2つ前の記事で侮蔑語について書きましたが、今度は敬語です。
たまたま「中央日報」(日本版)を見ていたら、例の飛行機内での”ラーメン騒動”に関するコラムが目にとまりました。
「例のラーメン騒動」とは、4月15日ロサンゼルス行きの韓国系航空会社の機内で、ビジネスクラスに乗っていたポスコの役員A氏が機内食への不満を提起し、要求したラーメンを持っていくと「生煮えだ」「塩辛い」と抗議して「もう一度作ってこい」等々と騒ぎ立てて雑誌で乗務員の顔を殴ったりしたため、結局は韓国に戻されたという事件です。詳しくは→コチラ参照。あ、多少<嫌韓>気味ですが→コチラの方がおもしろい関係情報も載っています。
さて、標記のコラムですが、副題そのままに<韓国社会の過熱した顧客優先主義も問題>というのがその主旨です。
そして、その「韓国社会の過熱した顧客優先、親切第一の雰囲気」を具体的に示しているのが<事物尊称>だと記しています。
<事物尊称>とは、日本語としては聞きなれない言葉です。前後を読んでみると、本来は人物に対して用いる尊敬語を、その人物の動作の対象等の事物に対して使ってしまうという誤用のことです。
このコラムでは、冒頭で次の3つの例をあげています。
[A]お飲み物がお出になりました。
[B]この箱にはパンが12個お入りになります。
[C]4000ウォンにおなりになります。
ここで元の韓国語はどうなっているか、ちょっと気になって見てみました。→コチラです。
そのコラムの元の見出しは「과공은 비례라(過恭は非礼だと・・・」)。「과공(過恭)」は「丁寧すぎること」と辞書に載っていました。
照らし合わせてみると、本文はほとんどそのまま訳されていますが、<事物尊称>の例が4つあげられている点が違っています。
①이 바지는 고객님께 크십니다.
②음료 2잔 나오셨습니다.
③이 상자엔 빵이 12개 들어가십니다”.
④4000원이십니다.
ヌルボなりに訳してみると、
①このズボンはお客様には大きくていらっしゃいます。
②飲み物2杯出て来られました。
③この箱にはパンが12個お入りになります。
④4000ウォンでいらっしゃいます。
・・・ということで、②~④は上の[A]~[C]とほとんど同じです。
ただ、日本語の場合、たとえば目上の人に着ている服の値段を問う時、「このお召し物、おいくらでらっしゃいました?」と聞く人も、それを自然に聞く人もいるような気もします。
そして①の場合。このように「大きくていらっしゃる」と訳したらたしかにヘンですが、「お客様には大きゅうございます」と言うと別に悪くはなさそうですね。
考えてみれば、前者はズボンに対する尊敬語ですが後者は丁寧語。韓国語の「~십니다」は尊敬の表現なので、「大きゅうございます」とは訳されないということなのでしょう。
しかし、この①の例文はそのあたりが理解しにくく、また訳しにくいということで日本版の記事では省いたのかな、ということを考えた次第です。
しかし、韓国語で「이 바지는 고객님께 크십니다」とか「4000원이십니다」とか言われても、とくに引っかかることもなく聞き流してしまいそうです。
日本の飲食店では、「お持ち帰りでお願いします」という客の言い方が気になったり、「カレーライスになります」という店員さんに「アナタ、妖術使い?」と言いたくなったりしている私ヌルボではありますが・・・。
このコラムの内容に戻って。冒頭の機内のラーメン騒動について「乗務員にラーメンを6回も持って来いという人間も問題だが、機内サービスの明白な限界にもかかわらず、無理な要求にずっと応じさせる航空会社の接客マニュアルも問題だ」と書いていますが、やっぱり「ラーメンを6回も持って来いという人間」の方がどうみても常識を外れてるなー・・・。
たまたま「中央日報」(日本版)を見ていたら、例の飛行機内での”ラーメン騒動”に関するコラムが目にとまりました。
「例のラーメン騒動」とは、4月15日ロサンゼルス行きの韓国系航空会社の機内で、ビジネスクラスに乗っていたポスコの役員A氏が機内食への不満を提起し、要求したラーメンを持っていくと「生煮えだ」「塩辛い」と抗議して「もう一度作ってこい」等々と騒ぎ立てて雑誌で乗務員の顔を殴ったりしたため、結局は韓国に戻されたという事件です。詳しくは→コチラ参照。あ、多少<嫌韓>気味ですが→コチラの方がおもしろい関係情報も載っています。
さて、標記のコラムですが、副題そのままに<韓国社会の過熱した顧客優先主義も問題>というのがその主旨です。
そして、その「韓国社会の過熱した顧客優先、親切第一の雰囲気」を具体的に示しているのが<事物尊称>だと記しています。
<事物尊称>とは、日本語としては聞きなれない言葉です。前後を読んでみると、本来は人物に対して用いる尊敬語を、その人物の動作の対象等の事物に対して使ってしまうという誤用のことです。
このコラムでは、冒頭で次の3つの例をあげています。
[A]お飲み物がお出になりました。
[B]この箱にはパンが12個お入りになります。
[C]4000ウォンにおなりになります。
ここで元の韓国語はどうなっているか、ちょっと気になって見てみました。→コチラです。
そのコラムの元の見出しは「과공은 비례라(過恭は非礼だと・・・」)。「과공(過恭)」は「丁寧すぎること」と辞書に載っていました。
照らし合わせてみると、本文はほとんどそのまま訳されていますが、<事物尊称>の例が4つあげられている点が違っています。
①이 바지는 고객님께 크십니다.
②음료 2잔 나오셨습니다.
③이 상자엔 빵이 12개 들어가십니다”.
④4000원이십니다.
ヌルボなりに訳してみると、
①このズボンはお客様には大きくていらっしゃいます。
②飲み物2杯出て来られました。
③この箱にはパンが12個お入りになります。
④4000ウォンでいらっしゃいます。
・・・ということで、②~④は上の[A]~[C]とほとんど同じです。
ただ、日本語の場合、たとえば目上の人に着ている服の値段を問う時、「このお召し物、おいくらでらっしゃいました?」と聞く人も、それを自然に聞く人もいるような気もします。
そして①の場合。このように「大きくていらっしゃる」と訳したらたしかにヘンですが、「お客様には大きゅうございます」と言うと別に悪くはなさそうですね。
考えてみれば、前者はズボンに対する尊敬語ですが後者は丁寧語。韓国語の「~십니다」は尊敬の表現なので、「大きゅうございます」とは訳されないということなのでしょう。
しかし、この①の例文はそのあたりが理解しにくく、また訳しにくいということで日本版の記事では省いたのかな、ということを考えた次第です。
しかし、韓国語で「이 바지는 고객님께 크십니다」とか「4000원이십니다」とか言われても、とくに引っかかることもなく聞き流してしまいそうです。
日本の飲食店では、「お持ち帰りでお願いします」という客の言い方が気になったり、「カレーライスになります」という店員さんに「アナタ、妖術使い?」と言いたくなったりしている私ヌルボではありますが・・・。
このコラムの内容に戻って。冒頭の機内のラーメン騒動について「乗務員にラーメンを6回も持って来いという人間も問題だが、機内サービスの明白な限界にもかかわらず、無理な要求にずっと応じさせる航空会社の接客マニュアルも問題だ」と書いていますが、やっぱり「ラーメンを6回も持って来いという人間」の方がどうみても常識を外れてるなー・・・。