ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月5日(金)~2月7日(日)]

2016-02-09 23:47:36 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 「キネマ旬報」の、2月下旬決算特別号だけは買うという人は多いと思います。実は私ヌルボもその1人。もちろん昨年のベスト・テンが載っているし、今年の劇場公開予定作品ラインナップもあります。今年の号は「ベスト・テン歴代受賞者リスト 1924~2015」という表があって、これだけでも過去数十年に観たいろんな映画が懐かしくの思い出されます。
 その「キネ旬」のベスト・テンは→コチラ参照。
 私ヌルボが個人的なベスト10(→コチラ)で1位にした「ボーダレス ぼくの船の国境線」をベスト・テンに入れた人は2人だけで順位は100位。30位くらいには入るかと思っていたんですけどねー。
 韓国映画については「私の少女」(24点)の41位が最高。「海にかかる霧」(12点)が74位。「国際市場で逢いましょう」(7点・100位)、「ベテラン」(5点・116位)といった韓国内での大ヒット作はさらに下で、昨年に続き寂しいかぎりです。ただ、塩田時敏さんだけは「相変わらず韓国映画が好調。なかでも止めをさすのが・・・」と前置きして「海にかかる霧」をなんと1位にしていたのが異彩を放っています。
 個別の選評を見ると、ジャーナリストの佐藤友紀さんが「自分でも笑ってしまった1位!」と書きつつ「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を挙げているのはキモチがよくわかります。敬愛する佐藤忠男先生は別格として、今回一番共感を覚えたのは川本三郎さんが外国映画の1位に「顔のないヒトラーたち」を挙げ、次のように記していること。「善良な小市民が同時に残酷な迫害者になる。「ありふれたファシズム」の怖さは他人事ではない。」

 次に2016の今年の外国映画の上映予定作のリストから韓国映画をピックアップすると以下の通りです。青色は邦題・茶色は原題です。
 「弁護人」=年内 ・ 「更年期的な彼女(我的早更女友)[クァク・ジェヨン監督による中国映画]=春 ・ 「探偵なふたり(探偵:ザ・ビギニング)=2月20日 ・ 「花、香る歌!(桃李花歌)=4月23日 ・ 「キム・ソンダル」(仮)=6月 ・ 「ヒマラヤ」(仮)=7月 ・ 「インサイダーズ/内部者たち!(内部者たち)=4月23日 ・ 「背徳の王宮(奸臣)=3月19日 ・ 「延坪海戦」(仮)=年内 ・ 「西部戦線」(仮)=年内

 韓国映画以外の外国映画の中に、<東京アニメアワードフェスティバル2015>でグランプリを受賞したアイルランドのアニメ「ソング・オブ・ザ・シー海のうた」が夏公開とあったのはちょっとうれしかったです。

 近々上映される韓国映画「コインロッカーの女」(2/16~)は、<ぴあ映画生活>等で検索しても上映館がわからないかも。ヒューマントラストシネマ渋谷の<未体験ゾーンの映画たち 2016>(→コチラ)の中にあります。上映日時は要注意です。
 他の外国映画では「キャロル」(2/11~)と「ディーパンの闘い」(2/12~)は観なければ。「火の山のマリア」(2/12~)は横浜のシネマ・ジャック&ベティでそのうちやるだろうな。あ、それより前に2月20日から「無頼漢 渇いた罪」「殺されたミンジュ」「禁じられた歌声」とをやるじゃん! その後は「ロブスター」「花、香る歌」「さざなみ」等々。バイクで10分圏内にこの映画館があってホントによかったわあ。(ただ、問題はヒマとカネ。トホホ。)

 <大阪アジアン映画祭>(3月4~13日)のプログラムが発表されました。詳細は→公式サイト参照。韓国映画はコンペティション部門のチャン・ムニル監督「豚のような女」、特別招待作品部門でチェ・ドンフン監督「暗殺」・イ・ジョンピル監督「花、香る歌」・チョン・ソンホ監督「いばらきの夏」。在日韓国人チョン・ソンホ監督「いばらきの夏」については→コチラ参照。
 4~5月大阪→東京→名古屋で順次開催される<花開くコリア・アニメーション2016>も公式サイト(→コチラ)に諸情報あり。個人的にうれしいのは一昨年末ソウルで惜しくも観られなかった長編アニメ「そばの花、運のいい日、そして春春」が上映されることです。

「朝鮮日報」2月5日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「キャロル」
   メロ映画の手本になる ★★★★☆


 「黒衣の刺客」

   武侠は皆同じ、ではない ★★★★


 「検事外伝」

   ドンウォンで笑うだけ ★★★

 「アルビン/歌うシマリス3兄弟:悪ガキ アドベンチャー」

   かわいければいいって? ★★☆


 「悪いやつは死ぬ」

   韓中合作映画の悪い例 ★★


 「悪いやつは死ぬ」は韓中合作のアクション・コメディ。済州島を訪れた4人の友人たちが交通事故の現場で偶然、気を失っている女性を発見。彼女を助けようとした善意はなぜか銃撃戦に・・・。その後も背信と拉致、誤認と混沌とした展開に・・・。他の4作品についてはいずれも下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(2月9日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①内部者たち:ジ・オリジナル(韓国)  9.1(879)
②時をかける少女<2006年>(日本)  9.0(1193)
③悪い国(韓国)  9.0(154)
④ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ  9.0(48)
⑤Love letter(日本)  8.8(774)
⑥エターナル・サンシャイン  8.8(529)
⑦トーク・トゥ・ハー  8.8(56)
⑧アーロと少年  8.4(173)
⑨キャロル  8.4(81)
⑩内部者たち(韓国)  8.4(2753)

 ⑨「キャロル」だけが新登場です。日本でも2月11日公開。あら、<ぴあ映画生活>にはもう50人近くがレビューを投稿しているゾ。同サイトの特集記事「世界中の賞レースを席巻中 60年以上封印されてきた愛の名作『キャロル』が解禁!」という記事をぜひ参照されたし。(→コチラ。) (「60年以上封印」云々は、原作者パトリシア・ハイスミスと同性愛をめぐってのことです。) 韓国題は「캐롤」。

     【専門家による順位】

①キャロル  9.0(11)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③黒衣の刺客  8.1(6)
④暗殺の森  8.0(2)
⑤ボーダーライン  7.8(6)
⑥時をかける少女<2006年>(日本)  7.8(5)
⑦ザ・ロブスター  7.6(6)
⑧アスファルト  7.5(4)
⑨リトルプリンス 星の王子さまと私  7.3(3)
⑨女たちの影  7.3(3)

 ①と③が新登場です。
 ①「キャロル」については上述しました。
 ③「黒衣の刺客」(仮)は、日本では昨年公開されています。韓国題は「자객 섭은낭」と、原題「刺客聶隱娘」をそのまま音訳。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月5日(金)~2月7日(日)] ★★★
         ファン・ジョンミンとカン・ドンウォン共演の「検事外伝」がスクリーンを席巻

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(17)・・検事外伝(韓国) ・・・・・・・・2/03 ・・・・・・・・・・2,317,886・・・・・・・・3,323,038・・・・・・・・・26,381・・・・・・・1,701
2(1)・・カンフーパンダ3 ・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・550,275・・・・・・・・2,475,155・・・・・・・・・19,547 ・・・・・・・・954
3(24)・・アルビン/歌うシマリス3兄弟・・2/04・・・・・・・70,390 ・・・・・・・・・・81,811 ・・・・・・・・・・・595・・・・・・・・・379
       :悪ガキ アドベンチャー
4(16)・・キャロル ・・・・・・・・・・・・・・・2/04 ・・・・・・・・・・・・48,877 ・・・・・・・・・・66,357 ・・・・・・・・・・・558・・・・・・・・・220
5(新)・・最強戦士 ミニ特攻隊・・・2/04 ・・・・・・・・・・・・32,317 ・・・・・・・・・・37,560 ・・・・・・・・・・・282・・・・・・・・・347
       :英雄の誕生(韓国)
6(2)・・ロボット、ソリ(韓国)・・・・・・・1/27 ・・・・・・・・・・・・28,433・・・・・・・・・・377,756 ・・・・・・・・・・2,759 ・・・・・・・・295
7(3)・・兄への想い(韓国) ・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・・24,590・・・・・・・・・・983,320 ・・・・・・・・・・7,402 ・・・・・・・・335
8(4)・・レヴェナント 蘇えりし者 ・・1/14・・・・・・・・・・・・・22,817・・・・・・・・1,946,586 ・・・・・・・・・15,610 ・・・・・・・・234
8(5)・・マネー・ショート ・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・・16,748 ・・・・・・・・・399,673 ・・・・・・・・・・3,227 ・・・・・・・・113
       華麗なる大逆転
10(6)・・ヒマラヤ(韓国)・・・・・・・・・12/16 ・・・・・・・・・・・・・5,372 ・・・・・・・・7,740,044 ・・・・・・・・・60,021・・・・・・・・・111
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今年の韓国は2月7日~10日がソルラル(旧正月)で(10日は振り替え休日)、6日(土)から5連休。その序盤の映画ファンの出足を見ると、これはなんと極端な数字か!? ベスト10初登場の「検事外伝」、カン・ドンウォンとファン・ジョンミンという人気俳優2人の共演とはいえ、もう300万人を突破しています。それ以外では、2位に落ちたとはいえ健闘している「カンフーパンダ3」を除いては上映館数の確保さえ大変な状態で、もろ影響を受けています。このあたりが日本とは違う韓国の上映方式の問題点です。
 今回の新登場は1・3・4・5位の4作品です。
 1位「検事外伝」は、韓国の犯罪コメディー。荒っぽい捜査で有名だった血の気の多い検事のビョン・ジェウク(ファン・ジョンミン)は、取調べ中の容疑者が変死体で発見された事件により殺人の嫌疑で逮捕され、懲役15年の刑を受けて収監されてしまいます。復讐の機をうかがいつつも刑務所での生活が5年を過ぎた頃、ジェウクは当時の事件を知るイケメン詐欺師チウォン(カン・ドンウォン)に偶然出会います。ジェウクは彼を刑務所の外で自分の指示通りに動く要員として使おうと、元検事の実力を発揮しチウォンを無罪放免にします。ところが自由を手にしたチウォンはジェウクから逃れようと虎視眈々と機会をねらっています・・・。原題は「검사외전」です。
 3位「アルビン/歌うシマリス3兄弟 悪ガキ アドベンチャー」(仮)は、アメリカのCGIアニメ(CGを使った3D)「アルビン/歌うシマリス3兄弟」シリーズの第4作。日本では劇場公開は第1作だけで2・3作はDVD販売のみでしたが、韓国では2007年以来劇場公開が続いています。今回は、歌手活動に区切りをつけた3兄弟が恋人のサマンサと一緒にに旅に出た主人のデイブを追っかけてデイブのプロポーズに待ったをかけようとマイアミに向かうというお話し。サマンサには、アルビンたち3兄弟を虐待して面白がるマイルズという悪ガキがいるというのがプロポーズ阻止の理由。ところが、飛行機に乗る時点から搭乗禁止はもちろん、航空会社のセキュリティ担当者に追われたりの大騒動。それでもマイアミにはなんとかたどりつくのかな? 韓国題は「앨빈과 슈퍼밴드: 악동 어드벤처」です。
 4位「キャロル」については上述の通りです。
 5位「最強戦士 ミニ特攻隊:英雄の誕生」は韓国製アニメ。ミニ特攻隊研究所のジェレミー博士は膨大な威力のエネルギーを持っている物質エリニウムを研究していますが、人間世界の支配までもくろむトカゲ軍団の隊長ゼウスは強力な武器を作るため研究所を襲撃してエリニウムを奪ってしまいます。このエリニウム奪還のため編成されたミニ特攻隊チームの精鋭たちははたして・・・という物語ですが、ストーリーも絵柄もなんか既視感が・・・。原題は「최강전사 미니특공대: 영웅의 탄생」です。※別に、ずいぶん洗練された感じのアニメをやってるなと思ったら「劇場版弱虫ペダル(겁쟁이 페달: 더 무비)」でした。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ユリシーズ・・・・・・・・・・・・・・・1975/12/28・・・・・・・・・・・・・・1,999・・・・・・・・・・・・・8,175・・・・・・・・・・・・・・16・・・・・・・・・・・2
2(2)・・ユース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・・・1,954 ・・・・・・・・・・・76,396 ・・・・・・・・・・・・593 ・・・・・・・・・22
3(3)・・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります・・1/21 ・・・・・・・・・1,684 ・・・・・・・・・・・29,535 ・・・・・・・・・・・・221 ・・・・・・・・・18
4(36)・・ドレスメイカー・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・・・・899・・・・・・・・・・・・・2,296・・・・・・・・・・・・・・18・・・・・・・・・・・7
5(4)・・海街diary(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・・・・・・・896・・・・・・・・・・・・93,092 ・・・・・・・・・・・・761 ・・・・・・・・・10

 1・4位の2作品が新登場です。
 1位「ユリシーズ」は、イタリアのマリオ・カメリーニ監督作品(1954年)の再上映。韓国題は韓国公開時(1975年)は「유리씨즈」でした。今の表記では「율리시스」となるようです。
 4位「ドレスメイカー」(仮)は、ケイト・ウィンスレット主演のオーストラリア映画。1940年代、ティリー(ケイト・ウィンスレット)は、オーストラリアの小さな町で暮らしていた10歳の時、男の子を殺したという疑いをかけられ、ヨーロッパに逃げてきたという過去がありました。その後彼女はパリで有名なファッションデザイナーのマドレーヌ・ヴィオネからトレーニングを受け、仕立て屋としての技術を身につけていきます。そんな彼女が母親の看病のため久しぶりに故郷に戻ってきます。華やかなドレスをプレゼントにして、彼女を警戒していた人たちの心を捉え、また母親の面倒をみてくれていたテディ(リアム・ヘムズワース)との新しい恋も始まります。しかし、しばしの平和な時の後、ティリーは過去の事件の背後に隠された秘密を探るとともに、町に戻った真の理由すなわち復讐を開始するのでした・・・。韓国題は「드레스메이커」。日本公開は未定のようです。

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