当初からほとんど期待されていなかった岸田文雄出席の昨日の「政倫審」。
今朝の在京メディアと北海道のメディアの社説のタイトルを並べてみる。
■朝日新聞 「政倫審で具体論語らぬ首相 党内から嘆き『サプライズはマイナスに』」
■毎日新聞 「岸田首相と政倫審 何のために出て来たのか」
■東京新聞 「首相が政倫審に 裏金の解明には程遠い」
都心から最も遠い北海道新聞でも
「政倫審での首相 『説明責任』には程遠い」といった案配であった。
NHKの「【詳しく】政倫審 岸田首相「説明責任 見極めながら処分判断」による《政倫審 終了後の各党反応》
●林官房長官「説明を尽くすべく努めたものと受け止め」「
●自民 田中氏「政治不信払拭の一助となれば」
●自民 丹羽氏「説明責任 ある程度果たせた」
●公明 石井幹事長「さらに説明責任を」
●立民 泉代表「ほとんど新しいことばもなく時間の無駄」
●立民 野田元首相「ポーズだけの率先垂範」
●維新 藤田幹事長「予算委と同じようなあいまいな答弁」
●共産 穀田 国対委員長「証人喚問が必要なこと明らかに」
「やはり証人喚問しかない? 政倫審で判明したのは「裏金の経緯を岸田文雄首相が把握していないこと」だけ」
ドン擁護&「経理だけは任せてた」。
— 武田砂鉄 (@takedasatetsu) February 29, 2024
武田良太元総務相
「(二階氏は)一切、事務また経理等に関わることはなく、象徴として若手の指導等、政務に励んでこられた」
「私自身も非常に広範な事務総長としての職務を担っていたが、経理だけについては事務局長に全て任せていた」 https://t.co/ps1R49k6Sa
二階派事務総長 武田氏
— ジョンレモン (@horiris) February 29, 2024
政倫審が終わったら笑っちゃってるよ。
何なの? #政倫審 pic.twitter.com/nTOxrp3b1D
岸田首相は、何のために政倫審への出席を願い出たのか?
— 原口 一博 (@kharaguchi) February 29, 2024
あの弁明を聞く限り、政局パフォーマンスのためにでたように疑ってしまう。
自民党総裁として為すべき事を何一つとしてやっていないことがわかった政倫審でのやり取りだった。
疑惑は更に深まった。#証人喚問しかない と思う。 https://t.co/f0XzEEu0Py
テレビ中継を見ることができた国民は、茶番劇としての「政倫審」の限界を感じたことであろう。
そしてすでに水面下では今年度予算の本会議通貨日程も与野党で織り込み済みらしい。
ところで、大阪万博に関してのマヌケぶりは後を絶たないようである。
「大阪市が試算公表…大阪万博会期中やっぱり渋滞発生、原因はカジノ工事と丸かぶりのマヌケ」
まあこの程度なら笑って済ませるが、最近メディアでも話題になっているこの件については無視できない事態がある。
先日のつぶやきの最後で参考として紹介した2つの記事・・・・
「TSMCの誘致はおかしいことだらけ!言ってることがどんどん変わる政府」
「TSMC日本誘致の6つの闇 | かわいそうジャパン」
米国在住作家の冷泉彰彦が、「TSMCの新工場が、我が国半導体産業の反転攻勢の契機となる可能性はゼロではない」としながらも、日本が本当の復活を遂げるには失われた30年の敗因分析が欠かせないと指摘し、岸田文雄が第1工場の開所式に寄せたコメントには「漆黒の絶望しか感じない」とした上で、今後の課題を俯瞰的に解説していた。
「バブルの盲点。日本大復活にあと1つ足りぬピースとは?白亜の工場が本邦経済の墓標となる恐れも」
■経済の希望か墓標か 半導体の受託製造(OEM)メーカー台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が2月24日、熊本県菊陽町に建設していた工場の開所式を行いました。TSMCは、この第1工場に続いて、第2工場の建設も決定。熊本は、その経済効果に湧いていると言われています。 ですが、私はこの白亜の工場が、日本経済の墓標に見えてなりません。 日本の半導体産業のかつての栄光とその凋落、凋落の過程で見せた様々な悪戦苦闘と判断ミスの数々、そして悲惨とも言える現状。そうした負の歴史と現状を思うとき、どう考えてもこのピカピカの新築の巨大工場は墓標です。 もちろん、日本の半導体産業の将来はゼロだとは言えません。また今回の新工場がその反転攻勢の契機となる可能性もゼロではありません。 ですが、仮に今後の日本の半導体産業が、そして日本経済が攻勢に転ずるのだとしたら、やはりこの30年の日本経済の迷走と、敗北に次ぐ敗北の歴史を正視して、そこから修正を行うしかないのです。 その意味で、今回の開所式にあたっての政治家の発言には漆黒の絶望しか感じません。 岸田総理は「TSMC社の世界戦略の中に日本が重要な拠点として、しっかりと位置づけられることを歓迎します。2号棟についても支援を決定しました」と開所式に寄せたビデオメッセージで述べたそうです。その支援についてですが、日本政府はTSMCに対して補助金として1兆2千億円を投入するそうです。 ■「日本の屈辱」の象徴としてのTSMC熊本第1工場 では、なぜこのTSMCの白亜の工場が日本経済の屈辱の歴史の象徴なのか、2つの工場に分けて考えてみましょう。 まず今回、開所式が行われた「第1工場」ですが、これは最先端の半導体を製造する工場ではありません。チップの中にどれだけ多くのトランジスタなどを詰め込むかという「集積度」は大きくなく、つまりは半導体として旧世代に属します。 また、その多くは汎用品、つまり発注主が細かく設計仕様を指定してくるのではなく、あらかじめ多くのニーズに応じることができるように設計されたものです。 こうした旧世代の汎用品は、その多くが自動車に搭載されるマイコン用です。この分野では、数年前までは日本は世界をリードしてきました。リードするというと、格好良すぎるのですが、とにかく世界ではトップのシェアを維持していたのです。 そんな中で、東日本大震災による工場被災などで、日本での汎用半導体の生産に色々な問題が出るようになっていました。世界的な半導体不足とか、そのために起きた新車の供給不足といった問題はこのためでした。 実は、日本の汎用品メーカー(ルネサスなど)はシェアは獲得していたものの、決して経営状態は良くありませんでした。 これは、力関係として買い手、つまり発注をする自動車メーカーのほうが強く、半導体メーカーとしては価格交渉などで屈辱的な状態に置かれていたからでした。 シェアがトップで、ほぼ独占状態にありながら、どうして価格で強気に出ることができないのかというと、それは半導体メーカーの株を自動車メーカーや、自動車の部品メーカーが握っていたからでした。 それだけではなく、自動車産業は半導体メーカーに役員を送り込んでおり、経営陣の多くは自動車産業の出身だったのです。 株を握られ役員まで送り込まれていては、強気の価格交渉などできるわけがありません。テクノロジーは旧世代の汎用品ということもあり、自動車産業はこうした半導体メーカーを下請け、コストダウンの対象としか見ていませんでした。 そもそも頑張っても付加価値にならないのですから、これではイノベーションが進むはずはありません。 問題は勿論分かっており、現在では経産省も後押しする形で、こうした日の丸半導体メーカーは、もっと高度な仕事にシフトするように動いています。 ■本来、日本勢が作るべきだったもの では、どうして今回、世界一と言われるTSMCがこの旧世代の汎用品製造に乗り込んできたのかというと、そこには政治的な理由があります。 安全保障上の「万が一」という事態を考えて、サプライチェーンの再構築が叫ばれる中で、同社としてもあるいは西側世界全体としても、日本でTSMCがこの種のビジネスをすることへの理解が進んだからです。 またEVシフトが進む中で、自動車のコスト構造にも変化があり、かつての日本企業のように下請けとして「ヘトヘトな仕事」に甘んじるわけでもないような変化が生まれたこともあります。 にもかかわらず、どうして日本勢が改めて汎用品など旧世代の半導体を「しっかり利益が出るような強気」に出て、経営の自立を図ることができないのかというと、こちらは過去の経緯から難しいということがあり、また限られた人材や資本は「やはり最先端の分野にシフトして戦おう」という官民の理解があるからと考えられます。 つまり、この第1工場は「本来なら日本勢が頑張っても良い」分野なのに、「自動車産業の下請けにされて疲弊」した過去、そして「カネがない、人材がない中で、最先端にシフトしたい」という官民の思惑から日本企業が手を引きつつある結果なのです。 そして結局のところ、同じ分野をやるにしてもTSMCのような資本力と経営ノウハウがあったほうが、「全員が不幸にならない」ということになったと考えられます。 ■TSMC熊本第2工場に見え隠れする「もう1つの国辱」 もっと意味不明なのは、第2工場です。当初、TSMCは「最先端の微小テクノロジー」を使った半導体工場は日本では展開しないとしていました。それが途中で話が変わって、進出することになったのです。 例えばアップルのMacbookだとか、iPhoneなどに使われている、アップル独自の設計による専用チップなどです。ちなみに、この「最先端」については、日本の半導体産業は壊滅状態でした。 そもそも、半導体の基礎技術を作ったのは日本です。物理学者が理論を発見したというレベルになるとアメリカなのですが、それを応用してどんどん実用化していったのは日本でした。 1960年代までのような「真空管」では信頼性も消費電力も全くダメなので、トランジスターを実用化したのも日本ですし、そのトランジスターを高度に集積した集積回路(IC)や高密度集積回路(LSI)の最先端における製造技術を編み出したのも日本でした。 例えば、今はインテルとこのTSMCがほぼ独占しているCPU(演算回路)というものも、そのコンセプトを発明したのは日本のCASIOだったのでした。 ところで、半導体というのは巨額な投資が必要です。また先手先手を読んで、どんどん新規の製造技術、製造設備を用意するための果敢な判断、つまりリスクを取ったクイックな判断が必要でした。 日本勢は、少なくとも1990年前後まではそれなりに戦っていたし、技術的にも最先端を維持していました。世界の半導体産業の中でシェアの50%とか40%を支配するという時代が長く続いたのです。 ですが、日本の半導体産業は没落していきました。競争に負け、どんどんその地位を落としていったのです。 ■TSMC熊本工場は第1も第2も「日本屈辱の歴史」そのものだ ■日本の半導体産業を没落させた5つの要因 |
岸田内閣には、経済安全保障担当大臣として高市早苗がいるのだが、果たして本気で日本の経済安全保障に関してまともに働いているのか全く不明であることが問題なのかもしれない、とオジサンは思う。