前首相・安倍晋三の内閣でも多くの不祥事おこした大臣が辞任したが、ちなみに第2次安倍政権で辞任した閣僚は、2014年10月から2019年10月までで9名。
政権へのダメージを最小限に抑える危機管理の観点から、首相官邸が早期に更迭したケースが目立ったのだが、国会で野党から「大臣の任命権者の責任は?」と問われた当時の安倍晋三は、「もちろん責任は私にあります」と言いながら、責任を取ることは一度もなかった。
こんなことは一般の企業ではありえず、消費者たちの怒りを買えば、不買運動が起こりかねないので、最高責任者の社長の辞任・交代で責任を内外に示すことになる。
しかし残念ながら政治家は選挙で落選しない限りは身分が保障されており、不祥事が発覚しても国会議員までやめる人間はほとんどいなかった。
当時トップの安倍晋三が「責任はあるが職務を全うすることが責任をとるということ」という身勝手な風潮を確立してしまった。
その安倍晋三が国際的な虚偽プレゼンテーションで招致した東京五輪だったので、その組織委員会にはそのDNAが受け継がれているらしい。
最近発覚した虐待・暴行自慢の小山田圭吾の辞任問題に関しても似たような対応が見られた。
「【速報】武藤事務総長 小山田氏について『我々が選んだ訳ではない』」
「任命責任はあるが、我々が一人一人を選んだわけではなかった」とは一体どういうことなのか。
先週発表されたこの連中をみれば、たしかに「我々が一人一人を選んだわけではなかった」ことは事実であろう。
専門外の分野の連中を集めることは、また集まった連中の過去の身体検査などを組織委員会がやることはありえないだろう。
おそらくどこかに丸投げしたと思われる。
それでも、「小山田氏辞任、組織委・橋本会長『責任は私にある』」と言わずにはおられず、しかし開会式を数日後に控え、いまさら組織委員会会長を辞任しても、混乱を招くばかりで、しかもIOCのバッハ会長には言い訳もできない。
「開幕直前の小山田圭吾氏ドタバタ辞任劇、連鎖辞任恐れ続投も批判やまず一転」も昼下がりのテレビのワイドショーでお笑い芸人のコメンテーターに勝手にしゃべらせる程度であろう。
さて、もはや東京だけではなく、あの大阪も負けじとばかりに感染者数を増やしているのだが、やはり都内の感染者数の増加ぶりが無視できない。
「<新型コロナ・20日>東京都で新たに1387人感染 累計で19万人超える」
【世界から変異株を集め、世界へと拡散させる東京五輪】今日の東京都の感染者数は1387人、前週より557人も増加した。残念だが、世界の感染拡大と連動して、東京五輪はデルタ株の第5波と完全に重なってきた。東京五輪の選手・関係者も陽性者数も増えている。世界変異株五輪だ。https://t.co/r45PNmorYC
— 金子勝 (@masaru_kaneko) July 20, 2021
先日「呪われた五輪」とつぶやいたが、さっそくこんな声が目に入った。
呪われているんじゃなくて、起きるべくして起きている。自分たちの責任にちゃんと向き合うべき。 https://t.co/SvklvDgYqW
— 布施祐仁 YujinFuse (@yujinfuse) July 19, 2021
テレビメディア関係者は、決して五輪は中止などとは口が裂けても言えず、もうここまできたのだから・・という空気を醸造している。
「ここまで来たら」と言うのは、メディアのさまざまな準備を考えてのメディアの為の発想に過ぎない。非常事態に使えない発想です‼️
— オレンジ (@FXfoL7XnZSZaj0p) July 19, 2021
いつだったか、「学徒動員」と批判されていた「学校連携観戦」は7月8日の5者協議で五輪は東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県では無観客と決まったが、茨城県では五輪動員を行う。
その茨城のカシマスタジアムに持ち込む飲み物について、「『持ち込み飲料はコカ・コーラ社』 学校観戦で通知、苦情殺到」ということがあったのだが、実はそれよりも前に、こんなおかしなことがあった。
「五輪サッカー観戦 子どもの飲料持ち込み量増加の要望断られる」
鹿嶋市は、市内のカシマスタジアムで東京オリンピックのサッカー競技を観戦する子どもたちの熱中症対策として、大会組織委員会に対し、会場に持ち込める飲み物の量を増やしてほしいと要望しましたが、断られていたことがNHKの取材でわかりました。 鹿嶋市では今月22日、25日、27日の3日間、いずれも午後5時からカシマスタジアムで行われるオリンピックのサッカーの試合を、市内の小中学生、合わせておよそ3600人が観戦する予定です。 大会組織委員会は、会場へのペットボトルの持ち込みを1人1本、750ミリリットル以下で認めていますが、市は熱中症対策を徹底するため、会場に持ち込める飲み物を1人2本までに増やし、さらに、子どもの飲み物が足りなくなったときのために、引率の教諭などは350ミリリットルを3本まで追加で持ち込めるようにしてほしいと大会組織委員会に要望したということです。 しかし、鹿嶋市によりますと、テロ対策などの観点からも飲み物の量を変えることはできないと回答があったということで、市は子どもたち全員に保冷剤を配付するなど、熱中症対策を検討しています。 大会組織委員会は、NHKの取材に対し「参加いただく皆さまに、安心安全に観戦いただけるように調整中です」とメールで回答しています。 鹿嶋市は「『調整中』ということに期待し、子どもたちのことを第一に、引き続き飲み物を増やせるよう要望していきたい」としています。 |
小中学生限定のサッカー観戦でなんでテロ対策などの観点がわきでてくるのか?
それならば一切無観客試合にすればまずテロ対策は無用であろう。
「飲み物を許可しろ」という主張以前に、そんな厳しいテロ対策をしなければいけないリスクの高い所に小中あわせておおよそ3600人もいかせることに疑問を持たないのか?そっちの方が謎だわ。
— Hironobu SUZUKI (@HironobuSUZUKI) July 20, 2021
↓
テロ対策などの観点からも飲み物の量を変えることはできないhttps://t.co/fYgQPdovCL
それです。小中学生がペットボトルを2、3本多く持ち込むということがテロの脅威となるから認めないという部分です。そこまでテロの脅威が高いということか、あるいはテロ対策の能力がないかどちらか(後者はテロの脅威を高める・高いということでもあるので結果は同じ)。https://t.co/ohm1Xo3OZy
— Hironobu SUZUKI (@HironobuSUZUKI) July 20, 2021
「参加いただく皆さまに、安心安全に観戦いただけるように調整中です」との組織委員会の回答らしかったのだが、おそらく今頃は前向きに調整されていることを期待したい。
今後は、都内の感染者数とともに、「選手村滞在の海外選手1人含む9人が陽性」というニュースが五輪開催期間中、連日発表されることであろう。
水際作戦があまりにも杜撰なので、21日に日本に出発する予定の「野球メキシコ代表、2選手がコロナ陽性 五輪で日本と同組」ならば、空港での抗原検査では陰性で選手村に入ったころ陽性になることも大いにあり、バブル方式も欠陥が次々と明らかになっていく中で、まさに「コロナ五輪」の惨状が始まりそうである、とオジサンは思う。