礎的知識や理解が十分ではないことはよくあり、できれば法曹の方々には正しい知識を広めてもらえるようにと思い、記事に書いてみます。法学素人の人間が弁護士の方に申し上げるのが差し出がましいということも重々承知の上で書きますので、ご容赦願います。


ご指摘の「大綱では新たな刑事処罰規定が登場しているという点」で、「これらは、虚偽報告罪、検査拒否罪、虚偽陳述罪、関係物件提出拒否罪などと呼称してもよい新たな刑罰規定」と述べておられます。これが憲法違反規定ということで、38条の黙秘権や35条の令状主義に反する規定であるとする見解ではないかということです。「何故、医療者だけがこれら憲法上の権利を制限されるのであろうか」と厳しく糾弾されておられるのですが、これは誤解ではないかと思います。

行政側への報告、検査、質問等への返答、関係物提出という規定は、様々な法令で一般的に見られる条文です。業種等に大きな違いというはあまりなく、基本的には行政側に広範な権限が与えられています。一般社会でよくありがちなのは、消防の検査なんかでしょうか。所管省庁の行政職員には「捜査権限」は附与されませんが(当たり前ですが)、行政上の管理権限として各種の調査・検査・質問・報告を徴する等があります。裏を返せば、行政側に不作為を問うことが行われるのもその為ではないでしょうか。ありがちなのは、「何故問題企業を調査しなかったんだ、立入検査を行えば防げたはずだ、調べて営業停止処分にするべきだった」などといったご意見でしょうか。

話を戻しますが、ご指摘の「虚偽報告罪、検査拒否罪、虚偽陳述罪、関係物件提出拒否罪などと呼称してもよい新たな刑罰規定」というのは、ほぼ定型的な条文であると思いますので、以下に例示してみます。


まず銀行法。

○銀行法 第六十三条
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一  第十九条、第五十二条の二十七又は第五十二条の五十第一項の規定に違反して、これらの規定に規定する書類の提出をせず、又はこれらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしてこれらの書類の提出をした者
(中略)
二  第二十四条第一項(第四十三条第三項において準用する場合を含む。)、第二十四条第二項、第五十二条の七、第五十二条の十一、第五十二条の三十一第一項若しくは第二項若しくは第五十二条の五十三の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

三  第二十五条第一項(第四十三条第三項において準用する場合を含む。)、第二十五条第二項、第五十二条の八第一項、第五十二条の十二第一項、第五十二条の三十二第一項若しくは第二項若しくは第五十二条の五十四第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

四  第四十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者

五  第四十五条第三項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同条の規定による命令に違反した者

六  第四十六条第三項において準用する第二十五条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

八  第五十二条の三十七第一項の規定による申請書又は同条第二項の規定によりこれに添付すべき書類に虚偽の記載をして提出した者
(以下略)


医師ばかりではなく、公認会計士でも同様です。

○公認会計士法 第五十三条
次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
一  第三十四条の二十五第一項の登録申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者

二  第四十六条の十二第一項又は第四十九条の三第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

三  第三十四条の五十一第一項、第四十六条の十二第一項又は第四十九条の三第二項の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
(以下略)

○同法 第五十三条の三
次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一  第三十四条の四十七第一項の規定による参考人に対する処分に違反して出頭せず、陳述をせず、又は虚偽の陳述をした者
二  第三十四条の四十七第二項又は第三十四条の五十第三項において準用する民事訴訟法第二百一条第一項 の規定による参考人又は鑑定人に対する命令に違反して宣誓をしない者
三  第三十四条の四十九第二項の規定による物件の所持人に対する処分に違反して物件を提出しない者
四  第三十四条の五十第一項の規定による鑑定人に対する処分に違反して鑑定をせず、又は虚偽の鑑定をした者

○同法 第五十五条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
一  第三十三条第一項第一号の規定(第十六条の二第六項、第三十四条の十の十七第三項、第三十四条の二十一第四項、第三十四条の二十一の二第七項及び第三十四条の二十九第四項において準用する場合を含む。)による事件関係人又は参考人に対する処分に違反して出頭せず、陳述をせず、虚偽の陳述をし、報告をせず、又は虚偽の報告をした者

二  第三十三条第一項第二号の規定(第十六条の二第六項、第三十四条の十の十七第三項、第三十四条の二十一第四項、第三十四条の二十一の二第七項及び第三十四条の二十九第四項において準用する場合を含む。)による鑑定人に対する処分に違反して、出頭せず、鑑定をせず、又は虚偽の鑑定をした者

三  第三十三条第一項第三号の規定(第十六条の二第六項、第三十四条の十の十七第三項、第三十四条の二十一第四項、第三十四条の二十一の二第七項及び第三十四条の二十九第四項において準用する場合を含む。)による物件の所持者に対する処分に違反して物件を提出しない者

四  第三十三条第一項第四号の規定(第十六条の二第六項、第三十四条の十の十七第三項、第三十四条の二十一第四項、第三十四条の二十一の二第七項及び第三十四条の二十九第四項において準用する場合を含む。)による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者



事故調と似た組織の公取でも同じです。

○独占禁止法 第九十四条
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一  第四十七条第一項第一号若しくは第二項又は第五十六条第一項の規定による事件関係人又は参考人に対する処分に違反して出頭せず、陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をし、又は報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者

二  第四十七条第一項第二号若しくは第二項又は第五十六条第一項の規定による鑑定人に対する処分に違反して出頭せず、鑑定をせず、又は虚偽の鑑定をした者

三  第四十七条第一項第三号若しくは第二項又は第五十六条第一項の規定による物件の所持者に対する処分に違反して物件を提出しない者

四  第四十七条第一項第四号若しくは第二項又は第五十六条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者



医療関係でも、同様な罰則は昔からありました。

○健康保険法 第二百八条
事業主が、正当な理由がなくて次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一  第四十八条(第百六十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

二  第四十九条第二項(第五十条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、通知をしないとき。

三  第百六十一条第二項又は第百六十九条第七項の規定に違反して、督促状に指定する期限までに保険料を納付しないとき。

四  第百六十九条第二項の規定に違反して、保険料を納付せず、又は第百七十一条第一項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、若しくは同項若しくは同条第二項の規定に違反して、報告せず、若しくは虚偽の報告をしたとき。

五  第百九十八条第一項の規定による文書その他の物件の提出若しくは提示をせず、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

○同法 第二百九条
事業主以外の者が、正当な理由がなくて第百九十八条第一項の規定による当該職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

○同法 第二百十条
被保険者又は被保険者であった者が、第六十条第二項(第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定により、報告を命ぜられ、正当な理由がなくてこれに従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由がなくて答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、三十万円以下の罰金に処する。



単に反対の立場とする前に、できれば全体について理解を深めて頂き、医療者の理解不足の部分は専門家である法曹の方々が正しく解説してもらえれば、問題点が絞り込めていくのではないかと思われます。修正すべき部分があるならば、そこはよく議論をしていけばいいと思います。医療者を組織的暴力集団とかテロリスト以下に貶めるつもりなのか、というような手厳しい批判は当たらないのではないか、ということをまずご理解下さればと思います。医療者と同じく「医療崩壊を食い止めねばならない」という立場を取るのに、過った批判を掲げれば同じ立場の人間たちが同様の「誤解集団に過ぎない」といった逆効果を生むことになりかねず、できるだけ誤りのない批判を心掛けていただければと思います。このことは、医療者側にある各種批判や反対意見についても同様であると思います。


最後に、医療不信の連呼を見咎められていますけれども、今世紀以降の医療への厳しい目というものを医療者側が実感する故ではなかろうか、と思ったりします。勿論、マスメディアの喧伝効果のようなものもあるのかもしれませんが、国民には「医療不信」があるのではないか、という印象を受けてきたのだろう、と思います。文中で述べておられる通りに、「圧倒的に多数の患者(=国民)は、医師から受けた医療に満足し、感謝して帰っている」というのが現実であろう、と思う一方で、ごく少数の例外的事例(たとえば大野病院事件)が司法を通じて医療に恐怖心や萎縮をもたらしたのだ、ということだと思います。100万人が満足したとしても、100人か1000人がトラブル(民事・刑事訴訟等)になれば、全体から見れば0.1%~0.01%に過ぎない出来事であったとしても、医療を崩壊へと導く危険性のあるものである、というのが医療世界の特殊性ではないかと思うのです。

法学の世界では8割~9割といった大雑把な水準で何でも通用してしまうのかもしれませんが、医療者にとっては「重箱の隅をつつく」ような小さな事象であっても、決して無視できるような水準のものでもない、ということなのかもしれません。多分、そうした訓練を受けてきたせいではないか、と勝手に推測しています。0.1%の事象の改善、というような、ほんの僅かの前進を常に求めてしまうというような習性によるのかもしれません。それは「たった1人でもいいから救いたい」ということの意味です。医療とは、同じ病気の患者が千人いようが或いは1万人いようが、1人でもいいから救いたいということの積み重ねでしかないから、ではないでしょうか。



山本昌は遂に200勝達成

2008年08月05日 02時45分17秒 | いいことないかな
そうか、やったか。

山本昌、200勝達成!「よくぞ自分がここまでこれた」(スポーツナビ) - Yahooニュース


昨年が散々だったので、今年は順番的には「いい年」になるだろうとは思っていたよ。けど、ひょっとして引退かも、とチラッと思っていた。

やっぱ、コレ(桑田と山本昌)に書いたように、成績がまずまず良かった次の年は落ちるというジンクスが生きていたでしょ?(笑)

それにしても、よくやったよ。完投勝ちだったみたいだし。立派だ。


おめでとう。
200勝&名球会入り。



中々強烈な「介護ビジョン会議」

2008年08月04日 21時18分14秒 | 社会保障問題
本当の名称は長くて、「安心と希望の介護ビジョン会議」というのだそうですが、いちいち面倒ですので、ケインズの『一般理論』と同じような短縮名称を用いることにします。

高齢者介護、「家族はくせ者」-医療介護CBニュース-

(以下に一部引用)

 同会議の意見交換で、鳥羽研二委員(杏林大医学部教授)は「誰のための安心と希望か」と問題提起。「わたしは介護を受ける人や、その家族が対象になると思う」と述べたが、袖井孝子委員(お茶の水女子大名誉教授)が、これにかみ付いた。
 「家族はくせ者で、介護される人と家族(の利益)は一致しない。『安心と希望』は本人を第一に考えてほしい。わたしの親は施設(介護)だったが、本音を言えば(わたしも)自分勝手なところがあった。『どちらを取るか』というとき、要介護の人を優先せずに自分を優先するので、やはり『本人第一主義』でいくべきだ」

 さらに、村田幸子委員(福祉ジャーナリスト)が厳しい指摘をした。
 「介護される人たちを見ていると、『できないからしてくれ。もっとサービスしてください』という実態がある。老いて暮らしにくさが増えるにつれ、要求度が高まってくる。介護というと、『気の毒だから、あれもこれもしてあげよう』という方向に流れがちだが、『できることは自分でやる』という意識の醸成が必要だ」

 これらの意見に、経済学者の駒村康平委員(慶大経済学部教授)が「現在の制度を少し解体して、直せるものから直していくべき」と補足し、前田座長も「全くその通り」と同調した。

=====


袖井さんの介護する家族の立場として「自分勝手なところがあった」、という体験例を一般化するのはどうなんだろうか、と思わないでもない。この委員が自分勝手だったから、他の要介護者を抱える家族の人たちも同じように「自分勝手」と決め付けるのだろうか(笑)。会議のやり方として、たった一つの体験談を元に議論の柱とするのは明らかにオカシイですよね。例えば「私は○○に騙されたことがあります」といった経験を話せば、その○○業界全部に厳しい規制をかけるのか、という話です。高齢者にありがちな、(自己)経験至上主義的な妄言と区別がつきませんよね。さしづめ「高齢の有識者委員はくせ者」という一般化をしたら、多分烈火のごとく怒るだろう(笑)。


村田さんの指摘した『できないからしてくれ。もっとサービスしてください』という実態というのは、言葉は悪いかもしれないが、簡潔に表現すればそういうことなのだし、これは割とあることではないかと思う。なので、同意できる面は無きにしも非ずだ。介護だけに限らず、医療やその他福祉(生活保護とか)にも通じる部分はある。医療でも、「もっとしてくれ」という要求は昔に比べれば強まってしまったと思うので、医療者の立ち去りの一因となっているのではないかと思う。昨今の、いい仕事に就けない、正規雇用になれない、泥のようになれない(笑)、というような傾向とも似ている面があるかも。「自分でやる」という意識は、社会全体で乏しくなりつつあるかもしれない。確かに「できない方々に支援しましょう」というのは方向として間違ってないとは思う。けれども、「気の毒だから、もっと」という風潮が蔓延して、「求める人たちが増えた」ような気がする。社会全体として、支え手が大多数で「求める人(弱者?)」が少数であれば持続可能であるが、支え手が大幅に減っているのに「求める人」たちばかりが増えていけば、支える側にもいずれ限界がやってくるだろう。

なので、基本的には「自分で頑張りましょう」、でも全部は無理だろうから「支援が必要な方々には支援していきましょう」ということだと思う。その上で、最悪の事態とか酷いどん底にはならないように、「底の部分」はしっかりとさせておく必要がある。あまりに社会の平均的生活と落差の大きい水準では、やはり安心にはならないだろうから。


座長の先生はどんな人なのか全然知らないが、「全くその通り」とか調子のいいことを言っているようなので、御用学者の一派なのかと思わないでもない。ありがちなのかもしれないが、違ってたらごめんなさい。駒村慶大教授は経済学者のようですが、慶応には随分と経済学者が大勢いるようで。鳥羽委員にちょっと噛み付かれたようだ。医療、介護、福祉関係者たちには多分トラウマがあって、「経済学的視点」を強調されると誰でも敵に見えてしまうという錯覚を起こしてしまうのだろう(笑)。かつて経済学者たちに、散々酷い目に遭わされたからだ。あの会議でも、この会議でも…、惨敗に次ぐ惨敗で、相当凹まされたからだろう。なので、有識者会議の席上に呼ばれる非経済学者としては―殊に医療者や福祉関係者たちは―経済学的視点での議論になった時に、言い負けないだけの理論武装が最低限必要ということ。点穴に針を打ち込むが如く、的確に相手の急所に叩き込まねば会議では優位に立てないのだ。だからこそ、敵の急所を知り、弱点を研究しておかねばならんのだ、ということですよ(笑)。

医療者や福祉関係者にこそ、経済学が武器になるのです。まあ、駒村委員が敵かどうかは、今後見ていかねばまだ判らんでしょう。元から味方側の人間なのであれば、わざわざ標的として攻めること自体がマイナスだし、対立するよりも「有効な意見を述べてもらう」方が圧倒的に得策ですからね。

真の曲者は、やはり座長でしょう。



支持率が急激にアップする新聞

2008年08月03日 15時59分46秒 | 政治って?
これの続きというか、補足ですが。
絶望内閣と支持率

まんまと「改造内閣の支持率急増」という色を出している新聞がありましたね。


内閣支持41%に好転、「麻生幹事長」評価66%…読売調査(読売新聞) - Yahooニュース

単純比較はできないが、面接方式での7月世論調査(12~13日)の支持率26・6%、不支持率61・3%に比べて評価は好転した。自民党幹事長への麻生太郎氏の起用を「評価する」は66%に上っており、実力者の起用による政策実行力向上への期待感が政権への評価を押し上げたことがうかがえる。

 ただ、内閣改造で福田首相に対する評価が変わったかどうかを聞いたところ、「変わらない」が72%と大半で、「上がった」は12%、「下がった」が13%だった。また、今回の人事で首相が「福田カラー」を十分に出せたと思う人は28%で、そうは思わない人が59%だった。

=====


ナベツネの指示ということ?
というのは冗談ですけれども、支持率が前回26.6%から41.3%と大幅増ってのは、余りに増えすぎではないかと思えます。内閣支持率と単純に書いていますけれども、実際には電話で何と聞いたのか、というのは疑問ですね。例えば「内閣改造を断行しましたが、これを支持しますか」とか(笑)。「改造したこと」に賛成するのと、「福田総理を支持」するのでは、違いがありますから。まあいいや。

他を見ると、もっと全然低いよ。

<福田改造内閣>支持率3ポイント増の25% 本社世論調査(毎日新聞) - Yahooニュース

改造内閣支持31%、やや回復 全国電話世論調査

増加したといっても、せいぜい3~5ポイントが関の山では。どこに15%近くも支持率がアップした形跡があるというのでしょう?(笑)
恐らく福田政権支持率は「自民党支持率」よりも低いはずで、自民支持層からの不満がかなりあるのだから、それは当然なんですよ。特に高齢層の支持回復には至っていないと思いますね。与党支持側からの不満が大きいのに、それ以外からの支持が得られるはずもあるまい?


あからさまな数字が出ると、何らかの操作を疑われることは覚悟しておくべきだろう。

追加:

朝日新聞は毎日新聞と同程度の結果だね。
asahicom:内閣支持横ばい24% 麻生幹事長高評価 本社世論調査 - 政治


読売の結果だけがやたらと突出していることが良く判るよね。
スキージャンプの採点みたいに、最高と最低をカットして平均した数字を見た方が信頼性は高くなるかもね(笑)。