ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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<チョウセントラの過去と現在> ③野毛山動物園のメイメイの「虎」独、麝香虎骨膏のこと等

2016-03-10 10:25:54 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 → <チョウセントラの過去と現在> ①はじめに =歴史・文化・民俗・絶滅危惧種等々=
 → <チョウセントラの過去と現在> ②トラを見にズーラシアに行った、のですが・・・

 1つ前に記事で、2月18日に初めてズーラシアに行ったものの、お目当てのアムールトラ(チョウセントラ)は2009年にオス・メス2頭があいついで死亡して今はいないことを知って肩すかしをくらったことを書きました。まあ元気のいいスマトラトラの双子姉妹は見られたのはよかったですが・・・。
 そこで気を取り直してさっそく翌日向かった先が野毛山動物園です。前に1度来て、記事にも書いた(→コチラ)のが2010年なので、なんと6年ぶり。私ヌルボが週3回は通っている横浜市立図書館から歩いてわずかに10分ほどなんですが、いや、ちょっと上り坂がしんどいような、そんなこんなで・・・。
 で、昼過ぎに行ってさっそくライオンとトラの獣舎に向かいました。
 インドライオンのラージャーの獣舎では10人以上の人がいて、何を見ているのかのぞくと、職員のお1人がエサをやり、別のお1人が檻の外に尾を引っ張り出してキレイに拭いたりしていました。後で→コチラの記事を見たら健康管理のため採血をしていたのですね。採血までは見ないで、当初の目的のアムールトラの獣舎へ。
     
 あら、6年前と同じで今日もゴロ寝? ボードを見ると「あそぶのが大好き」なはずなのに・・・。しかし続きを読むと「アムールトラの寿命は飼育下で15年」ですと。で、このメイメイは1996年生まれということは、え、今年で20歳になるんでないの! 人間でいえば80~90歳くらいのおばあさんなのか!? うーむ、そうでしたか、どうもすみません。・・・と見るうちに・・・。
     
 おもむろに立ち上がったメイメイ。私ヌルボを真正面からにらんだりして(上左。再度「すみません」)、次には外側のエリアにお出まし。(上右) 手前にはちょっと笹だか竹だかが植えられているのも「やはりトラに似つかわしいねー」と他の見物客が言ってました。
 なお、このメイメイの動画は→コチラの<野毛山動物園探検隊>の記事の中にあります。また→コチラは小さいですがメイメイの母親ヤンユェン(陽原)の写真。その時点の2007年8月には、メイメイの両親がズーラシアにいて、野毛山にはメイメイ(美美)とリリ(麗麗)の双子姉妹がいて、4頭健在だったのに2009年12月にはメイメイ1頭だけの「虎」独の身になってしまったのですね・・・。
 事務室でコピーしていただいた「ふぉーしーずーん」という印刷物のアムールトラの記事には、そのリリのありし日の写真が載っていました。
 その記事には、通常のエサの冷凍馬肉や鶏の頭ではなく、たまにはご馳走をと骨付き豚肉のかたまりをやった時のことが書かれていました。ところがリリは喜んでかぶりついてバリバリムシャムシャ・・・とはいかないで、肉を噛み切れずとまどい、結局はあきらめちゃったそうです。本来ならトラは両前足でしっかり肉を抑えて肉を引きちぎるのですが、動物園で生まれ育ってカットされた肉しか食べたことがなく、母親からもそんな食べ方を教わる機会がなかったからなのでしょう、と担当のOさんは記しています。しかたなく肉を切ってやるとリリはおいしそうに食べ始めたとのことです。

 さて、日本全国でアムールトラは何頭くらいいるのでしょうか?
 国際環境NGOの<FoE Japan>内に<アムールトラねっと>(→コチラ)という組織があります。そのサイトの「アムールトラのいる動物園」というページ(→コチラ)には、28の動物園がリストアップされています。しかし、ズーラシアも含めて10ヵ所もの動物園に「○○が死亡しました。ご冥福をお祈りします」と記されていたりしているので、これらの園にアムールトラがいるというわけでもありません。2009~11年にそんな多くのアムールトラが死亡した一方、広島の安佐動物園では2011年4頭の子トラが誕生しました。→コチラでその動画を見ることができます。今はずいぶん大きくなっていることでしょう。また京都市動物園にも今3頭のアムールトラがいるようです。(→コチラ。) その他、日本平動物園(→コチラ)等にも複数いるので、大雑把に言って全国で30頭近くいるのではないでしょうか。

 さて、上記のアムールトラねっとではアムールトラ保護のため5枚1組のパネルを作成・配布しています。下写真はその中の2枚で6年前に撮ったものですが今回は見当たりませんでした。
     
 森林伐採等の他、石油パイプラインの建設も減少の要因にあげられています。
 今回は、入口近くの掲示板に野生生物の取引を監視・調査しているTRAFFIC(トラフィック.→公式サイト)という国際的NGOの掲示物が貼られていました。内容はワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の説明です。
      
 トラは附属書Iすなわち「今すでに絶滅する危険性がある生き物」に分類されています。(左) ちなみにジャイアントパンダ、ゴリラ、オランウータン、シロナガスクジラ、タンチョウ、ウミガメも同じです。生きている動物だけでなく、毛皮や角等の他、薬や装飾品等の加工品も規制の対象とされています。(中) トラについては毛皮はもちろん、ヌルボが注目したのは右の画像。「麝香虎骨膏」という火防訳があるのですね。<百度百科>(→コチラ)によると鎮痛消炎・筋肉痛・関節痛等々に効能があるという貼り薬(軟膏もある?)で、成分中にたしかに虎骨とか豹骨が入っています。ただ、今ではこれらを含まない「麝香骨膏」がふつうに出回っているようです。(包装紙には虎の絵が描かれていますが。) なお、虎と軟膏といえば思い出すのがタイガーバームですが、この製品名は創業者の名前に由るので、トラの成分が含まれているわけではありません。
 トラの加工品規制関係の記事をいくつか見ていたら、2005年の中国のニュースを紹介した「中国政府、”虎” 資源の貿易解禁か」というちょっとヤバい記事がありました。(→コチラ。) 戦後の中国での虎狩りやトラ減少の状況について、あるいは「死んだ虎を使って生きた虎に役立てる」といった一部の意向について記されています。これは11年前の記事ですが、今はどうなのか気になるところです。

 チョウセントラの、「トラ」の方に重点を置いた記事が2回続きましたが、このシリーズの次回は「チョウセン」に立ち返って朝鮮での虎狩りのこと等を書く予定です。

 → 1月4日に天寿を全うして亡くなった野毛山動物園のアムールトラ(チョウセントラ)・メイメイ(20歳)

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