ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[中級学習者向]韓国語の勉強になる! 韓国人用の日本語旅行会話帳

2018-07-15 23:47:47 | 韓国語あれこれ

 上は、何年か前にソウル・金浦空港内の売店でたまたま見かけて買った韓国人用の観光用日本語会話ブック「여행 일본어(旅行日本語)」です。その上の「현지에서 바로바로 써먹는」は、「現地で即利用する」といった意味。2009年8月発行で、値段は7千ウォン。ラクにポケットに入れられる小型本です。

 なぜこれを買ったかというと、自然な韓国語がわかるかなと思ったからです。
 [韓国語]→[日本語]の文例がたくさん載っているわけですが、日本語が堪能な韓国人が書いたとしても、見てみると不自然な日本語が目につくのはこれまでよくあることでした。
 しかし、[韓国語]の部分は日本人が書いた韓国語会話の本よりも自然な韓国語になっているのでは?、と思ったからです。

 で、実際に見てみると、「案の定」でした。

 たとえば、不自然な日本語を拾ってみると・・・。

     
 [左]上はどういう状況? 下、わかるけど「どこで降りたら(れば)いいですか?」が自然。[右]「あと1駅(ひとえき)です」とは言っても、5駅とは言わないでしょう。
 なお、「停留所」の日本語の発音のハングル表記は「테-류-죠」となっています。このように、長母音の場合は「-」をつけて区別しています。

     
 [左]下は明らかな間違い。ちゃんとチェックしなかった? 上も「知って」→「うかがって」でしょう。[右]韓国語だと「이 방이(この部屋が)ですが、日本語だと「この部屋は」。初~中級くらいで学習するのでは?

     
[左]「回」も「会」も同じ「회(フェ)」だから間違えちゃった? 日本語もぎこちないなー。「行きませんか?」なんですけど。この「~래요?」については後述。[右]「申告書はここ(これ)です」は、韓国語ではこういうのか。
 ・・・というわけで、間違いには韓国語の直訳というものが多いようです。ということは、日本人の話す韓国語にも同様のミスがあるってことですね。

 次に、韓国語のモトの文を見て思ったのは、日本人向きの韓国語会話テキストと比べると文末の表現がいろいろあること。たとえば・・・

     
 このような「~ㄴ가요?」とか、

     
 このような「~나요?」といった文末表現はたしかに韓国のラジオを聴くとよく出てきます。日本の韓国語テキストは昔はほとんど「입니까?」「합니까?」ばかり。近年は「헤요?」「예요?/이에요?」もずいぶん増えましたが・・・。
 ちなみに、google翻訳では「料金はいくらですか?」は「요금은 얼마입니까?」、「朝食は何時ですか?」は「아침 식사는 몇시입니까?」、「改札口はどこですか?」は「개찰구는 어디에 있습니까?」と、おなじみのイムニダ・ハムニダ体で変換されます。

     
 「買いたいのですが。」なら「사고 싶은데요.」だろう、と思うのはgoogle翻訳も私ヌルボも同じなんですけど・・・。そうか、「려고요.」ねー。「~(し)ようと(思って)・・・」ということですが、先の「~ㄴ가요?」、「~나요?」同様、当たりの柔らかい感じがしますが、ずっと以前からそうなのか、「~같아요」のように(→コチラ参照)最近増えてきているのか、そこらへんはよくわかりません。(今度韓国サラムに訊いてみよう、と・・・。)

 韓国語学習者にとって役に立つのは、韓国語独自の言い方や単語がいろいろわかることです。その例を少しだけ例示します。

     
 [左]「神経使わないでください」。まあ直訳でも通じないでもないし、日本人もこう言うことはありますけどね。[右]「海に接した」というのか。これは知らなかったです。窓を開けたらすぐ下が海!という感じですね。

 
 [左]「날라」を「飛ばして」と思っちゃいそう。「飛ばして」だと「날려」となります。その辞書形はもちろん「날다」。この「날라」の辞書形は「나르다」で、「運ぶ・運送する」の意。[右]「리필」は韓国のファーストフード店等でよく見かける言葉ですが、韓国語学習者の皆さんの間でどれくらい知られているか見当がつきません。英語の「refill」(=補充)がモトの言葉です。

 いよいよラスト。ジツはこれが書きたかった!

 空港での会話。日本語では何というのですかねー? コンベア(?)の、第○レーンとか?
 しかし、「크레인」といったら「起重機」でしょ。英語だと「Baggage Claim」だそうで、それなら「클레임」のはず、と思ってハングル検索したら、やはりそちらの方が合ってます。と言っても、ヒット数が少ないのでさらにろいろ検索したところ、「짐 찾는 곳」(荷物を探す所)が公式の言い方なんですね。仁川空港の表示もそのように記されてます。
 実際に韓国の人たちがこの言葉をふつうに使っているかどうかはわかりませんが・・・。

 なるほど、ハングルサークルのN先生の、「韓国人が書いた韓国語でも必ずしも正しいとは言えない」という言葉通りでした。

 しかし、最初にずらっと並べた不自然な日本語も含めて、いろいろ勉強になる本でした。

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