ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国内の映画] NAVER映画とシネ21の人気順位 と 週末の興行成績 [4月1日(金)~4月3日(日)]

2016-04-06 15:58:19 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
     

 4月1日韓国から帰国の日の午前中、空港鉄道のデジタルメディアシティから1キロ弱の韓国映像資料院に行ってきました。ここを訪れたのは2014年12月(→過去記事)以来2度目。今回の企画展は「<暗殺> 1930年代京城と呼吸する」というもの(上画像)で、当時を今どんな視点で見ているのか、具体的には圧政下の暗黒時代なのか、それとも・・・といった点に興味があったので会期終了の2日前に寄ってきたというわけです。一昨年の企画展「韓国映画100選」と比べるとずっとこぢんまりとした展示でしたが、収穫はありました。その分、常設展示のスペースが広くなり、展示内容もかなり変わったようです。具体的な内容等はいずれ記事にします。(とまた空手形?)

 ずっと続けてきたこの記事のタイトルが<韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績>から標記のように変わりました。理由は<Daum映画>の体裁がガラッと変わったから。これまではネチズンの人気ランキングから専門家のランキングに1クリックで行けて便利だったし、投票数も載っていたのに、新しいものは人気ランキングからして見当たりません。過去の作品のデータを探すのもよくわからないし・・・。やむなく一般的な評価は<NAVER映画>、専門家の評価は<シネ21>のデータを用いることにしました。<Daum映画>は気に入ってたのになー。Windows10も同様ですが、見映えだけはオシャレになったものの、使い勝手は相当に悪くなった感じ。入口くらいフツーの本の目次のように一目で目的のページに行けるようにしてほしいものです。あー腹立たシイノキ。

 大阪ではすでに始まっている<花コリ>こと<花開くコリア・アニメーション2016>(→公式サイト)。東京では4月23・24日に渋谷アップリンクで開催。しかし私ヌルボ両日ともダメ。5月28・29日に名古屋に行くしかないのか? うーむ・・・。
 渋谷といえばユーロスペースで上映中(~22日)の朝鮮学校関係のドキュメンタリー「蒼のシンフォニー」は観に行かなければ・・・。しかしずっと21:00~の回だけ?
 
「朝鮮日報」4月1日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「アノマリア」
  愛より苦しいのが孤独 ★★★★
 「心が叫びたがってるんだ。」
  言葉を抱き生きる者へ ★★★
 「大俳優」
  オ・ダルスだから撮れた ★★☆
 「ミスコンダクト」
  いろんな`‘ミス’が目立つ ★★
 「ブラインド 視線のエロス」
  心の目、ホントにこうか? ★★★☆
 「ハイ・ライズ」
  雪国列車を停めたなら ★★★
 「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング2」
  また前編を見るような ★★☆
 「カッター」
  何ひとつ同意できない ★★
 「アノマリサ」は先週の記事で紹介しました。「カッター」は、高校生たちが主人公の韓国の犯罪ドラマ。新しい環境にまだ慣れない転校生ユンジェ。親切にも声をかけてくれたのが明るい表情の少女ウニョンでしたが、彼女の視線は冷たい雰囲気を持った少年セジュンに向かっているような・・・。その セジュンもユンジェを助けてくれますが、ある日お金が必要だというユンジェに彼がもちかけたバイトというのが酒に酔った女性を狙うというヤバいもの。 罪悪感だけ捨ててしまえば楽勝の簡単にお金を稼ぐことができると考えて、その危険なバイトにハマるユンジェとセジュンでしたが、 ウニョンにその姿をばれてしまい、またすべてを隠すためにさらに衝撃的なことが・・・。他の6作品は下の記事中で紹介しています。

           ★★★ NAVERの人気順位(4月5日現在上映中映画) ★★★

①(1) 東柱[ドンジュ](韓国)  9.44
②(2) ズートピア  9.42
③(3) いま、会いにゆきます(日本)
④(新)ニュー・シネマ・パラダイス  9.30
⑤(新)チャイニーズ・ゴースト・ストーリー  9.26
⑥(5) Bleak Night(韓国)  9.21
⑦(4) 鬼郷(韓国)  9.21
⑧(6) アバウト・タイム~愛おしい時間について~  9.19
⑨(7) 男たちの挽歌  9.19
⑩(8) サニー 永遠の仲間たち  9.11

 説明不要でしょうが、順位の右の( )は前週の順位です。
 ①②⑦以外の7作品が旧作とは・・・。たまたま今だからなのか、<NAVER映画>だからなのか、まだよくわかりません。
 ③「いま、会いにゆきます」は、竹内結子と中村獅童が主演の・・・って2004年の作品だったのか。もうそんなに・・・。韓国題は「지금, 만나러 갑니다」です。
 ⑥「Bleak Night」は2010年の韓国映画で、原題は「파수꾼」。本ブログでは「番人」という仮題で紹介していましたが、日本ではこの英題のまま<アジアフォーカス福岡映画祭2011>で上映されました。詳しい内容は→コチラ。私ヌルボは残念ながら未見。今日(5日)から弘大近くのミニシアター・想像マダンでリバイバル上映をしているのですね。もう少し前なら観に行ったのに・・・。

           ★★★ シネ21 先週公開映画の平均得点順位(4月5日現在上映中映画) ★★★

①アノマリサ  7.50
②水色(スセク)駅(韓国)  7.00
③ハイ・ライズ  6.60
④ブラインド 視線のエロス  6.50
④心が叫びたがってるんだ。(日本)  6.50

 ②「水色(スセク)駅」のタイトルは、記事冒頭で書いた韓国映像資料院の最寄駅デジタルメディアシティ駅のすぐ隣にある京義・中央線の駅です。1990年後半、その駅のある水色洞は貧しい町でした。首都圏のゴミ埋立地である蘭芝島のすぐ近くで、毎日のように通るゴミ収集車から臭う悪臭でいっぱいで、貧しい人々だけが暮らしていました。しかし2002年ワールドカップを誘致することになり状況は一変。新しい競技場を建設しなければならなかった政府は安くて広い蘭芝周辺の土地に注目、水色洞に競技場が建設されることになります。そして再開発関連業者が出入りするようになり、そこに幼い頃から住んでいた仲のよい友人4人組の1人も再開発関連の会社で働くようになります。これを契機に、貧しくても平凡で仲のよかった友人間の友情にひびが入り始めます・・・。原題は「수색역」です。
 ③「ハイ・ライズ」は、J.G.バラード原作のSF。140階建て高層マンション(ハイライズ)が舞台で、下層階と上層階がそのまま住人たちの階級差に対応し、閉鎖的な社会を形成しています。その階級間の摩擦が激しくなって、ついには血みどろの抗争へと突入するという物語。上記の<10字評>にあるように、なるほど高層ビルを舞台にした「スノーピアサー(雪国列車)」です。なお、バラードの原作は1980年にハヤカワ文庫から「ハイ-ライズ」という書名で出ていますが、今アマゾンでは4,500~10,000円の高値がついてます。韓国題は「하이-라이즈」。日本公開は8月6日です。
 ④「ブラインド 視線のエロス」は、2014年のノルウェー映画。ノルウェーだけでなくベルリンやサンダンス等各国の映画祭で高い評価を得ました。失明して以来アパートの部屋に引きこもるようになった若い人妻が、自分の周りで起こる出来事をさまざまに思い描くさまを、現実と空想の境界を取り払ったスタイルで刺激的に描写した作品です。韓国題は「블라인드」。日本では劇場公開はなく、DVDが出ています。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績4月1日(金)~4月3日(日)] ★★★

         「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、連続1位だがもう伸びなやみ?
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・バットマン vs スーパーマン・・3/24・・・・・・・・・344,389・・・・・・・・1,990,109 ・・・・・・・・16,710 ・・・・・・・1,154
         ジャスティスの誕生
2(2)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・292,413・・・・・・・・3,599,022 ・・・・・・・・28,137 ・・・・・・・・697
3(48)・・大俳優(韓国)・・・・・・・・・・・3/30・・・・・・・・・・・・・78,346 ・・・・・・・・・128,699・・・・・・・・・・・956・・・・・・・・・473
4(42)・・ミスコンダクト・・・・・・・・・・・3/30 ・・・・・・・・・・・・71,128 ・・・・・・・・・112,419 ・・・・・・・・・・・863・・・・・・・・・468
5(3)・・グローリーデイ(韓国)・・・・・3/24 ・・・・・・・・・・・・87,527 ・・・・・・・・・112,139 ・・・・・・・・・・・897・・・・・・・・・493
6(49)・・ザ・フォレスト ・・・・・・・・・・・3/30 ・・・・・・・・・・・・30,031 ・・・・・・・・・・40,140 ・・・・・・・・・・・311・・・・・・・・・312
7(5)・・復活・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/17 ・・・・・・・・・・・・22,010・・・・・・・・・134,834・・・・・・・・・・・・951・・・・・・・・・112
8(13)・・心が叫びたがってるんだ。(日本)・・3/30・・・・・19,511・・・・・・・・・・32,635 ・・・・・・・・・・・264・・・・・・・・・122
9(新)・・マイ・ビッグ・ファット・ウェディング2・・3/30・・・17,552 ・・・・・・・・・・29,917 ・・・・・・・・・・・226・・・・・・・・・313
10(4)・・鬼郷(韓国)・・・・・・・・・・・・・・2/24 ・・・・・・・・・・・・14,458・・・・・・・・3,571,444 ・・・・・・・・27,142・・・・・・・・・205
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 総じて低調な客足で、勢いのよかった「バットマン vs スーパーマン」も依然1000を超える劇場数にもかかわらず34万人とは、累計200万人も達していないのに暗雲が立ち込めてきた?
 今回の新登場は3・4・6・9位の4作品です。
  3位「大俳優」は、脇役俳優ながらも昨年初め韓国映画史上初めて累計観客1億人突破という大記録を達成したオ・ダルスの初主演映画。大学路で無名の劇団俳優として20年目を迎えたチャン・ソンピル(オ・ダルス)は、同じ劇団のソル・カンシク(ユン・ジェムン)が国民的俳優として売れていくのを見て、自分もいつか大俳優になると決心します。そこに韓国の代表的監督カンヌ・パク(イ・ギョンヨン)が新しい映画「悪魔の血」の司祭役としてニューフェイスを探しているとの話を聞き、ソンピルは絶好のチャンスとばかりの演技を準備するのですが・・・。もしかしてオ・ダルス自身の経歴も反映されてるのかな? 原題は「대배우」です。
 4位「ミスコンダクト」は、イ・ビョンホンも出演しているハリウッド映画。
タイトルは、データの捏造や改竄、論文の盗用等の科学研究における不正行為の総称。若手弁護士(ジョシュ・デュアメル)は、財力と名声の陰にある秘密を隠した財閥企業の製薬会社会長アーサー(アンソニー・ホプキンス)を相手にした訴訟を引き受けますが、その情報提供者が謎の死を遂げ、その事件の容疑者にまでされてしまいます そこで戦いに乗り出したのが大規模な法律事務所のCEOチャールズ(アル・パチーノ)。また弁護士を追う暗殺者(イ・ビョンホン)も登場。そして秘密は暴かれてゆきます・・・。韓国題は「미스컨덕트」。日本公開は未定のようです。
 6位「ザ・フォレスト」は、富士の青木ヶ原樹海を舞台にしたアメリカのホラー。謎の失踪をとげた双子の姉が日本の青木ヶ原樹海に向かったと知ったサラ(ナタリー・ドーマー)は、日本にやってきて姉が死んだと思われる樹海に足を踏み入れ、真相を探ろうとしますが・・・。ジェイソン・ザダ監督は実際に青木ヶ原樹海に行ってみたそうですが、撮影地はセルビアだったとか・・・。韓国題は「포레스트: 죽음의 숲」。日本公開は未定、かな?
 9位「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング2」は、2002年公開のロマンチックコメディの続編。ギリシャ系アメリカ人女性(ニア・バルダロス)が非ギリシャ系の男性(ジョン・コーベット)と結婚しようとして巻き起こす騒動を描いた前作のその後、ロマンチックコメディ
韓国題は「나의 그리스식 웨딩2」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・グローリーデイ(韓国) ・・・・・・・・・・・・3/24 ・・・・・・・・・・・・・31,144・・・・・・・・・・・172,678・・・・・・・・・・・・1,359・・・・・・・・・292
2(2)・・心が叫びたがってるんだ。(日本) ・・3/30 ・・・・・・・・・・・・・19,511・・・・・・・・・・・・32,635 ・・・・・・・・・・・・・264・・・・・・・・・122
3(13)・・ハイ・ライズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/30 ・・・・・・・・・・・・・・9,710・・・・・・・・・・・・15,856 ・・・・・・・・・・・・・125・・・・・・・・・108
4(33)・・トランボ ハリウッドに最も嫌われた男・・4/07・・・・・・・・・・3,013・・・・・・・・・・・・・6,184 ・・・・・・・・・・・・・・45・・・・・・・・・・47
5(3)・・かみさまへのてがみ ・・・・・・・・・・・・・2/25・・・・・・・・・・・・・・・2,356・・・・・・・・・・・・52,915 ・・・・・・・・・・・・・344・・・・・・・・・・13

 3・4位の2作品が新登場です。
 3位「ハイ・ライズ」については上述しました。
 4位「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」は、「ローマの休日」の脚本、「ジョニーは戦場へ行った」の監督&脚本等々の名作を生んだダルトン・トランボの人生を描いた作品。彼は戦後アメリカの<赤狩り>で投獄されたりして、「ローマの休日」の脚本も他の脚本家の名を借りて世に出したのですね。韓国題は「트럼보」。日本公開は7月です。これは観なくちゃ。


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