ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[3月9日(金)~11日(日)]

2012-03-13 23:51:51 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 キネカ大森はたまに行く映画館の1つですが、<名画座2本立て>というのをやっていて、見落とした映画を安く観るには好都合です。今上映中の2本立てがキム・ギドク監督の春夏秋冬そして春「悲夢」。もちろん新作「アリラン」公開に合わせたプログラムでしょう。先週の記事で書いたように、私ヌルボ、最近その「アリラン」を観たのですが、キム・ギドク監督作品でこれまで観たのは「弓」だけ。思うに、歴史や社会関係の映画とは波長が合うものの、芸術性とか映像美が前面に出るような映画とは相性がよくないという自覚があって2004年の初公開時には観ずじまいだったのが「春夏秋冬そして春」。今回観てみて、やはり合わないなりにも、完成度の高い作品で、大鐘賞と青龍賞ダブル受賞したのもむべなるかなと納得しました。(こういうのを作っちゃうと、監督にとってみれば、自分自身を超えるのはたしかにむずかしいわなー・・・。) やはりあの美しい絵柄がいいですね。周王山国立公園の注山池に、わざわざ造った寺だそうで・・・。

    
     【池の中の寺。よく造ったものです。この狭い世界で物語が展開する。】
 
 バックに流れていた国楽の無形文化財歌手・金栄姙(キム・ヨンイム.김영임)が伸びのある声で歌う旌善(チョンソン)アリランは映画「アリラン」でも流されていました。探したらYOUTUBEにあったので、聴いてみてください。→コチラ。
http://www.youtube.com/watch?v=FDdkJCFWZC0&feature=related
それから、全然関係ないけど、老僧がマッチを擦る場面で目に入ったのが<アリラン・マッチ(아리랑성냥)>。韓国の人たちにとっては懐かしのマッチのようです。(日本でいえばパイプ印みたいな?)

         
   【アリラン・マッチについて書くとさらに映画から離れるので説明省略。】

         ★★★ Daumの人気順位(3月13日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①折れた矢(韓国)  9.6(2650)
②天使の息づかい(韓国)  9.5(21)
③オペラ座の怪人 25周年特別公演  9.4(98)
④猫おどり(韓国)  9.1(86)
⑤ミンク・コート(韓国)  8.9(30)
⑥アーティスト  8.9(196)
⑦ダンシング・クィーン(韓国)  8.9(1280)
⑧アメリ  8.9(105)
⑨スタンリーのお弁当箱  8.8(81)
⑩ビッグ・ミラクル  8.8(46)

 新登場は⑨だけ。学校が舞台のインド映画です。スタンリーは家庭の事情で学校に持っていくお弁当がなく、水を飲んでごまかしたり昼食時だけ校外で時間をつぶしたりしていたが、それを知った周りの友だちはみなで彼に弁当をシェアすることを提案したりします。ところが食いしん坊の先生(=グプテ監督)のせいで傷ついたスタンリーは学校に来なくなってしまう・・・。観た人が書いたブログには「よかったです!!!めちゃめちゃ感動しました!!」とありました。またコチラのブログで昼食の写真を見ると、美味しそう! 日本でも公開してほしいです。他のインド映画も・・・。韓国題は「스탠리의 도시락」。
 ②は先々週<多様性映画>のランクで紹介済み。

【専門家による順位】

①自転車に乗った少年  8.8(6)
②ニーチェの馬  8.5(2)
③戦火の馬  8.2(4)
④2本の線(韓国)  8.0(1)
⑤アーティスト  7.8(6)
⑤奇跡(日本)  7.8(6)
⑦ファミリー・ツリー  7.8(5)
⑧折れた矢(韓国)  7.7(7)
⑨犯罪との戦争:悪いやつらの全盛時代(韓国)  7.3(6)
⑩ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(2009)  7.3(3)

 今週も新登場はありません。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月9日(金)~11日(日)] ★★★

         宮部みゆき原作「火車」がトップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(18)・・火車(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/08 ・・・・・・・・・・・・・607,448 ・・・・・・・・・・・685,916・・・・・・・・・5,308・・・・・・・547
2(新)・・ジョン・カーター ・・・・・・・・・・・・・・・3/08 ・・・・・・・・・・・・・368,749 ・・・・・・・・・・・413,699・・・・・・・・・3,738・・・・・・・511
3(1)・・ラブフィクション(韓国)・・・・・・・・・・・2/29 ・・・・・・・・・・・・・252,083・・・・・・・・・・1,478,245・・・・・・・・11,362・・・・・・・434
4(2)・・Black&White ブラック&ホワイト・・2/29 ・・・・・・・・・・・・145,183 ・・・・・・・・・・・583,160・・・・・・・・・4,461・・・・・・・306
5(3)犯罪との戦争 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/02 ・・・・・・・・・・・・・・93,374・・・・・・・・・・4,570,449・・・・・・・・35,421・・・・・・・301
         悪いやつらの全盛時代(韓国)
6(29)・・スタンリーのお弁当箱・・・・・・・・・3/08 ・・・・・・・・・・・・・・24,892 ・・・・・・・・・・・・31,575・・・・・・・・・・・213・・・・・・・163
7(4)・・ハウリング(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・2/16・・・・・・・・・・・・・・・24,189・・・・・・・・・・1,583,549・・・・・・・・11,559・・・・・・・240
8(9)・・トール-ヴァルハラの伝説 ・・・・・・・2/09 ・・・・・・・・・・・・・・20,382 ・・・・・・・・・・・738,984・・・・・・・・・5,367・・・・・・・169
9(6)・・セーフ・ハウス ・・・・・・・・・・・・・・・・・2/29 ・・・・・・・・・・・・・・15,203 ・・・・・・・・・・・155,311・・・・・・・・・1,162・・・・・・・180
10(8)・・ダンシング・クィーン(韓国)・・・・・・1/18 ・・・・・・・・・・・・・・14,746・・・・・・・・・・4,000,786・・・・・・・・29,729・・・・・・・114
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 後発の「犯罪との戦争」には大分前に先を越されながらも、「ダンシング・クィーン」も400万人に到達しました。
 新登場は1・2・6位の3作品です。
 1位「火車」については、2月21日の記事で少し書きました。ネチズンの評価は8.1で、まず良好ってとこかな。まあ、この原作を超える映画やドラマはありえないでしょう。韓国題は「화차」です。
 2位「ジョン・カーター」は、「ターザン」の生みの親でもあるエドガー・ライス・バローズの古典的SF冒険小説「火星のプリンセス」が原作、なのにこのタイトルは何なの!? ジミー・カーター元大統領と関係があるのかと思う人もいるかも・・・って、いないか。原作本の知名度、けっこう高いと思うんだけどなー。韓国題の方は「존 카터:바숨 전쟁의 서막(ジョン・カーター:粉々戦争の序幕)」。日本では4月13日公開で、すでに予告編もupされています。ブキミな生き物がわんさか登場!→コチラ
 6位「スタンリーのお弁当箱」については上述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(3)・・スタンリーのお弁当箱・・・・・・・・・・・3/08 ・・・・・・・・・・・・・・24,892 ・・・・・・・・・・・・31,575・・・・・・・・・213・・・・・・・・・163
2(1)・・アーティスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/16・・・・・・・・・・・・・・・・9,190 ・・・・・・・・・・・105,392・・・・・・・・・809・・・・・・・・・・77
3(11)・・語る建築家(韓国) ・・・・・・・・・・・・・3/08 ・・・・・・・・・・・・・・・2,540 ・・・・・・・・・・・・・・4,049・・・・・・・・・・33 ・・・・・・・・・20
4(新)・・ロマンス・ジョー(韓国)・・・・・・・・・・3/08 ・・・・・・・・・・・・・・・・・707 ・・・・・・・・・・・・・・1,016 ・・・・・・・・・・7・・・・・・・・・・19
5(2)・・啐啄同時(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・3/01・・・・・・・・・・・・・・・・・376 ・・・・・・・・・・・・・・2,373・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・・10
                                      
 3・4位が新登場。
 3位「語る建築家」は、あの佳作「子猫をお願い」のチョン・ジェウン監督の久々の新作。この作品は昨年大腸癌で亡くなったチョン・ギヨンさんという建築家を撮ったドキュメンタリーで、昨年(2011年)の釜山国際映画祭で上映されました。彼は韓国建築文化の在り方を求めることに一生を捧げてきた建築家で、全国6都市に子供図書館を造るプロジェクト等を推進したり、ゴミを量産する現代建築の弊害を克服するために土を利用する建築方法にも苦心したとのこと。大腸癌のため大手術を受けながらも退院後にも仕事を続け、治療の副作用で声が出にくくなっても、マイクを用いて話す・・・。このタイトルはそれゆえなのでしょう。原題は「말하는 건축가」。
 4位「ロマンス・ジョー」は洋画かと思ったらこれも韓国映画。イ・クァングク監督は「よく知りもしないくせに」や「ハハハ」等のホン・サンス監督作品の助監督をやってきた人で、この作品もあらすじを読むかぎりでは同じような雰囲気が漂っているような感じです。300万の観客を動員してスター監督の座を占めた監督が、物語に窮して作業が滞る中、プロデューサーの計略でいなかの旅館にカンヅメにされてシナリオを書くはめになりますが、気晴らしに呼んだ喫茶店のレジから偶然に「ロマンス・ジョー」の奇妙な恋物語を聞くことになる、というのですが・・・。
原題は「로맨스 조」。

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