2つ前の記事の続きです。前の記事では、安倍能成がエッセイの中にある「だめを押すようにしつこく鳴くメコン蛙」というカエルがジムグリガエル、韓国語でメンコンイ(맹꽁이)というカエルの一種であることを書きました。
カエルのことは韓国語でケグリ(개구리)といいます。初級レベルで出てくる単語ですね。鳴き声のケグルケグル(개굴개굴)に由来する言葉ですが、鳴き声にはケゴルケゴル(개골개골)とかケグルルルルルル(개구르르르르르르)という表現もあるそうです。「아기는 개골개골 아빠는 개굴개굴(子供はケゴルケゴル お父さんはケグルケグル)」というタイトルの児童書があるところからみると、개굴개굴は「げろげろ」、개골개골は「けろけろ」といったニュアンスでしょうか?
そういえば「故郷の春」や「鳳仙花」の作曲者として知られる洪蘭坡(ホン・ナンパ.홍난파)が作曲した代表的な童謡に「ケグリ」がありますが、その歌い出しも「개굴 개굴 개구리」です。(→動画。ソウル市少年少女合唱団による本格的な合唱は→コチラ。)
一方、ケグリに対してメンコンイの方の鳴き声の場合はメンコンメンコン(맹꽁맹꽁)。なんでケグリと全然違うのかよくわかりません。
まあ外国人にしてみれば日本人の耳にはなぜマツムシやウマオイの鳴き声をチンチロリンとかスイッチョと聞こえるのかわからないでしょうが・・・。
・・・ということで今回の本論へ。
⑤「メンコンイ打令(맹꽁이타령)」という歌が2つあり、流行歌(新民謡)の方は70年以上親しまれている(かな?)
先の記事で紹介した「中央日報」(日本語版)の記事(→コチラ)の中で、「ヨルムキムチを漬けるときはあなたのことを思い出して」という歌詞で始まる「メンコンイ打令(タリョン)」という歌が紹介されています。記事では京畿民謡とありますが、正確には最初1938年に作られ、パク・タンマ(박단마)(1921~92)という女性歌手が歌った新民謡で、当時はタイトルも「アイゴナヨ、メンコンよ(아이고나 요 맹꽁아)」だったそうです。この歌は2014年「歌謡舞台」(KBS1)でチョン・スビンが歌ったり(→動画)や、なんだか楽しそうに公園で歌ってる(?)動画(→コチラ)等もあったりして、それなりに歌い継がれてきていることがうかがわれます。
YouTubeに、最初のパク・タンマの歌があったので貼っておきます。
現代の歌謡曲と比べると素朴な感じがする歌い方です。「맹이야(メンイや) 꽁이야(コンイや)」とかけ合いのように歌う部分で「メンイや」を高く、「コンイや」は低い声で歌っているのは「メンイ=雌、コンイ=雄」というのがふつうなのかもと思いましたが、それは考え過ぎでした。
歌詞は「中央日報」の記事によればおよそ次のような内容です。(1番のみ)
ヨルムキムチを漬けるときはあなたのことを思い出して / 憂いてばかりのこの心情を揺らすのか
畦のメンコンイよ、お前はどうして泣くのか / 憂いてばかりのこの心情を揺らすのか
メンよコンよ / お前まで鳴き/ やれやれメンコンよ、どうすればいい
열무김치 담글 때는 님 생각이 절로나서 / 걱정많은 이 심정을 흔들어주나
논두덕에 맹꽁이야 너는 왜 울어 / 아~음 걱정 많은 이 심정을 흔들어주나
맹이야 꽁이야 / 너마저 울어 / 아이고 데고 요,맹꽁이 어이나 하리
・・・というわけで、つまりは産卵期のメンコンイの鳴き声に心をかき乱される女性の歌です。
もうひとつのメンコンイ打令は、京畿道に伝わるフィモリ雑歌(휘모리잡가)という伝承歌謡というかなんというか・・・。まあ聴いてみればおよそわかる、ということで、これも動画を貼っておきます。別に男性3人が座ったまま歌っているものもあって、たぶんそちらが本来の形と思われますが、視覚的に美しい女性のステージの方にしました。
歌詞は画面隅にありますが、かなりむずかしい感じ。ソウルのいろんな所に住むメンコンイの暮らしぶり(?)をおもしろく描いている感じかな?
いずれにしても、このメンコンイというカエル、あの昔話(→コチラ参照)で有名な青ガエルには及ばないにしても、昔から韓国の人たちには親しまれてきた生き物のようです。
このシリーズ、2回だけで終わるつもりだったのですが、さらに全然性格の違うネタがまだ残っているので、もう1回続けることにします。
カエルのことは韓国語でケグリ(개구리)といいます。初級レベルで出てくる単語ですね。鳴き声のケグルケグル(개굴개굴)に由来する言葉ですが、鳴き声にはケゴルケゴル(개골개골)とかケグルルルルルル(개구르르르르르르)という表現もあるそうです。「아기는 개골개골 아빠는 개굴개굴(子供はケゴルケゴル お父さんはケグルケグル)」というタイトルの児童書があるところからみると、개굴개굴は「げろげろ」、개골개골は「けろけろ」といったニュアンスでしょうか?
そういえば「故郷の春」や「鳳仙花」の作曲者として知られる洪蘭坡(ホン・ナンパ.홍난파)が作曲した代表的な童謡に「ケグリ」がありますが、その歌い出しも「개굴 개굴 개구리」です。(→動画。ソウル市少年少女合唱団による本格的な合唱は→コチラ。)
一方、ケグリに対してメンコンイの方の鳴き声の場合はメンコンメンコン(맹꽁맹꽁)。なんでケグリと全然違うのかよくわかりません。
まあ外国人にしてみれば日本人の耳にはなぜマツムシやウマオイの鳴き声をチンチロリンとかスイッチョと聞こえるのかわからないでしょうが・・・。
・・・ということで今回の本論へ。
⑤「メンコンイ打令(맹꽁이타령)」という歌が2つあり、流行歌(新民謡)の方は70年以上親しまれている(かな?)
先の記事で紹介した「中央日報」(日本語版)の記事(→コチラ)の中で、「ヨルムキムチを漬けるときはあなたのことを思い出して」という歌詞で始まる「メンコンイ打令(タリョン)」という歌が紹介されています。記事では京畿民謡とありますが、正確には最初1938年に作られ、パク・タンマ(박단마)(1921~92)という女性歌手が歌った新民謡で、当時はタイトルも「アイゴナヨ、メンコンよ(아이고나 요 맹꽁아)」だったそうです。この歌は2014年「歌謡舞台」(KBS1)でチョン・スビンが歌ったり(→動画)や、なんだか楽しそうに公園で歌ってる(?)動画(→コチラ)等もあったりして、それなりに歌い継がれてきていることがうかがわれます。
YouTubeに、最初のパク・タンマの歌があったので貼っておきます。
現代の歌謡曲と比べると素朴な感じがする歌い方です。「맹이야(メンイや) 꽁이야(コンイや)」とかけ合いのように歌う部分で「メンイや」を高く、「コンイや」は低い声で歌っているのは「メンイ=雌、コンイ=雄」というのがふつうなのかもと思いましたが、それは考え過ぎでした。
歌詞は「中央日報」の記事によればおよそ次のような内容です。(1番のみ)
ヨルムキムチを漬けるときはあなたのことを思い出して / 憂いてばかりのこの心情を揺らすのか
畦のメンコンイよ、お前はどうして泣くのか / 憂いてばかりのこの心情を揺らすのか
メンよコンよ / お前まで鳴き/ やれやれメンコンよ、どうすればいい
열무김치 담글 때는 님 생각이 절로나서 / 걱정많은 이 심정을 흔들어주나
논두덕에 맹꽁이야 너는 왜 울어 / 아~음 걱정 많은 이 심정을 흔들어주나
맹이야 꽁이야 / 너마저 울어 / 아이고 데고 요,맹꽁이 어이나 하리
・・・というわけで、つまりは産卵期のメンコンイの鳴き声に心をかき乱される女性の歌です。
もうひとつのメンコンイ打令は、京畿道に伝わるフィモリ雑歌(휘모리잡가)という伝承歌謡というかなんというか・・・。まあ聴いてみればおよそわかる、ということで、これも動画を貼っておきます。別に男性3人が座ったまま歌っているものもあって、たぶんそちらが本来の形と思われますが、視覚的に美しい女性のステージの方にしました。
歌詞は画面隅にありますが、かなりむずかしい感じ。ソウルのいろんな所に住むメンコンイの暮らしぶり(?)をおもしろく描いている感じかな?
いずれにしても、このメンコンイというカエル、あの昔話(→コチラ参照)で有名な青ガエルには及ばないにしても、昔から韓国の人たちには親しまれてきた生き物のようです。
このシリーズ、2回だけで終わるつもりだったのですが、さらに全然性格の違うネタがまだ残っているので、もう1回続けることにします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます