新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

感染しても重篤にならないための防御策とは

2021年09月11日 11時12分18秒 | COVID-19(新型コロナウィルス)

もはや自民党内の総裁選の候補者は皆で9年近く「アベスガ内閣」を支えてきた連中で、今日の我が国の惨状を招いた共同責任があるので、どんな素晴らしい「政策」らしき作文を披露されても個々にコメントすることは無駄であろう。
 
それならばこんなツイートで十分であろう。 


さて、昨日は 「個人の免疫力をたかめないとワクチン漬けになってしまう」とつぶやいたが、決して「ワクチン陰謀論」に感化されたわけではなく、かつての「原発神話」を思い出し、「ワクチン至上主義」の危険性を指摘したまでである。
 
もう1年前になるが、まさに「個人の免疫力をたかめる」という記事があった。
 
かなり様々な資料や海外の論文を参考にしての論考であり、この週末にじっくりと読んでもらいたい、とオジサンは思う。
 
1918年のスペインかぜで日本の致死率が著しく低かった理由を探っているうちに突き当たった『抗ウイルス策あるいはサイトカインストーム防御策』。それは海藻とフコイダンに
 
なぜ100年前の日本人は新型インフルエンザであまり死亡しなかったのか
1918年から流行が始まった新型インフルエンザのパンデミックだったスペインかぜは、世界人口の3分の1が感染したとされています。そして、2005年のアメリカの研究においては、最大で 1億人以上が亡くなったとされています。
その致死率となると、当時は、正確な統計がとられていない国や地域も多く正確なところはわかりようがないですが、しかし、国立感染症研究所のページには、
「世界人口の 3分の 1の約 5億人が感染して、死亡者数は全世界で 4,000万人から 5,000万人」
とありまして、この推計からは、最大で 10%ほどの致死率があったことになりますし、英語版のスペインかぜの Wikipedia には、
「感染した人の 10%から 20%が死亡したと推定されている
とあり、いずれにしても、とんでもない高い致死率でした。
感染率や致死率は国や地域により差があったのですが、「致死率がとても低い国」には、日本が含まれていました。
日本にはスペインかぜについてのかなり正確な統計が残っていて、致死率については、統計上の問題なのか、数値に幅がありますけれど、日本でのスペインかぜでの致死率は、 0.7%から最大でも 1.6%(2300万人が感染して 38万人が死亡)となっています。
2300万人が感染して、38万人が亡くなるというのは、確かに大きな厄災ですが、それでも、致死率の点からだけでは、世界平均より極端に低いのです。
感染率そのものは特に低いわけではなく、当時の日本国民の 4割くらいがスペインかぜに感染したと思われますが、しかし、死者が少なかったということは「重症化する人が少なかった」ということだと言えます。
私はこの、なぜ日本の致死率は極端に低かったのかということについて以前から考えていましたけれど、「過去のことだし、別にいいや」と、最近はどうでもよくなっていたのですが最近の新型コロナウイルスの流行の中で、また考えるようになりました。
インフルエンザにしてもコロナウイルスにしても、高齢者や基礎疾患のある人の重症化とは別に、一般の元気な方々が重症化する原因として、
「サイトカインという物質が過剰に放出される」
ということがあります。
サイトカインとは体内にあるタンパク質のことで、これが悪い物質であるわけではなく、病原体に感染した際などに免疫機能としての反応を起こしてくれる物質であり、病原体を排除するインターフェロンなどの放出させることで、病原体を速やかに排除させるという意味で重要な物質です。
しかし、風邪などを引いた時に身体に起きることなどを考えれば、病原体に対しての身体の反応は、悪寒だったり嘔吐だったり、倦怠感、頭痛、発熱であったりと、苦痛を伴う反応が多いものです。それがあまりに進行すると、身体の危険度も高まることになってしまいます。
このように、サイトカインの「過剰な放出」により、症状が激しくなってしまうことがあるのです。
それが重症化に結びついてしまう。
若くて病気のない元気な人が重症化する場合、「免疫反応によりサイトカインが過剰に放出し、結果として、免疫系が自分を守るのではなく、自分を攻撃するものとなってしまう」ことにより、悪化してしまうという場合があるのです。
スペインかぜでは、亡くなった人たちの多くが若い世代でしたが、それは普通のインフルエンザと違う(普通は乳幼児や高齢者の死亡率が高くなります)状況でした。その理由のひとつに、サイトカインの過剰な放出(サイトカインストーム)があったのではないかという推測はあります。
また、2009年の新型インフルエンザのパンデミックでも若い世代の死亡率が高かったのですが、サイトカインストームが理由であった可能性があります。
そして、現在流行している新型コロナウイルスでも、このようなサイトカインストームが起きる可能性はあると思われます。
そういう意味では「感染しないように気をつける」ということは大事なことなのかもしれないですが、しかし、新型コロナウイルスの場合、これだけ感染力が強い上に、エアロゾル感染の可能性も高くなっている中で、「感染しないようにする」という完璧な手段は存在しないと思われるわけで、それよりも、
重症化しないためにはどうするべきか」ということを考えたほうがいいのかなと思っていました。
それで、1918年のスペインかぜで、日本人の致死率がとても低かった理由は、おそらくは、当時の多くの日本人には「サイトカインの過剰な放出」があまり起きていなかったのではないかと考えていたのです。
そうしましたら、最近、アメリカ国立衛生研究所のライブラリーで、以下のふたつの医学論文を見つけました。
Fucoidan Inhibits Radiation-Induced Pneumonitis and Lung Fibrosis by Reducing Inflammatory Cytokine Expression in Lung Tissues (2018/10/19)
(フコイダンは、肺組織における炎症性サイトカインの発現を低下させることにより、放射線誘発性肺炎と肺線維症を抑制する)
A marine-sourced fucoidan solution inhibits Toll-like-receptor-3-induced cytokine release by human bronchial epithelial cells(2019/01/01)
(海洋由来のフコイダン溶液は、ヒト気管支上皮細胞によるTLR3誘導性サイトカイン放出を阻害する)
ここに出てくる「フコイダン」は、ご存じかと思われますが、ワカメとかモズクとかメカブとか、そういう「ぬるぬるした海藻」全般に含まれているものです。
論文の表現はどちらも難しいものですが、ごく簡単に理解したところでは、
「フコイダンはサイトカインの発現パターンを変化させ、肺炎の症状を抑制する」
というようなもののようです。つまり「重症化を防ぐ」と。
どうやら、ワカメとかモズクとかメカブとかに含まれるフコイダンには、ウイルス感染時に、サイトカインの過剰な放出を抑制して、症状を鎮める作用があるようなのです。
さらに、2014年の科学記事で、以下のようなものを見つけました。
アメリカの代替医療やホメオパシーなどの研究が専門の科学者のページです。
Red Algae Extract Fights Ebola, HIV, SARS and HCV
(紅藻エキスはエボラ、HIV、SARS、C型肝炎と戦う)
「紅藻」というのは、たくさんの種類がある海藻のカテゴリーですが、食用としてわかりやすいものとしては「岩のり」とか「テングサ(寒天やところてんの材料)」、あるいはフノリなどで、日本人にはそれほど特別なものではありません。
この記事の中で注目したのは、2006年に、アメリカ保健福祉省が、この紅藻から抽出させる成分を「特許申請した」ことが記されていたことでした。国の機関が岩のりの成分を特許申請しているのです。
この「米国特許 #US 8088729 B2」を見てみますと、紅藻から抽出された成分に、抗 RNA ウイルス作用があることが書かれています。インフルエンザウイルスもコロナウイルスも RNA ウイルスですが、そのようなウイルスに感染にしくくなると書かれているのです。
特許の説明の中には、「ニュージーランドの海で採取された紅藻から抽出されたグリフィスシンという成分を投与した後」として、以下の文章がありました。
C型肝炎ウイルス感染、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス感染、 H5N1 ウイルス感染症、またはエボラウイルス感染症への感染が抑制された。
とあるのでした。 SARS ウイルスは、新型コロナウイルスと同じ系統のウイルスです。
岩のりとかトコロテンに含まれる成分が RNA ウイルスのウイルス感染を抑制していることがわかり、アメリカ保健福祉省はこれを「特許申請」していたのでした。
海藻に関して、先ほどのフコイダンの論文と合わせると、以下のようなことになりそうなのです。
メカブやモズクなどの海藻に含まれるフコイダンは、サイトカインを抑制して症状を和らげ、岩のりとかトコロテンなどのグリフィスシンという成分は、ウイルス感染そのものを抑制する。
これをまとめていて、自分でも、「ホンマかいな」と思いました。
「メカブとかトコロテンがそんなスーパーな食べ物なのかよ」
などと、他の資料などを見ていたのですが、ふと見た「マップ」を眺めていて、
「あ」
と驚いたことがありました。
スペインかぜの死者数の都道府県別の比較を見てみると
まず、以下の図は、東京都健康安全研究センターの「日本におけるスペインかぜの精密分析」という資料にある 「スペインかぜの都道府県別の月別死亡者数」です。
資料では、全期間のマップが載せられていますが、表示が小さくなってしまいますので、わかりやすい部分として、日本で最もスペインかぜの感染が激しかった、
・1918年11月
・1920年02月
のスペインかぜの死亡者数のマップです。
茶色が濃くなるほど死亡率が高く、緑は死亡率が低いことを示します。
実際のマップに県名は書かれていませんが、特に死亡率が「低い」都道府県を書き込ませていただいています。
2018年11月と1920年2月のスペインかぜの都道府県別の死者数

一回目の流行の時には、山形や宮城、山梨などが死亡率が大変に低く、そして、二回目の流行では、青森などの東北と、石川や福井などの死亡率がとても低いのですが、この二回目のスペインかぜの流行期だった 1920年2月のこの分布図と、「とてもよく似た傾向のあるマップ」を見つけたのです。
それは、下のマップです。
 

二回目のスペインかぜの流行時に、著しく死者が少なかった県の色がとても濃くなっていますが、これは何の分布を示す図だと思われますか?
実はこれは、
「昆布の消費量の都道府県別分布」
なのです。
どの都道府県が昆布をたくさん食べているか、あるいは食べていないかを示したマップです。
2016年のデータです。
昆布の消費量上位5位
1位 岩手県
2位 青森県
3位 富山県
4位 山形県
5位 宮城県
ちなみに「ワカメ」の消費量は以下のようになっています。
ワカメの消費量上位5位
1位 岩手県
2位 静岡県
3位 秋田県
4位 宮城県
5位 福井県
(わかめの消費量の都道府県ランキング / 平成28年)

海藻の消費量と、スペインかぜの死者数の率がわりと「逆相関」でリンクしているのです。
もちろん全部がそうではないですが、全体として、海藻の消費が多い県のスペインかぜでの致死率が低く、海藻の消費の少ない県はその逆となっている傾向はかなりあります。スペインかぜは 100年前ですので、今とは消費量は変わっているかもしれないですが、都道府県別の比較としての傾向はそんなに変わっていないのではないかなと思います。
なお、さきほどのスペインかぜの死亡者数の都都道府県別の比較で最も注目すべき県は、実は、
「沖縄県」
です。
沖縄はスペインかぜの一回目の大流行の際も、二回目の大流行の際も、どちらも薄い緑であり、つまり、スペインかぜの流行期間の全体において、沖縄では死者は少なかったといえそうなのです。つまりは、「沖縄では重症者が少なかった」といえるかと思います。
そして、沖縄で独占的に生産されているもののひとつは「もずく」なんですね。
生産率は以下のように、「日本で流通しているもずくの 99%以上が沖縄産地」なのであります。他の県の順位を示す必要がないほどなんです。
都道府県別のもずくの生産量
1位 沖縄県 生産量 15,336トン 日本での生産の 99.1%を占める。
もずくは先ほどの論文でご紹介しましたように、サイトカインを抑制するフコイダンを豊富に含んでいる食品です。
もずくの「消費量」の分布のほうはデータが見当たらなく、正確にはわからないのですが、しかし、これだけ生産している沖縄で消費量が低いとも考えられず、また、スペインかぜの流行した 100年前は、現在のような全国規模の流通がそれほど発達していなかったと思われますので、むしろ、当時の沖縄の人は、今よりもずくをよく食べていたのではないかと考えられます。
最近は周囲にあまり沖縄料理屋さんがないですので、あまり行かなくなりましたが、かつてはよく沖縄料理屋さんに行っていました。以前住んでいた東京の西荻窪という街には、沖縄料理屋さんがたくさんあったんです。
それで知ったのですが、私たちのもずくの食べ方は、三杯酢とかそういう食べ方ばかりですが、沖縄料理では、天ぷらにするんです。もずくの天ぷらは沖縄のソウルフードとさえ言われています。
ですので「食べる量が違う」。三杯酢などのもずくをどんぶり一杯食べるのは難しいですが、天ぷらだと、食べるもずくの量そのものがとても多いのですね。
沖縄では昔からそのような食べ方をしていたと思いますので、たくさんもずくを食べていたんだと思います。
その結果として、沖縄の多くの人たちは「フコイダン大量摂取人」ということになり、新型インフルエンザのような重篤な感染症でも重症化する率が低かったのだろうと推測します。沖縄も、今は昔とは食生活が変わったでしょうけれど、そういう食文化だったことが、先ほどのような「スペインかぜの低い死亡率」に結びついたのだろうなと。
まあ、この海藻消費量のマップの比較だけで、どうこう言うつもりはないですが、先ほどのフコイダンに関しての2つの論文や、アメリカ保健福祉省の「紅藻」の成分に関しての特許取得などを見ましても、少なくとも、
「海藻を食べることは感染症の流行の時期に悪いことはない」
と思います。
なお、世界で海藻を日常的に食べる国は、日本と韓国くらいだと思いますが、スペインかぜの際の韓国(朝鮮)の致死率は 1.88%だったそうです( 742万人が感染し 14万人が死亡)。
致死率 0.7%だった日本の倍はありますが、世界平均から見れば、大変に低い数値だと思います。
ちなみに、私はめかぶとかワカメとか大好きなんですけれど、日常的に食べ始めたのは、東京に出てきてしばらく経ってからでした。
私は北海道出身ですけれど、何となく北海道は海藻類をたくさん食べているような雰囲気があるかもしれないですけど、「全然食べない」のです。
少なくとも、私が子どもや少年のときには、ダシをとる昆布以外では見ることもなかったですからね。実際、今でもデータを見ますと、北海道では昆布の消費は全国 38位、ワカメの消費に至っては、全国 44位でした。今でも北海道では海藻はあまり食べられていないようです。
なお、今回の海藻のことを調べていたのは、この数日なんですが、調べた後に、子どもに、
「 2日に 1度はメカブかモズクを食べるように。買っておきますから」
と言いつけるほどにもなっています。幸い、子どもはメカブが好きですので大丈夫でしょうけれど。
ただ、スペインかぜの時の状況を見ましても、日本では「感染率が下がっているわけではない」ですので、フコイダンの効果は、サイトカインの抑制で重症化を防ぐことにあると思われ、感染の予防とは関係ないようです。
感染そのものの抑制効果に関しては、アメリカ保健福祉省が特許をとった紅藻がいいのでしょうね。
新型ウイルスどうのこうのということではなくとも、風邪や感染性胃腸炎などの今のような感染症が流行しやすい時期に海藻類をよく食べるのは悪いことではないと思います。
なお、フコイダンや紅藻などの医学的研究が、日本よりも、むしろ西欧で活発な理由は、西欧では海藻を食べる習慣がまったくないからだと思います。なので、あちらの国ではサプリメントなどにして服用するしかないようなのです。
フコイダンのサプリメントは存在しますが、私たち日本人は素直に海藻からとればいいのだと思います。恵まれた食習慣だと実感します。

(※)ちなみに今年の夏から我が家の夕飯にはかならず「モズク酢」がデザート代わりについている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 個人の免疫力をたかめないと... | トップ | 野党連合の政策実現のために... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

COVID-19(新型コロナウィルス)」カテゴリの最新記事