かつては山男のハシクレだった私ヌルボも、この20年というものは山から遠ざかっています。したがって、上のような山の雑誌の韓国特集も、ヌルボが韓国オタクということを知っている本屋さんがいて教えてくれなければ気づきもしなかったでしょう。
たまたまそんな本屋さんがいてラッキーでした。
この「岳人」という雑誌は以前から知ってはいましたが、2014年出版業務が中日新聞社からモンベル系列のネイチュアエンタープライズに引き継がれたことは知りませんでした。なるほど、裏表紙や記事等々にモンベル関係の広告や記事が載っています。 ※モンベルの店舗は日本に106あるそうですが、韓国には約140店あって、世界最多なのだそうです。
さて、目次を見てみると・・・。
韓国内で標高ベスト3の①漢拏山(ハルラサン)=1950m、②智異山(チリサン)=1915m、③雪岳山(ソラクサン)=1708mはもちろん紹介されています。ちなみに朝鮮半島最高峰は北朝鮮・中国国境の白頭山(ペクトゥサン)=2744m、また有名な北朝鮮の名山・金剛山(クムガンサン)=1638mです。
これらの高い山のほかに、ソウルの人々に親しまれている500~800m程度の山々もいろいろ紹介されています。
この韓国の山々の地図を見て私ヌルボが注目したのは、半島南部の智異山から韓国北西部の雪岳山を経て北朝鮮の金剛山まで薄茶色で太く白頭大幹が表示されていること。これはさらに白頭山まで続いているものです。この白頭大幹については、2014年に<民族主義の色濃い伝統的な地理観? <白頭大幹>をめぐって>と題した3回シリーズの記事を書きました(→コチラ)が、近代以前の朝鮮時代からある伝統的な地理観に基づく概念です。日本の統治期にはそれとは異なる近代的な地質・地理学による山脈体系が学校等でも教えらましたが、近年(90年代以降)民族主義の高まりとともに<白頭大幹>が脚光を浴びるようになってきたようです。で、私ヌルボ個人としては、学問的な観点からは使用は要注意の用語だと思います。
上はソウル近郊の山々が一目でわかる地図。一番高い北漢山(プッカンサン)も高さ837mです。韓国の人はホントに山が好きです。本書にも「人口の3分の1は登山好き」とか「韓国の人口は5000万人ほどですが、登山人口は2000万人と言われます」と記されています。土日の朝早く地下鉄に乗ると、1つの車両に必ずといっていいほど登山服姿の客を見かけます。日帰りハイキング程度でもけっこう本格的なイデタチです。
また本書にも書かれていますが、山でマッコリを飲む人が多いんですね。まあ山に限らず野遊会と言って眺めのいい屋外で飲むのが好きな人たちですが・・・。そういえば昨年連載した<S氏の慶熙大学校10週間留学記>中の記事(→コチラ)によるとS氏は韓国人の友人カンさんと道峰山に登ってますが、「山登りの際の必需品」というトマトとキュウリは山で食べて、酒は下山してからだったようです。
韓国の山は、やはり魅力的な岩山が特徴的です。北朝鮮・金剛山の萬物相(→画像検索結果)は有名ですが、韓国にもすごい岩壁や奇岩で知られる山々がたくさんあります。たとえば先の目次の画像の左側、岩峰が連なっているのは雪岳山の山容です。
そして上の画像は済州島東端の観光ポイント城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)。世界自然遺産の奇観で、巨大噴火口がある頂上まで歩いて約15分とのこと。ヌルボはまだ行ってません。
どうも長くなりそうな感じなので、このへんでとりあえずひと区切り。
→ 「岳人」2016年6月号の特集<韓国の山> ②日本と韓国の登山事情の違い等
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます