新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

選挙で生き残った野党が統一しなければ日本の明日はない

2020年07月09日 12時16分27秒 | 小池百合子

困ったことなのか、予想通りなのかはいざ知らず、都知事選での小池百合子の圧勝(歴代2位の得票数)により、「反小池百合子」陣営内で亀裂が生じているようである。
 
ことの発端はこんなツイートからだったようである。


市井のブロガー程度ならいざ知らず、立教大学大学院特任教授・慶應義塾大学名誉教授の金子勝大先生だったので、一波乱が起きていた。
 
老醜をさらけ出したようなツイートなのだが、まずは、その内容に大きな誤りがあったという。
 
さっそく山のような返信が「山本太郎信奉者」たちから殺到した。

ネットの掲示板ではこんな声もあった。
 
「投稿者の思考開陳かと思いきや金子勝の呟きだったのか。
やはり自分が言った通りになったな。埋めようがない差。
これで何となく手を繋いで一緒にやっても瓦解するのは明々白々。
この有り様で野党統一で協力しろと山本に強要している金子がどれだけファシストなのかがよく分かるだろう。
流石マルクス経済学を専攻しただけのことはある。」
 
「勝てた試合で負けた場合にその台詞は言ってほしい。
それですらなく圧勝したことを根拠にクズ呼ばわりは金子は叩く理由が欲しかっただけのように思う。
金子はコロナで株を上げた一人だが見て呉れの人権を掲げる本当の意味で弱者の障壁になる強者側の金子はここいらで芽を摘んだ方が良いな。
勝手に自滅してくれるのが一番良いのだが。」
 
経済学者が生半可に口挟むとこんな袋叩きに遭ってしまうのかと驚く。
 
ところで、「中選挙区制と自民党政権 : 55年体制下における単記非移譲式投票の影響の計量分析」という論文で東大法学部で博士号を取得し、その後、日本政治に対する統計データを活用した評論活動を行っておりウェブサイト「国会議員白書」を主催している菅原琢が、同サイト内で、「小池百合子圧勝の簡単なデータ分析(2020年東京都知事選挙)」を発表していた。
 
4年前と今年の都知事選での小池百合子の自治体別得票率を比較したりしていたが、分析データを読み解く力がないと少々理解できないが、「新自由主義的な新しい自民党支持層は前回から小池候補に投票しており、その一部が今回はより好ましい維新の候補に流れた」という仮説をたてて解説していた。
 
そして、「小池都知事の圧勝は『有権者の小池人気』のみを示すのではなく、対抗できる候補を用意できなかった与党と野党の弱さの結果でもあるのです。」と結論づけており、決して、「コイケの圧勝を生んだのは山本太郎なことは明白だ」ということではなかったらしい。
 
もう少しわかりやすい分析を「三春充希(はる) みらい選挙プロジェクト」が示していた。
 
小池氏の票はどこから来たのか? 大差になったのはなぜなのか?
 
◆宙に浮いた179万票に食い込めなかった結果
 2016年にいた自民党の候補(増田氏)は2020年にはいません。ですから彼の179万票が宙に浮いていたわけです。それが2020年の今回の選挙では現職の小池氏と維新の小野氏に流れ込んだことをここまでに見てきました。
 これは逆に言えば、国政野党の立憲・共産・社民やれいわが、そこにほとんど食い込めなかったということです。
 確かにもともと自民の候補に投じられた票なので、野党とは距離があるのは当然です。しかし今回は、その票をまとめる中心となる存在(自民党の候補者)がいないので、この票は流動性を持っていたはずです。
 この宙に浮いた票にことごとく食い込めなかったことが、2016年よりも大きな差が開いたことの最大の原因といえるのではないでしょうか。
 2016年の選挙のとき、野党統一候補の鳥越氏は小池氏に2倍以上の差をつけられて敗れました。だからこそ、そのときの野党の票では勝負ができないと考えられるわけで、自民が独自候補を立てない方針となった時点で、野党側は宙に浮いた増田氏の票に食い込むことが一つの目標となっただろうと思います。
 そういったことは短い期間で選挙を見ていても難しいことでしょう。
◆長い目で見た準備を
 野党側は今回の圧倒的な大敗を直視して、やり方を見直す必要に迫られると思います。告示直前になって勝てそうな候補にとびついても、告示直前で共闘をめぐってもめていても、それではもう勝負には絡んでいないのです。
 小池氏は今年のはじめから、どのような相手候補であれ優位に立っており、3月から5月にかけてコロナ対応で支持率を上げると独走態勢に入りました。
 告示の頃、山本氏と宇都宮氏で統一できないかということが問題になっていたとき、小池氏とはおよそ5倍差がありました。 「一本化できず候補者が割れてしまったから」「テレビ討論がなかったから」「マスコミの報道が少なすぎたから」負けたのではありません。はじめから途方もない差があったのです。
 今回のことに学ぶなら、選挙が近くなって候補者を決めるのでは遅いということになると思います。勝負にするならもっと長い目で見て時間をかけながら、その地域地域での対抗馬を育てていく必要があるのでしょう。インスタントな選挙をやっていては体力がつきません。疲弊します。だからこそ、選挙までの準備が大切だと改めて思いました。

 
コロナ禍により、連日都庁からの会見をテレビ中継させていた現職の都知事には、残念ながら初めからどんな野党統一候補でも勝ち目はなかったかもしれない。
 
さて、一人では経営者に立ち向かえない労働者は組合を作り団結して経営者に対峙する。
 
しかし個人事業主やフリーランスの場合は団結して大きな組織になるのは難しく、既存の個人加盟組織に入ることが現実的である。
 
いっぽう、「一党多弱」と言われて久しい現在の野党は、労働者とは異なりそれぞれに「党首」という城主がおり、たとえ力関係が明らかでもすんなりと団結はできないらしい。
 
戦国時代ならば、戦力で弱小藩を配下に治めながら勢力を増していくのだが、今の日本では残念ながら選挙によって自然淘汰されることを待つしかないのかもしれない、とオジサンは思う。
 

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