新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

アメリカの選挙には事実上、選択肢がないらしい

2024年11月06日 12時04分03秒 | 日記

国内にはもっと報道すべき大切なことがあってもよさそうなのだが、「大谷祥平」関連のニュースがようやく無くなったとホットしたところ、米国の大統領選選挙の投票が終わり、時々刻々と日本のテレビメディアは日本の視聴者相手に伝えている。
 
もしトラ」なら日本の経済、外交、安保に影響必至 分断進むアメリカ大統領選『どちらが勝っても混乱』

5日投開票のアメリカ大統領選は、民主党のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領の接戦が伝えられる。誹謗(ひぼう)中傷も相次ぎ、どちらが勝っても米国内の分断は避けられないもようだ。新大統領の姿勢は、日本の経済・外交政策や、紛争が続く世界の平和構築にも影響をもたらす。専門家と混迷の今後を読み解いた。(宮畑譲、西田直晃)
◆「政治のことを話すのに身の危険を感じる」
 「投票所には、警官がいて、防弾ガラスも設置されている。今回、投票日はみんな相当ナーバスになる。暴動が起きるかもしれないと、投開票後1週間は外に出ないと言う知人もいる」
 「こちら特報部」のオンライン取材に対し、米ニューヨーク在住の投資家・山崎美未氏が現地時間の4日夜、米国内の異様な雰囲気を語った。
暴動の発生に備えて建物を木の板で覆う作業員=1日、米ワシントンのオフィス街で(鈴木龍司撮影)
 これまでは選挙が近づくと、各家庭の前に支持する候補を書いた看板などが置かれるのが恒例だった。今回はその数が非常に少ないという。「前回選挙後、トランプ氏の支持者が議事堂に乱入する事件もあった。政治のことを話すのに身の危険を感じる。みんな支持する候補者や政党を隠すように過ごしている」
 現に不穏な事件も起きている。先月、オレゴン州とワシントン州では、期日前投票用に設置された投票箱が燃え、用紙数百枚が焼失。発火装置のようなものが見つかっており、放火とみられている。
◆ナゾの「うんこ像」現る
 ワシントンではこんなこともあった。連邦議会議事堂に面する緑地帯に、バスケットボール大のうんこ像が載った机のレプリカが設置された。2021年1月の議会襲撃事件と事件を支持するトランプ氏への皮肉を込めて、何者かが置いたとみられている。
ワシントンDCの住民は、議事堂前に現れた「うんこ像」に困惑している。作成者は不明だが、4年前のトランプ氏支持者らによる連邦議会議事堂への暴動に対する風刺が込められたメッセージが付けられている(ロイター通信
 舌戦もヒートアップ。トランプ氏を支持するコメディアンが、カリブ海の米自治領プエルトリコを「ごみの島」と呼び、バイデン大統領はトランプ氏の支持者を「ごみ」と表現したと報じられた。接戦州の一つ、ペンシルベニア州で増加する移民にプエルトリコ系が多いことが背景にある。この問題を巡り、両陣営とも火消しに追われた。
◆1月の大統領就任式まで予断を許さない
 一方で、深まる分断を和らげようと活動する団体もある。「ブレイバー・エンゼルス」は2016年の選挙後、支持政党に関係なく、市民が政治的な意見を交換する場の提供を対面やネットで続けている。先の山崎氏は「政治的な立場は違っても、互いのことを知り、分断の融和を図ろうとしている人たちはいる」と希望を見いだす。
 とはいえ、選挙後の遺恨が不安になるほどの激戦だ。アメリカ政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の分析によると、3日現在の主要世論調査の平均支持率はトランプ氏が48.4%、ハリス氏が48.3%で、ほとんど差がない。
 「どちらが勝ってもアメリカ社会は混乱し、不安定な状態が続くだろう」。国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう予測する。特にトランプ氏側は敗北を受け入れないことを示唆し、当選後も官僚を大幅に入れ替えるなど大胆な政策を実施する構えを見せている。春名氏は「トランプ氏の支持者もどんな動きをするか予測できない。1月の大統領就任式まで何が起きるのか予断を許さない」と話す。
◆全輸入品に関税、化石燃料へ回帰…対米投資への影響は
 ハリス氏が勝利すれば、バイデン政権の方針をおおむね引き継ぐとみられるが、トランプ氏ならどうか。
 日本経済に直接的な影響を及ぼしそうなのが、一貫して掲げる国内産業の保護主義政策の強化。「全ての輸入品に10〜20%の関税を課す」と強調している。
 第一生命経済研究所の星野卓也主席エコノミストは「前回の大統領時代と同じように、関税を嫌がれば、米国内に企業の製造拠点を移すように迫るのがトランプ氏の狙いだ」と述べる。「化石燃料に回帰する方針も示しており、環境政策や電気自動車(EV)シフトが後退することも十分あり得る。対欧州連合(EU)の姿勢も分かりづらく、先が読みづらいので日本を含む企業は対米投資にちゅうちょするのではないか」
 石油や天然ガスの生産を促進する姿勢については、「世界市場に影響を与え、価格の低下につながる可能性もある」と解説しつつ、強権的な外交姿勢で中東諸国との関係が悪化すると、「価格上昇を招いてしまうリスクがある」とも。現状は上振れ、下振れの双方が見込まれるという。
◆外交は取引、脅しが最大の武器…日米安保にも影響
 トランプ氏の関税政策について、明治大の海野素央教授(異文化コミュニケーション論)は「脅しを最大の武器と捉えている。米国内に企業の製造拠点が設けられれば、自身を応援する白人の雇用が増え、支持層に評価されるという好循環が念頭にあるのだろう」と推し量る。
 外交・安全保障政策でも著しい変化が予想される。
バイデン政権はこれまで、日米豪印の「クアッド」や米英豪の「AUKUS(オーカス)」をはじめ、日米韓、日米フィリピンといった多国間の枠組みに重きを置いてきた。
 海野氏は「外交をディール(取引)と捉え、1対1での脅しすかしを駆使するトランプ氏は、多国間の関係強化に興味を示さないかもしれない。バイデン氏の成果を葬り去りたい思惑もあるだろう」と話し、「中国ににらみを利かせた体制が崩れるかもしれない。日本の安全保障環境にも影響が出てしまう」と続ける。
◆「米国と一緒に世界で孤立しかねない」
 石破茂首相が示す日米地位協定の改定はどうか。海野氏は「トランプ氏の強固な支持層の一つに退役軍人やその家族がいる。改定には反対の立場で、日本にとってはハードルが高くなる。その点ではカリフォルニア州の司法長官を務め、性暴力事件と向き合ってきたハリス氏のほうが理解を得られやすい」と見通す。
 ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)との連携を念頭に国際協調主義を打ち出すハリス氏に対し、米国第一主義のトランプ氏は同盟国に負担増を迫り、独自外交を展開する可能性があるという。
 同志社大の三牧聖子准教授(米国政治外交)は「二つの大きな戦争でバイデン氏の外交は完全に行き詰まり、共和、民主双方の有権者から不信を買った。移民問題やインフレ対策に期待できるということで、トランプ氏の外交が再び注目を集めているのだろう」と現状をみる。
 とはいえ、トランプ氏は「親イスラエル路線」に完全に傾いている。三牧氏は「米国の民主党支持者はさらに失望する。ロシアの侵略を非難し、ウクライナの権利を擁護しても、(パレスチナ自治区)ガザ問題では何の手も打てていないからだ」と強調。存在感を高めるグローバルサウスなどから批判が出ており、「『米国は信用できない』という風潮もムスリム人口の多い国で広がっている。国際社会の目は変わってきている。日本もいずれ踏み絵を迫られる」と語る。
 「難しい局面だ。堅持する日米関係と国際協調の原則の間で引き裂かれ、選択によっては米国と一緒に世界で孤立しかねない」
◆デスクメモ
 投票箱の放火事件、投票所の窓に防弾フィルム。大統領選に伴うここ数日の厳戒態勢を見るにつけ、民主主義が揺さぶられていると感じる。新自由主義やアメリカ・ファースト。米国の価値観は日本でも追って反映されてきた。今回の選挙が映す社会の分断もいずれ持ち込まれるのか。

 
「米国がくしゃみしたら日本が風邪をひく」というもう何年も前によく耳にした言葉を思い出してしまう。
 
興味があり、時間的にゆとりがある人は、米国在住作家の冷泉彰彦の詳細な解説を紹介する。
 
雰囲気勢も通ぶれる「米大統領選2024」観戦ガイド 基礎票?ペンシルベニア州待ち?ハリスvsトランプ5つの勝敗パターン
 
日本時間5日夜に投票が始まったアメリカ大統領選挙。最速では6日昼に大勢が判明するが、今回は前代未聞の大接戦とあって、正式に勝者が決まるのは週末になるとの見方も浮上してきた。世界のパワーバランスや経済にも多大な影響を与える「ハリスvsトランプ」の一大決戦。選挙情勢報道をチェックする上でぜひ知っておきたいポイントを、米国在住作家の冷泉彰彦氏が詳しく解説する。
■ハリスかトランプか?前代未聞、予測不可能の大接戦
本稿は、現地時間(アメリカ東部時間)11月4日(月)の午後遅くに執筆しています。大統領選の投開票を明日に控え、各局のニュースが両候補の最後の動向を伝えています。両候補ともに、最大の激戦州であるペンシルベニア州で選挙運動を締めくくるようです。
現在の状況ですが、全くの僅差で推移してきた選挙戦が、大詰めの段階で「より僅差になった」という言われ方がされています。ジョージ・W・ブッシュの選挙参謀だったことで著名な共和党系のアナリスト、カール・ローブ氏によれば「こんなに僅差というのは見たことがないし、僅差という状態がこれだけ長く続いたのは前代未聞」だそうです。まさにそんな感覚があります。
そうはいっても、アメリカ大統領選には長い歴史があります。そして、結果が出てみると、直前の状況の延長として理解ができる場合もあれば、一種のサプライズとなった場合もあります。
そこで今回は、まずこのメルマガ、そしてこのコーナーの前身である「JMM(村上龍編集長)」の時代まで遡りながら、「直前」の状況と結果の「答え合わせ」をしてみましょう。そのうえで、今回の選挙の票読みをシナリオ別に行っていきたいと思います。
■過去の勝敗を分けてきたペンシルベニア州の重要性
まず前回、2020年ですが、現職のトランプにバイデンが挑戦したこの時も「ペンシルベニアの結果待ち」になるという予想が多く、本欄でもそのようにお話していました。このメルマガは日本時間の火曜朝配信ですので、投票日の前日夕方の情勢をベースとしているわけですが、この2020年の時もそうでした。この予想はその通りとなって、ペンシルベニアの結果が土曜朝にほぼ確定するまでバイデンの当確は出ませんでした。選挙人数ではバイデン304対トランプ227でした。
その前回、2016年はトランプとヒラリー・クリントンの戦いでしたが、この時も「ペンシルベニア」が勝敗を分けるという予想がされていました。また結果はその通り、ペンシルベニアを抑えたトランプが勝利しただけでなく、ラストベルト3州(ペンシルベニア+ミシガン+ウィスコンシン)を取って圧勝となったのでした。選挙人数ではトランプ304対ヒラリー227でした。
ただ、この時は直前の全国支持率ではヒラリーがリードしており、トランプが追い上げているものの、ヒラリーが逃げ切るだろうと言われていました。また、トランプには「ミスコン楽屋でのわいせつ行為発言」というスキャンダルが、またヒラリーについては「第2メール疑惑」が出ていました。トランプのスキャンダルはかなり悪質という評価がありましたが、結果的には影響はなかったのでした。とにかく直前の数字や報道だけを見ていては数字の動きを見誤るということが言われ始めたのはこのときからでした。
その前の2012年については、選挙の直前に私の住むニュージャージー州などがハリケーン「サンディ」の直撃を受け、大きな被害を受けました。この選挙はオバマの再選をかけた選挙でしたが、経済運営への賛否が大きなテーマとなっていました。景気の緩やかな回復を優先したオバマは、格差の拡大や若者の失業を放置したとして民主党内の左派からも批判を受ける中での選挙でした。
そんな中で、即座に被災地に入って党派の違う共和党知事(クリス・クリスティ氏)と連携して危機管理活動をしたオバマへの動きが評価され、僅差でオバマが勝利したのですが、全国的には「景気と雇用の回復が余りにも遅い」という中で、オバマはかなり苦しんでの勝利でした。そうは言っても、現在のいわゆるブルーステート(民主党の優勢な州)は全勝して、加えてフロリダ、アイオワ、コロラドなども抑えた勝利でした。選挙人数では332対206でした。
その前の2008年については、まさにリーマン・ショック(9月)の直後であり、同時にイラク戦争も泥沼化する中で、ブッシュ路線への賛否が厳しく問われた選挙でした。そして結果的にオバマがマケインに対して大差で勝利したのでした。選挙人数ということでは、365対173ということですから、圧勝といって良いでしょう。
更にその前の2004年、これはブッシュが二期目に挑戦した選挙でしたが、イラク戦争への賛否が大きなテーマとなる中で、極めて接戦となりました。最終的には当時は決戦州と言われていた「オハイオ州」を制したブッシュがケリーを僅差で破りました。選挙人数ということでは、ブッシュ286対ケリー251で、仮にオハイオがケリーだったとしたら、271を取って勝っていたと言われました。この時は、宗教保守派とリベラルが価値観論争を繰り広げるなど、イラク戦争だけでなく幅広い争点がありました。
その前は2000年のブッシュ対ゴアの戦いで、この時はフロリダの選挙人数25を巡って、延々と再集計が行われ、最後は最高裁判断でブッシュがフロリダを取って、ブッシュ271対ゴア266という僅差で勝利しました。この時は、911のテロの兆候もなく、漠然と「クリントンの好景気」時代に少し飽きたムード、ゴア候補の「クソ真面目」なキャラへの敬遠というのが勝敗を分けたとされたのでした。
2000年以降の米大統領選のポイントはざっと以上です。さて、それでは今回の選挙について、4年前と同じように注目点を確認していこうと思います。
■前提の1、ペンシルベニアの重要性
今回の大統領選でも、最も注目されているのはペンシルベニア州です。ここまで検討してきたように、前回2020年、前々回2016年の直近2回は、ペンシルベニアが勝敗を決定づける重要な州となったからということもあります。ちなみに、今回を含めた2016、2020、2024の3回の選挙においては、ラストベルトの3州、つまり、ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニアが極めて重要だとされてきました。
この3州については、3州ともに、2012年までの6回の選挙は全て民主党が勝利(順に、クリントン、クリントン、ゴア、ケリー、オバマ、オバマ)しています。基本的に製造業を中心とした組合の組織票が強いこと、東部の気風、シカゴ経済圏の持っている中北部のリベラルな気風などが背景にありました。
ですが、2016年の選挙では、この3つの州をトランプが取ったことで、全体も勝利した選挙だったという解説がされていたわけです。反対に、2020年の選挙では、3つの州を全てバイデンが奪還したことが勝利に繋がりました。ちなみに、2020年の場合も、両陣営は最終段階での決戦場をペンシルベニアに絞っていました。
今回も全く同様の構図となっています。
前回は、結局そのペンシルベニアの当確が出るのに4日かかったので、全体としてのバイデンの当確も土曜日にずれ込みました。これは「郵送と期日前の投票用紙を事前集計しない」という法律に基づいて開票するためですが、今回はこの法律に基づいて「投票日当日の午前7時からは集計を開始する」ということのようで、そのために、開票結果は前回よりは早まる「かもしれない」という報道があります。ですが、やはり大勢の判明は当日の深夜にはとても無理であり、早くても金曜日だという説もあります。
■前提の2、基礎票の確認
ここで、今回も、選挙人獲得数(総数538、当選ライン270)における両陣営の「基礎票」を確認していくことにしましょう。
まず、民主党のハリス陣営ですが、以下の「226」については、かなり確度は高いと言われています。これを「ブルー」として、ハリスの基礎票としておきます。
・カリフォルニア・・・・・54
・ニューヨーク・・・・・・28
・イリノイ・・・・・・・・19
・ニュージャージー・・・・14
・ヴァージアニア・・・・・13
・ワシントン州・・・・・・12
・マサチューセッツ・・・・11
・ミネソタ・・・・・・・・10
・メリーランド・・・・・・10
・コロラド・・・・・・・・10
・オレゴン・・・・・・・・・8
・コネチカット・・・・・・・7
・ニューメキシコ・・・・・・5
・ロードアイランド・・・・・4
・ニューハンプシャー・・・・4
・ハワイ・・・・・・・・・・4
・デラウェア・・・・・・・・3
・ヴァーモント・・・・・・・3
・ワシントンDC・・・・・・3
・メインの一部・・・・・・・3
・ネブラスカの一部・・・・・1
一方のトランプ陣営ですが、鉄板の基礎票は以下の「213」とされています。これを「レッド」としておきましょう。

・テキサス・・・・・・・・40
・フロリダ・・・・・・・・30
・オハイオ・・・・・・・・17
・テネシー・・・・・・・・11
・インディアナ・・・・・・11
・ミズーリ・・・・・・・・10
・サウスカロライナ・・・・・9
・アラバマ・・・・・・・・・9
・ケンタッキー・・・・・・・8
・ルイジアナ・・・・・・・・8
・オクラホマ・・・・・・・・7
・ミシシッピー・・・・・・・6
・アーカンソー・・・・・・・6
・カンザス・・・・・・・・・6
・ユタ・・・・・・・・・・・6
・ウェストヴァージニア・・・4
・アイダホ・・・・・・・・・4
・ネブラスカの一部・・・・・4
・ノースダコタ・・・・・・・3
・サウスダコタ・・・・・・・3
・モンタナ・・・・・・・・・4
・ワイオミング・・・・・・・3
・アラスカ・・・・・・・・・3
・メインの一部・・・・・・・1
■シナリオ1:ペンシルベニアを待たず「早朝までに」ハリス辛勝
前掲以外の残りが「スイングステート」つまり「激戦州」ということになるのですが、最終の世論調査等によれば、ハリス陣営は、五大湖地方の

 

・ミシガン・・・・・・・・15
・ウィスコンシン・・・・・10
では、かなり優位に立っているとされています。この2州のことを、仮に「ライトブルー」としておきましょう。この「ライトブルー」全部を取って小計25、これに基礎票「ブルー」の226を足すと251になります。
いっぽうで、激戦州におけるトランプ優位とされているのは、
・ジョージア・・・・・・・16
・ノースカロライナ・・・・16
で、小計は32です。これを「ピンク」としておきましょう。これを全部取ったとして、基礎票「レッド」の213に足すと245となります。
さて、これで残るのは、
・ペンシルベニア・・・・19
・アリゾナ・・・・・・・11
・ネバダ・・・・・・・・・6
・アイオワ・・・・・・・・6
この4州で選挙人数の合計は42あります。どれも世論調査は拮抗しています。この中で、前回同様に時間がかかりそうなのはペンシルベニアですが、ハリス候補の場合は仮にペンシルベニアが未確定でも、残りの3州を取れば全部で251+23=274となり当確になります。
一方でトランプの側は、このアリゾナ、ネバダ、アイオワを取っても268でわずかに届きません。ということは、純粋に数字の問題として、現地火曜深夜から水曜の明け方にかけて当確が出るとしたら、ハリス候補が「アリゾナ、ネバダ、アイオワ」を3つとも取る場合になります。
もう一つの可能性は、サプライズでハリスが「ノースカロライナ」を取った場合は、残りの「アリゾナ、ネバダ、アイオワ」のどれか1州を取ればゲームセットになります。
反対に、トランプ側としては、「ピンク」まで入れて245ですから、どうしてもペンシルベニアの勝利が必要です。ということは、早期に当確が出るとしたらハリス氏の側ということになります。
■シナリオ2:「ペンシルベニア待ち」で当確は金・土曜に持ち越し
ということは、仮にハリスの辛勝シナリオにならない場合は、自動的にペンシルベニアの結果待ちとなり、最悪で金曜もしくは前回同様に土曜まで当確は持ち越しという可能性が高いです。
■シナリオ3:「トランプ勝利で早期決着」の可能性は高くない
各州レベルでは僅差でも、トランプ側が勝ち進むという場合もあります。とにかく、前々回の2016年では勝ってヒラリーを退けたわけです。それが再現される可能性は勿論あります。そうなれば、3州で44が245に乗るので289になります。ちなみに、ペンシルベニアが遅れるにしても、「ウィスコンシン+ミシガン」で25ですから、ちょうど270に到達して当確になります。
ただ、ウィスコンシンではハリス陣営が終始リード、ミシガンでもハリス氏の数字が戻る気配があるので、恐らくこの2つをトランプが奪還するというのは難しそうです。
■シナリオ4:ハリスの圧勝はあるか?
今回はトランプ優勢の「ピンク」としましたが、「ノースカロライナ(16)」「ジョージア(16)」をハリスが取り、「ウィスコンシン(10)、ミシガン(15)、ペンシルベニア(19)」も確保。更に「アイオワ(6)、ネバダ(6)、アリゾナ(11)」も取ると、99を上乗せして325、このあたりがハリスの上限と思われます。
■シナリオ5、トランプの上限は?
こちらは、基礎票の213にピンク(32)を足して、「ウィスコンシン+ミシガン+ペンシルベニア」の44、「アイオワ、ネバダ、アリゾナ」の33を加えた322が上限になりそうです。
■アイオワの変化はあるか?
中部のアイオワ州については、序盤戦からずっと共和党優位という世論調査結果が出ていました。ですが、投票直前の2日(土)になってハリス氏が3ポイントリードという数字が出て全米を驚かせています。これは州都デモインの新聞『デモイン・レジスター』が公表したものです。
この調査ですが、既に撤退した「第三極」のロバート・ケネディ・ジュニア氏(RFK)が3%を稼いでいるとしています。RFKはトランプを支持しているので、仮にこの3%がトランプに入れば互角となるわけですが、この数字をどう見たらいいのかは難しいところです。
アイオワは農業州です。ですから、不法移民の労働力が本当に追放されてしまうと深刻な労働力不足に陥ります。また、大口の輸出先である中国との通商問題が深刻になるのも困ります。また、ここ10年は共和党に傾斜しているものの、中絶問題などではリベラルな女性票が強いという見方もあります。
また、2008年にはオバマが勝った州でもありますし、その頃までは党員集会を最初に行うことで、スイング・ステートとしての存在感を見せていました。そのように誇り高いアイオワ人は、もしかしたらサプライズを起こすかもしれません。
■ペンシルベニアは本当のところはどうなのか?
こちらはアイオワとは条件が違います。私はニュージャージーとペンシルベニア(PA)の州境の近くに住んでいるので、TVもフィラデルフィアのローカルを見ていますし、色々な用事で行くこともあり、土地勘もあります。
とにかく、非常に極端に異なったグループに分かれているのがPAの特徴です。東の州境に近いバックス郡などは、完全に東部の気風です。また東部の大都市フィラデルフィアも東部の大都市で、民主党が強いですし、アフリカ系のコミュニティも大きいです。
また、西部のピッツバーグも大都市であり、その中心部は金融とテックによるニューエコノミーが盛んで、民主党が優勢です。ところが、巨大な州(ほぼ長方形なので北海道より大きい)に、1300万人(北海道の2倍以上)が住んでおり、この2大都市を除く地域はアパラチア山脈の褶曲した山と谷が斜めに走っています。主要産業は畜産になります。大平原のような大規模な農業はできません。
従って、山間部の気風は非常に保守的です。よく言われるのが「フィラデルフィアとピッツバーグ(500キロぐらい離れていますが)の間に「アラバマ」が挟まっている、という形容です。しかも貧富の格差が半端ではありません。実は、今でもKKKなどの過激な極右が潜んでいるのはPAだという説もあります。また、PAの成り立ち自体が欧州の宗教弾圧から逃れた人々を収容する「究極の信教の自由」を実現する州という自己規定があり独特の宗教共同体があったりします。
その一方で、南北戦争以前は、南部から逃れた奴隷を逃がすための「地下鉄道(支持者のルート)」の拠点でもあったことから、特に東部は人種の多様性を誇りにしていたりもします。つまり極めて多様なのです。ですから、現在のように左右対立の激しい中では、様々な立場のグループが両派に分かれて競っているとも言えます。
製造業の没落という「ラストベルト」の感覚も濃厚ですが、一方で金融やテックの成功事例が多い中では格差の問題がどうしても実感されてしまう、これもPAの特徴です。従いまして、数字がここまで拮抗(多くの世論調査で差が1%以内)つまり、誤差の範囲内という中では、全く予想がつきません。
全く個人的な感想ですが、アイオワの農家ではスッタモンダの挙げ句に、奥さんに押されてダンナさんもハリスに入れるかもしれない、そんなイメージがあります。ですが、PAの場合は、夫は奥さんに黙ってトランプに入れ、奥さんは夫に黙ってハリスに入れるというような複雑性がありそうです。とにかく、PAについては良く知っているだけに、全く何の予想もつきません。
いずれにしても、極端なシナリオを描くことはできる一方で、可能性としてはPA待ちとなるケースが最も濃厚。しかもPAについては、蓋を開けてみないと全くわからないと言うしかないようです。
■投票率の問題
基本的に言えるのは、トランプ派の運動というのは「過激なトークを楽しむ」というエンタメを中心にしており、内容も政策論ではないことから、「切羽詰まった雇用や経済」の問題から投票する層をターゲットにしてはいません。ということは、投票率頼みの浮動票に期待する部分が大きいわけです。
例えば前回の2020年はとにかく、両陣営併せて1億4千万票という前代未聞の投票があった中で、バイデン辛勝という結果が出ました。今回のトランプも高投票率を実現して「保守浮動票」をかき集めるというのは、勝利のシナリオとして必須なのだと思います。
この点においては、前回は「郵送投票はいかがわしい」としていたトランプ陣営も、今回は「郵送投票の積極推進」という運動を展開している中で、投票当日の行動と最終的な得票の関係は簡単に論じることはできません。
「トランプ派が、郵送投票を信じて大量に入れるかどうか」
「トランプ派が、仮に郵送投票を前回同様に忌避したとして、当日の投票率はどうか」
という2つの観点がかなり重要であると思われます。
当初は5日の投票日は雨の予報だった中部も、予報は晴れに変わっています。PAは全州が好天で暖かくなるという予報もあります。これはトランプ有利に働くかもしれません。
いずれにしても、ズバリ予想というのは、今回は特に難しそうです。まずは冷静に投開票の推移を見守りたいと思います


まあ結局はあくまでも「予想」に過ぎず、最終結果はまだまだ先になるらしい。
 
しかし、「選挙で誰が選ばれても政策は「黒いスーツと青いネクタイの男たち」が決める」というレポートによれば、

アメリカ支配層にとって都合の良い結果をもたらす選挙は何があっても「公正」であり、都合の悪い結果をもたらす選挙はどれだけ公正な仕組みでも「不正」だとされる。それが西側流の民主主義である。アメリカの選挙には事実上、選択肢がないと言う人もいる。
 

 
「目に見えない」闇の支配によって米国大統領が決まるとは、けっして米国だけの専売特許ではないのかもしれない、とオジサンは思う。

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