今年の通常国会後に数か月にわたって自民党は野党の予算委員会開催を頑なに拒否し続けてきた。
自民党の国会対策委員長は「安倍晋三首相が長時間拘束される」という驚きの理由と共に、安倍晋三の意味のない外遊を挙げて、あたかも安倍晋三を予算委員会に出席させない策動に出ていた。
参院選が終わり、しばらくたってから10月4日に臨時国会が開催されたが、本格的な予算委員会は10月10日から始まった。
同時に衆院参院それぞれに17個ずつ設置された常任委員会では、各所管省庁ごとに委員会が設置されており、担当閣僚が主管となって委員会が開かれていた。
しかし先月の経産委員会では菅原一秀経産相が、法務委員会では河井克行法務相をそれぞれ身から出た不祥事が明るみになり国会で明確な説明責任も果たさず辞任してしまった。
閣僚の任期中の辞任となれば、当然、任命責任が安倍晋三首相にあることは明白であり、野党は安倍晋三を追及するためには予算委員会を開かせ集中審議をしなければならない。
ところが、「叩けばいくらでも埃が出る」安倍晋三なので、長期間与党が予算委員会を開かなかった理由が浮かび上がるような事態が発生していた。
3日前には、安倍晋三がもっとも触れられたくはない「森友学園疑惑」に関しての財務省が開示してこなかった行政文書をが、テレビ東京が「森友学園」をめぐる国有地の売却問題に関する行政文書を入手したと発表した。
「独自 森友文書 浮かび上がる事実」
「森友新文書5849ページでわかった新事実! 公文書改ざんを生んだ安倍首相逆ギレ発言の舞台裏 しかし肝心の部分はいまだ黒塗り」という記事によると、こんな舞台裏が明らかになっている。
はじめて総理入りの国会審議で森友問題が取り上げられた、2017年2月17日の衆院予算委員会での安倍首相の答弁。このとき、民進党の福島伸享議員(当時)から昭恵氏と籠池泰典氏の関係について問いただされ、安倍首相が激昂した様子で「私や妻が関係していたら間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」と断言したことは、その後の公文書改ざんを引き起こすきっかけにもなり、多くの人の記憶に残っているだろう。ところが新文書によると、じつは財務省が用意した想定問答に書かれていた答弁は、こういうものだった。 「法令及び国有地の処分ルールに基づき、大阪の私学審の設置認可適当の答申を踏まえ、国有財産地方審議会において処分方針の了承を得ているものであり、誰が小学校の校長であるかは関係ない」 しかし、安倍首相は福島議員の追及に激昂し、想定問答を読み上げず、「私や妻が関係していたら間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」と断言してしまったのだ。そして、この宣言をきっかけにして公文書の改ざんが進められ、ついには近畿財務局の職員は自殺にまで追い込まれてしまったのだ。 実際、昨年6月6日付の毎日新聞でも、この日の答弁をどうするかを今井尚哉首相秘書官や杉田和博官房副長官らが話し合いをもち、「首相が『自分も妻も問題には関わっていないが、こんな話になって申し訳ない』と言えば済むのではないでしょうか」という提案がなされ、今井首相秘書官がこれを安倍首相に伝えたというが、当の安倍首相が「私も妻もまったく関与していない」と耳を貸さなかった、と報じている。こうしてまわりの進言も無視して陳謝するどころか逆ギレして啖呵を切ったことが公文書改ざんという国家的犯罪の引き金になったことをあらためて考えると、いまだに安倍首相が総理も国会議員も辞めていないことの理不尽さを痛感せずにはいられないだろう。 |
もっともこの開示された文書の肝心な部分、即ち安倍昭恵の明らかな関与を裏付ける部分はすべて黒塗りにされているという。
しかし、安倍晋三個人の、あたかも税金の私物化と見紛うような事実は覆い隠すことはできなかったようである。
1か月前には、こんなネット記事が出ていた。
「安倍首相が「桜を見る会」で税金使って地元後援者を大量招待! 公的イベントを支援者接待と政治資金集めに利用」
今回の「桜を見る会」の大スクープは赤旗の取材によるものでした。こちらもぜひご贔屓に??月930円です。 pic.twitter.com/aM4KsT4jg3
— 紫野あすか (@asunokaori) November 8, 2019
国会中継
— 但馬問屋 (@wanpakuten) November 8, 2019
“多額の予算、桜を見る会”
田村議員
「当時の山口県議のブログ。『10m歩いたら山口の人に出会うわよと。安倍総理が地元からの招待客をどんどん増やしたんじゃないか。山口の関係者を慰労する行事になっているのではないか」
功績・功労が認められないと、招待されない規定があるのだが?? pic.twitter.com/6iRzJmSuKk
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#桜を見る会 ④予算委員会で徹底追及。これでもかとネットにあふれる情報を突きつけた。
— 田村智子 (@tamutomojcp) November 8, 2019
予算の3倍にも規模を広げ、総理の後援会のおもてなしに利用している。無料で樽酒やアルコール、オードブル、お菓子やお土産をふるまう。政治家が個人でやったら公職選挙法違反。https://t.co/AVv9yj3b7T
さらに、昨日は、「安倍首相「桜を見る会」の税金を使った不正が国会で明らかに!「地元の自治会やPTA役員を招待」と白状 萩生田・稲田・世耕も…」という記事もあったが、そこで元となった赤旗の記事を引用する。
<桜見る会を安倍後援会行事に 参加範囲は「功労・功績者」のはずが 税金私物化 大量ご招待 田村氏追及に首相答弁不能> 2019年11月9日(土) 赤旗 「安倍内閣のモラルハザード(倫理の崩壊)は安倍首相が起こしている」―。日本共産党の田村智子議員は8日の参院予算委員会で、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に安倍首相や閣僚らが地元後援会員を多数招待していた問題を追及しました。安倍首相は質問に答えられず、審議はたびたびストップ。安倍首相が先頭にたって公的行事・税金を私物化している疑惑が深まりました。 「桜を見る会」の参加者数・支出額は安倍政権になってから年々増え続け、2019年の支出額は予算額の3倍にもなっています。田村氏は、各界で「功労・功績のある方」を各府省が推薦するとしながら、自民党議員・閣僚の後援会・支持者が多数招待されていることを明らかにしました。 安倍首相の地元・山口県の友田有県議のブログ記事では、“後援会女性部の7人と同行”“ホテルから貸し切りバスで会場に移動”などの内容が記されています。 田村氏は「安倍首相の地元後援会のみなさんを多数招待している」「友田県議、後援会女性部はどういう功労が認められたのか」とただしました。 安倍首相は答弁に立てず、内閣府官房長が「具体的な招待者の推薦にかかる書類は、保存期間1年未満の文書として廃棄している」と答弁しました。田村氏は「検証ができない状態ではないか」と厳しく批判しました。 田村氏は「安倍事務所に参加を申し込んだら、内閣府から招待状がきた」という下関の後援会員の「赤旗」への証言を紹介。「下関の後援会員の名前と住所をどの府省がおさえられたのか。安倍事務所がとりまとめたとしか考えられない」とただしました。 さらに田村氏は、友田県議や吉田真次下関市議のブログに、「桜を見る会」とあわせて安倍首相夫妻を囲んだ前夜祭の盛大なパーティーの様子が紹介されていると指摘。「桜を見る会が『安倍首相後援会・桜を見る会前夜祭』とセットになっているんじゃないか」「まさに後援会活動そのものだ」と追及しました。 安倍首相は「お答えを差し控える」と答弁を拒否し、議場は騒然。田村氏は「桜を見る会は参加費無料でアルコールなどをふるまう。政治家が自分のお金でやれば明らかな公職選挙法違反だ。こういうことを公的行事と税金を利用して行っていることは重大問題だ」と強く訴えました。 |
このような事実に基づく共産党の田村智子議員による追求にはまともに答えられなかった安倍晋三はイラツキ、「共産党憎し」の感情が露わとなり、他党の議員の質問中にこんなヤジをとばすという品格欠如のみっともない姿を露わにしていた。
これが昨日の国会でのヤジ。
— chocolat. (@chocolat_psyder) 2019年11月8日
日本国民の代表である国会議員。
日本の国権の最高機関である国会。
二つともを徹底的に侮辱している。https://t.co/1bL5sVaAp9
安倍総理が杉尾議員へ「共産党!」とのヤジ。私は最前列。目の前で総理が杉尾議員へ「共産党!」と叫び、議場は騒然。最後の質問者は共産党の田村智子議員だったが、「さくらを見る会の質問で総理は共産党にボコボコにされていましたね・・・」とは某記者の言葉。杉尾・田村議員、迫力の質疑だった。 https://t.co/CBXhkBG2Jh
— 塩村あやか??参議院議員(りっけん) (@shiomura) 2019年11月8日
このような国会での安倍晋三の崩壊ぶりには、「ヤジ飛ばす安倍 責任回避の萩生田/政界地獄耳」は最近の安倍晋三のイラツキぶりとその側近連中を冷静にこう分析していた。
★約8カ月ぶりに開かれた衆院予算委員会の集中審議。相変わらず首相・安倍晋三の答弁は的を射ない。ただ、それで8カ月前は通っていたが、予算委員会の空気もそれを見る国民の目も当時とは違う。テーマは学校法人「加計学園」による獣医学部新設を巡る問題。今井雅人が文科省内で作成されたいわゆる「萩生田メモ」を取り上げ「誰かが作った」と質問していると、首相が自席から「あなたが書いたんじゃないの」などと声を上げた。人が話している時にヤジを飛ばされるのを極端に嫌う神経質さを持ち合わせていながら、質問にイラつくと自らヤジを放つ首相。当初は答弁したならともかくとぐずっていたが結局「つぶやいた。申し訳なかった」とヤジとして謝罪した。 ★どうも加計学園の話題になるとむきになる傾向がある。落ち着かないのだろうか。一方、文科相・萩生田光一は英語民間試験導入をめぐり、試験を決めたとみられる省内の非公開会議の議事録について「基本的には公開していく前提で準備する」と表明した。一見異例に見えるが、萩生田としては自分より前の文科相が決裁したことと責任回避が目的だろう。 ★だが文科相は第2次安倍内閣以降、下村博文、馳浩、松野博一、林芳正、柴山昌彦、萩生田と林を除きすべて安倍の出身派閥・清話会の指定席となっている。表向きは道徳教育の積極導入などだったが、実態は受験利権のコントロールが目的だったのではないかと疑われても仕方があるまい。またその間に森友学園、加計学園と学校認可も行われてきた。また学校法人幸福の科学学園が先月25日、文科省に対して2度目の「幸福の科学大学(仮称)」の設置認可を申請している。最近では所管の文化庁が美術展や映画製作の助成金カットなどの采配で政権批判を封じ込める役目も担っている。消費税では怒らない国民も、子供の将来については厳しい目を向ける。政権と派閥挙げての疑惑は解明されるか。 |
大統領制の韓国と日本とは単純には比較できないが、韓国の大統領は、ひとたび大統領を辞任すれば在任中の不正が明るみにでて裁判にかけられ投獄されてしまう。
日本では総理大臣を辞めても、「前総理」とか「元総理」と呼ばれてぬくぬくと生き延びている輩は多い。
しかし安倍晋三の場合はこのまま「元総理」という称号を与える前に、「モリカケ問題」という安倍晋三にとっては永遠のトラウマから一刻も早く在任中に「総理の犯罪」として厳罰に処して楽にさせてやりたいものである、とオジサンは思う。