2017年7月5日から6日にかけて福岡県と大分県を中心とする九州北部で発生した集中豪雨は「平成29年7月九州北部豪雨」と命名されていた。
それから3年後、熊本県の球磨川を反乱させた想定外の大雨は、天気予報士たちの説明によれば、「線状降水帯」が梅雨前線を刺激して大量の雨量をもたらしたと説明していた。
次々と発生した雨雲(積乱雲)が列をなし、組織化した積乱雲によって、数時間に渡ってほぼ同じ場所を通過または、停滞することで作り出される、線状に伸びる強い降水を伴う雨域と定義されたいるが、以下の4つの条件下で発生するらしい。
①地上付近に暖かく湿った空気が継続的に流入すること。
②暖かく湿った空気が、ほぼ同じ場所で風の収束、地形や前線の影響で持ち上げられて雲が発生すること。
③大気の状態が“不安定”で発生した雲が発達して積乱雲になること。
④上空の強い風によって積乱雲が流されて列状(線状)に並ぶこと。
残念ながらこんな知識があっても、打つ手なし状態なのが現状である。
いつもの朝の民放の情報番組はすべて気象番組になってしまうほどであった。
九州は昔から「台風銀座」とも呼ばれていたが、それは多くは秋口の台風シーズンの頃の話であった。
最近は台風自体も以前とは異なり動きも不規則ながらも勢力はかなり強大になっている。
千葉県を襲った昨年の台風15号の爪痕は依然として回復していないことからもよくわかる。
そしてその「線状降水帯」は北上して昨日は長野や岐阜、そして東海地方に大量の雨量をもたらしている。
最も気にかかるのは、気象学専門の名古屋大学の坪木和久教授のこの言葉である。
「線状降水帯をもたらす水蒸気は日本の場合は全て海の上から入ってくるわけですが、海の上での観測が重要になってきます」
要するに、水温が上昇している海上からは無尽蔵の水蒸気が発生しているため、降水量はいつも想定外となってしまう。
「新型のコロナ」と同様、人知の及ぶところではないのかもしれない。
しかし公務員でありながら国民の公僕という崇高な精神をすっかり捨てて、政権にすり寄る狡猾な「人智」によって出世した輩がいた。
「財務次官に太田充主計局長 森友問題で答弁 月内発令へ」
これ普通に考えたら、公文書改竄を政府が許容してることの何よりの証左で、つまりこの政権には公正かつ説明可能な省庁統治を行う意思か能力の少なくとも一方はないことになるのだが、支持者は…まあ興味ないのか / “財務次官に太田充主計局長 森友問題で答弁 月内発令へ…” https://t.co/MzEsEU7iIn
— elcondor (@elcondor) July 7, 2020
イクラナンデモ????ソレはない?財務次官に太田充主計局長 森友問題で答弁 朝日新聞デジタル https://t.co/dKjq6QGCyn国会でアベ擁護に邁進して良心的職員の死を踏みにじり、財務省の評価を地に落とした男。「いくらなんでも」のあの忖度官僚が、次官???国民をバカにするにも程がある!
— Realwinetaster (@realwinetaster) July 7, 2020
日頃のニュースや、ましてや国会中継など見た事ない人々にとっては、また森友かぐらい思ってしまうのだろうが、端的に言って、この国の官僚は国民の為に仕事などしていない。現政権の為に国民に嘘をつき、出世の為に顔色を伺いながら仕事をしている。 https://t.co/Yxgy1XZ7NH
— 野民屋[ノダミヤ] (@nodmiya) July 7, 2020
「財務次官に太田充主計局長」ときたもんだ。あの「いくらなんでも、いくらなんでも」のおじさんで、凄いな、トップに上り詰めたよ。消費税増税の対策や2度の補正予算の編成に功績があったが故の抜擢というんだけど、真に受ける人がいるかね。安倍さんを擁護した官僚は出世する、ということだろうよ。
— 立川談四楼 (@Dgoutokuji) July 7, 2020
太田主計局長は前にも昇進してなかったかと思えば森友論功行賞からの二階級特進じゃないか
— ツクバヤマハレ@ツイッターJapan 検閲済 (@abenaguridaikou) July 7, 2020
ほんともうやりたい放題の安倍晋三ジャパン
オモチャを掻き集める子供のようにボクのお城を構築していく pic.twitter.com/BoY3dkThRM
そもそも岡本薫明事務次官と太田充主計局長は1983年旧大蔵省に入省した同期であった。
そして事務方トップの事務次官コースで岡本薫明に敗れたのが太田充であった。
それが「森友学園疑惑」がらみの忖度答弁によって目出度く安倍晋三の「守護神」になったらしい。
「次期財務次官は“森友の守護神”太田氏 論功人事と批判殺到」
《森友問題で虚偽答弁して官邸を守り、その言い訳に「価格と金額は違う」って言った人が財務省トップに出世だって。日本の行政は腐り果ててるね。》 《論功行賞的な?》 7月7日、読売新聞などが、財務省の事務方トップである財務次官に太田充主計局長(60)が内定したことを伝えると、ツイッター上は騒然となった。学校法人森友学園への国有地の不正な払い下げ疑惑が発覚した時、太田氏は国有財産を管轄する理財局の局長として、問題の火消しに奮闘。そのためには、強引な答弁や虚偽とみられかねない答弁を国会ですることをいとわなかった人物だ。 森友学園との価格交渉を記録したテープの存在が発覚し、「価格について財務省から提示したこともない」という佐川宣寿元国税庁長官(62)の答弁が虚偽だという疑いが濃厚になったとき、太田氏は国会でこう言い放った。 「金額についてはやりとりがございました。価格については、先ほど来申し上げている予定価格ということで御答弁を申し上げております」(2017年11月28日衆議院予算委員会) “金額”についてのやりとりはあったが、佐川氏が言っていたのは“価格”なので虚偽答弁にあたらないと強弁し、顰蹙を買った。 財務省近畿財務局の職員で、2018年3月に公文書改ざんに手を染めさせられたことを苦に自ら命を絶った赤木俊夫さん(享年54)の手記でも、太田氏は虚偽答弁をしていると3回にわたって名指しで批判されている。 『平成30年1月28日から始まった通常国会では、太田(現)理財局長が、前任の佐川理財局長の答弁を踏襲することに終始し、国民の誰もが納得できないような“詭弁を通り越した虚偽答弁が続けられているのです。”』 結局、嘘に嘘を重ねた答弁を維持できず、財務省は公文書の改ざんや事実と異なる国会答弁があったことを認めて陳謝することになるのだが、その矢面に立ったのも、太田氏だった。 「事実と異なることを答弁をしておりました。誠に申し訳ありません」(2018年5月28日参議院予算委員会) 2018年6月、一連の問題を受けて、「文書厳重注意」を受けた太田氏。だが、“森友問題の守護神”として汚れ役を買って、政権を擁護し続けた“功績”を安倍政権は忘れていなかったのかもしれない。 黒川弘務前検事長(63)をはじめ、政治主導の名のもとに、政権に貢献した官僚を出世させているという批判を受けてきた安倍政権。ツイッター上では、太田氏の人事にも批判が殺到している。 《『森友学園』で証拠を隠したり、嘘を付き通した人物を財務省のトップ官僚である財務次官に就任させる。安倍首相を守った功績で恣意的人事が許されるの?》 《佐川宣寿 前国税庁長官同様、安倍政権の味方をした人(虚偽答弁含む)は出世するんだね》 「徹底的にうみを出さない限り(財務省は)二度と立ち直れないというふうには思っております」と、過去に国会で語っていた太田氏。その言葉を思い出して、公正な職務に励んでほしい。 |
ところで、「選択」7月号で近代史家の坂野潤治はこんなことを言っていた。
「安倍政権は戦前と戦後の成果をすべて食い尽くしてしまったね。日本の民主主義は、第二次世界大戦後だけのものではなくて、明治、大正、昭和と、戦前から長い伝統を持っている。」
食い尽くすどころか、それを完全に崩壊させてしまったのが安倍晋三であろう。
世界を見渡しても、コロナ対策より自分の選挙しか興味がないアメリカのトランプや、憲法を勝手に変えて実質的な終身大統領制を敷いたロシアのプーチンや、同様の権力志向をむき出しにした、能力的にははるかに上だが、世界中でももっとも安倍晋三に近い心性を持つと思われる習近平など、各国の最高権力者の劣化がはなはだしい。
そこに新型コロナウイルスの脅威が襲ってきた。
安倍晋三は今回の新型コロナウイルス対策で一定の右派支持層が離れ、ここ数年は支持率4割が「岩盤」化していたのが3割くらいに削られているにもかかわらず、太田充のような人物が出世することを目の当たりに見た霞が関から「安倍晋三忖度官僚」が増えることがあっても、減ることはないのだろう、とオジサンは思う。