以前も言ったのだが、その昔は自民党の総裁候補は大派閥の領袖たちが争い、いい意味での切磋琢磨があった。
2009年に民主党に政権を奪われて以降、民主党の代表がわずか3年で3人も交代し、持病で政権を放り出した安倍晋三が2012年末にゾンビのごとく蘇ってしまった。
今回の総裁選挙に出馬を決めた岸田文雄の積極的な発言により、安倍晋三や麻生太郎が過剰反応し、恫喝された岸田文雄ははすぐさま軌道修正してしまった。
それは、「アベ・スガ」政権の9年余りで、自民党の3回生議員までは安倍・菅政治しか知らない議員たちになり、それにより安倍晋三、・麻生太郎、甘利明のいわゆる「3A」と陰で言われる「脛に傷を持つ」連中がにらみを利かせ、忖度政治がはびこり若い世代が育たなかったからかもしれない。
特に安倍晋三・麻生太郎の2人ににらまれたら怖いと思って同調しているのだろうが、もともと魅力的な候補者が少ないこの総裁選がどんどんつまらなくなっている。
それはすべてが長老議員たちの代理戦争になるからであり、意中の候補を当選させ操りたいというのは、過去の事件を掘り起こさせないためか、それともすべての権力を維持掌握していたいからかは定かではない。
長老の介入は迷惑だという候補者もいない中で29日まで総裁選挙をやり続けても国民の関心は薄ればかりかもしれない。
ところで、総裁選に出馬するほどのエネルギーがないとばかりに、本人曰く「コロナに選任(注:専念が正しい)」なんてのたまって総裁選不出馬を決めた菅義偉の専念の成果が昨夜発表された。
「宣言の期限、制限緩和は「政権の思惑優先」 菅首相、強い言葉連発も説明しない姿勢で行き詰まり」
【東京新聞より】
菅義偉首相は9日の記者会見で、東京都などへの新型コロナウイルス緊急事態宣言の延長を表明した。コロナを巡る首相の会見は今年に入って15回目。「必ずウイルスに勝つ」などと強い言葉を発しながら、感染再拡大を招く事態を繰り返した。今回の流行は減少傾向に転じたが、国民の信頼を失った首相は退場する。8年8カ月続いた安倍・菅政権。十分な説明をせずに突き進んできた政治はコロナ対応で行き詰まった。 ◆わずか28日間… 首相は9日の会見で「首相として最後の日まで、全身全霊を傾けて職務に取り組んでいく」と強調した。 積み重ねてきたコロナ対応の会見で、首相は明確な根拠を示さず「1カ月後には必ず事態を改善」(1月7日)、「今回の宣言が最後になるような覚悟で」(7月30日)などと発言。数週間後には「申し訳ない」と謝罪の言葉に変わり、世論の失望を招いた。 今、政権中枢には「ようやくワクチン接種の効果が出てきた」と安堵感が漂う。だが東京都の場合、今年になって宣言もまん延防止等重点措置も発令されていなかったのは、1月初めと春先のわずか計28日間。長期化を招き、宣言の効力を薄めた責任は大きい。 ◆立つ鳥跡を濁さず 今回の延長期限は今月30日までで、自民党総裁としての首相の任期と重なる。期間の根拠に関し「新規感染者数の減少傾向と医療提供体制の強化を踏まえた」というのが政府の公式見解だが、政権幹部の1人は「次期政権になる前に、解除の判断をするのが1つの礼儀。立つ鳥跡を濁さずだ」と科学的ではない理由を明かす。 「政権の都合」を優先した期間設定は、これまでもあった。東京五輪が典型例だ。感染拡大の懸念が消えない中、3月に東京などの宣言を解除したのは、五輪の聖火リレーが始まる直前。4月の再発令と6月の重点措置への移行は、解除した状況で7月の五輪を迎えたいという狙いが透けた。 結局、感染拡大を抑え込めず、五輪・パラリンピックは宣言の発令中に開催された。大会の感染拡大リスクの認識、開催可否の判断基準について、首相は最後まで説明しなかった。 ◆衆院選へアピール 首相らの姿勢に関し、政府対策分科会の尾身茂会長は「専門家の分析よりやや楽観的」と指摘してきた。 認識のずれは、9日に政府が基本的対処方針分科会に示した行動制限緩和の基本方針でも表面化した。宣言地域でもワクチンの接種証明や検査の陰性証明を活用し、飲食店での酒類提供を認める内容で、尾身氏は宣言中の実施に反対した。 政府が緩和に傾くのは、社会経済活動の早期再開を望む経済界や自民党からの強い要望があるからだ。11月までに行われる衆院選を視野に、社会が日常を取り戻しつつあるとアピールしたい思惑もにじむ。 基本方針には「重症患者の発生を抑えつつ病床を増やせば、多くの国民の命や健康を損なう事態は回避できる」と明記したが、首相は9日の会見で具体策を語らなかった。 同席した尾身氏は政府のコロナ対策について「問題解決のための責任の所在が少し曖昧だった。非常時に専門家集団が集まり、首相に助言する仕組みが必要だ」と注文した。 |
今まで「緊急事態宣言」を発した後の見通しが全くない、「出口戦略が見えない」との批判があったが、今回は宣言解除もしないで楽観的な、しかも衆院選挙をにらんだ内容でもあった。
今では「御用専門家」と揶揄されている尾身茂会長も形式的に言う始末。
「政府分科会「間違ったメッセージになる」と行動制限緩和に慎重論」
当然ながら、医療現場からはこんな声が上がっていた。
「正気か!医療放棄“追認"の危なすぎる新解除基準…在宅患者8000人超でも「合格」のつじつま合わせ」
「新規感染者数を参考程度にするのは危険です。入り口である感染にブレーキをかけなければ病床は足りなくなる。また、病床使用率を重視するとしていますが、使用率を上げたくない病院が患者の受け入れを厳しくする可能性がある。病床が増えない中、無症状や軽症者を幅広く入院させると、使用率が跳ね上がり、病床が逼迫するからです」
「自宅療養中の死者をこれ以上、出さないために、在宅患者を限りなくゼロに近づけるべきですが、8000人超が入院できなくても緊急宣言の『解除合格』とは驚きです。医療放棄を公言しているに等しい。解除基準の変更は医療のイロハのイである早期診断、早期治療に逆行している。分科会が解除しやすいようにつじつまを合わせているように見えます」
(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣)
相変わらず「ワクチン命」の 菅義偉はワクチン至上主義を振りかざしていたが、最近の東京の陽性者が減少傾向なのをメディアもさかんにワクチンのおかげと喧伝している。
しかしワクチンはあくまでも予防効果であり、その信頼度も決して100%ではないことは確かである。
にワクチン2回接種者らに「ワクチンパスポート」の発行を検討しているらしいが、ワクチンは早く接種した人から効果が薄れていくことが明らかになっている。
「ファイザー製 抗体半年で84%減か 追加接種も指摘」
ファイザー製の新型コロナワクチンの接種を完了した半年後に抗体の量が8割以上、減少していたという研究結果が発表されました。 アメリカのブラウン大学などはファイザー製のワクチンの接種を済ませた介護施設の居住者と医療関係者の合わせて212人を対象にして、先月までに血液中の抗体の量を調査しました。 その結果、接種を終えた2週間後に比べて半年後の抗体の量がすべての対象者について84%以上、減少していたということです。 最も若い医療関係者は26歳でしたが、介護施設の高齢者と同様に半年後の抗体の量が減っていました。 他の研究者による検証、いわゆる査読の前の研究ですが、ファイザーのワクチンについて3度目の追加接種が必要だと指摘しています。 |
先進各国に先駆けて最もワクチン接種率が高いといわれていたイスラエルでは7月以降、既に全人口の約6割が2回のワクチン接種を完了している状況下、感染が再拡大し、9月初めには1日当たりの感染者数が1万人を超えて推移するなど、感染拡大がピークに達している。
同国政府は8月1日から60代以上を対象にした3回目接種を開始。29日には接種対象を12歳以上に拡大し、9月1日時点で人口の2割以上に当たる約200万人が3回目の接種を受けている。
そしてついには、「新たな変異株にまた襲われるかも…イスラエル『コロナワクチン4次接種の準備を』」という状況らしい。
「ワクチン接種模範国」と呼ばれるイスラエルで新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチンの4次ブースターショット(追加接種)を準備しなければならないという主張が出た。 現地メディアのザ・タイムズ・オブ・イスラエルによると、イスラエルの新型コロナ防疫最高責任者のサルマン・ザルカ氏は4日(現地時間)、公共ラジオ「カーン」とのインタビューで、「新型コロナが完全に終息せず、人類と共生し続ける」とし、「4次接種の準備を始めなければならない」と述べた。 続けて、2次接種後に行われるブースターショットは、「デルタ株のような新たな変化に対応するための方策」とし「今後、新型コロナワクチン接種は私たちの生活」と説明した。また、「新たな変異株の出現によって、追加接種の時期も変更する可能性がある」とも述べた。 4次接種の時期は具体的に明かさなかった。しかし、メディアは「公共の場への出入りなどに必要なワクチン接種証明書『グリーンパス』の有効期間が2・3次接種完了から6カ月までのため、その間に4回接種が始まる可能性がある」と伝えた。 ザルカ氏は先月も、同メディアとのインタビューで、ワクチンの追加接種が必要だという趣旨の発言をした。当時、ザルカ氏は「今回の第4波で得た教訓は、新たな変化に備えなければならないということ」とし「ワクチンの免疫効果が弱まることまで考慮すると、1年または5~6カ月に1回ずつ追加接種が必要」と述べた。 イスラエルは、7月12日から新型コロナブースターショット接種を開始した。デルタ株が世界中に広がったのに続き、ワクチンによる免疫効果も下げるという研究結果が相次いだためだ。 ブースターショット接種対象は、移植手術患者など免疫脆弱層から始め、60歳以上に拡大した。先月末からは12歳以上の全員にブースターショットを打っている。現在まで全人口930万人の28%水準の260万人以上が3次接種を終えた。イスラエル保健省は現在、全人口の65%の600万人以上が少なくとも1回新型コロナワクチンを打ったとし、2カ月以内に新型コロナの集団免疫を達成すると予想している。 高い接種率にも関わらず、イスラエルの一日の感染者数は連日1万人台に迫っている。国際統計サイトのワールドメーターによると、2日の新規感染者は1万1852人、3日は6244人、4日は8663人を記録した。 一方、世界保健機関(WHO)は、一部の国で施行しているブースターショットに反発している。テドロス・アダノム・ゲブレイェススWHO事務局長は「新型コロナワクチンの供給が不平等な状況で、より強力な変異株が発生する可能性もあり、ワクチン接種率が低い国にワクチンを寄付してほしい」と求めた。 |
ワクチンは決して「万能薬」ではなく、2回目を接種しても中和抗体量の増加には個人差があり、接種後2週間後でも感染する人も決して少なくはない。
新型コロナウイルスの致死率(全年齢で平均してみても0.1%~4%程度)よりも低い致死率(0.1%程度、2009年に流行した新型インフルエンザでも0.01%程度)のインフルエンザに関しては毎年ワクチン接種が呼びかけられている。
オジサンも現役時代はインフルエンザ接種には企業から補助金が支給されていたが、一度も接種したことはない。
しかし毎年接種している後輩は不思議と毎年罹患している。
これは個人差と言ってしまえば身もふたもない話なのだが、現在のワクチンも3度目、4度目と来年も続くことが予想される。
最終的には各個人の免疫力を日ごろからの食生活や生活習慣の改善などで高めるしかないのではないだろうか。
そうしないと永遠に米国製薬企業に国はカネを払い続けることになるのではないだろうか、とオジサンは思う。