1週間近く家を離れ山奥にいると、下界の騒ぎはほとんど耳に入らないのだが、ひとたび娑婆に戻ると、こんなことが聞こえてきた。
そもそも行政が提供している情報が正確性を保証するものではない」 などど指摘されてから言い訳するところは、やはり「維新」らしさがにじみ出ている。
こんな維新に関しては、「日本維新の支持率低下が止まらない…壮大な無駄を生む「IR・万博」で大ブーメランの大阪維新がつけるべき落とし前」という記事をお勧めする。
さて、臨時国会が召集され、初っ端から不慣れな衆議院議長がお笑い下人並みのボケを演じてしまったらしいのだが、その後の岸田文雄の所信表明演説は突っ込みどころが満載だったようである。
「支離滅裂! 岸田首相本人もワケが分からなくなっている経済対策」
岸田首相の経済対策が支離滅裂だ。安倍派をはじめ、党内でご機嫌取りをしているうちに、自分が言っていたことが全てウソになり、結果的に本人も何を言っているのか、ワケが分からなくなっているようだ。 例えば、物価高を食い止めると言いながら、デフレ脱却が必要だと言う。過去最高だった昨年度の税収の「還元」を打ち出しているが、これもおかしい。税収増の原因は円安インフレだ。円安インフレで増えた税収に基づいて物価高対策をするのは、矛盾そのものだ。 さらに法人税や所得税の「減税」まで浮上しているが、ちょっと待て。政府は防衛増税をするはずだったのではないか。防衛増税は反発を買ったため、増税時期を2025年以降にすると決めた。それでも反発があるから減税するということか。 これでは岸田首相が描く「年内解散」の“選挙対策”であることが見え見えだ。選挙が終われば、減収分を取り返すために増税するのだろう。「増税メガネ」というアダ名の流行が象徴的だが、さすがに国民は岸田首相のウソに騙されなくなってきている。 問題はそれだけではない。木原防衛相が米国製の「旧型」巡航ミサイル「トマホーク」の取得を、1年前倒しすると決めた。これは、世論の反発が起きる前に“武器爆買い”を済ませてしまおうという企みだ。 木原防衛相を巡っては、別の問題もある。旧統一教会との関係が指摘されただけでなく、衆院長崎4区補選で3代目の世襲候補を応援して、「(自民候補を)応援することが自衛隊とその家族の苦労に報いることになる」と演説したのだ。自衛隊を政治利用したわけだが、岸田首相は首を切らない。3代目の世襲候補を応援した「ご褒美」ということなのか。 さらに、経済対策として、欠陥カードの「マイナ保険証」を普及させるため、医療機関向けの補助金を新設するというが、これも「ちょっと待て」だ。マイナポイントをエサに欠陥カードを国民に持たせたことに続いて、二匹目のドジョウ狙いで医療機関の“買収”か。 このまま減税で票を買えば、赤字国債を買い支える日銀も限界がくる。共同通信の世論調査では、8割超が財政赤字について「不安だ」と答えているが、当然だ。トマホークを前倒しで買い、欠陥カードの普及のため、国民と医療機関を“買収”。税収増分は「減税」で使う。全て日銀の金融緩和頼みだ。 支持率低迷で仮に解散が打てなくても、岸田首相は来秋の自民党総裁選で無風再選する可能性がある。3代目世襲政治家らしくライバル潰しだけは周到で、総裁選の“ポスト岸田”候補が不在だからだ。このままなら岸田首相が続くが、それでは日本が滅びていくしかない。 |
参議院での与党からの代表質問は、事前に入念に練られた「やらせ」がどうかは不明だが、少なくともアベ・スガ政権では見られない光景が出現した。
「異例!岸田首相に世耕参院幹事長が代表質問でダメ出し連発『リーダーの姿が示せていない』」
自民党の世耕弘成参院幹事長は25日、岸田文雄首相の所信表明に対する代表質問を行った際、首相の政治姿勢やリーダーの資質、発信のあり方について、首相に批判まじりのダメ出し、苦言を連発した。自民党幹部の首相への代表質問の内容としては異例だ。 世耕氏は「(国民に)なぜ評価されないのだろうというのが、率直なご心境ではないか」と指摘。「支持率が向上しない最大の原因は、国民が期待するリーダーとしての姿が示せていないからではないか」と断言し、本会議場はざわついた。世耕氏自身が考えるリーダー像を「決断し、その内容をわかりやすい言葉で伝えて人を動かし、その結果について責任を取る。しかし残念ながら、岸田総理の決断と言葉について、いくばくかの弱さを感じざるを得ない」と指摘した。 その上で「その弱さが顕著に露呈したのが、今回の減税にまつわる一連の動きだ」と主張。首相が9月25日に「税収増を国民に適切に還元する」と述べたことに触れながら「還元という言葉がよく分からなかった」と指摘。「自分で決断するのではなく。検討を丸投げしたように映った。総理のパッション(情熱)が伝わらなかったから言葉が独り歩きし、給付か減税か、はたまた両方か、総理の真意について与党内でもさまざまな臆測を呼んでいる」「物価高に何をしようとしているのか、まったく伝わらなかった」と首相の対応を疑問視。「もし9月25日に『十分な給付を迅速に行う。一方で消費の停滞には所得減税で対応する。どのような手法をとるかは相談しながら決めていきたい』とわかりやすく説明していたら、政府与党での混乱もすることなく多くの国民も総理の姿勢をよく理解してくれたでしょう」と、訴えた。 また「総理は国民への発信方法に心を砕いておられる」とした上で「綸言(りんげん)汗のごとし」という格言を引き合いに「リーダーの発した言葉は、かいた汗のように元に戻すことはできない」とも訴えた。 「総理自身がじっくり考えて決断し、水面下の根回しも入念に行い、その発言で政権の方向性を確定させ、なんとしても国民の支持を得るんだという覚悟で、政治家としての言葉で発信していただきたい」とも指摘した。世耕氏のダメだし連発には、野党側から拍手が起きた。 一方、岸田首相は「国民が直面する課題を先送りせず、必ず答えを出す。この覚悟をもって取り組んで参ります」などと応じた。リーダーのあり方については「変化の足音をしっかり伝え、目指すべき将来像へ強い意志をもって政策を実現していく姿勢を示すことが重要と考える。そのように振る舞えているか、常に顧みつつ、明日は今日よりよくなると信じられる時代を実現することを明確にお誓いし、有言実行を貫いていきたい」などと述べた。 |
ネット民の素朴な感想・・・
◆岸田降ろしの狼煙が上がり始めましたね。 次期総裁に色気を出している世耕が皮切りってのは役不足な感じがしますが。 この流れのままこの国会で岸田は衆院解散するべき。 たった1年の減税よりも、岸田政権が無くなる事の方が日本国民にとっては大いなる国益として感じる事ができるはずだから。 ◆自民党世耕氏が強い言葉で発言したのはビックリだけど、素直にそうだって思えない。なんらかのパフォーマンスかな?って思った。野党に言われっぱなしで印象つかないように、自民党にもまだこんな考えの人がいますよ。ってパフォーマンスしているのかな?って思った。自民党には増税しかないって事を忘れず騙されないようにしたい。減税するって言っても一年。選挙が終われば増税。 ◆いや、そう言う世耕さんも何もやっていらっしゃいませんがな。 岸田首相を使って自民の権力サイドと財務省のやりたいことをやり、急な減税(嬉しくない)の打ち出しの失態につけ込んで、一通りの施策の責を擦りつけておろしにかかる感じですかね。 しかしながら自民全体にロクな方針が出て来ませんので、国民は岸田さんがダメなのではなく自民がダメとはっきり認識していると思いますよ。 余計なものの多い歳出を絞って、景気対策になるような税制措置を行わない限り信頼は回復しないでしょう。その時は当然高齢者の方ばかり向いてはいられないはずですけどね。 ◆日本に限らず議会政治が茶番劇であることが最大の要因です 各党が「質問書」を提出しそれに対して官僚や施策秘書が「答弁書」を作成しています 答弁者は自分自身の言葉で答えていないのが実状です 古代ギリシャでポリス政治が行われ 各人が一枚の紙 質問書 答弁書も持たず討論していた時代からは大きく離れた政治になりました 自分の言葉や行動を政治に反映しない できない現在 国会は「予め筋書きのある劇」となりました 国会議員は操り人形です 全ては官僚が主導しています 官僚は退官後のことしか頭にありません 国民不在の政治が連綿として受け継がれてきています 国民の苦しみを知らない知ろうともしない官僚に支配された日本国が現状です 国会議員の定年制 世襲廃止 不祥事発覚後の即時資格はく奪など 身を切る政治精神がなければ日本の将来は危うくなります 子や孫にいい日本を残せたらの一念です。 |
こんな自民党内の茶番の裏ではこんなことが起こっていたらしい。
「首相や大臣が自らの懐をポカポカに…お手盛り“大臣賃上げ”法案を臨時国会初日にシレッと提出」
岸田首相や大臣の懐はポカポカ──。税収増の還元策が迷走する中、臨時国会が開会した20日に岸田内閣がサッサと提出したのが、閣僚給与の引き上げ法案だ。物価高に賃金が追いつかず、国民は悲鳴を上げている。ロクな物価対策を打たないくせに、自分たちの高給だけはさらに充実させるつもりだ。こんな究極のお手盛り法案を許していいのか。 ◇ ◇ ◇ 提出されたのは「特別職の職員の給与に関する法律」の改正案。今年の人事院勧告で「一般職」の国家公務員の給与が引き上げられるのに合わせ、「特別職」も上げるというものだ。 岸田首相は月額6000円アップの201万6000円。大臣と副大臣は4000円増え、それぞれ147万円と141万円。大臣政務官も4000円増の120万3000円だ。今年4月にさかのぼって引き上げられる。閣僚らの月給引き上げは2015年以来、8年ぶりだ。 「今年の人事院勧告では、各省庁の局長など“指定職”の給与引き上げも盛り込まれました。従来から指定職見合いで“特別職”である閣僚の給与を上げることにしています。ただ、指定職の給与が上がれば、自動的に閣僚も引き上げられるわけではなく、都度、法案を提出します」(内閣人事局の担当者) つまり、閣僚の給与が指定職と自動的に連動する仕組みは存在せず、引き上げる法案を出すか出さないかは、時の内閣の判断ということなのだ。人事院が公務員の給与引き上げを勧告するのと、内閣が自分たちの給与をアップさせる法案を提出するのとでは意味がまったく違う。 ■担当者は「従来通りの対応をしました」 労働者の実質賃金は17カ月連続のマイナスが続く。帝国データバンクの試算によると、今年度は、1世帯あたり月3700円もの食費を節約している。そんな中、高給取りである大臣の給与引き上げを見送る選択肢はなかったのか。 この点を問うと、「指定職の公務員の給与だけが上がると、指定職の給与が総理を上回るような事態も起こりかねない。そういうバランスを考慮して、従来通りの対応をしました」(前出の担当者)との回答だった。 立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)が言う。 「内閣人事局が前例に従ったり、給与体系のバランスに配慮するのは役人としてやむを得ないでしょう。しかし、この改正案は岸田内閣の責任で提出された閣法です。実質賃金のマイナスが続く中、首相の判断で今回は提出を見送る判断もできたはずです。数千円の加算がなくても、別に困ることはないでしょう。国民の目にどう映るのか、想像できなかったのか。あまりにセンスがありません」 給与引き上げ法案は衆参の内閣委員会で審議される。野党は体を張って阻止すべきだ。 |
「野党は体を張って阻止すべき」とは正論なのだが、その野党というよりは「ゆ党」と自称「第二自民党」の連中は、国民生活のことなど念頭にないらしく、こんな言動を恥ずかしげもなく晒してしていた。
国民民主党 玉木雄一郎氏
— akiu B-T (@NoRome__1) October 25, 2023
「緊急事態条項の憲法改正条文案を取りまとめた。岸田総理が今の任期中に憲法改正するのであればこの臨時国会が勝負です。来年の通常国会に発議しないと間に合いません!」
恐ろしい事を言う。阻止してください。 #国会中継 pic.twitter.com/0Z8YQEYBsd
もしも「緊急事態条項」を軸にした憲法改正案を発議できなかったら、岸田に再選出馬をするな、と迫る維新・馬場代表。
— 但馬問屋 (@wanpakuten) October 25, 2023
そこまでして独裁化を果たしたい維新って、一体何なのか。
#国会
#代表質問 pic.twitter.com/3T3htwIV70
最後に、地方紙のジャーナリストのまもともなコラムで〆ることにする。
「増税メガネの猫だまし」
街頭演説で聴衆から「増税メガネ!」と罵声を浴びた岸田文雄が、国会における所信表明演説で「経済、経済、経済!」と連呼してみたり、にわかにしょぼい減税策や給付金のばらまきをちらつかせてみたり、はたまたスーパーに行って物価高について今更ながら驚いて見せたり、選挙を意識したパフォーマンスをくり広げている。 内閣支持率も芳しくないなか、次期自民党総裁選での続投を睨んで年内解散のタイミングをうかがっているとかで、アドバルーンを上げて世間の反応を見ているようなのである。いわば、相撲でいうところの猫だましみたいなものである。正面からがっぷり四つで組み合えないと自覚しているからこそくり出す卑怯技であり、追い込まれた者の自信のなさをあらわしてもいるのだろう。 安倍政権が行き詰まって菅政権にバトンタッチしたものの早々に行き詰まり、安倍晋三、麻生太郎に媚びを売る形で岸田文雄が権力ポストを手にしてもうじき2年。渦中では清和会トップに君臨していた安倍晋三が凶弾に倒れ、統一教会とズブズブだったこの自民党最大派閥が「集団指導体制」に揺れるなど変化もあったものの、現在の自民党内の力関係のなかで、とりあえず上手いことおさまっているのが岸田文雄なのだろう。なにがしかの政治的な実力があって首相に登り詰めた――と評価している人間が、周囲も含めてどれだけいるのだろうかと思うほど、ワンポイントリリーフ感というか、当面の間の腰掛けといった印象が拭えない。 だからなのか誰も相手にしていないというか、期待もしていないというか、2年近くも首相でありながらこの男がいったい何をやっただろうか? と考えてしまうほど世間一般から見ても存在感が薄く、威厳を感じないのが特徴だろう。しまいには「増税クソメガネ」とか「ポンコツクソメガネ」とかの揶揄(やゆ)が溢れ、一国の政治リーダーが「あのメガネ」呼ばわりなのである。 それにしても、はるかに前から物価高騰で世間はヒーヒー悲鳴を上げ、買い物に行くたびにレシートと睨めっこしてきたのに、いまさら行ったこともないであろうスーパーに行って「物価高騰を実感しました」なんて呑気な弁を聞かされると、ふざけた印象を受けるものである。この1、2年、増税メガネのそのメガネからはいったい何が見えていたのかと思うほど、周回遅れの鈍感さだけが際立つのである。こうして岸田文雄の一つ一つのパフォーマンスが白々しく嘘っぽい印象を放つのは、それが白々しい嘘であり、人気とりのための見え透いたパフォーマンス、“やってる感”の演出だからという真理もあろうが、野暮で鈍感で感情を逆撫でするように嘘臭いから――という点に収斂(しゅうれん)されるのだろう。 さて、「経済、経済、経済!」と叫んでは見たものの、ではなにをするのかがさっぱり見えない。「新しい資本主義」なんて叫んで登場したかと思ったら、特に新しい資本主義でもなかったのと同じで、いつも言葉だけが宙の上を遊泳して人をたぶらかすというのでは、そろそろ耐性ができてきた側としては「またメガネがなにかいってるね…」くらいに受け止めるのも当然である。というか、やっていることは「増税、増税、増税!」だろうがとも思う。 さしあたりやろうとしていることは、低所得者には何の意味もない所得減税を1年だけおこない、低所得者に7万円という雀の涙ほどの給付金をばらまくというもの。目前の選挙を乗り切るために瞬間だけ人気とりをやり、その先は防衛費増額のための大増税が待ち受けるというインチキ極まりない戦略である。 なお、税収増を還元するといっているものの、その税収増の原資となっているのは大部分が消費税で、昨今の物価高によってさらに負担額は増しているのが実情だ。100円の商品が150円になり、200円に値上がりすれば、それに乗じて消費税も10円、15円、20円と1割固定で上乗せされ、家庭から大収奪されてきた。昨年の国の歳入が思いのほか伸びて「予算が余っちゃった」なんて事態になったのはそのためだ。今早急にやるべきは消費税減税、廃止であり、ガソリンの二重課税の廃止であったり、零細な個人事業主からの大収奪となるインボイスの廃止であったり、国民生活を底上げするための実効性のある政策である。 |
2年前は「安倍晋三よりまし?!」と一抹の期待感があったのだが、早くも経年劣化したような岸田文雄。
「とりあえず上手いことおさまっているのが岸田文雄」の「ワンポイントリリーフ感」 満載なのはいいのだが、そのあとの「抑えの投手」ではなく党首が見当たらないことが喫緊の課題であろう、とオジサンは思う。
【参考】