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[最近の韓国語の新語・流行語③]<チョポク>や<チュポク>より恐い、という<ブラック民願人>とは?

2012-01-29 23:48:53 | 韓国語あれこれ
 新聞を読むと、韓国語の知識だけでなく、韓国の世相・社会の一端もうかがい知ることができ、一挙両得というものです。

 今回目にとまった見出しの1つが1月21日付「朝鮮日報」のコレ。
 「조폭・주폭(酒暴•술먹고 행패)보다 무섭다・・・官街 울리는 '블랙민원인'」

 直訳すると、「組暴・酒暴より恐い・・・官庁街を泣かせる'ブラック民願人'」となります。
 組暴(조폭.チョポク) ②酒暴(주폭.チュポク) ③民願(민원.ミヌォン)について順次見ていきます。

組暴(조폭.チョポク)
 この言葉は本ブログでも過去何度か出てきました。「조직폭력배(組織暴力輩)」の略語です。ヤクザ」「暴力団(員)のこと。ふつうによく用いられる言葉ですが、電子辞書にはまだ載っていません。

 組暴といえば、弘大前の<組暴トッポッキ>というトッポッキの店が有名。コネストの記事によると、社長が常に仏頂面で、屋台時代お客さんから暴力団の人ではないかとよく誤解をされたためだとか。
 ナヌナヌ、清涼里には<組暴プルゴギ>が人気の焼肉店があるんだって!?

酒暴(주폭.チュポク)
 これは字面だけでほぼわかりますね。見出しの(  )中の「술먹고 행패」は「酒を飲んで행패(行悖=乱暴)」。つまり「주취폭력(酒酔暴力)」の略語です。
 この言葉は昨年(2011年)の新語で、その出所もはっきりしています。それは忠清北道地方警察庁。
 昨年8月27日付「朝鮮日報」に、「ヤクザ(조폭)の妻なら生きていけても酒暴(주폭)の妻は生きていけない」という記事があります。(→自動翻訳)
 この記事によると、忠清北道の農村の暴言やセクハラを繰り返していた酒乱の男や、清州で市場等を徘徊しては商人たちに迷惑を及ぼしていた酒乱女等の例をあげ、以前は黙認していた酔っ払いの迷惑行為や暴力に対して、忠清北道警察庁が「酒暴」という言葉を作り、「주폭척결(酒暴剔抉)」をスローガンに取締りに乗り出したのがこの新語の由来です。「組暴」から思いついた言葉かな?
 その後2011年初め、警察庁は忠清北道庁の事例を挙げ、全国に「酒暴」一掃を指示しました。下の動画はそのキャンペーン用に忠清北道警察庁が作ったものです。


   【「주폭」で動画検索すると、他にもありますよ。】

民願(민원.ミヌォン)
 この言葉は電子辞書にもあり、とくに新語ということではないようです。意味は「国民の望みや請願」。用例を見ると、請願というより苦情といった方がいいようなものもあり、日本語にはピッタリの訳語がないようです。さらに、「民願」を行う人を「민원인(民願人)」、その申請内容を「민원사항(民願事項)」、それを処理する行政機関の業務を「민원사무(民願事務)」といいます。
 さて、ここで冒頭の記事に戻って、「組暴・酒暴より恐い」という「ブラック民願人(블랙민원인)」。これは一体何かというと、企業に対し過度な被害補償を要求するblack consumer(クレーマー)と同様に、行政機関に対して無理な要求を繰り返したり、手続きや規定も無視したり、悪口どころか脅迫や暴行にも及ぶ「民願人」のことをいう言葉だそうです。
 こうした類の「民願人」への対応のために、公務員は膨大な時間と労力を費やしている、というのがこの記事の趣旨。

 しかし、ここにあげられている事例をみると、20年前軍服務中に頭を怪我した後遺症でてんかんを患うようになったというキムさんといい、鉄道建設工事で自分の不動産会社が損失を被ったというペさんといい、それぞれ事情がありそうにも思えるのですが・・・。
 この記事も、もしかして保守系代表紙「朝鮮日報」のカラーが出ているのでしょうかねー。
コメント (2)
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