新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

五輪運営のモラール の低下が惨事を招く恐れ

2021年07月11日 12時01分29秒 | 東京五輪疑惑

身長も体重も同年代の平均をはるかに上回るにもかかわらず、安倍晋三は、その無知蒙昧振りから、「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」とばかりに、その偏った思想と歴史認識の希薄さから、右派にが重宝されていた。
 
もっとも、国会での発言の軽さから忖度官僚が右往左往して、安倍晋三の不利になる証拠類をシュレッダーにかけたり公文書の改竄を繰り返し、下級官僚の命まで奪ってしまったことは許されないことであった。
 
身体的には菅義偉は安倍晋三に比べればズット小ぶりなので、担ぎやすい神輿になるはずなのだが、内閣人事局を配下に置き、官僚の生殺与奪権を握ってしまっているので、安倍晋三より質が悪い。
 
支える出身派閥もないのだが、自己の保身については人一倍戦略的であった。
 
すでに周知のことなのだが、安倍晋三は昨年8月28日にCOVID-19の感染拡大防止策に失敗し、またもや持病の悪化をメディアを使って宣伝し、責任を取る形で自民党の総裁と総理大臣の椅子を投げ出すことを表明した。
 
総裁の任期はその時、まだ1年残っていたので、尻拭いをさせられた菅義偉は、まずなんとか今年の総裁選挙を回避する作戦をとった。
 
しかし10月には衆議院議員が4年の任期切れから、解散・総選挙をしなければならない。
 
解散権は「総理大臣の専権事項」というわけのわからぬ慣習となっており、自ら最適な時期に解散して、自民党が大勝してそのまま総裁の再任との流れを作るためには、「東京五輪」を開催し、多くの日の丸と金メダルを見せつければ、国民の高揚感が高まり自民党の支持率も内閣支持率も上昇すると菅義偉が思い描いていた。
 
しかし目に見えぬコロナウイルスは次々と変異して感染力を増しているにも関わらず、菅義偉は当初の戦略の見直しもせず、闇雲に突っ走てしまった。
 
そのため悪化する現状分析もせず、場当たり的な後手後手な愚策を繰り返すことのなった。
    
こんな事実がある。
 
説得力乏しい『安全安心の五輪』 水際対策・バブルを巡る首相発言を点検した
 
 
                 【東京新聞より】
 
そして、「政治的完全敗北 もう誰も首相の言うことなんか聞きゃしない」という事態になっている。
 
4度目の緊急事態宣言を出すことになったのは、これまでのコロナ対策が全部失敗だったという証左。責任を取るのは当然ですし、もっと早くに辞めていれば、ここまでの混乱には至らなかったのではないですか。コロナ対策も、五輪の無観客開催の決定も、自身の責任の取り方も、すべてが後手後手。もともとは、五輪を『完全な形で実施したい』と言って延期した安倍前首相に責任があります。しかし、その発言に縛られて、五輪ありきでコロナ対策を進め、そこから抜け出すことができない菅首相自身の能力の欠如は致命的です」
「民主主義国家では、リーダーは自らの言葉で国民を説得し、国民の信頼を得たうえで、国民に行動変容を求めるべきものです。しかし、今の菅政権は国民に信頼されていないので、どんな感染防止策を呼び掛けても、もはや国民は従ってくれず、実行してくれない。言うことを聞いてくれないから、強権を振りかざして力ずくで従わせようとする。そんな権威主義が菅政権の本質なのです。一方で、国民不在のそうした行動に出るのは、菅政権が国民に見放されて焦っている姿でもあります
(法大名誉教授の五十嵐仁)
 
菅義偉は往生際悪く、「コロナに打ち勝った証し」にこだわっている。
 
感染を再拡大させ、無観客開催となった時点で、「コロナに打ち負けた証し」であることは国民のだれもが感じている。
 
東京では今年、宣言も措置もなく生活できたのは、たった21日間しかなかった。
 
東京から地方に人が行かなければ地方経済も潤わないのは当然である。
 
すべてが菅義偉の責任なのでもう誰も言うことなど聞かない。

 それなのに、なぜ自民党内では「菅降ろし」の政局が本格化しないのか。
 
自民党内で現状、政局にならないのは、①感染状況は厳しいが、ワクチン接種が進むのでいずれ抑えられるという菅首相同様の甘い見通しがあること。②総選挙前の9月に党役員人事があるかもしれず、人事権のある菅首相に歯向かいたくない。そして、③菅首相再選を支持すると発言している安倍前首相の存在。安倍氏の影響力が大きい細田派は党内最大派閥であり、誰も細田派を敵に回したくない。そうしたことから、大多数の自民党議員は、上を見て、ジッとしているのです(ジャーナリストの山田惠資) 
   

 
閣僚の発言は、個人的な発言と突き放すことはありず、その責任は任命者にあるはずである。     
それにもかかわらず、こんな態度をとっていた菅義偉。     
  

“酒類"めぐる大臣発言を撤回 批判殺到で・・・【Nスタ】
 


 
菅義偉始め個々の閣僚の言動をあげつらうには「枚挙に暇がない」ので、7月に入ってからの状況をまとめてくれたこの記事を紹介しておく。
 
五輪運営のモラール – 愛されない東京五輪、五輪から疎外された国民
 
8日(木)、東京に4度目の緊急事態宣言が発出され、首都圏4都県での無観客開催が決まって発表された。報道されてきたように、有観客に固執し、リバウンドが明確なのに東京を蔓延防止措置で止めようとしてきたのは菅義偉だった。尾身茂を中心とする政府内周囲の反対を押し切り、最も軽い感染対策で東京五輪に臨もうとして頑強に粘っていたのが菅義偉だ。その政策態度の根底にあるのは、竹中平蔵的な規制緩和のイデオロギーである。また、五輪のお祭りの熱狂状態を現出させて、その「成功」を大衆に確信させ、「感動と興奮」を選挙に持ち込もうとする政治的思惑の為せる業だった。だが、それが挫折させられた。
偏屈なワンマン独裁者の菅義偉に挫折を強いた原因は、4日の都議選の結果である。都議選で示された民意は「中止・再延期」であり、どうしても開催するなら「無観客」が許容限界だった。もし、都議選で予想屋たちの観測どおり自民党が圧勝していれば、菅義偉が無観客に折れる屈服はなかっただろう。選挙で敗北した菅義偉は、東京五輪の観客政策で修正を迫られた。・・・中略・・・
東京五輪を運営する者のモラールはどうなるのだろう、という問題に関心が向く。モラールとは、集団で目標を達成しようとする意欲や態度のことで、士気のことである。モラールが高いとか低いとか言う。東京五輪というイベントプロジェクトは、それを実行し推進する日本人の集団によって担われている。組織委があり、その下部と末端で職務している中堅と若手がいる。現在までのところ、国民からの評判と印象は非常に悪い。われわれが知っているのは、テレビに顔が出る武藤敏郎や遠藤利明といった上の方の幹部だけで、プロジェクトを動かしている実働部隊のミドルリーダーたちの顔は見えない。覆面の集団である。だが、電通臭とパソナ臭がする。中抜き臭がプンプンする。どういう者たちが、本来はエリートの仕事であり、光栄な責任を感じて精勤すべきナショナルプロジェクトの実務をやっているのだろう。少なくとも、これまでの経過からの想像では、この中堅クラスの中にまともな人間はおらず、カネと出世だけが目的の、自民党と経団連のコネでポストに抜擢されただけの、ネオリベの俗物しかいないように見受けられる。
6日(火)、選手村で勤務するスタッフの中でコロナ感染者が2人出たという報道があった。4人で会食しての感染だと組織委が発表している。選手村での感染発生は、誰もが注視し懸念しているところだけれど、そのリスクの想定は、外国人の選手とか関係者がバブル(クリーンルーム)の外からウィルスを持ち込むものだった。まさか、組織委の末端職員がそのような問題を起こすなど想定外の事態だ。だが、実態を見れば、この発表がある前、7月1日から5日までの間に、すでに組織委の職員、業務委託者ら8人と報道関係者1人の合計9人の日本人が感染している。職員の倫理観が弛緩している証拠であり、関係者のモラールが下がっている事実は否めない。テレビに出てくる武藤敏郎や遠藤利明の顔を見ても、いつもヘラヘラと無責任に笑っていて緊張感がない。ヘラヘラ笑いながら、酒類販売はOKにするとか、主催者枠が1万人だから観客は全部で2万人だとか、JRの終電時刻を延長するだとか、国民が望む方向とは逆の規制緩和を垂れていた。菅義偉に指示された方針を、国民から批判を受けるだろうと思いながら、ヘラヘラと平気な顔で言っていた。
結局、観客は無観客になり、終電延長も取りやめとなり、一度決定したオペレーションは直前になって次から次に撤回されている。ヒラの実務担当者からすれば、仕事した成果が悉く水の泡になっている。モラールは下がる。というか、最初からモラールなど持てないのが組織委の現場職員の真実だっただろう。どういう決定が上から来るか分からないし、指示されて動いた施策が必ず短期で覆されて白紙化される。責任を持ってプロジェクトを切り回している上がいない。この組織のトップは菅義偉で、菅義偉が独裁者の恣意でディレクションを出してくる。けれども、その具体的指示は、常にこの事業の真のオーナーである日本国民の意思に逆らったもので、したがって、最後はオーナーの意思が勝って覆る展開になる。オペレーションが輻輳する現場は混乱する。混乱の収拾を押しつけられる。ありがちなことだが、こうなったとき若い実務者はやる気をなくし、責任逃れのアリバイ工作と収入確保だけを動機として動くようになる。おそらく、組織委に関係して実務する全員がそうなっているはずだ。真剣に任務に取り組まず、五輪が終わって素早く逃散することだけを考えているだろう。
もし、本当に責任感の強い有能なミドルリーダーがいて、東京五輪を何とか成功に導きたいと切望し努力したのなら、その者は、必ず菅義偉と、また菅義偉のロボットの武藤敏郎や遠藤利明の命令系統とバッティングし、コンフリクトとパージを余儀なくされていただろう。五輪委の組織をこのように透視したとき、開会後に起きそうなのは、選手村での感染禍の事態であり、陽性者あるいは濃厚接触者となったメダル候補が欠場するハプニングである。大会関係者に内在した立場からすれば気の毒なことに、今、国民はこの五輪の無事成功を祈ってはいない。むしろ、自分たちを犠牲にし、無視し蔑ろにし、IOCとNBCの利権に奉仕して五輪を強行した政府と組織委を恨んでいる。敢えて言えば、五輪が失敗し破綻する自傷的結末を望んでいる。それは日本国民だけでなく欧米マスコミも同じで、失態と窮地が鵜の目鷹の目で狙われている。組織委事務局は四面楚歌で、誰からも援護されない。東京五輪は誰からも愛されてない。支えのない組織は崩れやすい。加藤勝信が言っているとおり、東京五輪の成功のためには日本国民の協力が必要だ。だが、国民は東京五輪と疎外された関係にあり、協力したくても協力する気になれない。
玉川徹が危惧しているように、緊急事態宣言を発したとしても、今回は東京の感染者数は簡単に下り坂に向かうことはないだろう。飲食店からの協力は以前よりも得られず、それに応じて都民の自粛のモチベーションは上がらない。感染への恐怖心も弱くなっていて、すなわち、大阪の医療崩壊のような地獄が到来するまで、若い世代の外出と夜歩きは止まらず、夏休みの機会の観光遊興も制御が効かないものと予想される。そしておそらく、この夏の東京の医療逼迫は、コロナの重症者数増加によってではなく、熱中症患者とコロナ患者が重なって救急医療に負担をかけることで惹き起こされるだろう。

これに対する手厳しいが的確なコメントがこれ。
 
菅や組織委員会についてのブログ主さんのご意見その通りと思います。菅、ワクチン河野、金融機関西村、加藤、丸川の5人は、どうしようもないですね。
1964年五輪では、料理人も集めていたと聞きますが、今回はあらゆる点でずさんだと思います。
菅は自ら沖縄の観光団体幹部に電話をかけてきて、沖縄県立中部病院でのクラスター公表の遅れやら些細なことを挙げて、「県をかばえないから、沖縄に緊急事態宣言を出すしかない」と言ったそうです。琉球新報の記事です。
緊急事態宣言は感染者数などの数値に基づいて出すもので、宣言が出たから当該自治体が無能というわけではないでしょう。この理屈なら、維新吉村も、北海道鈴木も、神奈川黒岩も、大変な無能でかばえないから、大阪北海道神奈川には何度も緊急事態宣言を出すということになる。
だいたい、こういう陰湿な政治的電話を、首相本人がかけてくることがおかしい。行政職なのだから、こういう発言をしたらまずいでしょう。秘書上りの無能だから、何もわかっていない。
組織委員会とパートナー企業との会合で、パナソニックが「組織委員会は、バッハ会長の広島長崎訪問について緊急事態宣言を踏まえてIOC側に何か言ったんでしょうか?言っていないんでしょうか?お答えいただきたい。(もしこのまま強行するなら)オリンピック自体の世の中の見え方というものを、不安定な方にこれ以上持っていく要因の一つになってしまうと思います」という趣旨の発言をしています。言い回しはもっと丁寧ですが…。
訪問するなら、生卵か火炎瓶をぶつけてやりたいと思うくらい、私は怒ってますよ。
 
「開会後に起きそうなのは、選手村での感染禍の事態であり、陽性者あるいは濃厚接触者となったメダル候補が欠場するハプニングである。」という杞憂は、かなり可能性が高い。
 
最も心配しているのは、五輪開催期間に都内の感染者情報が果たして正確に発表されないのではないか、とオジサンは思っている。

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