私ヌルボ、先週3泊4日でソウルに行ってきました。11月13~16日です。その3日目、15日(木)に2019年度修学能力試験が実施されました。試験当日にソウルにいるのは初めてのことです。たまたまホテル近くにある校洞(キョドン)初等学校も会場になっていたので朝ちょっと行ってみましたが、その件については(たいした話はないのですが)別記事にします。
さて、その試験問題は全科目とも→コチラの連合ニュースのサイトからダウンロードできます。
その<5교시(5校時)>が<제2외국어/한문(第2外国語/漢文)>で、その中に「日本語」があります。→コチラから直接そのPDFファイルを開くことができます。
本ブログでは、2009~15年の修能・日本語の問題についての記事を載せてきました。
16・17年がないのは、例年出題傾向がほぼ同じで、記事として新鮮味に欠けると思ったからです。しかし、日本のセンター試験の英語や、韓国語の問題のように面倒な長文読解や難解な文法問題がなく、日本の生活・文化・社会の理解にもつながる、総じて良質の問題だという見方は変わっていません。
で、今回もとくに大きな変化はありませんでした。「ほぼ同じ」と言えば、日本人にとっても正解がよくわからない問題が1つ2つあることもいつものことで、今回もそんな問題がありました。その2問をコピペしましたので、いかがなものか、考えてみてください。
「下線部分の表記が正しいものは?」という問題です。
①~③は、日本人のほとんどは難なくできますよね。
ところが私ヌルボ、④で「ん?」と止まってしまいました。もちろん、現在の送り仮名の付け方では「新しい」が正しいとされていることは承知していますが、かつては右の画像のように「新らしい」という表記もわりとふつうにあったし、今も時おり目にすることはあります。
ということで、ちょっと保留にしておいて、次の⑤をみると「いっしょうけんめい」。これは問題なく正しいだろうと思う人が多いでしょうが、一生懸命という言葉は本来的には一所懸命(いっしょけんめい)から生まれた言葉ということをご存知の方も相当数いらっしゃるとおもいます。一所懸命とは、中世の武士たちが将軍から賜ったり先祖代々伝えられている所領を命懸けで守ることに由来する言葉で、その<一所>が<一生>に転訛して<一生懸命>になったというわけです。
今は<一生懸命>の方を新聞やTV等で用いるようになり、一般社会でも大多数の人が使っています。また、ふつうの辞典では<一所懸命>と<一生懸命>のどちらも正しいとされていますが、かつては「一生懸命は一所懸命の誤用」と記されているものもあったとか・・・。(もしかして、今もあったりして・・・。←未確認。)
・・・と、「<新らしい>でいいじゃないか」とか「<一所懸命>が正しい」といった昭和前期までの日本語感覚をお持ちの方は正答の⑤ではなく、④を選んでしまいそうです。
なお、例年同種の問題が出題されています。つまり母音の長短とか、清音・濁音・半濁音の区別といった韓国人の苦手な発音に関係する問題です。とすると、①~⑤の中で④だけがそれらの発音とは関係ない選択肢なので不自然だなと思いましたが、考えてみれば発音の問題というよりも、正しい日本語表記の問題ということなんですね。
次の問題は、上掲のものよりもむずかしいかもしれません。
「文章表現が正しいものだけをそのまま選んだものは?」という問題です。
a.は、2014年11月の試験で同形式の問題があり、またその中によく似た選択肢がありました。
「日本に来たところなので、まだ日本語が下手です。」というもの。これも実に紛らわしいですね。答えをみると、これは誤りになっていました。
b.は、正しいとみてよさそうですね。
問題はc.。たぶん敬語を使うかどうか、というあたりを問うているのかな? しかし「鈴木さん」がどういう人かにもよるし、この一文を誰に対して言っているのかによっても違ってくるのでは?
私ヌルボ、全然自信ナシ。というより、わからず。正答を見ると、③になってました。ということは、c.は誤りということなのか、ふーん・・・。
最後に、2009~15年の修能・日本語についての過去記事のリンクを貼っておきます。
※年の後の×印は、日本人にとっての(大雑把な?)難易度。2010年の問題は今も正答がわかりません(笑)。
・2009年
・2010年 ×××
・2011年 ×
・2012年 ××
・2013年 ×
・2014年 ×
・2015年 ××
★おまけ。次の6.ような、日本語と関係ない、日本についての知識・教養を問う問題もありました。6.は「( )にあてはまるものを選べ」、7.は「文章の内容からわかることは?」という問題です。
さて、その試験問題は全科目とも→コチラの連合ニュースのサイトからダウンロードできます。
その<5교시(5校時)>が<제2외국어/한문(第2外国語/漢文)>で、その中に「日本語」があります。→コチラから直接そのPDFファイルを開くことができます。
本ブログでは、2009~15年の修能・日本語の問題についての記事を載せてきました。
16・17年がないのは、例年出題傾向がほぼ同じで、記事として新鮮味に欠けると思ったからです。しかし、日本のセンター試験の英語や、韓国語の問題のように面倒な長文読解や難解な文法問題がなく、日本の生活・文化・社会の理解にもつながる、総じて良質の問題だという見方は変わっていません。
で、今回もとくに大きな変化はありませんでした。「ほぼ同じ」と言えば、日本人にとっても正解がよくわからない問題が1つ2つあることもいつものことで、今回もそんな問題がありました。その2問をコピペしましたので、いかがなものか、考えてみてください。
「下線部分の表記が正しいものは?」という問題です。
①~③は、日本人のほとんどは難なくできますよね。
ということで、ちょっと保留にしておいて、次の⑤をみると「いっしょうけんめい」。これは問題なく正しいだろうと思う人が多いでしょうが、一生懸命という言葉は本来的には一所懸命(いっしょけんめい)から生まれた言葉ということをご存知の方も相当数いらっしゃるとおもいます。一所懸命とは、中世の武士たちが将軍から賜ったり先祖代々伝えられている所領を命懸けで守ることに由来する言葉で、その<一所>が<一生>に転訛して<一生懸命>になったというわけです。
今は<一生懸命>の方を新聞やTV等で用いるようになり、一般社会でも大多数の人が使っています。また、ふつうの辞典では<一所懸命>と<一生懸命>のどちらも正しいとされていますが、かつては「一生懸命は一所懸命の誤用」と記されているものもあったとか・・・。(もしかして、今もあったりして・・・。←未確認。)
・・・と、「<新らしい>でいいじゃないか」とか「<一所懸命>が正しい」といった昭和前期までの日本語感覚をお持ちの方は正答の⑤ではなく、④を選んでしまいそうです。
なお、例年同種の問題が出題されています。つまり母音の長短とか、清音・濁音・半濁音の区別といった韓国人の苦手な発音に関係する問題です。とすると、①~⑤の中で④だけがそれらの発音とは関係ない選択肢なので不自然だなと思いましたが、考えてみれば発音の問題というよりも、正しい日本語表記の問題ということなんですね。
次の問題は、上掲のものよりもむずかしいかもしれません。
「文章表現が正しいものだけをそのまま選んだものは?」という問題です。
a.は、2014年11月の試験で同形式の問題があり、またその中によく似た選択肢がありました。
「日本に来たところなので、まだ日本語が下手です。」というもの。これも実に紛らわしいですね。答えをみると、これは誤りになっていました。
b.は、正しいとみてよさそうですね。
問題はc.。たぶん敬語を使うかどうか、というあたりを問うているのかな? しかし「鈴木さん」がどういう人かにもよるし、この一文を誰に対して言っているのかによっても違ってくるのでは?
私ヌルボ、全然自信ナシ。というより、わからず。正答を見ると、③になってました。ということは、c.は誤りということなのか、ふーん・・・。
最後に、2009~15年の修能・日本語についての過去記事のリンクを貼っておきます。
※年の後の×印は、日本人にとっての(大雑把な?)難易度。2010年の問題は今も正答がわかりません(笑)。
・2009年
・2010年 ×××
・2011年 ×
・2012年 ××
・2013年 ×
・2014年 ×
・2015年 ××
★おまけ。次の6.ような、日本語と関係ない、日本についての知識・教養を問う問題もありました。6.は「( )にあてはまるものを選べ」、7.は「文章の内容からわかることは?」という問題です。
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