2007年の4月頃、「後縦靭帯骨化症(OPLL)」という一般には馴染みがない「難病」の手術で3週間の入院生活を送ったことがある。
それに至った詳細は別の機会に譲るとして、退院後あらためて健康体に戻り、手術してくれた医師に感謝の気持ちで一杯であった。
そんな時、知ったのが、「国境なき医師団」の海外での活躍ぶりであった。
いまさら医師団に参加することは不可能なのでせめて可能な範囲での支援をしようと考えた。
具体的に「支援する方法」を調べると、「1日50円」で月1500円の寄付というコースがあった。
早速翌日には昼食時に行きつけの定食屋で「半ライスを注文すると50円引き」というメニューがあり、「食事量を少々減らして支援する」というコースに応募した。
定年退職するまで約3年間続けた。
年金生活に入りながら認知症の母の自宅介護で忙しく、「毎日寄付コース」を中断した。
しかし年に数回送られてくる支援要請の封書には現地で働く医師たちの悲痛な声が満載されていた。
その度に少額を振り込んでいたが、最近になって以下のようなパンフレットが送られてきた。
「家庭に眠る宝」程ではないが、数十年来眠っている物があったことを思い出し、書棚や机の引き出しなとを漁るといろいろと出てきた。
腕時計やスチールカメラと交換レンズ、さらには携帯電話やディジカメの類。
そして最近ネットワーク環境を変えたことにより不要となった無線LAN用のAirStationまでが揃った。
これらの物品を「お宝エイド」という物品査定業者に売渡し、その売却代金が国境なき医師団に寄付されるという仕組みである。
ある人は、ネットオークション等のサイトに出品すればより高く売れる可能性があるというが、そうなれば絶えずネットに縛りつけになってしまい、仮に売買が成立しても個別に配送することになりかなり煩雑である。
いままで想い出もあり中々手放せなかった品物が、少しでも海外で活躍している人たちに役に立てれば決断がつくものである。
ところで2010年に流行語にも選ばれた「断・捨・離」。
「断捨離」とは、不要な物を減らし、生活に調和をもたらそうとする思想であり、やましたひでこ(山下英子)の著書において発表されたと言われている。(Wikipedia)
「いつでも捨てられる」と思っている限りは、なかなか捨てることは困難である。
「まだ使えるから・・」としまっていたものは「絶対に使われない」物であろう。
自ら「余命20数年」と言っているので、我が身の「終活」にはまだ早いのだが、
断:入ってくるいらない物を断つ。
捨:家にずっとあるいらない物を捨てる。
離:物への執着から離れる。
という考えから、まずは「家にずっとあるいらない物を捨てる」ことから始めるのが容易なのだが、同じ処分するのなら、少なくとも誰かの役に立つ処分の仕方があるということを知ったオジサンであった。