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オール人力狙撃システム試作機

オリンパス事件を隠蔽する為の大王製紙捜査

2011年11月22日 16時00分00秒 | おかしいぞ
東京地検特捜部が何故かオリンパス事件に着手ではなく、大王製紙の事件を先に捜査開始だそうで。


普通に考えて、大王製紙の事件は構図が大したことない。
告発があったにせよ、特捜部の出張るような事件とも思えない。通常の検察捜査でも、何ら問題ないとしか思われないわけだが。


なのに、欧米捜査機関が先に着手と言っているのに、何故か日本の特捜部の動きが鈍い。金融庁やSESCとの兼ね合いとかがあるのかもしれないが、犯則事件として「日本企業の信頼」を揺るがしかねない事態の早期解明に踏み切るのが当然のはずなのだ。

ところが、カジノでスッてしまったという、ボンボン3代目の使い込みを大々的に捜査なんだと。


誰がどう考えても、おかしいわな。

オリンパスの事件は、ライブドアや西武鉄道と比較しても、極悪度が極めて高い。

まず、隠蔽していた金額がべら棒に多い。
虚偽記載の期間にしても、非常に長期に渡り、株主や投資家たちを騙してきたことは、間違いない。

監査法人に対しても、悪意であったことは確定的。
指摘を受けたにも関わらず、それを隠し通したのだから、「犯意は確実」だ。


これだけ強制捜査の条件が揃っていながらにして、何故特捜部が動かないのか?


ヤクザに金が流れた、とか、デマみたいな話が海外で出たみたいだが、そんな小さい話ではないだろう、多分。


オリンパスの資金の流れが解明された場合、巨大な疑獄事件へと発展する可能性がある、ということではないか。
極めてマズい、アンタッチャブルな領域へ捜査の手が及びかねない、ということである。

政界、官界もあるかもしれない。
或いは、海外金融機関やファンドなんかの、「インサイダー」に及ぶかもしれない。
格付けやレーティングなどの問題で、情報操作に関わった部門に金が流しこまれていたり、海外の有力者や政府高官などへの利益供与などに用いられたかもしれない。

そういう、表には出せない領域に流れていたのなら、裏の「悪行システム」の解明が必須となってしまいかねない、ということなら、捜査に「圧力がかかる」ということは、十分考えられるから。

仕方なく、ヤクザに金が流れた、という「裏社会」とやらに罪をなすりつけて、「キレイな世界」の奴らは逃げきろうという腹かもしれんから。

最終的な収拾シナリオを作りあげなけりゃ、事件の公表は難しいだろうからね。
今は、そういう「ほんボシ」連中が、最終的な罪をかぶせる先を練り上げている最中かもしれないよ?(笑)


どうみても、オリンパス事件を早期に着手せず、一切情報が出されないことは、異常である。これまでの傾向から見て、おかしい。

つまり、何かある、ということだろうね。



「日銀ETF含み損」より「財務省の外為特会の含み損」は千倍多い(爆)

2011年11月21日 18時54分04秒 | 経済関連
どうせ財務省の犬とかの流した情報で、「記事書いて」とでも言われたりしたんじゃないのか?

>http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24258520111120


全然、屁でもないわな。誤差の範囲内。
それに、引当するなら、将来の値上がり時点で利益計上できるから、その時には取り返せる。


日銀の損失400億円を心配する前に、財務省の40兆円の心配をした方がいいんじゃないのか?オイ。

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/dca744b38469d45e18b25ddf477658f1


厚生年金積立金だって、もっとリスク資産で運用しろ、安全資産ではダメだとか、焚きつけられて、巨額マイナスの数兆円単位で大損失を食らったりしてただろうに。

因みに、運用成績は惨憺たるもので、1.2%くらいですと。
>http://www.gpif.go.jp/operation/archive.html
(国債で安全運用を続けていた方が、儲かっていたかもね。藁)


そっちの心配の方が大きいだろうよ。
日銀の微々たる損失なんて、「そんなの関係ねー」だよ(笑)。



「TPPが日米同盟」?―爆笑のTPP参加推進論

2011年11月21日 16時40分09秒 | 外交問題
「参加以外の選択肢はない」と言ってた連中は、殆どカルト集団の勧誘と同じだ。民主主義の手続きも、参加か否かの検討もなく、「参加に決まってるだろ、他はない」という、ただの決めつけで済まそう、というだけである。

野田政権が参加検討とか言う以前から、既に結果は出ていたようなものだ、と何度も書いてきたが、決めたのは野田総理ではない。従米派どもの「選択肢はない」の論理である。
その良い例が、これだ。


>http://www.jef.or.jp/PDF/Summary_in_Japanese_20101227.pdf


◎カート・キャンベル:米国務次官補(東アジア・太平洋担当)

「環太平洋」よりも包括的な新しい用語を作る必要がある。現在の政治・経済状況を勘案した新用語である。例えば、インドは地域においてはるかに大きな役割を担うようになっており、環太平洋地域の対話に加わるべきである。私たちはTPP に関して日本と協議を重ねてきたことから、日本のTPP 参加への関心を心から歓迎している。すでにこれは、タイミングと戦略の問題である。

アジアからは、東アジアと太平洋地域で重要な動きが生じているにもかかわらず、米国は相変わらず中東や单アジアなど他の地域を注視している、という懸念の声が聞こえてくる。強調したい重要な点は、米国はアジア太平洋地域の貿易関係に実際に関与しているということである。アジアの側に立ち、私たちは日本の各閣僚との協議を含む外交に注力している。また私たちは、韓国、中国、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランドのほか、カンボジア、パプア・ニューギニア、米国領サモアとのハイレベル会合にも関わっている。米国はこの地域でより力量を発揮していく必要性を認識している。これは競争、イノベーション、卓越性に対する米国の意欲に着目した、長期的な超党派の目標である。2011 年は地域への経済的な関与において最も重要な時期になるだろう。

TPP は、さらなる参加国の取り込みに関して大きな関心と議論を呼んでいる。次のステップはその検討課題に集中し、制度を統一させることである。21 世紀型協定のための基準を設定することが不可欠である。APEC は、さまざまなアジア太平洋地域の取り組みの「オペレーティング・システム」として機能することができる。11 月の会議は前進のための最高の機会であり、首脳らはそのための明確な目標を設定した。


=======


こうやって、キャンベルさんも「協議を重ねてきた」と言ってるでしょう?
協議したのは、政府の代表でもなけりゃ、国民が選んだ人でもない、ただの「日米利権ムラ」集団の住人ではないのか?

石破や小泉進次郎は、この日米利権ムラの代表的な政治家と見てよい。米国の代弁者となり、二言目には「日米関係が…」と言うしか能のない人間だ。


ところで、TPP参加の理由が、遂に尽きたらしい。

推進派は、参加の根拠が失われたので、「TPPは日米同盟だ」みたいな、経済連携でも何でもない、単なる「米国(ビフ)様の手下になれ」という要望に変わったみたいだな。
これだけ見たって、TPP推進派の理屈が「インチキだった」というのは明らかだ。

>http://www.excite.co.jp/News/world_g/20111118/Postseven_71181.html


輸出を増やすだの、海外に打って出ろだの、成長戦略だの、そういう理屈は殆どが「推進の為のスローガン」でしかなかった、ということだ。
「日米同盟だ」というのなら、最初からそう言えばいいものを、「アメリカが日本に参加を望んでる(求めている)わけでない」とか、誤魔化して言ってたんだろうに。

バ●丸出しだな。
「TPPは日米同盟」というのなら、米国がそれを望んでいないということで、「日米同盟は、あんまり意味ないよね、軽いよね」というアメリカ側の態度・考え、ということで、要するに、愚かな「日本の片思い」というだけだろ(笑)。

TPP参加は日本の問題であり、米国がそれを望んでないなら、日米関係の軽さが顕れていますね、というだけ。

「TPP問題は国論を二分するほどのものでない」、という言い分も、じゃあ「日米同盟じゃなくてもいいですね」ということですね?
もしも日米同盟を選ぶかどうか、の選択と同義であるとすれば、それは普通「重大な問題」なのではありませんか?(笑)


いずれにせよ、TPP推進派の言い分は、どれもこれも殆どこじつけか、出鱈目、インチキ、カルト、詐欺的商法まがい、というのと区別がつかんな。


TPP参加を選ばないなら、それは「中国支配を受け入れることだ」みたいな、超こじつけ論があるみたいだが、それは「中国陰謀論」とか「中国世界征服論」みたいな「TPPおばけ」の一種ですか?(笑)

マヌケ戦記物作家の言い分みたいだ。


病的だな。



池田信夫のペテン

2011年11月21日 09時54分49秒 | おかしいぞ
この卑怯者のウソは、本当にどうしようもないな。記念碑として、記録しておく。

>http://agora-web.jp/archives/1406033.html

(以下に一部引用)

『しかし、大学で経済学を学んだ人ならわかるように、自由貿易で物価水準は下がらない。関税を撤廃すると下がるのは、個々の財の相対価格(交易条件)である。一般物価水準は貨幣量で決まるので、日銀が通貨供給を減らさないかぎりデフレは起こらない。』

こいつは、以前から日銀が貨幣供給を行っても、何も起こらないと言っておったくせに、いつから「転び」なんだ?


>http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51669057.html

『数学科出身の高橋氏が、まさかこんな初歩的な統計を理解していないはずがないのに、「一般物価は中央銀行の出す通貨量で決まる」などという事実誤認を繰り返し表明するのは、モリタクと同じく政治的な意図によるデマゴギーといわざるをえない。老婆心ながら言っておくと、複数の元上司や元同僚から「高橋は昔は優秀だったのに、最近はおかしくなった」という嘆きを聞かされたが、私も元同僚として残念に思う。』


お前は、デマゴギーと切って捨ててた意見を、前記の如く「一般物価水準は貨幣量で決まる」と、そのまま使ってるではないか。

どんだけ汚い奴だ。
宗旨替えをしたなら、そう宣言でもしてはどうか。


因みに、高橋洋一氏について、以下のようなコメントをしている。

『きのう医療関係者から聞いた話によると、高橋氏の最近の文章には、ピック病の典型的な症状が見られるそうです。』

本物の卑怯者だな。
しまいには、人格攻撃か。
どこまで穢いんだ。
誹謗中傷が酷すぎる。

こういう害虫がごとき人間が出鱈目を言うので、一般人が騙されるのを防ぐには、潰して行くしかないのだ。けれども、多くの騙されている人たちは、気付くことができないのだ。

それにしても、目障り極まりない。
不本意ながら、こやつの相手をすることになってしまう。




経済学理論バカへの挑戦状~その5・比較優位バカ

2011年11月20日 18時43分32秒 | 経済関連
当方も経済学は苦手なので、正確なことが分からないかもしれないが。ただ、現実に即さない「出鱈目」みたいな部分は、判るに決まっている(笑)。

俄か経済学者気取りの連中が、これほど出現してくるのが不思議だな。200年余の知の遺産が証明している、とか、ああいうのと一緒だわ。次々湧いてくるのが、本当に謎だな。


>http://eiji.txt-nifty.com/diary/2011/11/post-ca4f.html


そんなに言うなら、次のような状態をどう考えるか?


①作家編

あなたがどんなに会計経理能力とスケジュール管理能力に長けているとしても、経理係と秘書を雇うのが正しい。比較優位な「作家としての創作活動」に専念する方が、経済学的には有利だからだ。
=======

こういう妄言に簡単に引っ掛かる連中がいるようで、笑える。この3人が果たして食べていけるのか?と疑問に思わないのだろうか。
とても暇な作家の場合、経理係と秘書がいらないことくらいは、即座にお分かりだろう。これが成り立つのは、「常に作家に仕事が入る場合」、すなわち需要がある場合のみだ。供給(=もの書きとして書き続ける)した分が売れる時だけ、他のスタッフを雇うことが可能となる。それらコストを払えるだけの収入(売上、産出)がなければ、全部自分でやった方がお得に決まっている。
こんな簡単なことが、どうして気付かないのだろうか?
ああ、余程売れっ子作家なのか>●石どの


②田舎の商店編

あなたがどんなにレジ打ちと商品管理・伝票計算能力が高くても、レジ打ち係と伝票整理計算係を雇うのが正しい。比較優位な「経営者兼店長」業務に専念する方が経済学的には有利だからだ。
=======

もう説明はいらないだろうと思うが、ごくありきたりの売上しかない商店では、オーナーが全てを一人でやるのは普通だ。レジ打ち係なんか雇っても、人件費が払えない。需要(売上)がないなら、無駄ということだ。

作家編も同じだが、要するに学問的知識が、知識として「身についてない」としか思えないのだ。
経済学の理屈というのは、かなり「実地に根差した」理屈であるという印象を抱いてきたが、理論を振りかざす経済学理論バカたちほど「よく理解していない」んじゃないか、とも思う。

ああそうか、理解していないからこそ、間違ったことを言い、誤って適用していても気付かない、といったことが度々起こるということなのかもしれないな。


人気のケーキ屋さんがあって、ケーキ職人が一人で店を切り盛りしていると、どうしても手を取られてしまって、ケーキが1日100個しか作れないとしよう。お客さんは、売り切れで帰ってしまうとか、レジに長い列になりがちなので捌き切れずに帰ってしまう、という状況であると、本来は「需要があった」のに、ケーキ職人が一人でやっているが為に、物理的に限界があるということになるわけだ。
これを解消するのに、レジ係や補助スタッフを雇うと、以前には100個が限界だったものが、ケーキ職人はケーキ作りに専念できるので200個に増やせ、これまで販売機会を逃してきたお客さんにも売れるようになり、レジ待ちの時間短縮もできて回転がよくなり多くの客を捌けるのと満足度が上がり、ということで、「好転する」というのが本来的趣旨ではないか。ケーキ職人が「どんなにレジ打ち能力が高くても、ケーキを作った方がいい」、という当たり前の話である。


逆に、失業するケースを考えてみよう。
②の例の如く、店長、レジ係、伝票整理計算係の3名が在籍しているとする。店長の業務処理・作業能力を10とする。
レジ係は1日当たり2の作業量、伝票整理計算係は1の作業量だとする。
この店は、需要が少ない=客数と売上が少ない為、レジと伝票整理計算の仕事以外の作業量が5しかない。そうすると、店長の能力を5投入しても、残り5でレジと伝票の合計3もこなせる、ということになる。
従って、店長が一人で全てこなす方がコストは減らせる。個人商店なんかの理屈というのは、そうなっている、という、ごく当たり前の結論に至る(笑)。

需要に対する資源配分を適切に行えば、こうなるというだけ。勿論、店長の能力2が余るわけだから、ここに無駄が発生することになってしまうが、個人をもっと細かく分割できないから仕方がないのである。3名の体制は、「過剰な供給力」というだけ。

そして、劣位な労働力2名は失業に至る。
応分の需要がなければ、分業体制が必ずしも有効ではない、ということだ。




過剰な供給力が生む賃金低下と利益率悪化

2011年11月20日 18時28分18秒 | 経済関連
また例で考えてみよう。

今、弁当屋がある。甲と乙の2軒だ。ライバル店ということだな。甲は「定食弁当」を500円で売っている。乙もこれに対抗して500円の「ランチ弁当」を売っている。甲は、乙に競争で勝とうとして、値下げに踏み切った。定食弁当を450円に下げた。値下げ原資は、野菜を一括大量購入することで得た。その代り、定食弁当を今までよりも2割多く売らないと、赤字になってしまうという水準になった。
「規模の経済」を考慮すると、戦術としては間違っているわけではない。生産量が増加すると、コストが低減される。供給が増えることで、需要を生み出す、と。そうして、甲は販売量を増加させた。乙に勝てるかな?

一方、乙はシェアを食われてしまったので、対抗してランチ弁当を420円に引き下げることにした。甲の戦術を研究して、甲でも材料の大量購入で価格を下げることに成功した。これに加えて、人件費を削減し、30円分の優位を生み出すことができたのだ。こうして、価格競争は続くのだ。

これが繰り返されると、どうなると思うか?
「規模の経済」を追求してゆくと、大量生産が必須となる。売り切らなければ、利益が出ない。コスト引き下げはある程度達成されるが、それにも限界というものがある。原料供給側は、「赤字」なのに売るということになってしまって、経済学の理屈には反することになるから。なので、原材料コストの引き下げ競争がある水準に到達してしまうと、甲も乙も価格競争の優位性はなくなる。残るは、人件費のみ、という所に行き着くわけだ。

労働の価値というものは、あくまで相対的評価であり、それが「その値段でなければならない」という理由は、明確には存在してない。ある企業のCEOの給料が1億ドルだとして、その労働価値は算出基準が存在するわけでない。農業労働者の月平均収入が10ドルだとしても、CEOの賃金と比べようがない。「どうして1億ドルなのか、片や10ドルなのは何故か」という根源的な問いに答えられない、ということだ。「そういう相場になっているから」くらいしか、言いようがないのだ。

そうすると、労働の価値に絶対基準がない、ということは、下げることが可能になってしまう、ということでもあるのだ。「事務次官の給料はどうして2200万円でなければならないのでしょうか?事務次官の仕事の価値は本当に2200万円もするのですか?」という問いに、答えようがない。「そんなに高いわけないじゃん」という評価には、対抗できないのである。そうすると、原理的には、引き下げはいくらでも可能ということになる(笑)。
そうやって、人件費引き下げが正当化されてきた、というのが、日本のデフレ要因となってしまった、ということである。


規模の経済を求めることで、デメリットも発生するのだ。
それは、「そんなに需要があるのですか?」という問題である。弁当屋が2軒あって、共に規模拡大を行い、コスト引き下げを行うと、次第に弁当が大量に出回るようになる。定食弁当もランチ弁当も250円となった時、双方の販売数量が以前の3倍に増えているとして、利益はどうなったのか、というのが問題なのである。普通は、弁当が値下がりしたからといって、一人で何個も食べられるようになるわけではないから、供給量増加でその通りに需要が増えるわけじゃない。頭打ちになる限度というのがあるだろう。

そして、甲乙どちらも利益がほぼゼロ、ということであると、勝者は「消費者」ということになる。これが、経済学の理屈でいう「競争市場」だ。かつての定食弁当やランチ弁当への「ありがたみ」みたいなものは、消滅する。イメージが低下する、ということだ。安物の、いつでも食べられる弁当、みたいになってしまって、商品価値は値段の通りに下がってしまった、ということだ。

更に、弁当を買うのは、実は甲と乙の従業員であり、弁当の値段が下がった恩恵を受けるのが消費者である従業員だが、それは同時に賃金引き下げに反映されてしまうので、実際には「得をした」ということにはなっていないのではないか、ということだ。

賃金低下による購買力低下が価格下落と同時に起こるから、結果的には大して得にはならない、ということである。


日本のテレビなんかを考えると、こういうのに近いことがあったのではないかと思う。品質とブランドイメージというのは、最も「商品価値」があったのに、それをわざわざ自ら捨て去ったようなものである。しかも、シェア回復みたいなことだけを考えると、規模の拡大すなわち過剰な設備投資によって供給力が多くなってしまう。それが過剰な価格競争を生み、利益の出ない、というより「マイナスの」安物へと転落していったのではないか。


ブランドは、ブランド価値を守らねばならない。価値を高めなければならない。
だが、日本の電機企業群はブランド価値を自ら下げた。「やっぱり日本製だな」という価値を守れるなら、極端な話、分業体制にしたっていいはずなのだ。
冷蔵庫を作るのが得意な企業が専業っぽくして、OEMでブランド名を変えて他社で販売してもいいはずなのだが。冷蔵庫はそちらで、洗濯機はこちらで、エアコンはここで、みたいに、重層的に「協働」戦術でもいいと思うんだけど。それなら、設備投資や人件費などの重複が避けられるはずだし、利益率が異常に低くなってしまうというのも防げるのではないか。


日本製であることの付加価値とは何か?
デカイ、重い、電力消費の無駄、といったものと違って、軽量小型で故障が少なく省エネ、というなら、それでも十分価値を生むはずなのだが。勿論、所得水準の低い、現地の実情にあった商品開発も必要であるかもしれないが、ブランド価値というのは「信心」みたいなものなので、それが失われてしまうと競争力は減退するだろう。

意味不明の「大きなお世話」的な多機能を持たせなくてもいいから、圧倒的に異なる「何か」こそが付加価値を高めるはずだ。マネの難しい「何か」である。それが失われると、低価格競争に巻き込まれるだけで、競争力を失うであろう。それこそ、利益ゼロやマイナスとなるなら、その事業そのものの存在意義は失われているのである。
規模の経済を追求するあまり、巨額設備投資で供給過剰に陥って苦戦するなら、自らは製造を止めて、勝ってる企業を買収する方がいいに決まっているのである。競合他社がやったことと同じようなことをやるだけでは、互いが自滅への道をゆくだけであろう。ヘンな横並びが、互いの首を絞めることになるのだ。



輸出企業の発言力と交易損失拡大

2011年11月20日 13時18分54秒 | 経済関連
2000年代に入り、08年のリーマンショック前まで日本の輸出は増加してきた。一方で、輸出企業頼みの景気回復というのは、別な問題も生み出してきたのである。

一つが為替の問題だ。円高が企業を苦しめる、という理屈で為替介入を繰り返した結果、日本国民が多大な借金を背負わされて、その裏では「輸出企業への所得移転」が行われることになったのである。
介入は対症療法的なものであり、姑息的な手法でしかない。長期トレンドが円高なのであれば、それを一時しのぎだけでは回避できない。海外の貨幣成長率が日本を大きく上回る(日本はデフレで、諸外国は2%以上のインフレだから、差が開く一方だった)中で、円の価値が相対的に上昇してしまうことは避けられない。根治的な政策選択が必要であったはずなのだが、そうした問題点は「デフレ論争」の中では主流の意見とはならなかった(前半の多くの時間が「日本の銀行に特有の問題」と看做され、機能的な問題点すなわち金融システムと不良債権に当てられた。或いは金利政策の失敗など、原因分析の検索と論争に無駄な時間が費やされていった)。

輸出企業が移転された利益を国内需要を高める方向で使えばよかったが、必ずしもそうはならなかった。賃金上昇がなかった為に、国民の購買力が上がらなかった。
賃金が上がらないことは、更なるデフレ強化となり、デフレが輸出企業にとっては「円高に戻る」という悪夢を招来する、悪循環が形成された。


特に、ドル円での為替不均衡は、そうした輸出企業頼みの経済体質と、海外の「好調な経済に支えられた消費増+外国通貨の増価」を招くことになった。ユーロやポンドは言うに及ばず、韓国ウォンでさえ、大幅な増価となったのだ。現在は、そうした歪みの是正という可能性があるかもしれない。結果的に、円高に舞い戻った、ということである。

さて、好調な輸出に支えられて、微々たる経済成長を果たした日本であったが、人為的に生み出された円安効果がもたらしたものは、「交易損失の拡大」であった。中国に代表されるように、新興国経済が好調だったから、旺盛な需要を生み、資源高をもたらした、という側面はあったかもしれない。
それ以外にも、輸出企業の人件費抑制策や交渉力低下などで、輸入価格が高いのに、製品価格を据え置きや利益なき値下げ競争に突入してしまい、輸出物価が低いままで推移することになった。その結果、交易損失が拡大してきた、ということである。例えば、原油価格が大幅に上昇したのに、その原料価格を人件費やその他国内経費削減で埋めてしまって、輸入価格上昇分を吸収しようとすると、「価格の調節機能が働かない」という状態となり、交易損失となるわけである。

その傾向は、05年以降くらいから顕著となっている。その損失分は、原料輸出国への移転のようなものであり、日本国内の賃金を減らして、海外にその分を払っているのと同じ、ということだ。


こうして、輸出企業が苦境に陥るたびに救急措置を行おうとすることによって、円高介入で40兆円の為替損を食らったわけである。これに加えて、毎年毎年8~10兆円規模の交易損失が発生する、というようなことになっているわけである。

輸出企業は、発言力を強めるなら、外に向かって発言せよ。輸入価格交渉で、もっと交易損失を減らす努力をせよ。製品価格に転嫁するべきは、転嫁すべし。国内で不満を言うだけの発言力は必要ない。


参考:

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/fb53d51b4f521f72a5b422c7b34d6cfc

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4f863c0f759aaa58a4f101f1c8857aa0




品とはなにか

2011年11月20日 13時11分10秒 | 俺のそれ
いつも、不埒な悪行三昧で申し訳ございません。
下賤の者が、感想を述べるなど無礼とは存じますが、心に強く留めておきたいが故に、ここに記しておきたいと存じます。


>http://b.hatena.ne.jp/entry/news.livedoor.com/article/detail/6040635/


ブータン国王の愛に溢れるお言葉を頂戴し、感動致しました。
心に滲みました。
誠にありがとうございます。
心の底から、御礼申し上げます。



TPPを勝手に推進する経団連と官僚たち~2

2011年11月19日 09時48分20秒 | 政治って?
日本でTPPを進めてきた連中というのは、政府ではないのだ。それは、誰の代理人なのか?
国民からの委任もなければ、何らの権限移譲もないのに、自分たちで勝手に外国政府と交渉を押し進めてきたのと何らの違いも見出せないわけである。

まるで通謀しているのと違いがない。国民には、そういう実態が全く知らされていない。


野田総理が言わなくても、ずっと以前から「全品目が対象」「例外は原則認めない」というのは、非正規交渉者たちが話し合ってきたわけで、ただ単に操り人形の野田総理は「それを知らない」というだけ。民主党政権も、党内の人間たちも、いいように利用されているということに、全く気付かずにきたというだけ。


経産省所管の財団法人である、国際経済交流財団はずっと前からTPPを推進してきたようだ。

トップは、元通産審議官の畠山襄で、財団の会長を務めているようである。
HPには日本語と英語があるが、何故か日本語のページは殆ど読めないようにできている。英語という障壁を設けてある、ということなのかもしれない(笑)。

まあ、こちとら、英語は苦手で、確かにその戦術は効果があるわな。日本語ページを隠せば、情報を嗅ぎつけられることは避けられる、ということになるだろうから。
で、しょうがなく、英語を読んだよ。


>http://www.jef.or.jp/en_act/act_article_topics.asp?cd=190&num=6


本当にザザッとの理解で申し訳ないが、やっぱり前から決まっていたようなもんだな。全品目が対象と交渉に例外なし、というのは。


(以下に一部引用)

Now, Japanese Prime Minister Naoto Kan's Cabinet decided on a "Basic Policy on Comprehensive Economic Partnership" last November. According to the policy, Japan will open up the country, subjecting all goods to negotiations for trade liberalization and will work toward the realization of regional economic partnerships such as an East Asian Free Trade Agreement (EAFTA) and a Comprehensive Economic Partnership in East Asia (CEPEA). Also Japan will begin consultations with the TPP member countries while promoting appropriate domestic reforms in several areas, including the agricultural industry, labor inflow from abroad and deregulation.

Although this policy is a little bit short of expressing the Japanese government's strong will to join the TPP, it is still a historical Cabinet decision trying to face the challenge ahead squarely. Reasons are as follows.



菅総理の宣言というのと通じるのが、平成の開国というやつで、その道筋としてEAFTAとCEPEAと、参加検討というのがTPPという位置づけであった、と。

ここでも明らかなように、

 『all goods to negotiations for trade liberalization』

と述べられているので、全品目というのは当然ということになる。
が、TPP参加に踏み切るには、政府の強い意志がもの足りない、と。歴史的に重大な決断をするということに、政権が直面してこなかったから、と。

3つの理由というのが示されているが、一つは戸別補償政策が有利に働く、ということである。関税撤廃については、消費者から納税者への負担の転換であり、農業政策上で民主党の戸別補償政策がうまくいくかもね、というのがある。

続きは、以下の部分だ。


(2) Under the decision, the government will subject all goods to negotiations. This means the government will not request exemption of any goods in advance. Of course, certain goods may be exempted from a liberalization list as a result of negotiations for the TPP.

Now there is an opinion that if Japan is to join the TPP, the government should get approval from each of the nine current and future member countries. But some countries may ask Japan, as a condition to approve its TPP participation, to solve long-standing bilateral issues in advance. But if the TPP negotiations require all countries to put everything on the table, requests for such a "precondition" should not be allowed either. Those long-standing bilateral issues should be solved through negotiations.



大雑把に内容を説明しますと、政府が参加を決定したなら、やっぱり「all goods negotiations」だと。政府は全品目を対象にするだろう、と言っているわけだ。事前にはどのような免除も求めないであろう、と。TPP交渉の結果として、自由化リストから免除される特定産品はあるかもしれない、と。

日本が交渉に加わる場合に、9カ国及びメンバー国の承認が必要であるが、事前にこれまでの2国間懸案の解決が交渉参加の要件ではなく、各国が前提条件を課すべきではない、と。全てをTPP交渉のテーブルに載せて、2国間の懸案事項もTPP交渉を通じて解決するべき、と。


野田総理がAPECに参加する前から、基本的な部分や政府の態度というのは、決められていたようなものだ、ということですな。畠山襄さんは政府の代表でもなければ、交渉官でもないですが、まるで決定権者のように言ってるんですね。


続きを見ましょう。


(3) Regarding the timing of Japan's formal participation in the TPP negotiations, if any, it has been pointed out that June this year would be the most plausible because a basic agricultural promotion and improvement program will have been developed by then. There is an opinion to the effect that judging from the US intention of trying to conclude the TPP negotiations by the next APEC summit which Washington will host in Hawaii in November 2011, it would be too late for Japan to formally participate in the negotiations in June. Of course, the sooner, the better. But history is often built through informal dialogue. I think Japan will be able to reflect its position through an informal exchange of views since commencing consultations with the relevant TPP countries has been endorsed by the Cabinet decision domestically and warmly welcomed internationally.


TPP交渉の公式参加のタイミングは6月だ、と年頭時点で言われていた、ということだ。これは、菅総理の考えとかではなく、畠山襄の考えであって、政府の決定には何の関係もないわけである。一個人がここまで影響力を行使できるものなのか、と不思議ですわな。

で、今度のハワイAPECではオバマが議長だし、それまでTPP交渉妥結を目指しているから、遅くとも6月には公式参加表明しとかないね、ということを言ってるわけです。

菅総理が先送りしてましたが、何としても「TPP参加」と政府の公式発表をせねばならなかった、という裏事情はこういうところであったわけです。そうすると、従米派のマスコミは、菅を降ろすのを急いだわけだ。だから、辞任時期を6月中とか何とか、焚きつけていた、と。

しかし、菅は居座り続けた。
従米派たちの要求を聞かずに、決して「うん」と言わなかった。米倉経団連会長なんかも、菅に激怒して、無視&知らん顔作戦に出るまでになった、と。

事前のこうしたスケジュールでは、6月まで、というリミットが米国サイドの打ち合わせされていたのに、これが大幅に過ぎてしまったからだ。
従米派どもは、だから慌てたわけだ。

スケジュールを台無しにして、ぶち壊したのが菅総理だった、と。
菅総理の、ほんの僅かの反撃が、この棚上げ作戦だった、ということかもしれないな。

で、通商政策局の局長だった、あの西山審議官は、何故か醜聞で更迭されて、消された。たしか、6月頃だったんじゃなかったか?
菅総理の説得工作ができずにいて、TPP推進派の一派から撃たれた可能性があるわな。
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/bf1b67ca2a7da1c5bb389820534d7d79


で、極めつけは、次の一文(元はButから始まっているが、除いてある)。

 History is often built through informal dialogue.

ヘボな拙訳で申し訳ないが、次のようなことだ。

「時に、歴史は非公式対話を通じて作り出される」


畠山襄は、自分が歴史を生み出しているということを、はっきりと自覚している、ということである。彼は、既に、政府代表気取りなのだ、ということである。

しかも、米国サイドの有力者たちとの「非公式対話」を通じて、事前協議・交渉を、国民から何の付託も受けてない一民間人が、勝手に推進しているのだ、ということである。

これが、危険でなくて、何なのか。
民主主義政治の否定以外のなにものでもない。

「従米派の地頭クラス」というのは、こういうところにいる、というわけだ。畠山のような人間と、周囲を取り巻く財界人、現役官僚たち、マスコミ、そういうのがまさしく「原子力ムラ」の如くに、自分たちで政策を生み出し、政策決定を行い、それを「表の顔」である政権担当の政治家たちに「行わせる」ということなのだ。

本当のカオナシである。

表舞台には、出てこない、それでいて、実質的に影響力を行使し、外国要人たちと協議を重ね、日本の政策決定を行っている人間たち、というのが、存在しているということである。

総理大臣は、彼らのような従米派地頭クラスの願望を国民に強要させる為の、道具でしかない、ということだな。
世の中、重要なことはこうして決まってゆく、政治の世界というのは、こういうものだ、という見本だな。

陰謀説云々ではない、って言ったろ?
外交担当でもなけりゃ、政府の人間でもない連中が、政策決定を実質的に権限を行使しているのが、民主主義の崩壊危機だって言ってるのが判らんようだな。


確かに英語は、大事なんだな。
どうせ、こいつは日本語しか読めないから、と思って油断していたのかもしれないな(笑、冗談だけど)。

英語が必要というのは、正しいな。


図らずも露呈した日本政府の交渉力(笑)

2011年11月18日 20時03分07秒 | 外交問題
先日のAPECから帰国した野田総理は、発言の真偽を巡って、厳しい批判を浴びている。

問題の発端は、米国側発表であったようだ。

>http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111116/plc11111613060005-n1.htm


「全品目」が対象か、ということが争点となったわけだが、野田総理は「そんなことは言ってない」と言い、外務省もそう言ったわけだ。しかし、米国側は「当日の発言内容はそうだったのかもしれないが、事務方の打ち合わせや過去の経緯その他を考慮すると、”正しい”」と、従って「訂正には応じられない」と頑として拒否した、ということである。


このことをもっても、日本政府や外務省なんかの「交渉能力」が全くないことは、明らかにされた、ということである。

たったこれだけのことさえ、日本側の言い分など米国側に飲ませることができない、ということを実証したのだ(笑)。
少なくとも、米国側としては、日本政府の言うことなど、「聞く耳を持たない」ということであり、「いや、こっちが正しい、俺らの言い分が正しい、だから、こちらのやり方を押し通すよ」ということで、野田発言は撤回されなかった。


日本の甘ちゃんTPP推進派は「交渉すればいい、日本の言い分を主張すればいい」みたいに、ヌルいことを言うわけだが、そんなもんは
「イヤだね」と断られたら、一ミリも譲歩させられない、ということなのである。


普通、こんなことは考えられないでしょうよ。

難しい交渉とか、裁判や議会証言のような正式の発言でもないのに、相手側の否定している文言を訂正しない、なんてことが、あると思いますか?
会談において、相手国の国家元首が「そういう発言は公表しないでくれ」「発言内容が不正確なので訂正してくれ」「○○と言ったと発表してくれ」というような申し入れを行った場合、これを「ハイ、ダメね、こっちが正しいもんね、訂正には応じませんよ、ざんね~ん」みたいに拒否されると思いますか?

相手は、「国家元首」ですよ?(笑)


結論から言えば、そんなことは、通常起こり得ませんよ。
仮に、こっちがどんなに正しいとしても、相手側の立場を考慮して「判りました、こちらで被っておきましょう、訂正しておきましょう」という話になるのが普通でしょう。「担当官が聞き間違いをしたようです」「資料の訳語が不正確でした」とか何とか、相手側体裁を失わせないような配慮がなされるのが普通でしょう。

ところが、野田総理にはそういうことが全くなかった、ということです。相手側の高官たちは、はっきり言えば「舐めまくっている」ということなんですよ。

どうしてだと思いますか?
「野田は人形だ」
と、皆が知っているから、です。

交渉権限も、決定権限も、「どの人間にあるのか」ということを見透かされているからであり、野田には「何の権限もない」ということなら、野田総理の言い分など聞き入れる必要性がないからです。


少なくとも、米国側認識としては、野田総理は「配慮に値する人間ではない」こと、野田総理以下の政権には交渉力を有しているとは判断していないこと、決定権限も野田総理にはないと判断していること、ということです。


それが、今回の野田発言訂正問題の、本質的なことなのです。


TPP推進派のお花畑さんたちは、それでも「交渉を頑張れ、最初から日本が負けるって決めつけるな、日本の言い分を主張すれば守るべきものは守れる」みたいに、言うつもりですかね?(笑)


「(当日)そんなことを言ってないぞ」という、野田総理の発言内容という、とても軽いものでさえ、ひっくり返すことのできない政府が、「我々は、これを譲ることはできません」と言ってみたところで、何の効力もなくスルー、がオチではないですか?


テーブルにつく前から、既に負けなんだよ、禿。
相手側より優位にいるなら、少しねじ込んだだけで、ピリッと効いて、「大変申し訳ございませんでした、喜んで訂正致します」ってなるに決まってんだろ。

一体、何年大人をやってきているんだね。
どこを見てるノダ、あなた方は。



用意された内紛劇~清武GMのナベツネ批判騒動(解任の追記あり)

2011年11月18日 20時02分23秒 | おかしいぞ
マスコミ対策として、念の為準備しました、というところだと思うね。
野田総理のTPP参加表明に待ったがかかったのは、韓国のような騒ぎになるのを危惧した米国サイドからの、「慎重にコトを運んでくれ」という申し入れがあったからであろう。

そこで、総理会見を1日遅らせた。
マスコミが食いつき易いネタとして、「ナベツネ批判」が選ばれた、というわけである。

自ら身を切って犠牲になることで、「読売新聞効果(笑)」を薄める為だろうね。「用意されたネタ」臭さを、できるだけ消したい、という時には有効だと考えたのではないかと思うね。

昔からある、ちんけな手口さ。
狂言強盗レベルの奴らが考える手口と、違いはなさそうだな。「強盗に刺されましたー」って、被害者面をしていると「疑われる心配がない」という程度の話さ。

タイミングが妙だな、と思っていたが、清武GM涙の訴え、みたいな話が報じられていたから、「男がウソでもそんな泣けるもんなのかな」とかチラッと思ったので、疑い切れないでいた。

が、一段落してみると、何事もなかったように、フェードアウトしたでしょう?
役者ですわな、清武さんも(笑)。

ああ、やっぱり用意されたネタだったんだな、と思いましたわ。
ナベツネの性格からして、激怒でしょう。
あんなもんは即刻クビと言い渡されて、終わりですよね?

あの告発を行う清武側にしても、辞任覚悟で公表に踏み切りますよね?
プロ野球界の私物化ですよ?
コトは、巨人だけに留まらない、プロ野球界全体の話なんですから。


普通に業務に戻ることなど、通常では考えられない。
若造ならまだしも、社会を十分経験してきたオッサンが、男を賭けて告発するわけですから、刺し違えか不退転の決意、みたいなものでなければ、あり得ない。

弓だけ引いて、両者、何事もなかったように元の状態に戻るということなど、普通は考えられませんから。あるとすれば、日本の伝統芸(笑)、「ヤラセ、八百長」くらいですわな。

世間の興味は、思ったほど惹きつけることができなかったでしょう。
だけど、まあ、テレビ報道なんかをTPPに集中されることは、若干緩和できたのかもしれませんな。ヘタなマジックと一緒。



追記ですが:20時半頃


こえ~
いきなり、解任報道が。

今日、別館の方で先に書いて、昼にアップしたんですよ、この記事を。
>http://d.hatena.ne.jp/trapds/20111118/1321585358


そうしたら、何故か急に、本日夕方に清武さんを解任だってー!!

まさか、ウチのブログで余計なことを書いてしまったからですか?
ぼくのせいですか?

なんか、怖い。
おれが殺されるのですか?

けど、もっと疑いが深まりましたな。
だって、書いて途端にこれだよ?
もう、小康状態で、世間的には、「ああ、収まったんだね」ってな具合だったじゃないですか。

週明け以降は、ずっと粛々と業務とか、言ってたじゃないですか。

なのに、急にこれだもん。
ヘンですよね?


TPPの真の狙い

2011年11月18日 09時51分06秒 | 外交問題
経済学理論バカへの挑戦状のシリーズでは、労働者の移動コストが問題になる、このコストが大きいが故に、経済学理論通りには「必ずしもうまくいかない」ということを述べてきた。

労働力の移動コストの大きさに比べて、圧倒的に移動コストの小さなものがある。
それが、グローバル企業の存在だ。
端的な例で言えば、ビジネスジェットで世界中を飛び回る経営幹部などは、移動コストが小さいと言えるだろう。別に、日本で働かねばならない理由などない。アメリカだろうと、欧州だろうと、中国だろうと、どこででも働けるだろう、きっと。
いや、そういう経営幹部になったことがないから、苦労は判らないし、ヘッドハンティングでキャリアアップ(笑)に伴い払うべきコストが大きいのかもしれないが、一般労働者に比べれば小さいだろう、多分。


恐らく、労働力の移動コストに比して資本の移動コストが、圧倒的に小さいのではないか。つまり、投資ということだな。

昔に比べて、コストは小さくなったと思うよ。
小さくても何でも海外事務所をまず作って、現地に足がかりを築き、そこから会社組織や工場建設計画なんかを作って、ようやく工場建設工事ができて、それが終わって現地生産体制をつくり、…みたいな、数年がかりの準備みたいなことが必要だった。

今は、それが圧倒的に短縮されたのではないかと思う。
グローバル企業の強みは、効率的な資本移動の最適化を図れるようになっていることだと思う。それが、利益を生み出す源泉だからだ。


最たるものが、株式等に代表される、投資マネーである。
モンスターマネーが世界中を駆け巡るようになった。市場の歪みの存在する場所を的確に探し出し、獲物を見つけては巨額資金が暴威を振るうことになった。東電やオリンパスの株式などがいい例だ。

資本移動は、昔に比べて圧倒的に早い。すなわち、移動コストが大幅に引き下げられた、と考えられるだろう、ということだ。
巨大なグローバル企業にとっても、資本移動は容易なのである。労働者は、移動が困難だからこそ、企業が「余剰な労働力」のある場所を求めて移動してゆく、ということなのだ。


そして、更なる短縮は、企業買収である。
地元にある会社ごと買えばいい。資本移動さえできれば、労働者の移動コストなんか関係ないのだ。


経団連のお偉方なんかは、「いやいや、アメリカさんは日本の企業と協力して、一緒に儲けましょうと誘ってくれてるんだ」みたいな、甘いお花畑的発想なのかもしれないが、オレなら、全く違う感触を持つだろう。

TPPが現実に実施された場合、日本企業の買収は加速することになるだろう。一時、企業買収に怯えた上場企業は買収防衛策を色々と作ったりしただろう?企業の株式持ち合いも「おかしい」と、散々批判されたであろう?
もう忘れたか?(笑)


資本移動が更に容易になった世界(TPPが現実に行われた世界だ)では、買収が最も近道なのである。規制緩和の意味は、そういう部分にこそ威力を発揮するのだ。

日本の大手企業といえども、世界の時価総額ランキングなんかでは、米国企業の足元にも及ばないだろう。投資ルールの透明化、とは、そういう意味なのだぞ?外資規制も消えるのだぞ?マスコミだって、買収対象からは逃れられない。当然新規参入もあるわけだが。


従って、日本企業が巨大企業の傘下に収められてゆくというのは、避け難い。時価総額と資本の動員力からして、日本企業で対抗できるところは少ないだろう。
企業の個別の買収防衛策があったとしても、無効化される可能性が高い。ブルドックじゃないが、防衛策の発動条件が透明ではない、と判断されれば、決定をひっくり返されるか、発動を無効化されるか、買収失敗に伴う費用の賠償をさせられるか、いずれにせよ、被害を蒙るわけである。


日本人の無能経営陣や取締役は、排除されることになるだろう(笑)。利益追求のできる、株主への貢献度の高い人間だけが、経営陣に残れるのだ。今の経団連に参加している人間の何割が生き残れるか、見ものだな。

いいか、巨大なグローバル企業は本気で攻めてくるんだぞ。
かつて、日本の市場を開放せよ、と求められて、金融・保険の緩和というのが行われたよな?あれを忘れたか?

シティやAIGが買収戦略を進めたのは、単なる偶然でも何でもないんだぞ。あれこそが、真の姿だ。「大きいことはいいこと」なんだよ。

今みたいな日本企業の株価が低迷している状況であれば、狙った企業を買ってゆくことは、そう難しいわけじゃない。資金の出し手は、後ろに付いてる旧投資銀行やヘッジファンドなど、いくらでもグリード仲間が餌に群がってくるんだぞ。


日本郵政のゆうちょ銀行やかんぽ生命が問題、と言われているが、それだけではないのだ。
政府系の企業も独立行政法人等も、競争阻害か投資対象からの除外が不当とされる可能性があるだろう。

Jパワー問題というのが以前あったが、ああいうのも、投資(買収)を阻害するのはおかしい、ということになるだろうね。
政策投資銀行とか、JBICなんかも逃れることはできなくなるだろう。空港運営もそう、URみたいな独法もそう、特殊な立場というのは存在が許されなくなってゆくだろう。

投資ルールを確立し透明化する、というのは、外資が買収したい・投資したいと思ったら、それが阻害されること全てが「おかしい」ということにできるというルール改正なんだ、ということだ。

お人よしの、ネジの数本足りないような連中にとっては、そういうことまで頭が回らないんだろうが、後になって吠え面かくのは目に見えているのだよ。

経団連の連中には、そういうことが全く判ってないんだ。
目先のことだけしか考えが及ばないのだ。
農業団体の連中が反対してるだけなんだ、とか、貿易をしないと生きていけない、だからTPP、みたいな短絡思考だけなんだよ。


いいか、原賠法とかの3条但書に関連して、全銀協の偉い人が色々と言ってたりしたことがあったろう?
ああいう甘さは、一切通用しなくなる、ってことは判るな?

法律もよく確認してない、条文解釈でも「大甘」といった、日本の経営陣なんか、太刀打ちできないだろうよ。
法の支配というのは、そういうことなんだぞ。

あなた方が考えもしないような、法の闘争が仕掛けられる、落とし穴か見落としだろうとうっかりミスだろうと負けは負けなんだぞ。

そういう覚悟が本当にできているか?


買収防衛策の発動は、本当に認められると言える根拠とは何だ?
そういうことを考えたことはあるのか?
その上で、経団連の「TPP推進」に同意してるのか?


バ●ってのは、本当にどうしようもないわ。
ヘタを打ってからじゃないと、危険性とか気付けないんだな。

まあ、だからこそ、バ●なんだろうけどさ。

しかも、失敗を繰り返しているのに、なお、次の失敗さえ判らないんだよ。




TPPを勝手に推進する経団連と官僚たち

2011年11月17日 20時39分15秒 | 政治って?
野田政権誕生以前から、TPP参加は既定路線であった、というだけ。
準備を勝手に決めていたのは、従米派の財界と官僚だった。

>http://www.nikkei.com/biz/editorial/article/g=96958A9C93819499E2E3E2E2828DE2E3E3E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;dg=1;p=9694E2E7E2E6E0E2E3E3E2E0E1E0


野田佳彦首相が来週にも環太平洋経済連携協定(TPP)に対する日本の姿勢を表明する。「参加」となれば、対中戦略上、日本を必要と考える米国は歓迎するだろう。だが、米国にも産業によっては日本の存在をうとましく感じる勢力もあるようだ。代表的なのが自動車業界である。
 猛暑の8月。TPPについて、日米の政府・企業関係者による意見交換会がワシントンであった。
米側の出席者はTPPの推進に積極的な企業などで構成する「TPPコアリション」。日本側は経済産業省やトヨタ自動車など大手企業関係者からなる代表団だった。


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記事によれば、会合は8月だったようですから、官僚と財界が勝手に推進してきた、外交政策というだけ。野田総理には関係なく、話は出来あがっていた、ということ。
予想通りだったんじゃないの。

行き詰まるTPPに焦燥を募らせる米国

8月時点で、”代表団”が直接出向いていって、好き勝手な活動をやっていただけだわな。野田総理は操り易い、というだけ。

こういう、国民の代表でも何でもない連中が、何故国民の意志に反してまで、外国と勝手な交渉をやってくるのか。いや、意見交換会だから、交渉じゃない、とか言うつもりかもしれんが、実質的に「事前協議」なんかと変わらんわけだよ。

国民は、彼らに何らかの権限を与えたわけでも、委任したわけでもないにも関わらず、政策決定がこういう一部の利益享受者によって、国民の知らぬところで勝手に進められている、ということだ。

こんなことをやっているのだから、経団連とか財界の一部の連中は、既にアメリカサイドに「いい顔」をしまくってきたわけで、決まってもいないうちから口約束みたいに自分たちだけで「勝手に決めて」きたなら、これを反故にされたりしようものなら、大慌てとなるわな。だから、「オレの顔を潰す気か」みたいに、大騒ぎするノダ。
そうして、米倉経団連会長のごとく、野田総理に強く迫れば、落とせるということだ。それを米国につけこまれる、と。


そのくせ、窮地に追い込まれた途端に、もっと税金よこせ、などと大騒ぎする。
そのいい例が、「円高介入」と「エコカー減税」「エコ家電」みたいなものだ。リーマンショック後の、資金調達が詰まった時だって、大企業が軒並み「金を融通してくれ」って、なったんだよ。
あんなの、一般個人の事業主なら、ひとたまりもなく「はい、不渡りな、倒産、差し押さえww」ってなるだけなのに、大企業だからって理由だけで救済されるわけ。そういう特権だけは、やたらと行使するくせに、ひとたび力を回復しようものなら「お前ら非効率部門は努力が足りないんだ」とか、高圧的な態度に戻るわけだよ。

醜悪そのもの。
そういう強気なことを言えるのは、誰にも頼らず、政府にも国民からの税金にも一切頼らない企業だけだろ。それを達成できてる企業だけが、「お前ら、努力が足りない、競争が足りない」とか言え。

救ってくれ、と散々泣きついていた企業家たちは、政治を私物化してるのと何が違うのか?
困った時だけ助けてくれ、助かった後は「お前らを助ける義理なんぞない」と末端を切り捨てる、そういうただの卑怯で傲慢なヤツというだけだろう。
恥ずかしくないのか?

まあ、こういう傲慢連中には、恥もないのだ。
普通は恥ずかしくて、言えないよ?


TPPというのは、「アメリカとの関係が大変なことになる」と、何でもかんでも日米関係に結びつける、財界とマスコミと霞が関に巣食う従米派の押し付けに過ぎない、ということである。



二言目には「日米関係は…」しか言えない石破

2011年11月17日 20時28分19秒 | 政治って?
従米派の極端な典型例がこの人だ。
これを持ち上げ、全面に立てて売り出す、従米派のマスコミ。

とても分かりやすい構図が、この石破議員と取り巻きマスコミなのである。

読売新聞社説によれば、石破がTPP参加問題に関して、「離脱すると言ったら、日米関係はもたない」と発言したそうだ。


この人は、大体、何でもそう言ってきたわけだ。

給油活動の問題の時はどうであったか?
給油活動を停止したら、日米同盟が壊れるとか、日米関係に深刻な事態をもたらす、みたいなことを、散々言っていたわけだ。
給油活動を止めたら、「日米関係はもたない」というのと一緒だな。

普天間問題もそう。
県外移設なんて言ったら、「日米関係はもたない」みたいに言ってたのも同じ。


こういう、何でもかんでも「日米関係がもたなくなる」という論法に結び付けて、国民を騙しているのと、変わりがない。

給油活動を止めたって、日米同盟は壊れませんでしたが。
日米首脳会談も、何回も実施されましたが。

石破の言い分は、出鱈目でした。
彼は、うそつきではないのでしょうか?

で、今回もTPPに参加しないと言おうものなら、「もうもたない」ということですか。
日本の外交力を貶めているのは、こういう人間です。


そもそも、自分が防衛庁長官の時だって、防衛相の時だって、日米合意を実施してこなかったのだ。石破の失敗、という、巨大な負の遺産が今の普天間問題を生んだのも同然だ。

石破の論法に従えば、
「農業分野の○○を認めれば、日米関係はもたない」
ということで、一切合財、米国側要求を受け入れるだけではないか。


「日米関係はもたない」の論法は、何にでも使える、というだけ。
国民を騙すに等しい論法である。



グローバル化の陰で荒廃する米国の地域社会

2011年11月17日 10時22分49秒 | 経済関連
日本の経団連や自工会などのお偉いさんたちは、学ぶということも、自ら考えるということもないのだな。

>http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aqD2xHqwS1Xk

物事を表面的にしか考えないのだな。
ぼくには、声が分かるよ。

どうして米国自動車通商政策評議会が、日本のTPP参加に反対したのか?
まあ、米国の自動車企業には、メリットというのが殆どないからね。日本の関税がゼロなので、米国側の2.5%やトラック類の25%?だったかの高関税を撤廃するだけになってしまっても、意味はないから。

でもね、多分、本質は、そういうことだけじゃないんだと思う。

それは、今の日本の農業関係者たちの多くが言う「地域社会の崩壊」というものを目の当たりにして、現実にその悲惨さを経験してきたからだと思う。


企業町が廃れてゆく様は、本当に「都会の砂漠化」のような現象なのであろう。

人が次々と去ってゆく。仕事がないと、治安が悪化する。そのことが、更に人を寄せ付けなくなる。人口が減少してゆくから、町は廃墟となる。収入が途絶えたり、家の価格が低下するなどして、借金が払えなくなる。返済できず、借金のカタに家を取られ、空き家増える。空き家が気味の悪さを加速し、ゴーストタウン化を拡大してゆく。
そうやって、町が死んでゆくのだ。まさに砂漠が拡大してゆくさまと、よく似ているのである。


リーマンショック後、GMとクライスラーは破綻した。ビッグ3と呼ばれた代表的企業は、倒れた。経済危機の本質は、彼らに責任があったわけではなかった。経営方法や金融に手出ししたことなど、問題点もあったのかもしれないが、自動車会社が特別な悪事を働いて企業を破綻させたわけではなかった。むしろ、彼らは同情すべき被害者であった、と言えるかもしれない。

唯一、生き延びたフォードだったが、自動車企業が苦しいことに変わりはなかった。グローバル化や自由貿易という美名の下で、ビッグ3の危機となり、仕事を奪われた労働者たちは失業してゆくことになったのだ。


かつて、米国の上質な中流家庭のモデルは、自動車会社の熟練工などだった。ある程度の収入、医療保険、年金、といった、社会保障制度基盤を支えていたのは、自動車会社のような優良企業だった。

日本型雇用の原型は、多分こうした米国企業に学ぶところが多かったものと思う。

だが、手厚い保障の存在が、自動車会社を苦しめる遠因となってしまったのだ。
医療費がGDP比で15%以上にも達するようになったのは、自動車会社のせいではなかった。米国の貧弱な健康保険制度と競争的な医療(笑)と民間保険会社の営利の合作のようなものだろう。

自動車会社は、高騰を続ける医療保険の負担に耐えられなくなっていった。人件費のかなりの部分を、こうした医療や年金が占めるようになってしまったからだ。

儲かったのは、民間保険会社や年金基金の巨額資金を運用する投資銀行やヘッジファンドなどの金融業の連中であり、彼らのせいでビッグ3は窮地に陥ったようなものだ。経済危機を招いたのも金融業界の連中だったのに、自動車会社は「悪の権化」のように公聴会で厳しく非難されなければならなかった。


全米の労働者たちの雇用を守り続けてきたのは、自動車企業だった。
クリック一つで金を動かす、投資マネージャーなんかではなかった。それなのに、グローバル化でアメリカ人の雇用を破壊し、町を廃墟に変え、借金のカタに家を取り上げてゆくだけの金融の連中が、多額の給料を受け取っているのだ。

アメリカ人労働者たちを不幸に陥れ、仕事を奪い、家や街を奪うグローバル化が、どうして正当化できようか。
アメリカ人の雇用を守り、医療保険や年金を頑張って払ってきたビッグ3が悪者で、アメリカ国内で雇用を生まず医療費も払わないグローバル化推進企業が、本当にアメリカの為になっているのか。彼らは、企業利益を追求するだけで、アメリカ人労働者の生活を守ってなんかいないのだ。


社会的責任を果たさないグローバル企業が高く評価され、正当化されるのは、本当に正しいことなのか?
一部の人間たちの為に企業利益を稼ぎまくるのが、望ましい社会なのか?


アメリカの地方は荒廃した。地域社会が崩れ去っていった。
恐らく、小規模農家も同じような目に遭ったであろう。家族経営の弱小農家は、銀行借金で農地を取り上げられたりしただろう。田舎を荒廃させることになってしまっただろう。

それなのに、もっと貿易自由化を推進して、砂漠化を加速させようというのだろうか。それが、アメリカを守れることになるのだろうか?



多分、オールドな分野というのは、そのように感じても不思議ではないんじゃないかな、と。

オバマ大統領にとっては、自動車業界の労組が支持基盤になっているから、日本のTPP参加反対声明は、ジレンマとなる可能性がある。
韓国とのFTAのような「特別な条件」が狙いとなるか、日本の参加拒否を働きかけることになるかもしれない。


アメリカに雇用を多く持たないグローバル企業の利益が優先される為に、アメリカ国内の労働者たちが犠牲になれ、というのは同意できるものではないのだ。特定の大企業に利益が集中するというのは、リーマンショック前の「グリード金融」の連中がべらぼうな利益をあげていたのと同じではないか。


TPP反対の裏側には、自工会の偉い人には見えない何かがあるはずなのである。