2年前に医療DX(デジタル・トランスフォーメーション)「医療DX推進本部」が開催された。
そして今年の6月には「デジタル行財政改革会議」も開催されている。
なぜか「DX」がお好きな岸田文雄なのだが日本のお粗末なDXの実態を元グーグル日本法人代表取締役社長の辻野晃一郎が詳細に解説していた。
「日本は今や『デジタル後進国』に。かつて先頭集団にいた我が国はなぜDXで出遅れてしまったのか?」
■DXとは何か:その1「意識改革の重要性」 「DXとは何か」などとあらためて問い掛けるのも今更感がありますが、ひと頃から、「DX」「デジタルトランスフォーメーション」という言葉が世の中に溢れるようになりました。しかしながら、その本質も正しく理解されないまま、世の中は既に次のステージである「AIX」「AIトランスフォーメーション」の時代に移行している、というのが私の解釈です。 デジタルやAIなどのテクノロジーの動向については、本メルマガでもこれまで何度も取り上げてきましたが、現代の技術革新の本質を正しく理解しておくことは、今を生き、未来に備える上でも非常に重要なことなので、これから何回かに分けて私の解釈をあらためて整理してお伝えすることにしたいと思います。 世の中のデジタルシフトは、もちろん昨日今日始まったわけではありません。古くは、私が在籍したソニーなどが中心になって、1980年代初頭にオーディオの世界にコンパクトディスク(CD)を誕生させましたが、その辺りが本格的なデジタル時代の幕開けだったと言えるかと思います。ただ、この頃はまだ、従来アナログ処理されてきたものがデジタル処理に移行するという単純なデジタイゼーションのレベルでした。 それが本格的なデジタライゼーションやデジタルトランスフォーメーションという形で世の中を大きく変革し始めたのは、言うまでもなくやはりインターネットの登場がきっかけになっています。 もともと、米DARPA(国防高等研究計画局)が開発したARPANETが原型になったインターネットは、1980年代末に民間開放されてから瞬く間に世界の新しいインフラとして普及しました。もちろん、インターネットの進化にも複雑な歴史がありますが、WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)が登場し、Ajaxなどのウェブテクノロジーが飛躍的に進化していわゆるWeb2.0といわれる時代になってからは、検索エンジンやSNSなども登場して我々の生活にも仕事にもなくてはならない重要インフラになったと言えます。 我が国も、当初はこの世の中の大きな流れの先頭を走っていたのは間違いないのですが、どういうわけだか、いつの間にか徐々に遅れ始めて、今や「デジタル後進国」などとも呼ばれるようになり、その出遅れは決定的になっています。特に、オープンなネットワークインフラの整備が進んでいわゆるクラウドの時代を迎え、ビジネスモデルにしても営業スタイルにしても業務プロセスにしても、従来のやり方を根本から見直して刷新するという意味でのDXについては、未だに十分な理解や実行が進まず戸惑いすら残っている感があります。 クラウドコンピューティングの時代以前、大型コンピュータの時代やパーソナルコンピューティングの時代には、しっかり世界にキャッチアップし先頭集団にいた日本は何故DXで出遅れてしまったのでしょうか。 その理由は、DXの本質的な解釈を取り違えて、それまでのハードウェア中心の情報化やデジタル化と同一視していた部分が大きかったからではないかと思います。DXは、単なるハードウェアや技術の話ではなく、我々の考え方や行動パターンの変革を伴うものですが、そういう「意識改革」の側面が十分に理解されてこなかったのではないかと思います。 一つ二つ具体的な例を挙げると、たとえば国が推進するマイナカードが全くうまく行っていないことなどはその典型です。コロナの時に、感染状況を把握するために全国の保健所が未だに電話やファックスで情報収集していることが露呈しました。それもきっかけとなり、国もようやくデジタル後進国であることを自覚して最初にやったことが「デジタル庁の新設」でした。縦割り行政、箱物行政の延長線上にまた新たな縦割り省庁を一つ増やして、家賃の高いビルにオフィスを構えて何百人もの人を集め、トップにはデジタルをまるで理解していないのに知ったかぶりをして威張り散らすタイプの政治家を据えました。初代デジタル担当大臣の平井卓也氏にしても、二代目の河野太郎氏にしても、トップダウンの恫喝命令型、強行突破型という昭和型の人材です。 しかも、仕事の進め方は従来からのITゼネコン体質がそのままで、地方には、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)という新たな中抜き団体が新設され、NEC、富士通、東芝、日立といったいわゆる電電ファミリーの大企業から大勢出向しています。 行政のデジタル化は急務ですが、これでは最初からボタンの掛け違いもいいところです。そもそも行政のデジタル化とは何か、あるべき姿はどういうものか、現状からあるべき姿に近づけていくためにはどのような道筋をたどるのが効果的なのか、というようなことについての共通認識が構築されていません。 マイナンバーとマイナカードは別物ですが、マイナカードについては、何故か最初からプラスチック製のカードありきからスタートしていて、上記のトップダウン恫喝命令型の人たちの独善的かつ強行突破的な手法で「無理を通せば道理が引っ込む」という最悪のやり方がまったく見直されることなく続いています。利便性も安全性もわからないものをポイント等の奨励金を出して強引に普及させようという手段は単なる税金の無駄遣いです。 別の例を挙げると、日本人の美徳でもある「忍耐強さ」や「もったいない精神」がDXの阻害要因になっています。労働集約的な作業や長時間労働を厭わず、その背景には「もったいない精神」が影響している場合もあります。減価償却が終わったような古い仕組みやシステムでも、使える限りは大切にして使い続ける、という姿勢が、結果的に労働集約的な作業や長時間労働をもたらしていても、そのやり方を続けて何とかこなしているうちにいつしか現状変更を嫌う体質が出来上がってしまっている、というようなことです。 しかし、DXは、ルーチン化しているような労働集約的な作業を見つけたらそれはコンピュータに任せて「如何に自分が楽をするか」という視点がなければ進みません。 さらに言えば、日本は、敗戦というどん底から、before internet時代に高度成長期を経て米国に次ぐ世界第2位の経済大国に登り詰めるという大きな成功体験を誇る国です。その自信が過信になると同時に、当時創り上げた金融から交通に至るまでの優れた社会インフラ(現金決済のための銀行支店網やATM網、公共交通機関の整備、etc.)が完備していて、特段after internet時代の変化に合わせなくても不自由を感じなかった、という背景もDXの阻害要因になってきたと言えます。結果的に、ゆでガエル状態で衰退が進み、逆にbefore internet時代に遅れていた中国や東南アジアなどがafter internetのデジタル時代にリープフロッグして一気に抜かれてしまった、ということです。 マイナカードを事例として説明しましたが、トップダウン恫喝命令型のスタイルは、フラットな全員参加型のデジタル時代にはなじみません。たとえば、3.11の時にグーグルが矢継ぎ早にローンチした「パーソンファインダー(安否確認用ツール)」などの災害救済用ツールは、グーグルの危機管理本部などがトップダウンで命令して作らせたものではありません。当時グーグル日本法人に在籍していたウェブマスターの1人が、周囲に呼び掛けるところから世界中のグーグラーに協力の輪が広がって、グーグル内の草の根活動の成果で次々に開発されたものです。グーグルのトップマネジメントはその動きを止めたりせずに積極支援しました。また、オードリー・タンが台湾でやったようなスタイルも、裏方的に縦割り省庁の弊害や政府と国民の間の距離を、民間のシビックハッカーなどの協力も得ながらデジタルを使って解消するといった草の根的なやり方でした。日本のデジタル庁のやり方とはまったく違います。 デジタル時代の問題解決手法としては、最初から完全解を求めるのではなく、アジャイル型というか、まずは出来るところから小さく始めて、走りながら少しずつカバー範囲を広げ中身を改善していく、というスタイルが良いと思います。往々にして日本人は完璧主義の傾向が強く、最初から完全解を求める意識が強いので、それもDXの阻害要因になります。最初は30%でも、それを走りながら結果を見つつ軌道修正して、徐々に50%にし、70%にし、100%に近づけていく、というやり方が好ましいと思います。 そしてそのためには、従来のITゼネコン体質から脱却して、何でも当事者として自分たちでやる、という「ハンズオン体質」が求められます。日本の大企業では、偉くなるにつれてハンズオフになっていきます。コピーや電話やスケジュール管理もすべて秘書任せで自分では身の回りのことすら何も出来ない、という昭和型のトップも未だに少なくないと思いますが、それではDXは決してうまくいきません。 そしてこれも重要なことですが、デジタルとオープンは表裏一体です。オープンがデジタルを進化させ、デジタルはオープンを容易にするという関係にあります。特にクラウドの時代になってからはそうです。そしてオープンは信頼という面でも重要な概念です。しかし、従来の日本の体質は隠蔽体質といえます。特に昨今の政治の世界では、オープンガバメントどころか、どんどん隠蔽体質が強まっています。政府も検察も裁判所も、都合の悪いことはとにかく隠す(公文書改竄、廃棄、のり弁、捏造、etc.)という体質は、デジタルのネイチャーとは真逆で、DXの最大の阻害要因でもあると言えるでしょう。 以上、「DXとは何か」の第1回目では、「意識改革」の重要性について説明しました。DXを推進する上での障害が理解できれば、組織や社会でDXや、冒頭述べた次のステージであるAIXをうまく推進することも容易になるのではないかと思います。次号以降もしばらくDXやAIXの話を続けていきます。 |
残念ながら岸田文雄の「DX]は「菜っ葉に肥やし」と俗に言われる「掛け声だけでは身にならぬ」ということであろう。
それならばお得意の「外交の岸田」を演じればいいのだが、その実態は「外交音痴」だったのかもしれない。
「外交敗北…!岸田総理は訪米後、バイデン大統領から思いっきりはしごを外されていた」
訪米によって「強固な日米関係」を世界にアピールしたつもりの岸田総理。しかしアメリカと中国は急接近をはじめ、日本の対中強硬路線に怒った習近平は前代未聞の対日政策を繰り出そうとしている。 ■帰国後顔色がずっと悪い 4月28日の補選で3つの惨敗を喫した岸田政権だが、実はもうひとつの大敗を喫していた。「外交敗戦」である。 4月8日から14日まで、国賓待遇で訪米した岸田総理。自身が「この3年間の政治活動のなかでも最大のハイライト」と位置づける力の入れようで、ホワイトハウスで行われた晩餐会でのジョークと自虐を盛り込んだスピーチを中心に、日本のメディアも「外交の岸田、ここにあり」と好意的に取り上げた。総理もお得意の英語でアメリカ高官たちを笑わせることができ、米国滞在中はずっとご満悦だったという。 ところが、帰国後の岸田総理の顔色は思わしくなく、「なんのための訪米だったのか……」と苦虫を噛みつぶしたような様子だったという。外務省の関係者が明かす。 「実は、総理は『バイデン大統領にはしごを外された』と落胆しているのです。せっかく自分が中国に向かって上げられるだけ拳を振り上げたのに、バイデン政権は岸田総理の帰国後、総理をあざ笑うかのように中国に急接近を始めたからです」 一体どういうことか。 日本のメディアでは晩餐会の様子ばかりが報じられたが、今回の岸田訪米で国際的に注目を集めたのは、4月10日、ホワイトハウスでの日米首脳会談の終了後に発表された「日米首脳共同声明」だ。 この首脳会談は、日米同盟の深化を強調すると同時に「共通の仮想敵国」である中国への対抗をこれまで以上に鮮明にしたものとなった。共同会見で、岸田総理はこう力説した。 「力、または威圧による一方的な現状変更の試みは、世界のいかなる場所でも断じて許容できない。そのような観点からも、中国をめぐる諸課題への対応にあたり、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致しました」 もうひとつ注目されたのが、翌11日に行われた岸田総理のアメリカ連邦議会での演説だ。安倍元総理が'15年4月に行って以来9年ぶりとなる日本の総理の演説だったが、そのなかでも総理は力強く「反中」を宣言、民主党・共和党両党の議員から拍手が送られた。日本では経験したことのない万雷の拍手に包み込まれ、岸田総理は天にも昇る心地だったという。 この岸田総理の挑発的な宣言に、中国は猛反発した。まだ岸田総理がアメリカ滞在中だというのに、翌12日に中国外交部の劉勁松・アジア局長が北京の日本大使館の横地晃・首席公使を呼び出して、厳正な申し入れ、深刻な懸念、強烈な不満を表明したのだ。 「さらに同日の中国外交部の定例会見でも、毛寧報道官が日本を名指しして吠えました。『アメリカと日本は仲間を引っ張り込んでミニグループを作り、集団的な対抗を策動している。それこそが地域の平和と安定を脅かしている』と、激しい口調で非難したのです」(前出・外務省関係者) ■秘密の夕食会の内側 しかし、この反応は岸田総理の想定内だった。先の共同声明では「日米の防衛関係をかつてないレベルに引き上げる」と謳い、「陸・海・空の自衛隊を統合した作戦司令部を発足させること」「日本にトマホークミサイルを配備すること」などを宣言している。ここまで踏み込めば、中国の反発を招くのは当然だ。 それをわかってなお、岸田総理が日米の結束をアピールし、これまで以上に踏み込んだ「対中防衛強化」を宣言したのはなぜか。 「実はその答えが9日の夜に行われた、バイデン夫妻と岸田夫妻との非公式夕食会にあるのです」 日本の政府高官の一人が明かす。 (続く) 「習近平とバイデンが結託…!?完全にはしごを外された岸田総理の「超外交敗北」の舞台裏」
円満な雰囲気で進んだディナーが終わる頃、大統領が突然『今夜のデザートはトマホークミサイルだ!』と告げました。その直前に地中海東部に展開する米海軍の駆逐艦から、シリアに向けて59発のトマホークミサイルが発射された報告を受けて、快哉を叫んだのです。まるで、当時シリア紛争を巡って立場を異にしていた中国を威嚇するかのように、です」 「杉田水脈を比例名簿で厚遇し『適材適所』としてきた自民党。支持者の頭はどうなっているのか【適菜収】」
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