11月11日はペペロの日で盛り上がる、という記事を書きましたが、68万人近い若者はそれどころではありませんでした。
翌11月12日は<修能>、すなわち<大学修学能力試験>だったからです。
大学・短大への進学率は86%でフィンランドにつぐ世界2位。
そしてこの<修能>は、国公立・私立を問わず4年制大学の志願者全員がこの試験を受けなければならないので、センター試験受験者数約54万人より、人口が日本の4割の韓国の修能受験者数の方が多いのです。
・・・ということで、タイトルに<センター試験の韓国版>と掲げましたが、いやいやそんなもんではない、国をあげての盛り上がりようは全然日本の比ではないでしょう。
その例をいくつかあげてみましょう。
①いちばんのオドロキが試験当日の交通規制、警察をはじめとする支援体制など。
・試験場前方200mからは車両出入り禁止。受験生は200m前で下りて試験場まで歩く。
※ウィキペディアに詳しく記されていますが、<半径100m>とあるのは<200m>が正しいのではと思われます。(最新の「朝鮮日報」の記事による。)
・受験生は8時10分までに試験場の自席についていなければならないが、事故があれば8時40分まではOK。このため警察1万5000人、タクシー運転手6100人、パトカーとサイドカー3227台を試験場周辺に配置し、市内所々で受験生搭乗車両を優先的に通行させる。主な駅等に<受験生を乗せてあげる所>を設け、試験場を錯覚したり試験時間が迫っている受験生を乗せてやる。緊急の場合は所定の番号に電話すればパトカーやサイドカーやオートバイ、宅配の運転手等の助けを受けられる。
・交通混雑を避けるため、出退勤時間を遅らせる。済州島以外の全国の市と、試験場がある郡では官公署と企業は出勤時間を9時から10時にする。銀行や株式市場もも営業時間を1時間遅らせる。
②聞き取り試験がある午前8時40分~53分、午後1時10分~30分は航空機の離着陸が禁止され、バス、電車等の警笛も鳴らせない。
③<修能>のかなり前からゲンかつぎとか頭の働きに良い(?)食品等、修能関係の商品が売り出される。
定番は、アメですね。これを当日大学の塀とかにくっつけたりする。<くっつける(プッタ.붙다)>という動詞に(試験に)<受かる>という意味もあるからです。
修能関係商品の販売風景、当日のようす等々、コネストのページ中にありました。
【修能祈願・壮元アメ(₩2000)】
④各高校でも、1・2年生が受験する先輩を励ますパフォーマンスをやる。当日のプラカードや鳴り物もあるし、前々日に校内でやったり・・・。
プラカードの文言には「センパ~イ、完全テバク(배박.当てろ)」とか「合格をマルヘバ(말해봐.言ってみて・・・流行語)とか。とくに<テバク>が目につきます。
⑤日本でも湯島天神とかに合格祈願という人はかなりいますね。私ヌルボは、さる天神社で、絵馬に<祈願>じゃなくて<折願>と書いてあるのを発見したことがありましたが・・・。
韓国の神頼み組は「春香伝」の舞台・南原の広寒楼の壮元及第壇(祈願所)に行ったり、科挙に壮元合格した儒学者李栗谷(5000ウォン札の肖像)の生家の、江陵の烏竹軒に行ったりしているようです。
※<壮元>とは科挙の首席合格のことです。
⑥新聞等マスコミの扱いも大きい。
・前日の新聞には、試験当日の受験生の朝食について大きな記事が載っていました。「冷たいミルクやコーヒーは禁物」とか、「携帯していい物・いけない物」とか。
※携帯電話は過去カンニングに用いられたこともあり禁止。試験中トイレに行くのはいいが、金属探知機でチェックされる。それでも今回も100人以上も不正行為がみつかったそうで・・・。
・当日の朝刊も「朝食は極力食べて行くことですよ。ビビらないで、落ち着いて・・・」とかの老婆心的な記事が載っています。
ここで私ヌルボがツラツラ考察するに、このように<修能>が一大国家イベント化しているのは、過去の長い科挙の伝統があるのではないでしょうか?
個々の受験生の私事というより、国に有用な人材を国が選考するという公的な制度という意識が強いのでしょうね。上記の<壮元>という言葉も、それなりに残っているように思われます。
※10年ほど前、韓国の新聞を見ていたら、たしか1面トップに「現代(ヒュンデ)の鄭周永会長の孫娘、梨花女子大に首席合格」という大きな見出しがあってビックリしたことを思い出しました。
翌11月12日は<修能>、すなわち<大学修学能力試験>だったからです。
大学・短大への進学率は86%でフィンランドにつぐ世界2位。
そしてこの<修能>は、国公立・私立を問わず4年制大学の志願者全員がこの試験を受けなければならないので、センター試験受験者数約54万人より、人口が日本の4割の韓国の修能受験者数の方が多いのです。
・・・ということで、タイトルに<センター試験の韓国版>と掲げましたが、いやいやそんなもんではない、国をあげての盛り上がりようは全然日本の比ではないでしょう。
その例をいくつかあげてみましょう。
①いちばんのオドロキが試験当日の交通規制、警察をはじめとする支援体制など。
・試験場前方200mからは車両出入り禁止。受験生は200m前で下りて試験場まで歩く。
※ウィキペディアに詳しく記されていますが、<半径100m>とあるのは<200m>が正しいのではと思われます。(最新の「朝鮮日報」の記事による。)
・受験生は8時10分までに試験場の自席についていなければならないが、事故があれば8時40分まではOK。このため警察1万5000人、タクシー運転手6100人、パトカーとサイドカー3227台を試験場周辺に配置し、市内所々で受験生搭乗車両を優先的に通行させる。主な駅等に<受験生を乗せてあげる所>を設け、試験場を錯覚したり試験時間が迫っている受験生を乗せてやる。緊急の場合は所定の番号に電話すればパトカーやサイドカーやオートバイ、宅配の運転手等の助けを受けられる。
・交通混雑を避けるため、出退勤時間を遅らせる。済州島以外の全国の市と、試験場がある郡では官公署と企業は出勤時間を9時から10時にする。銀行や株式市場もも営業時間を1時間遅らせる。
②聞き取り試験がある午前8時40分~53分、午後1時10分~30分は航空機の離着陸が禁止され、バス、電車等の警笛も鳴らせない。
③<修能>のかなり前からゲンかつぎとか頭の働きに良い(?)食品等、修能関係の商品が売り出される。
定番は、アメですね。これを当日大学の塀とかにくっつけたりする。<くっつける(プッタ.붙다)>という動詞に(試験に)<受かる>という意味もあるからです。
修能関係商品の販売風景、当日のようす等々、コネストのページ中にありました。
【修能祈願・壮元アメ(₩2000)】
④各高校でも、1・2年生が受験する先輩を励ますパフォーマンスをやる。当日のプラカードや鳴り物もあるし、前々日に校内でやったり・・・。
プラカードの文言には「センパ~イ、完全テバク(배박.当てろ)」とか「合格をマルヘバ(말해봐.言ってみて・・・流行語)とか。とくに<テバク>が目につきます。
⑤日本でも湯島天神とかに合格祈願という人はかなりいますね。私ヌルボは、さる天神社で、絵馬に<祈願>じゃなくて<折願>と書いてあるのを発見したことがありましたが・・・。
韓国の神頼み組は「春香伝」の舞台・南原の広寒楼の壮元及第壇(祈願所)に行ったり、科挙に壮元合格した儒学者李栗谷(5000ウォン札の肖像)の生家の、江陵の烏竹軒に行ったりしているようです。
※<壮元>とは科挙の首席合格のことです。
⑥新聞等マスコミの扱いも大きい。
・前日の新聞には、試験当日の受験生の朝食について大きな記事が載っていました。「冷たいミルクやコーヒーは禁物」とか、「携帯していい物・いけない物」とか。
※携帯電話は過去カンニングに用いられたこともあり禁止。試験中トイレに行くのはいいが、金属探知機でチェックされる。それでも今回も100人以上も不正行為がみつかったそうで・・・。
・当日の朝刊も「朝食は極力食べて行くことですよ。ビビらないで、落ち着いて・・・」とかの老婆心的な記事が載っています。
ここで私ヌルボがツラツラ考察するに、このように<修能>が一大国家イベント化しているのは、過去の長い科挙の伝統があるのではないでしょうか?
個々の受験生の私事というより、国に有用な人材を国が選考するという公的な制度という意識が強いのでしょうね。上記の<壮元>という言葉も、それなりに残っているように思われます。
※10年ほど前、韓国の新聞を見ていたら、たしか1面トップに「現代(ヒュンデ)の鄭周永会長の孫娘、梨花女子大に首席合格」という大きな見出しがあってビックリしたことを思い出しました。
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