昨日の「ガス抜き石破茂政権の消費期限はいつまでか」というつぶやきの中で、箸休め的にこんな新閣僚を紹介した。
新閣僚の「身体検査」が全く行われなかったらしい!
【文春】平将明デジタル相(57)が“11億円詐取企業”から288万円の献金を受けていた《社長は今年6月に逮捕》 https://t.co/EAzQWnimQW
— 上脇博之 (@kamiwaki) October 2, 2024
まあ河野太郎の後釜のデジタル相レベルならば国民にとっても大きな影響はないかもしれないが、たとえ過去の発言であっても法務大臣になる人物の発言となれば見逃すことはできない。
ネット上で「サヨク」と見えている人の多くは実際には日本の方ではなく、日本人を装った工作員の方である可能性もあります。
— 牧原秀樹 まきはらひでき 衆議院議員 自民党 埼玉5区 (@hmakihara) August 22, 2022
日本の分断化工作には乗らず、本当の日本人同士は「和」の力で国を守らないといけないと思っています。
今回のオリンピックで選手に誹謗中傷した人は全員逮捕すべきだと思います。発信者は容易に特定できるのでひとり残らず処罰すべきだと思いますし、また万が一それに何らかの支障が出る場合には、そうできるように法律も変えていきたいと思います。許せません。
— 牧原秀樹 まきはらひでき 衆議院議員 自民党 埼玉5区 (@hmakihara) August 2, 2024
一個人としても、やばいだろ
— ささきりょう (@ssk_ryo) October 2, 2024
五輪選手の誹謗中傷「全員逮捕すべきだ」と過去に投稿…牧原法相が釈明「一個人としてのことだ」 : 読売新聞オンライン https://t.co/H8UjShOV4H
牧原秀樹、出るわ出るわ。
— A・M・N・O・H (@davidburgundy) October 2, 2024
・政治に文句があるなら選挙に出ればいい
・人身事故に冷淡
・共同親権推進派
・プロ市民が云々の底辺ネトウヨ
・五輪選手に対する誹謗中傷は全員逮捕
・死刑大好き#牧原秀樹を落選させよう
「誹謗中傷は全員逮捕」「ネットサヨクは日本人を装った工作員」他普通でない投稿と統一教会との接点隠蔽。6回落選5回比例復活。#牧原秀樹を落選させよう
— 岡本宏史(外科医 Hiroshi Okamoto) (@hiroshiok531) October 1, 2024
「全員逮捕」「すべて逮捕」牧原秀樹議員、法務大臣への起用に「怖すぎ」の声…旧統一教会イベントへの出席隠蔽疑惑https://t.co/U7mOKsaO6I
「『誹謗中傷は全員逮捕』と言った牧原秀樹法相、『愚か者』発言の三原じゅん子担当相…石破内閣の不思議な人選」
石破茂内閣が1日、発足した。石破首相は同日夜の記者会見で「ルールを守る政治に」「人権が守られる社会に」と述べた。しかし、ルールや人権という観点から、登用に疑問の声が上がっている閣僚もいる。理念に沿った適材適所の人事がなされているだろうか。 ◆パリ五輪めぐる強硬なSNS投稿が再燃 「人権感覚ゼロ」「これが法相って怖すぎる」。牧原秀樹衆院議員(53)の法相就任が報じられて以来、交流サイト(SNS)では批判や疑問の声が相次ぎ、「#牧原秀樹を落選させよう」とのハッシュタグ(検索目印)を付けた投稿も目立つ。 公式サイトによると、牧原氏は東大法学部在学中に司法試験に合格し、日本、米ニューヨーク州の両方で弁護士登録している。 経歴だけなら法相にふさわしそうだが、なぜ適性が疑われるのか。原因は牧原氏が過去に自身のSNSで書き込んだ投稿内容だ。 「選手に誹謗(ひぼう)中傷した人は全員逮捕すべきだ」「支障が出る場合は法律も変えていきたい」。パリ五輪の出場選手への誹謗中傷が問題になっていた8月、こんな強硬な意見を投稿した。 ◆嫌いなものは「対案なき悪口と批判」 公式サイトでは嫌いなものに「対案なき悪口と批判」を挙げ、これまでも複数人が死亡したあおり運転事件で「死刑でもやむを得ないくらい」と投稿するなど、しばしば激しい処罰感情をあらわにしてきたが—。 「弁護士資格をかざす政治家としてあるまじき発言」と話すのは、甲南大の渡辺修名誉教授(刑事訴訟法)。「弁護士であれば逮捕が重大な権利侵害を伴う強制捜査だと認識しているはず。『全員逮捕』発言は、裁判官の厳格な司法審査を経る令状主義の原理や、刑罰はやむを得ないときにのみ適用すべきとする刑罰の謙抑主義を無視している」と断じる。 法相には国の刑罰制度や捜査全般の運用改善、国際水準を見据えた立法改革など、「大所高所からの政治判断とリーダーシップが求められ、基本的人権の尊重を揺るがすことは許されない」と強調。牧原氏の過去の投稿からは厳罰化や捜査権限の強化に傾いた発信が見られるとし、「再審制度改革など、冤罪(えんざい)防止に向けた取り組みに遅れが出ないか」と懸念する。 ◆ウィシュマさん遺族側弁護団に懲戒請求主張も 法務省が所管する入管行政を巡る投稿で物議をかもしたことも。名古屋出入国在留管理局で収容中にスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが死亡した問題で、昨年4月、遺族側弁護団が施設の監視カメラ映像を公開したことに対し「入管難民法改正反対という『政治的意図』を持っている方々が政治利用しようとしてないか。懲戒請求対象になってもおかしくない」と主張。弁護団への圧力だと批判を招いた。 弁護団の児玉晃一弁護士は、牧原氏の就任に「まさかと思った」とがくぜんとした様子。弁護士法では、弁護士の使命を「社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない」と定める。冤罪被害を訴える受刑者の弁護団が再審法改正を求めて活動するように、「弁護士が社会活動に関与するのは当たり前のことだと理解できていない」とあきれる。 牧原氏が別の投稿で「『サヨク』と見える人は日本人を装った工作員の可能性がある」と書き込んだことも踏まえ、「ネットのうわさ話を信じて偏見をあらわにするなど軽率で、入管行政のトップとして危険だ」と指摘する。 ◆就任会見では「一個人としての投稿」とかわしたが… 牧原氏は2日の就任記者会見で「全員逮捕」発言の趣旨を問われ、「心配するあまり、(誹謗中傷を)止めたいという思いだった」と釈明し、あくまで「一個人としての投稿」と強調した。 2005年初当選で現在5期目の牧原氏。永田町では衆院当選5回以上は、「入閣適齢期」と言われるが、牧原氏は選挙に強いわけではない。出馬した埼玉5区では立憲民主党の枝野幸男元代表に苦杯をなめ続け、全て比例復活での議席獲得だった。 過去に言動が物議をかもした新閣僚は他にもいる。三原じゅん子・こども政策担当相は19年6月の参院本会議で、安倍晋三首相(当時)の問責決議案を提出した野党に対し「安倍総理に感謝こそすれ、全くの常識外れ。愚か者の所業とのそしりは免れません。恥を知りなさい」と非難。だが「品格を欠いた下品なパフォーマンス」などと逆に批判を浴びた。 同年11月にも、SNSに「政権を握っているのは総理大臣だけ」と書き込み、「独裁政権を望んでいるのか」とざわつかせた。 ◆入閣できたのは「論功行賞」だから こうした問題発言議員はなぜ入閣できたのか。牧原氏について、政治ジャーナリストの泉宏氏は「ひと言で言えば論功行賞」と指摘する。 牧原氏は総裁選で上川陽子氏の推薦人代表を務めた。泉氏によると、上川氏の出馬により、高市氏の女性票が食われて分散し、石破氏が有利になった。こうした点を踏まえ「石破氏本人か、周辺が牧原氏の起用を進言したのではないか。牧原氏は選挙に弱いので、大臣にすることで手助けしてやろうという思惑もあるかも」とみる。 とはいえ、派閥の裏金や旧統一教会の問題を受け、次の衆院選でも自民党は苦戦する可能性がある。泉氏は「もし現職閣僚の牧原氏が比例復活もできなければ、政権には大きなダメージ。時限爆弾になりかねない」とまで指摘する。 牧原氏入閣の報道があると、立憲民主党の小沢一郎氏が即座に反応。牧原氏が、電車の人身事故について「電車が遅れると本当に困りますよね」と述べた過去のSNS投稿に対し「国民の生命や安全を守る立場の国会議員が、こんなことを言ったらおしまい」と批判した。衆院選に向け野党はさらに批判を強める可能性がある。 ◆「ちゃんと身体検査して決めたのか」の疑問が 三原氏の登用はどうか。同氏は党内では今回副総裁となった菅義偉氏に近く、法政大大学院の白鳥浩教授(政治学)は「菅氏への秋波だろう」と解説する。その上で「今回は、論功行賞などでポストを与えていく中で、全体としてちゃんと身体検査し、検討してポストを決めたのかなという印象がある」といぶかった。 法相といえば、22年に葉梨康弘氏が「法相は死刑(執行)のはんこを押す。ニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職」と失言し、更迭された。白鳥氏は「牧原氏の発言は法相としての人権感覚を問われ、葉梨氏の時のようになってもおかしくない」と問題視した。 牧原氏に限らず、登用した石破氏の政権全体が人権感覚に疑問を持たれる事態になりつつある。 神奈川大の大川千寿教授(現代日本政治)も「牧原氏の身体検査がどこまでできていたのか」と疑義を呈しつつ、牧原氏の問題発言が複数に上ることを踏まえて別の見方も示した。 「石破氏は党内基盤が弱い中で、閣僚に起用する人材が限られていた。もし今回、牧原氏の過去の発言を知った上で石破氏が任命していたとすれば、ある種、政権の苦境を表していると言えるのではないか」 |
総裁選の裏側から最近の石破茂の「朝令暮改」的な言動から、様々な論評がネット上にはあふれている。
「なぜ石破新総理は「ウソつき」になったのか?高市氏と麻生氏は何に敗れたのか?自民“党内政権交代”と解散総選挙の注目点」
石破茂首相(自民党総裁)のウソが早くも目立ちはじめた。戦後最短となる解散表明、裏金議員の衆院選公認、比例代表との重複立候補容認、国会での予算委員会拒否、日銀追加利上げへの否定的な見解など、いずれもつい先日まで安倍政治を批判してきた人物とは思えない変節ぶりだ。なぜ石破氏の虚言癖はこれほど急速に悪化したのか。石破退陣シナリオも浮上する中、衆院解散・総選挙にむけた今後の注目点を元全国紙社会部記者の新 恭氏が解説する。 ■反日左翼と言われても舌鋒鋭かった“党内野党”石破氏だが 自民党が党の刷新を掲げて繰り広げた総裁選は、長らく“党内野党”のレッテルで冷遇されてきた石破茂氏を選出する意外な結果となった。 消去法で最後に残ったのが石破氏。そう評されるほど待望感が薄いなか、党役員人事、組閣が行われ、石破首相の新政権が船出した。しかし早くもその先行きを不安視する声が上がっている。 石破氏は軍事オタクといわれるほどのタカ派でありながら、保守論壇やネット右翼から「反日だ」「左翼だ」と攻撃されてきた。いわゆる“安倍政治”に対し真っ当に物申せる存在であろうとし、メディアの期待に応えて政権批判的なコメントを繰り返してきたためだ。党内でも「後ろから鉄砲を撃つ」などという石破評がしばしば聞かれる。 安倍・菅政権時代に自民党を支持していた岩盤保守層の人々は、岸田政権の誕生後、自民党から離反する動きを見せていたが、石破内閣のスタートによって、それに拍車がかかるのではないかという見方が強い。 総裁選の開票終了後、高市早苗総裁の誕生を心待ちにしていた保守論壇には沈痛な空気が広がった。以下は、櫻井よしこ氏が主宰するYouTubeチャンネル「櫻LIVE」の一コマだ。 「総裁選の中継を見ながら番組をやっていて、結果が出るまで盛り上がっていたんですが、一気にお通夜みたいになっちゃって」(花田紀凱・月刊Hanada編集長) 「天の声にも変な声があるというやつですね」(政治ジャーナリスト、石橋文登氏) 1回目の投票では高市氏が181票を集めトップに立った。2位は154票の石破氏だ。二人の決選投票。ついに、初の女性総理の誕生かと思われた。 だが、決選投票になって、どんでん返しが起きた。それを仕掛けたのは、岸田首相(当時)だった。 ■岸田前総理の名誉欲を読み誤った、高市氏と麻生氏 旧岸田派から出馬した林芳正官房長官と上川陽子外相はいずれも決選投票には進めず、旧岸田派の票がキャスティングボートを握る状況が生まれた。直前まで仲間と協議していた首相は、「高市さんでは政策が合わない」と周囲に語り、決選投票に残る可能性が高かった石破氏か小泉氏のいずれかに投票するよう伝達したという。(9月28日朝日新聞朝刊) これにより、林、上川両陣営に集まった国会議員票は決選投票で石破氏に流れることになった。まさに派閥パワー全開である。高市氏は政治信条の異なる岸田首相に対し、つねに冷ややかな視線を向けてきた。岸田首相にとっては気にくわないヤツなのだ。 筆者はこれまで当メルマガにおいて、「総裁選ショー」のプロデューサーの一人として森山裕総務会長(現幹事長)の名を挙げてきた。だが、森山氏に全体的な方向性を示したのは岸田首相ではなかっただろうか。 岸田首相は歴史に名をとどめたいという思いが強い。麻生太郎副総裁(当時)の猛反対を押し切って、「派閥解消」へ動き、安倍派の解体にこぎつけたのは、これまで自分にたえずプレッシャーをかけ続けてきた存在への破壊衝動もあっただろうが、「党改革の先鞭をつけた宰相」の名誉に浴したい気持ちに駆られた面が強かったからに違いない。 そのために党内から反発を受け、総裁選出馬を断念することにもつながった。だからといって総裁選を党に任せっきりにしないのが岸田流だ。総裁選で党の刷新姿勢を打ち出し、自分が言い出した「派閥解消」の意味を高めたい。そう考えたに違いない。 「派閥なき総裁選」は格好のフレーズだった。閣議で大臣たちに向けて多数の出馬を促したのは岸田首相だ。むろん、当初のシナリオは変更を余儀なくされた。“刷新感”の主役として小泉進次郎氏に期待したのだが、論戦力不足は隠しようもなく、人気が急落した。その代役として岸田氏や森山氏が目をつけたのが石破氏だった。 つまるところ今回の総裁選も、派閥領袖の好悪の感情や、権力への思惑が議員票を動かし、勝敗を左右するという点において、従来と基本的には変わりなかった。 ■麻生氏にマイナスに働いた、産経新聞の独自スクープ 「絶対に石破だけは許せない」と常々から石破氏を毛嫌いする麻生氏は、派内に河野太郎氏という候補者を抱えながら、決選投票に残りうる候補者として高市氏を選び、支援することを決めた。 産経新聞は9月26日深夜に以下のスクープ記事をウェブサイトに掲載した。 自民党の麻生太郎副総裁が、総裁選で高市早苗経済安全保障担当相を支持する意向を固め、岸田文雄首相らに伝えたことが分かった。(中略)麻生派は河野氏や上川陽子外相らに推薦人を出していたが、麻生氏は1回目の投票から高市氏を支援するよう同派議員に指示を出した。 この効果はもろに出た。河野氏の議員票は22にとどまり、高市氏は72票の議員票を集めた。予想より30票ほど多かった分が、麻生派から流れたものと思われる。高市氏は得票数トップに躍り出た。 麻生氏は安堵した。もし、決選投票に残る上位二人が石破氏と小泉氏になった場合、麻生氏は乗る“船”を見失ってしまう。高市氏なら、安倍元首相と同盟関係を続けたのと同じ感覚で支援することが可能と踏んだのであろう。 ところが、この産経の記事が麻生氏にとってはマイナスに働いた。麻生氏の号令を知った菅義偉元首相が、応援する小泉陣営の引き締めをはかるとともに、決選が高市、石破両氏の間で争われるケースにそなえて、石破氏との連携話をきっちり進めたからだ。 その結果、決選投票で石破氏には小泉、林、上川陣営の議員票がごっそり加わることになり、議員票数は1回目投票の46から189へとハネ上がった。勝ち馬に乗ってキングメーカーたらんとする岸田氏や菅氏の介入で状況は激変し、大逆転劇が生まれたのである。 麻生氏は、ともに高市氏に乗ろうと岸田首相に持ちかけていたらしい。しかし岸田氏は先述した通り石破支持を決めていたため、それを断った。麻生氏の完全なる敗北だった。 ■石破総理が急速に「ウソつき」になった理由 岸田、菅両氏に気を遣わねばならなくなった石破新首相は早くも壁にぶち当たった。総裁選では「国民に判断の材料を提供するのが新首相の責任だ」と予算委を経てから衆院を解散する意向を示していたのだが、一転して方針を変更した。 森山裕氏に幹事長への就任を要請したさい、森山氏から「衆院選をできるだけ急ぎ、総裁選の盛り上がりを活用してほしい」と進言され、その後、説得に応じたといわれている。 多くの候補者が勢ぞろいして総裁選を彩り、国民の関心を引きつける。その盛り上がりが冷めないうち、すなわち国民の目がくらんでいるうちに解散・総選挙を行って、勝利につなげる。それが、党内世論を汲んで岸田氏と森山氏が打ち合わせた「総裁選ショー」のシナリオだった。その完結のためにも、森山氏は10月中の総選挙を強く説いたのであろう。 石破氏は、9月30日、まだ首相になっていないにもかかわらず、「10月27日に総選挙を行いたい」と表明した。臨時国会(10月1日召集)の会期末は9日とし、その日に衆院を解散するという日程も、森山幹事長の主導で決められた。27日に投開票を行うには全国の選管の準備の都合上、一刻も早く日程を発表する必要があったというが、なんとも奇妙な話だ。 さて、悲願をかなえた石破首相にとって、最大の難問は挙党体制の構築だ。総裁選の決選投票で194票を獲得した高市早苗氏に総務会長就任を打診したが、あえなく断られた。幹事長だったら受けるつもりだったと高市陣営の誰かが言っていたというが、そんなオファーが来るわけもなく、眉唾物の話といっていい。 “安倍政治”の継承者として高市氏を支持する岩盤保守層が、石破政権に高市氏が組み込まれることを望まないからではないだろうか。党内基盤が弱い高市氏が政治活動を進めるうえで、岩盤保守層の強力な支援は絶対に欠かすことのできない条件である。 ■石破退陣シナリオも浮上。衆院解散・総選挙の注目点 右寄りの立場から見ると、石破首相は“アンチ安倍”の左翼的政治家に映るらしく、党内の右派の間では早くも“倒閣”の話がちらついている。 10月27日に投開票されることになった衆院選で自公が過半数を割り、責任をとって石破首相が退陣するというシナリオさえ取りざたされているという。 むろん、野党にとって、リベラル色の強い石破政権は政策の面での攻めづらさがある。とくに立憲民主党の野田佳彦代表は、財務省寄りの政策など石破氏と共通している部分が多い。 野党は総選挙の論戦において、自民党の裏金や統一教会問題に焦点を絞り、それらの再調査に消極的な石破政権の姿勢を突いていくだろう。石破首相は党内の反発を恐れ、曖昧な態度をとり続けるに違いなく、そこは深刻な弱点となるはずだ。 世間に向けて理想論を語り続けてきた石破首相が、これといった政権基盤もない中、利害、政策の異なる様々な派閥やグループを現実的にまとめ、霞が関を動かしていくのは、きわめて難しい。 政権の綻びが表面化しないうちの衆院解散ということなのだろうが、前途多難であるのは間違いない。 |
まあ、読み物としては格好の時間つぶしになるのだが、こんな見立てのほうが現実的かもしれない。
「石破茂の総裁就任で「自民党の内部崩壊」が決定的に進む…その「意外なメカニズ」
自民党内に久方ぶりに、「反主流派」が誕生した。しかも高市、小林の二人は、党の「岩盤支持層」と呼ばれている右派の支持を得て、総裁選であわせて党員票の三分の一以上を獲得している。 同時に、長年のお友達であるリベラル派の岩屋毅を外相、安倍晋三を「国賊」呼ばわりした村上誠一郎を総務相に起用したことも右派から猛烈な反発を食らった。 皮肉なことに、石破が生涯敵対した安倍晋三が、第一次政権で犯した「お友達人事」の轍を踏んでしまったのだ。 石破流人事は、自民党を完全に分断してしまった。十月二十七日に投開票が決まった衆院選への悪影響は避けられない。何しろ、自民党に投票し続けてきた日本会議や雑誌「正論」や「Hanada」といった保守系雑誌の購読者層が、高市・小林グループ以外の自民党議員への支援を「ボイコット」し始めたのである。 もし、石破が五度目の総裁選を機に「悪党」政治家に変身できていたなら、このような失敗は犯さなかっただろう。 「悪党」政治家とは、一言で言えば権力を握るためには手段を選ばない「強い」政治家を意味する。 石破は、読者の皆さんが想像されている通りの真っ直ぐで、好き嫌いが激しい理屈好きの政治家である。 もし、石破が「悪党」政治家だったなら、人気のある高市を幹事長に、小林を重要閣僚に起用して総選挙と来年夏の参院選という二大国政選挙を戦い、終わればお役御免にしたはずだ。 あるいは、小林だけ重要閣僚に抜擢し、高市だけ孤立させる策もあった。 しかも石破には、安倍政権を誠心誠意支えた菅義偉のような「軍師」がいない。 石破は、決選投票で逆転勝利に導いてくれた菅を論功行賞として自民党副総裁に遇したが、安倍の暗殺後に体調を崩した菅に往年の切れはない。 一方、首相官邸は、偽装解散した宏池会の事実上の跡目である林芳正が仕切ることになった。今回の総裁選に初出馬した彼の狙いは、三年後の総裁選での勝利。あわよくば長期政権をもくろむ首相と一心同体になりようがない。 自民党副総裁から最高顧問に棚上げされた麻生太郎は、石破体制初の総務会終了後、恒例となっている写真撮影に応じず、そそくさと退席した。 結党七十年を目前にして「自民党崩壊」へ向けたカウントダウンが始まった。 |
戦国武将のトップにあげられるのは、豊臣秀吉に恐れられるほどの天才軍師であった黒田官兵衛なのだが、残念なことに石破茂には片腕と呼ばれるような「軍師」は存在しない。
それ故、前途多難の真っ直ぐで嘘がつけない(寝技が苦手」の石破茂によって「「自民党崩壊」へ向けたカウントダウン」が加速すれば、少しはまっとうな政治が日本に戻ってくることを多くの国民が期待しているのでは、とオジサン思う。