首都圏でシーワールドといえば鴨川シーワールド。ソウルだと63ビルにある63シーワールド。 本家はもちろんアメリカのSeaWorldです。
このシーワールドをハングルで書くと씨월드(シウォルドゥ)。씨と濃音になります。平音の시월드でも間違いではないのですが、濃音で書くのがふつうで、63シーワールドも公式に63씨월드と綴っています。また平音だと以下で紹介する<もう一つの意味>にもなるので・・・。
その<もう一つの意味>とは「시가」(シガ)の人たちのこと。シガー(시가.葉巻)は関係なくて(←当たり前だ)、漢字で書くと「媤家」。夫の実家のことで、「媤宅(시댁.シデク)」というのはその尊敬語です。要するに、시월드とは嫁からみて「夫の家族や親戚」のことです。
※ちなみに嫁に行く=시집 가다の「시집」は「媤ジプ」です。
では、なぜ「시월드」が「夫の家族や親戚」のことを指すのかというと・・・。
韓国語では、義父・義母・義祖父・義祖母・義弟・義姉妹をそれぞれ시아버지・시어머니・시할아버지・시할머니・시동생・시누이といいます。(※自分の妹はふつう동생・여동생ですが、義妹も시누이と言う。) 시がつかない例外は義兄=아주버니、義兄・義弟の妻=동서(同壻)くらいのものです。
つまり、婚家(夫の実家)の人たちはまさに「시~」のオンパレード。なるほど、たしかに「시월드」(媤の世界)です。
<ナムウィキ>(→コチラ)によると、「시월드」がこのような意味で用いられたのは、TVではドラマ「棚ぼたのあなた(넝쿨째 굴러온 당신)」(2012年2~9月)が最初とのことですが、それ以前からネット社会では広く用いられていたそうです。(※本筋から外れますが、「棚ぼた」よりも「鴨ネギ」ではないかと・・・。)
その2012年の9~12月にはチャネルAでタイトルからして「ウェルカム・トゥ・シーワールド(웰컴 투 시월드)」と銘打った番組が放映されました。「嫁姑(고부.姑婦)たちが対話を通して葛藤を解決していく」という趣旨の番組で、YouTube(→コチラ)で全部見ることができます。一部見て見たら、やたら吠えまきっていたシオモニがいましたよー。(笑)
・・・というわけで、この言葉が一般化したのはこの2~3年といったところのようです。以前なら「시댁식구들」(夫の実家の家族たち)等がふつうの言い方だったのがこれに変わってきたかも・・・。
さて、上記の番組もそうですが、「シーワールド」と言ってもメインはなんといってもシオモニ(姑)。嫁姑の葛藤は「棚ぼた」以外でも多くのドラマのネタになっています。日本でもどこでも、また古今を問わない問題でしょうね。
先に引用した<ナムウィキ>の記事にもありましたが「며느리는 시금치도 싫어한다」(嫁はホウレンソウも嫌う)とか、「며느리는 시금치도 안 먹는다」(嫁はホウレンソウも食べない)という笑い話もあるそうです。
また、姑によるいびりのストレスで死んでしまった例として挙げられている女性が許蘭雪軒(허난설헌.ホ・ナンソロン)。(←瀬尾文子「春怨秋思 コリア漢詩鑑賞」(角川学芸出版)という本で名前だけは見た憶えがあるなー。) <ウィキペディア>によると、16世紀後半の詩人で、「洪吉童伝」の作者許筠(ホ・ギュン)の姉です。「27歳で世を去った彼女の遺稿の大半は夫や姑たちによって火に投じられた」とか、「中国や日本では古くから知られ、称賛され続けた」が、「儒教に基づく女性蔑視の風潮のあった李氏朝鮮時代では女性が詩を書くという一点のみによって批判され続け」、「朝鮮戦争後、<韓国の紫式部>として再評価される」とのことです。
・・・ということは、儒教の影響が色濃い韓国社会では日本の嫁姑関係よりも問題が深刻なのかな?
うーむ、言葉の紹介だけのつもりだったのが枝葉を付けすぎてしまったかも・・・。
このシーワールドをハングルで書くと씨월드(シウォルドゥ)。씨と濃音になります。平音の시월드でも間違いではないのですが、濃音で書くのがふつうで、63シーワールドも公式に63씨월드と綴っています。また平音だと以下で紹介する<もう一つの意味>にもなるので・・・。
その<もう一つの意味>とは「시가」(シガ)の人たちのこと。シガー(시가.葉巻)は関係なくて(←当たり前だ)、漢字で書くと「媤家」。夫の実家のことで、「媤宅(시댁.シデク)」というのはその尊敬語です。要するに、시월드とは嫁からみて「夫の家族や親戚」のことです。
※ちなみに嫁に行く=시집 가다の「시집」は「媤ジプ」です。
では、なぜ「시월드」が「夫の家族や親戚」のことを指すのかというと・・・。
韓国語では、義父・義母・義祖父・義祖母・義弟・義姉妹をそれぞれ시아버지・시어머니・시할아버지・시할머니・시동생・시누이といいます。(※自分の妹はふつう동생・여동생ですが、義妹も시누이と言う。) 시がつかない例外は義兄=아주버니、義兄・義弟の妻=동서(同壻)くらいのものです。
つまり、婚家(夫の実家)の人たちはまさに「시~」のオンパレード。なるほど、たしかに「시월드」(媤の世界)です。
<ナムウィキ>(→コチラ)によると、「시월드」がこのような意味で用いられたのは、TVではドラマ「棚ぼたのあなた(넝쿨째 굴러온 당신)」(2012年2~9月)が最初とのことですが、それ以前からネット社会では広く用いられていたそうです。(※本筋から外れますが、「棚ぼた」よりも「鴨ネギ」ではないかと・・・。)
その2012年の9~12月にはチャネルAでタイトルからして「ウェルカム・トゥ・シーワールド(웰컴 투 시월드)」と銘打った番組が放映されました。「嫁姑(고부.姑婦)たちが対話を通して葛藤を解決していく」という趣旨の番組で、YouTube(→コチラ)で全部見ることができます。一部見て見たら、やたら吠えまきっていたシオモニがいましたよー。(笑)
・・・というわけで、この言葉が一般化したのはこの2~3年といったところのようです。以前なら「시댁식구들」(夫の実家の家族たち)等がふつうの言い方だったのがこれに変わってきたかも・・・。
さて、上記の番組もそうですが、「シーワールド」と言ってもメインはなんといってもシオモニ(姑)。嫁姑の葛藤は「棚ぼた」以外でも多くのドラマのネタになっています。日本でもどこでも、また古今を問わない問題でしょうね。
先に引用した<ナムウィキ>の記事にもありましたが「며느리는 시금치도 싫어한다」(嫁はホウレンソウも嫌う)とか、「며느리는 시금치도 안 먹는다」(嫁はホウレンソウも食べない)という笑い話もあるそうです。
また、姑によるいびりのストレスで死んでしまった例として挙げられている女性が許蘭雪軒(허난설헌.ホ・ナンソロン)。(←瀬尾文子「春怨秋思 コリア漢詩鑑賞」(角川学芸出版)という本で名前だけは見た憶えがあるなー。) <ウィキペディア>によると、16世紀後半の詩人で、「洪吉童伝」の作者許筠(ホ・ギュン)の姉です。「27歳で世を去った彼女の遺稿の大半は夫や姑たちによって火に投じられた」とか、「中国や日本では古くから知られ、称賛され続けた」が、「儒教に基づく女性蔑視の風潮のあった李氏朝鮮時代では女性が詩を書くという一点のみによって批判され続け」、「朝鮮戦争後、<韓国の紫式部>として再評価される」とのことです。
・・・ということは、儒教の影響が色濃い韓国社会では日本の嫁姑関係よりも問題が深刻なのかな?
うーむ、言葉の紹介だけのつもりだったのが枝葉を付けすぎてしまったかも・・・。
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