衆院予算委員会の前段が終わり昨日からは参院に予算委員会が移った。
とりあえず、施政方針演説から28日までの予算委員会を振り返ってみる。
国民民主党の前原誠司が28日午前の衆院予算委員会で、「財政健全化を遅らせ、来年度予算案に繰り入れ、結果的に公債発行を減らすことができたというのは、矛盾。ウソをついている。粉飾ではないか」などと批判した。
「麻生氏『マーケットと仕事してますんで。野党とでない』」
麻生太郎の、「8年連続減らすという姿勢をきちんと示している。マーケットに与える影響が極めて大きいんで」と「我々、マーケットと仕事してますんで、野党と仕事してんじゃない」という居直り発言はまさに噴飯ものである。
メディアのファクトチェックを確認してみる。
「安倍首相「税収は過去最高」演説をファクトチェックする」
【朝日新聞DIGITALより】
「<論戦ファクトチェック>首相「国債発行、8年連続減額」強調 決算ベースで増額の年も」
【東京新聞より】
そして昨日は、安倍晋三の「広く募っているが募集していない」という迷答弁に対しては、ネット上では「大喜利」状態になっていたが、澤藤統一郎弁護士の「憲法日記」では、「さくら論法」と命名されていた。
<#募ってはいるが募集はしてない」「答弁してはいるが答えていない」を「さくら論法」と呼ぼう。> 2020年1月29日 澤藤統一郎の憲法日記 史上、首相として国民から敬愛される人物はまことに稀少である。多くは、警戒され、嫌われ、恐れられる人物だった。安倍晋三という現首相。これまでの歴代首相とはひと味違う。長期政権を維持してはいるが、こんなにも国民から軽侮されている首相も珍しかろう。その理由の一つは、極端なまでの身贔屓だが、もうひとつとして、決定的な国語の基礎能力不足をさらけ出していることがある。官僚の作文を朗読することはできるが、ルビがふられていないと「云々」も「已まず」も読めない。 その、これまでの「実績」に、この度はもう一つ加わった。桜を見る会についての「募集ではなく募ったという認識だった」「募ってはいるが募集はしていない」という答弁である。一国の首相のこの国語能力不足の顕在化は,対内的にも対外的にも,国家機密暴露というべき大問題である。しかも彼は、「美しい国・日本」などを語る国粋派なのだ。 実は、不誠実な答弁姿勢こそが真の問題点なのだが、これは一見して直ちに誰にも分かるというものではない。それにくらべて、昨日(1月28日)の衆院予算委員会における,宮本徹議員質問に対する、首相答弁の国語力レベルは誰の目にも分かり易い。 首相 「私はですね、幅広く募っているという認識でございました。募集してるという認識ではなかったのであります」 宮本 「私も日本語を今まで48年間使ってまいりましたけども、募るというのは募集するのと同じですよ。募集の『募』は募るっていう字なんですよ。総理はその認識なく、募っているという言葉を使っていたんですか?」 首相 「あの、それはですね、つまり事務所、がですね、いわば今までの、ですね、今までの経緯の中において、ふさわしい方々に声をかけていると」「いわば、それにふさわしい方ということでですね、いわば募っているという認識があったわけでございまして、例えばですね、新聞等にですね、広告を出して、どうぞということではないんだろうと、こう思うわけでございます」 ルビがふってあれば「募る」を読めても、意味までは理解できていない。官僚が書いた原稿を棒読みしているだけだから、当然、反省の気持ちもない。たまに自分の言葉で話せばこのザマだ。(日刊ゲンダイ) この発言が報じられると、Twitterでは「#募ってはいるが募集はしてない」というハッシュタグが生まれ、大喜利が始まった。「答弁してはいるが答えていない」「太っているが肥えてはいない」といった投稿が集まり、一時トレンド入りしたという。このフレーズを「さくら論法」と呼ぶこととしたい。 思い出すのは、一昨年の流行語大賞の受賞作の一つともなった、上西充子教授の「ご飯論法」である。 Q「朝ごはんは食べなかったんですか?」 A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っておきます)」 Q「何も食べなかったんですね?」 A「何も、と聞かれましても、どこまでを食事の範囲に入れるかは、必ずしも明確ではありませんので・・」 これを「さくら論法」流に言い換えれば、 「朝ごはん食べないとは言ったが、朝食をとらないとは言ってない」 というわけだ。 早くも、「#募ってはいるが募集はしてない」は、「今年の流行語大賞候補第一号ですな」という呼び声が高い。 安倍流「さくら論法」の大喜利フレーズがネットに並んだ。「答弁してはいるが答えていない」「太っているが肥えてはいない」を筆頭に、なんとも出来がよい。しかも、面白いだけでなく、含蓄に富むものが多い。 投票しているが支持しているわけではない。 書き換えてはいるが改竄はしていない 毎日新聞を読んでいるが 毎日新聞は読んでいない 自由民主党であるが、自由でなく民主的でもない 危ないとは認識してはいるが、危険という認識はない。 愚かだという認識はあるが、愚鈍という認識もある? 「妻は公人じゃないんです。国からボディーガードとお付きの人が付く私人なんです」 労働をしたが 働いていない 訪問をしたが 訪れてはいない 後援会の会員を、幅広く募集して、桜を見る会に招待し、税金で飲み食いさせて接待したが、背任したという自覚はない。 答弁に立つが答えない 責任は痛感するが責任取らない 隠蔽ではないと言うが黒塗り資料しか出してこない 言わばと言うが後に例えが出てこない まさにと言うが後に確かな事柄が出てこない 圧力はかけていない。テレビが勝手に忖度するだけ。 「募る」と「募集」は違うと安倍首相。 いよいよ危険が危ない。 というか、こんな答弁をされては頭痛で頭が痛い。(山添拓) 読んでいるが 読書はしていない 強烈な眠気はあるが 睡魔は襲ってきてきない 成蹊大学法学部政治学科卒業ではあるが 勉強はしてない 偽っているが虚偽ではない 招待したけど、招いたわけではない、みたいな。 マズい部分隠したが改竄ではない。 総理だが総裁ではない(ときもある) 総裁だが総理ではない(ときもある) 炉心溶融してるが、メルトダウンじゃない 桜を見る会の名簿、破棄はしたが棄ててはいない 殴ってはいるが殴打してはいない 「それでは、それではですね、宮本さんは、み宮本さんは、まさに、思いが募る、ではなく、思いが募集する、とか、言うんですか?言う、言うんですか?」 コピーして何人でも募れます!(募集ではない) 大喜利見てきたけど、やはり元祖に勝てる人はいまだかつて居ない。 #安倍さんしかいない これは、他の件にも応用が利く。 逃げてはいるが逃亡ではない (ゴーン) 政府チャーターだが無料ではない (利用者に8万円請求) 安倍晋三のことだから、「募ると募集するは意味が違う」なんてアホな閣議決定をやりかねない。 |
居酒屋などで時間潰しにやる「お遊び」程度ならいいが、国会で堂々とやるレベルではないことは明らかである。
しかし笑えないのは、特に国語力に関しては、安倍晋三が本気で言っていることが恐ろしい。
それでも他の質問に対しても、相変わらず不誠実な答弁に終始していた安倍晋三であったが、今回の予算委員会は「モリ・カケ」疑惑に続き、安倍晋三自身に疑惑が集まっており、どうやら自民党は安倍晋三を守るために、予算委員会の委員長ぐるみで野党側の質問妨害(時間潰し)作戦を行っているようである。
「衆院予算委員長の議事進行に枝野氏『与党寄り』]
予算委員長の“意図的な審議妨害”野党側が批判(20/01/29)
【桜を見る会】「棚橋泰文」衆議院委員長の仕切りがエゲツないと話題に!!選挙区(岐阜2区→大垣市・海津市・養老郡・不破郡・安八郡・揖斐郡)
さて、昨日から参議院に移った予算委員会。
昨年の参院選で野党統一候補として宮城県選挙区で初当選した立憲民主党の石垣のりこ議員。
元アナウンサーらしく歯切れのよい質問をしていたが冒頭の発言と締めの発言が際立っていた。
石垣議員「本来であれば、新型肺炎ウィルスの件また自衛隊の中東派遣など、我が国において我が国に住む人々その生命と財産、そこに直結する問題を質疑したいところでございますけれど、我が国の安全の最大の障壁となっているこの政権の公文書管理及び公金管理のずさんさ、責任感のなさを質さなくてはならな」いと思います。そのために、この政権の堕落の象徴とも言える『桜を見る会』について、主に質疑をさせていただきます。」 |
石垣議員「『新聞広告で広く募集したわけではない』と仰ってるわけですが、ならば衆議院議員・安倍晋三事務所としては一般に広く募集したわけではなく、後援会メンバーや支援者・応援者など事務所として、衆議院議員・安倍晋三との繋がりを把握できる人だけを招待したというご答弁をしていると解釈してよろしいですか?」 議長「以上で・・(←えっ、終わり?)・・あべ・・安倍内閣総理大臣。」議場ザワザワ 安倍首相「あ、あの、お、お答えいたします。あの、これはあの、ワタクシだけではなくて、党においてはですね、党のいわば、知り得る方々の中において、この、ふさわしいと思われる方々を推薦しているわけでございます。つまり私の事務所を通じてということになればですね、事務所の中において、知り得る限りの方々について、一般の市井におられる方々についてですね、さまざまなご貢献を頂いている方も含めて、この、募っているということでございます。」 (ちょっとヤバいくらい、なに言ってるのか分からない。) 石垣議員「なにを取り繕うとしてもですね、代表質問答弁で、後援会のメンバーを含むという風に仰ってます。これはですね、たまさか就任した総理という立場と職権を利用して自身の選挙区の有権者に無料で飲食を提供した、史上最大の買収事件と言わざるを得ません。明らかに公職選挙法違反であると申し上げたいと思います。」 |
石垣のりこ(立憲) 1/29 参院・予算委員会
「我が国の安全の最大の障壁となっているこの政権の公文書管理及び公金管理のずさんさ、責任感のなさを質さなくてはならない」
「この政権の堕落の象徴とも言える『桜を見る会』」
「たまさか就任した総理という立場と職権を利用して自身の選挙区の有権者に無料で飲食を提供した、史上最大の買収事件と言わざるを得ません。明らかに公職選挙法違反であると申し上げたい」
・・・ここまで安倍晋三に向かって断罪した野党議員は記憶にない、とオジサンは思う。